稲子岳南壁左カンテ(会員山行)

日程   2024年5月19日
メンバー Y内、I村、A木(L・記録)

日々温かくなりいよいよクライミングの季節、ということで久しぶりのマルチピッチを登りに稲子岳へ行ってきました。

朝3時、Y内さんをピックアップして浦和を出発。途中でI村さんをピックアップ。
順調に上信越道を進みます。
Y内さんが仕入れた情報によると、八ヶ岳近辺はウルトラマラソンの当日らしく、目的地の稲子湯もエイドステーションとして使用されるとのこと。その影響で登山口となる「みどり池駐車場」が満車でないことを祈りつつ現地到着は5時半ごろ。
なんとか数台の空きスペースがあり安心。

駐車場はまだ空きがあった。よかった・・


身支度を整えて6時スタート。あっという間にシラビソ小屋に到着(汗だく)。小鳥たちを愛でつつ、どんよりとした空を見上げる。夕方からの雨予報は少し早まるかもしれない。そんな予感で先を急ぐことに。

しらびそ小屋にて

その後は稲子岳の岩場までのアプローチ。当初予定のルートは急登のザレが延々と続くとの情報もあり、(昔行ったことのある)I村さんの助言により通常のルートよりも高い位置からトラバースすることに。薄い踏み跡ながらも問題なく取付きに到着できた。

登攀については、I村さんの計らいで、今回がお初のY内さんとA木がリードさせていただくことに。
1P目の出だしでちょっとだけ躊躇したものの、あとは順調に登攀。トポでは6Pということでしたが、豊富なピナクルや残置を利用してすこし長めにピッチを切ったこともあり合計4Pで登攀を終えた。

1ピッチ目。1手だけすこし出しにくいところがあった
2ピッチめ終了点
Y内さん、軽快に登る
最終ピッチI村さん、全体を通してサクサクと。さすがです。
登攀終了。眺めよし!
あとはザレを登ってピークへ
控え目すぎる山頂標識

最終ピッチを終えると、パラパラと雨が降り出して岩もそれなりに濡れる状態に。メンバーの皆さんのおかげでタイミングよく終えることができたことに感謝。
下山はそれなりに明瞭な踏み跡をたどり「にゅう」を経由。にゅうのピークではモデルさんらしき方の大変美しい撮影を横目に我々もとりあえず集合写真をパチリ。

にゅうピークにて。それぞれ「にゅう」「NEW?」「パン??」と思い思いのアイテムを手に。
※一部画像処理しています。

その後は石楠花尾根をスタコラと(というほど早くはないのですが)下山。アフターは稲子湯にて汗を流して一路埼玉へというつもりでしたが・・・やっぱり途中でナナーズ(長野のスーパー、とても品ぞろえがよい)に立ち寄り家族への?お土産を購入して帰路につきました。

長くはないルートではありますが景色もよく、今シーズンのスタートとして大変気持ちのよいクライミングとなりました。ご一緒いただいた皆さんに感謝です。(A木)

春合宿後半 A隊 奥穂高岳南陵~前穂高沢下降

後半組の岳沢入りや最終日5日のAB合同山行は、U田さんの記録を参照。

A隊の山行記録 日程:2024/5/4 A隊メンバー:I村さん(L) T橋(記)

岳沢小屋3:30₋取付き3:50₋ルンゼ分岐5:00₋トリコニ―1峰6:45₋2峰7:30₋南陵ノ頭8:30₋奥穂高岳8:45₋南陵ノ頭9:30₋前穂高沢分岐11:35₋南陵取付き12:50₋岳沢小屋13:05

前半組から奥穂南陵の状況について事前に情報をもらっていましたが、数日で融雪はかなり進んだようでした。岳沢入り直後に、ビールを飲むB隊を恨めしく思いながら取りつきを偵察。下部は雪が割れて乗り移れない状況でした。取付く場所を決めてロープをデポして明日に備えてビールを求めて小屋に戻ります。

