井戸沢(会員山行)

日時 2024年7月13日(土)

メンバー:Y内さん(L)、K村さん(気象)、U田(記録)

7:10 駐車場 - 8:30入渓 - 11:30 流石山 - 13:40 三斗小屋 - 15:20 駐車場

癒し系の沢ですとお誘いいただき、那須の井戸沢へ。直前まで予報が不安定だったため中止するかぎりぎりの判断になりましたが、思った以上によい天気に恵まれ1日楽しむことができました。

ゲートまで車でアプローチ
木でできた石堤(?)が入渓地点の目印

一番最初の15m滝。ここは登らず右を巻きます。巻き道にはお助けシュリンゲが設置されていましたが、それでも体が上がらずY内さんに肩を貸していただきどうにか通過。

次の15m滝は左の水流沿いを登ります。しっかり段差がついてそうに見えましたが、登ってみると思った以上にヌメっており、手をしっかり取れるとこもなく、冷や汗が出てきました。

「癒し系」とは……?という気持ちになりながら遡行を続けます。

ルート上一番大きい18m滝でロープを出します。遡行図では「左が階段状になっていて簡単」と書いてありましたが……。

敢えて右を攻めるY内さん。

下からだと中段で簡単にトラバースできそうに見えましたが、登ってみるとヌメりがすごく、とてもトラバースはできそうにない状態で納得しました。滝は下から見ても登ってみないと全然分からないな~と勉強になります。

18m滝を終え、ここは全然癒し系の沢ではない……と思い始めた頃に、スラブ状の開けた沢が稜線に向かって続いていました!

沢沿いにはニッコウキスゲやイワギボウジが咲いており、花を眺めながら沢登りができるなんてと不思議な感覚になります。

ツメは優しい藪漕ぎ

ガレと藪のツメを終えると、登山道に合流。こんなに開けた稜線に出る沢登りははじめてだったため、感動しました。

流石山山頂で沢装備を解除。登山道を縦走してきた方に、熊がいたとの情報をいただきました。
霞んではいましたが、遠くには茶臼岳も。

あとは登山道で下山するだけ!と思いましたが、ここからが地味に長い。途中三斗温泉に寄り道してみたところ思った以上に雰囲気がよく、しばらくまったりと休憩してから駐車場まで戻りました。

今度はテン泊でまったり温泉に入りにきたい大黒小屋

開けた沢を遡行して森林限界を超えた稜線に上がるという、沢登りと登山のいいとこどりをしたような素晴らしいルートでした。(癒し系であることを疑ってしまいすみませんでした。)

また個人的に、遡行図と照らし合わせてルートを探すのが最近の沢の楽しみでしたが、遡行図ガン無視で攻める姿勢もバリエーションならではだなと勉強になりました。Y内さんK村さんありがとうございます!

南八ヶ岳縦走(会員山行)

メンバー:I澤(L)
日程:2024年7月13日(土)-15日(月)
1日目:11:00観音平-14;30編笠山-15:00青年小屋
2日目:5:00青年小屋-6:15権現小屋付近-7:35キレット小屋-9:40赤岳-12:35硫黄岳-14:50東天狗岳-16:30黒百合ヒュッテ
3日目:6:20黒百合ヒュッテ-8:45稲子湯

2泊3日で南八ヶ岳を縦走してきました。本当は北八ヶ岳まで入りたかったのですが、次の日は仕事ですし、無理なく帰宅しようと思い、今回の計画になりました。
八ヶ岳は、初めて上高地に行って"岳沢小屋までしか登れなかった旅"の帰りの電車内で、八ヶ岳に向かう2人組の登山者を見て、いつか行ってみたいと思い憧れていた山でした。
話は変わりますが、電車に揺られて山に向かって、そして帰ってくるっていいですよね。家を出た瞬間から旅が始まる感覚というか、電車の時刻表に自分を合わせなければいけない。電車に乗るところから旅が始まっている感覚があって、これから3日間独りなんだぞって、そういう制約と孤独が心地いいです。(大袈裟ですね。)

【1日目】穏やかな天気
11:00観音平-14;30編笠山-15:00青年小屋

自宅の最寄り駅の始発に乗って、小淵沢駅で降りて、タクシーで観音平へ。タクシーは4,000円くらい。2日目以降天気が崩れる予報だったことから、3連休にもかかわらず、(タクシーのドライバーさんによると)観音平の車は少ないらしい。盛期には駐車場から溢れて、車道の両端に路駐されているそう。
さらっとした穏やかな天気の中、観音平を出発し、ゆっくりと歩いていく。

歩きだしてすぐ、大好きなタマゴタケがお出迎え。幸先が良い。他にも様々なキノコに出会えた。
編笠山の最後の登り。写真以上に急に感じた。均整の取れた美しい等高線の重なりを持つ。美しさの裏には激しさがあるということ。
オオタカネバラか?編笠山頂の岩場に独り咲いていた。蜂が蜜を集めている。
ゴゼンタチバナが見ごろを迎えていた。
青年小屋と権現岳

青年小屋に着いてテントを張る。初日の夕飯はタラコスパゲッティ。19時頃から雨がぱらつき始めた。

【2日目】曇り→晴天→雨
5:00青年小屋-6:15権現小屋付近-7:35キレット小屋-9:40赤岳-12:35硫黄岳-14:50東天狗岳-16:20黒百合ヒュッテ

昨夜の雨でテントはぐっしょり濡れている。朝食を済