雪が融雪で割れている。写真奥に向かってトラバースして草つきにロープをデポした。

取付きまでは後ろにたくさんのパーティがいましたが、取付いてからはあっけにとられるほど後続はいなくなりました。ルンゼ分岐を過ぎたところで2人組の強そうなメンバーに抜かされましたが、その後は誰も来ることはありませんでした。南陵の頭でヘリが飛んできていましたが、南陵の下2600mあたりで滑落があったようでした。

暗い中草付きの壁にとりつく
私らはリッジにいるけど、何やらルンゼをすごい勢いで来る2人組
雪稜を登ったり
草付きを登ったり
岩を登ったり(ハイマツの切れ目の岩から登り始める。悪かったのでここだけロープを出した)
アイゼンをきかせて登る
トリコニー1峰を登りはじめ
気持ちの良いクライミング
7時の定例報告。前穂高山頂にB隊がある様子
たぶん2峰の上。ここは下からまいた。
急な雪稜をテクテク歩いて南稜の頭
山頂からの景色最高!

吊り尾根はトラバース祭りでヤバイと情報をもらっていましたが、雪はほとんどなく、アイゼンを外して歩けるほどでした。

夏道がでていた。
快調にくだる
前穂沢の降り始めは急なのでクライムダウン
景色を見ながらずんずん下降するが長い…

沢を降りきった所で雪が切れてしまい、前半組が、懸垂したというポイントを探すが見つからず。少し登り返して取り付きで使った草つきに上がって、朝上がったルートに戻りました。あとは、小屋での生ビールを目指すだけです。

岩陵と雪稜のミックスで楽しく、良い景色も堪能できて最高でした。I村リーダーありがとうございました。

ランチの生パスタを求めて小屋に戻りましたが、荷物を整理してからオーダーに行くと13時30分までと言われてしまいました。まだ、25分でしたが…。そのため、翌日、下山前の宿題となりました。(無事に達成!Bチームの記事に写真あり。)

サギダル尾根(会員山行)

天気晴れ→曇天

メンバー〈Aチーム:K(L)、N、T(記)〉〈Bチーム:Y(SL)、F、A〉

9時20千畳敷駅スタート 9時40取付到着 1P 10:10-10:18、2P 11:08-11:30 3P 11:40-11:50(トップのログ参照) サギダル頭全員登頂12:17

6名でサギダル尾根~宝剣山の計画。上記メンバーでチーム分け。ロープ1本ずつに途中でグローブヒッチでつないで数珠で登攀しました。

 菅の台からのバスの混雑も考慮し、菅の台Pに3名前泊しました。5時に起きた時は、まだバス停のベンチにはザックは一つもなかったのですが、6時前にザックを置き始めたら、あっという間にベンチがザックでいっぱいになっていました。

バスに一番乗りで、ロープウェイ乗り場に向かいます。バスに乗っていると何やら背後に殺気を感じると思ったら、鋭いオーラをまとった瞑想中のN先輩が後ろにいました。(車内ミラー越しに確認)

ロープウェイを降り神社⛩️の前で準備中に、3人パーティに先を越されましたが一組くらいなら、渋滞もないと思っていたら、取り付きに6人パーティを確認。おそらく、千畳敷に前泊したと思われますが、それならもう少し早く発ってくれたらと、後で全員が思いました。

1P目を待つAチーム。準備は万端。
Bチームとさらに後続パーティも待ちです。

1Pは正面の岩峰を右から上がっていきます。平たい高い岩が終了点になります。特に難しいところはありません。岩の左下あたりにも捨て縄が見えます。1P目を左から周り込むルートもあるのかもしれません。

先行パーティのお二人。

2Pは核心ですが、ここでも待ちの後スタート。Tがトップで行かせてもらいましたが、核心の岩場を乗越すところでフォール。小さいスタンスに置いた左足が外れ、思いっきり後ろに荷重をかけて勢いをつけていたので、手もはずれて落下。乗越のところにハーケンが打ってありそこにかけたランナーに救われました。幸い怪我もなく、落下した岩の側壁を登り返し復帰。慎重にフォール箇所をクリアし、その後は5mくらいのナイフリッジを超えて終了点に到着。

写真は先行の3人パーティのトップが2Pの核心を超えたところ。

終了点としてた場所は斜面で前パーティが待機していたので、立木でビレイして後続を迎えます。狭いので縦列で各自が立木でセルフ確保します。

3Pはほぼ雪稜歩きです。サギダルの頭の岩でビレイし後続を迎えました。

傾斜はあるが雪もあって快適に登れる
いい景色とナイス笑顔!

 全員が登頂した時間が12時を回っており、天気も曇天になってきたので、記念撮影をして早めに降りることに決定。残念でしたが、宝剣は次の宿題となりました。

宿題となった宝剣もバックに
檜尾岳方面をバックに。このルートも行ってみたい。

 極楽平の手前からトラバース気味に下りはじめます。雪は少し重くツボ足跡に足をとられつつもサクサク下っていきます。振り返るとガスが追ってきて真っ白な背景になっていました。

振り返ると真っ白

ロープウェイを待つ間に信州リンゴスフレをいただき、入浴後、さらに明治亭のソースカツ丼をたいらげて、最後は大満足のグルメツアーになりました。

南アルプスを眺めながら映えなスフレをいただく

インシデントレベルのトラブルがありましたが、無事に山行を終えられてよかったです。次回宝剣に向けて精進したいと思います。ありがとうございました。

ジョウゴ沢偵察と阿弥陀岳北稜(個人山行)

T橋(リーダー、記)、Otti(会員外)  天気晴れ 風なし 

29日13:00発 13:30F1 13:50F2 14:10抜け口 14:50懸垂開始 15:10F2 16:00終了

30日6:30発、7:10阿弥陀岳分岐 8:00ジャンクションピーク 8:30第一岩峰8:30 待ち30分 9:20第二岩峰 待ち10分 10:10阿弥陀山頂 10:50中岳コル 11:00阿弥陀分岐 11:10行者小屋11:40赤岳鉱泉

年末赤岳鉱泉泊で行ってきました。会のメンバーとは調整がつかなかったので、友人と楽しんできました。初日は諸事情で午後1時頃に鉱泉を出発してジョウゴ沢に向かいました。アプローチは雪がないので右岸をふつうに歩いていきます。F1は日当たりも良いため、ポタポタと水が滴っています。

F1。右側をフリーで上がりました。

F1左側は3人パーティが講習を始めたので右側をフリーであがってF2へ向かうと、F2の手前の左側の2本のルンゼがしっかり氷結しています。

F2。右はとても薄く水が流れています。
F2手前にある左側のルンゼ
支尾根から見えた登ってきたルンゼ
もう一つ手前のルンゼに出て懸垂でおりる

F2も同じようにポタポタで先行が1組あり、登れるラインも微妙だったので、ルンゼで遊ぶことにしました。下から見ると上部が立ってそうに見えたので、階段状になっているナメ滝をフリーで少し上がってみるとどこまでも階段ナメです。気が付くと上に抜けていました。支尾根をひとつ超え、藪をトラバースして、足場の悪い岩場を少し降りて、もう一本のルンゼから懸垂でおりました。夕飯まで時間が少しあったので誰もいなくなったF2を1本ずつ登って鉱泉にもどりました。

鉱泉では、退会したSさんとMさんのお二人とバッタリ。久しぶりにワイワイして一緒に飲みました。

翌朝、不要なアイスアックスや縦爪アイゼンは鉱泉にデポして阿弥陀岳北稜に出発。前日濡れたロープが乾いておらず重い。雪はとても少なく、トレースもしっかりあります。夏道から北稜の尾根にあがりジャンクションピークにでます。そこから急な雪渓・・のはずですが、草付きのような状態でした。第一岩峰までノーロープで行きましたが、メンバーによっては雪渓(草付き)もロープ確保が必要です。

北陵を俯瞰。ここから雪稜の急登のはずが雪無さすぎで草つきの登攀になる
草つきを上がり切った所、このすぐ先が第一岩峰

先行パーティ二組いたので少し待ちがありましたが、寒くなかったので快晴の景色を堪能できてしまいました。

ハーケンとペツルがうってありました
富士山🗻が良く見えて気持ち良いです
ナイフリッジも雪がないので少し歩きづらい
山頂も雪がぜーんぜんありません。

山頂からはお馴染みの360度パノラマでした。中岳コルまでの下山道は一部凍っているところもあり、北陵より緊張しました。雪がなく雪崩れる心配のない中岳沢で一気に行者小屋までもどって赤岳鉱泉で荷物を回収して駐車場に向かいました。トレースあり、お天気も良く楽ちんに楽しめましたが、雪無さすぎですね。

黒岩と相馬岳北陵(会員山行)

天気両日ともに晴れ 風弱い

メンバー Tハシ(L、記)、Aキ(装備)、Iムラ(食)

11月最後の週末はグンマちゃんのお膝元でフリーとバリエーションを楽しんできました。25日は黒岩、26日は妙義山域の相馬岳北陵です。

25日黒岩。榛東のセブンに8時半に集合して榛名山黒岩に向かいます。お天気は良い予想でしたが、風が強くてフリーができない場合に備えてアイゼントレの準備していきましたが、杞憂に終わりました。

南面の練習岩で一本ずつ登って、「チェス5.10a」がある東面へ移動。先行者がいたので、「あの日に帰りたい5.8」を登って待ちます。東面は岩が冷たくて手が痛くて痺れます。私はカンテを上る時に手を滑らせて、落ちて振られた時に小指を切ってしまいました。「チェス」はムーブの正解をだすまでが核心なようで、初見RP狙いのAキさんは、なかなかムーブの正解が出せず、めちゃくちゃ粘っていましたが、手も冷たいわ、痛いわでかなり力を吸われてしまいRPならず。IムラさんにTPを張ってもらい、ムーブの正解を教えたもらっても私はリーチが足りず、ヒーヒーでした。その後「夏子5.8」「西陵Ⅳ」をそれぞれ登りました。「西陵」はバツがつけられた浮石が数個ありますが、カンテ沿いで易しく気持ち良い高度感を楽しめました。

最後に前回課題だった大スラブ右ルートにトライするも、陽が落ちて寒くなり、時間切れとなりました。その後、スーパーで食材購入して、裏妙義の国民宿舎の駐車場へ移動しテントでIムラさんの仕込んだ鍋とそれぞれの手作りおつまみで宴会して就寝。食べるのに夢中でご馳走の写真取り忘れました。。

26日相馬岳北陵

6:30取り付き-7:40 P2辺り-8:35 P6-9:30 P7-10:00 P11-11:20 P12-11:55 仙人窟-12:50 相馬岳山頂-14:00 覗き窓-14:45 旧国民宿舎

4時半起床、朝食は昨日の鍋の出汁でうどんです。たっぷり食べて6時過ぎに、車で取り付きまで移動。取り付きは木にリボンがあり明瞭。尾根末端から急登です。尾根つたいに所々ピンクテープがあります。P2が見えるP1あたりまで尾根沿いでわかりやすいです。

朝日を浴びる丁須の頭や紅葉に癒されながら、ふくらはぎに効くきっつい傾斜を登ります。

P2と思われる場所を下った後、左方向は奥まで岩壁が続いていて、越えられるところが見たらず、少し西よりに戻り越えられそうな高さの岩を乗越して尾根に戻りました。そこからは妙義らしいキレッキレのキレットを3ヶ所通過。3番目はP5-6のキレットですぐにP6の下に出ます。

P7のキレットへ懸垂で降りると先行パーティーがいました。P7は岩がデコボコしていてホールドには困りませんが、ポロリしそうであまり信用できません。少し待ってからAキさんがリードで行きます。2番手は私がタイブロックで、3番手はIムラさんがフォローで登ります。上がり切る手前は土壁で少し悪く、一つだけペツルが打ってありました。Aキさんが登った後、先行パーティと盛り上がっている声がしましたが、なんと知り合いの無名山塾の方々でした。すごい偶然です。

P7から細いリッジのアップダウンを30分くらい歩くとP11に出ます。ピークに出るたびに紅葉と妙義の景観におぉ~となり写真を撮りがちで同じような写真がフォルダにたまっていきます。P11のピークはさらに日当たりも良く、広くて居心地がよいです。ここでも、無名山塾の方々と楽しく談笑しながら待ちます。でも、P12の取り付きに懸垂で降りてしまうと日陰になってしまい寒くて凍えました。50mロープで足りるラインを先行パーティに教えてもらい懸垂下降しました。

 P12はこのルートの核心です。リードはAキさんが行きます。傾斜のきつい土壁の後、クラックの入った高さのある岩が核心。カムを決めて難なくクリア。さすがです。タイブロックでの2番手はIムラさんと交代して、私は最後に安全にロープを結んでフォローで登らせてもらいます。レイバック気味にすると行けそうだけど、足が遠くて怖いので鎖でA0して登りました。核心のところにスリングが二本残っていて回収してから登ったけど、もしやA0もしくは足掛かり用に残してくれたものだった?メンバーの優しさに気づかなかった。。。鎖は細い立木の根本に巻いてありました。こわ〜。P12からの下降は細いリッジを降りて、悪いトラバースを少しすると懸垂ポイントがあり、そこから懸垂しました。踏み跡もありましたが、懸垂が安全だと思いました。懸垂のあとも落ち葉に埋もれた細い箇所をトラバースします。アーチ状になった仙人窟の上にでて、ハサミ岩の基部の下を通って、相馬岳山頂に向かいます。

相馬岳からの下降も油断できません。急なザレタ斜面や長い鎖場をクリアして1時間ほどで覗き穴に到着。覗き窓から歩いてきた北陵が望めます。良くあんなとこ歩いたなとか思います。覗き窓のところは、すごいバランスで岩がルーフになっています。崩れたら間違いなく下敷きで即死。。とか恐ろしいことを想像しながら休憩。その後も岩を登ったり降りたりしながら、標高を下げ無事に国民宿舎に戻ってきました。

帰りに前回、木戸岩に来た時に購入出来なかった、下仁田ネギ直売所でラス1のネギをゲット。思ったよりお高くてびっくり。道の駅妙義でお決まりになりつつある、椎茸もゲットし解散となりました。

噂に違わない、ピリッとした楽しいルートでした。クライミング技術だけではなく、悪場を安全に通過するハートと技術が必要なバリエーションルートでした。パーティメンバーに感謝します。ありがとうございました。

北岳 バットレス4尾根主稜

日程      2023年9月15日(金)~16日(土)
メンバー   Iさん(L)、A(記録)

Iさんのお誘いで盆休みに計画したものの、台風の接近で延期となった北岳バットレス。
聞けば土日の込み具合はかなりのようで、それを避けるために3連休の前日からの計画となりました。

今回も気になるのは天気。9月とは思えない夏山の気候が続いており、いずれの日も午後は不安定。とはいえ、そこまで激しくは崩れないだろうということで、とにかく行ってみることに。

■Day 1(芦安→広河原→白根御池小屋<テント泊・小屋食>)
早朝6時、Iさんの車で芦安駐車場に到着。
7時の乗り合いタクシーに乗車し、広河原に到着。

キレイに整備された広河原山荘に驚く。考えてみれば、私が前回ここに来たのは10年以上前。一般路を利用して広河原から白根三山を経て奈良田に至る行程でした。
そのときに「いつかは」と思ったバットレスに挑戦する日がついにやって来たのだと感慨もひとしおです。

通常のテント泊装備+お酒にクライミングギア(どれくらい必要かわからなかったので、いつもより多い・・)の重さも加わって、ザックはなかなかの重量に膨れ上がる。前回こんなにしんどかったかな・・と思いつつ、ぐいぐい進むIリーダーの後を続く。やっぱり少しペースは速めだったようで、予定よりも早い2時間弱で小屋に到着。テントを広げたのちに昼食を済ませて、翌日の下見に向かう。

いよいよスタート。吊り橋効果もあって?ドキドキ。


先述のとおり、明日は午後の天候の崩れが気になる。4尾根は非常に人気のルートでもあり、渋滞回避のためには是非とも当日1番乗りを果たしたいところ。
4尾根にたどり着くルートは複数あるが、Iリーダーの読みでは「第5尾根からアプローチするルートが最近は一般的なので、他のパーティーがあまり入らないBガリー大滝からであれば、早出は前提ながらも順調にいけば一番乗りできるだろう」とのことで、今回はBガリーを詰めることに。

途中、錯綜する踏み跡に若干と惑わされながらも、特に問題なく大滝まで到着。翌日使用するギア類をデポして小屋に戻る。

初日はこれで日程終了。おいしいビールで乾杯し、小屋の食事(と地酒!)を楽しんでテントに戻る。ウトウトしたころに雨音で目が覚めるも、パラリと降る程度ですみ一安心でした。

Day 2 (白根御池小屋→バットレス→北岳→広河原→芦安)

朝は2時に起床。小屋が用意してくれたお弁当をいただき、予定よりも早く2:40に出発。

満天の星空のもと、Bガリーへと向かいます。暗い中での行動でしたが、下見を行っていたおかげで、ほぼ迷いなく取り付きに到着。装備などを整えつつ朝日を待ちます。

あたりに日が差し始め、いよいよ登攀開始。


日の出とともに登攀開始。大滝はIさん→Aのツルベで2ピッチ切ったところで草付きに向かう明瞭な踏み跡を発見。そちらを経由してCガリーに到着。ヒドゥンスラブと横断バンドの選択肢の中から、スピード重視で後者を選択。途中トポ図にある2ピッチを経由して第4尾根取付きに到着。

お待ちかね。こちらが4尾根の取付き。クラックがすこし難しい。

ルート選択と早出の効果もあって4尾根には誰の姿もない。どうやら1番乗りだ!

Iさんからは1ピッチ目のリードを譲っていただき感謝。ツルっとしたクラックに少し手間取りつつも何とか無事に終了点に到着。見渡すとまさに絶景。雲海に富士。

ここに来たものにしか見ることができない景色だ。

その後はさくさくとツルベで進み、ついに噂のマッチ箱に到達。懸垂したのちに枯れ木のテラスを目指す。

マッチ箱と登攀中のIさん。すごい高度感だ。

枯れ木のテラス付近は大崩落のせいでかなり高度感のあるナイフリッジ。下を覗いてゾゾーっと肝を冷やしながら、最終ピッチの核心部「城塞ハング」へ。

ここもIさんのはからいで、私がリードさせていただく。前傾しているだけでなく、前日の雨のせいか微妙にしっとりとしていて嫌な感じでしたが、たくさんあるハーケンとカムを駆使して安全確保。Iさんのアドバイスに従って、足に荷重を逃がしながらなんとかクリア。

おかげさまで、はじめてのバットレスは無事に登りきることができました。(が、セカンド引き上げの際に痛恨のロープトラブル・・・Iさん、助けてくれてありがとうございました)

その後の詰めは20分程度。頂上で記念撮影した後は下山開始。さすが3連休初日というだけあって、登山者が多いこと多いこと。広河原の最終バスに間に合うか、すこし心配しましたが何とか無事に下山することができました。

山頂で記念撮影!(個人情報保護のため画像処理をしています)
ピークではIさんの知り合いにばったり遭遇。偶然ってすごい。

以上、快晴の北岳バットレスでした。ご一緒いただいたIさん、ありがとうございました!!
==
<記録>
Day 1;2023年9月15日(金曜日)
 07:00 芦安駐車場
 07:50 広河原
 09:40 白根御池小屋
 12:30 Bガリー大滝
 14:00 白根御池小屋

Day 2;2023年9月16日(土曜日)
 02:45 白根御池小屋
 04:45 Bガリー大滝
 07:30 4尾根主稜取付き
 11:40 北岳山頂
 13:40 白根御池小屋(テント撤収)
 16:10 広河原

<備考>
なお、下山後に立ち寄ったトンカツ屋さん、量も味も最高でした。
ライス&キャベツもしっかりお代わりしてばっちり栄養補給。2日間の消費カロリー分くらいは摂取できたと思います。
とんかつ屋 一力


北岳バットレス4尾根(個人山行)

メンバーT、m3(会外)、お天気晴れ、激乾き

4時白根御池小屋 4時25二俣 5時50bガリー大滝取り付き 7時15横断バンド 8時30取り付きテラス 11時30登攀終了 12時山頂

バットレスといったらこの写真らしい。マッチ箱の上でフォローをビレイ。先行パーティが撮ってくれました。

個人山行でジム仲間と憧れの北岳バットレスに行ってきました。Aさんも行きたがっていたので、少し抜けがけです。いや、偵察を兼ねて行ってきました。

アプローチ核心のバットレス。m3の数十年前の記憶は相当あやしいのでGPSを活用。にもかかわらず、bガリー大滝までは、ほぼスムーズに到着したが、その後から、踏み跡を見逃して行きすぎたり、目の前にテラス手前のスラブがあるのに、やたら悪いフェイスを登ったり、なんやかんやで1時間以上ロスして取り付き到着。

bガーリーへのとりつきへ向かう。大岩を過ぎたあとの草付き
振り返ると二股の雪渓はずいぶん下になってた
bガリー大滝2p目の終了てん点。ここから踏み跡を辿って横断バンドを目指すが、迷う
4オネと赤ペンキでかかれてるが、横断バンドをそのまま進むと容易にテラスに出られるルートがあると聞いていたので、矢印の方には進まずに行ってみた。
トポにもあるクラック。支点があり。写真は4mくらい上がったところのテラスの支点。上を見上げると行けそうだけど容易に?行ける感じはしないので、もとのペンキのところまで戻る。
左側のコケコケがヒドンスラブ。正解はスラブを左によりに登って行くと良いのだけど、なぜか右のフェイスを登らされ、トラバースした。
テラスについてからは快調。1p目から行かせてもらい、リッジからフェイスに出るハイライトのマッチ箱も行かせてもらった。
先行パーティ。枯れ木テラスの下でピッチを切ってたけども私達はテラスまで上がってピッチをきった。
枯れ木テラスからのトラバース。渡り途中でポーズ
無事山頂到着!

コンディションもよく、ホールドもしっかりしていて登りやすかったです。次回は会員山行でアプローチを間違わずに行きたい!みなさんお付き合いお願いします。

マルチピッチクライミングトレーニング@越沢バットレス

2021年5月23日(日) 参加者:K、K、N

バリエーションルートの山行に向け、新入会員Kさんも含めて3名でマルチピッチクライミング練習を行いました。最初のアプローチで誤ってアルパインルートを辿ってしまい、稜線に出たために懸垂下降からスタート。右ルートと、第2スラブルートを登りました。(前日夜に降った雨で岩場は濡れていて、緊張感のある登攀練習となりました)

新人にとって良い経験となったのはもちろんですが、久々の岩場で、ルートファンディング等々含め、ミスの許されない環境での登攀は参加者全員にとって良きトレーニングとなりました。

鳩ノ巣ガーデンキャンプ場側からアプローチ
渡渉ポイント
目の前の鎖につられて+踏み跡をたどってアルパインルートへ入り込んでしまいました。
アルパインルートの鎖場
稜線上です
懸垂下降の準備中
懸垂下降ポイントとなる立木
ここを降りていきます。岩が濡れています。
下から見上げた最初の懸垂下降部分。一部空中懸垂。
下段部分の懸垂下降
利用料金入れ
屋根の下でクライミングの準備
右ルートの取り付きでロープをセット
右ルートⅠピッチ目上のビレイポイント
右ルート中盤。結構な高度感ありです
右ルート2ピッチ目
セカンドを引き上げる
余裕のポーズ
右ルートの3ピッチ目途中から。ビレイポイントを見下ろす。大きなテラス。
右ルート終了点直下
2回目の懸垂下降。下段の出だし。
懸垂下降
ハイステップで乗り込む
第2滑り台ルート。中間ビレイポイント直下
 
第2滑り台ルートの3ピッチ目を見上げる。逆層っぽく難しそうに見えるが案外とホールドはある。
3ピッチ目を登ってるところ。ビレイヤー側から見た様子
第2滑り台ルートの3ピッチ目ビレイポイントの小テラスにて
先ほどの小テラスを滑り台途中から見下ろすとこんな感じ
滑り台の3ピッチ目上部
第2滑り台ルート登攀終了
装備一式を片付けて、下山します。
沢沿いの下山路
頭上の丸太の橋の上は怖くて渡れず
渡渉2回でした
林道まで無事に戻りました!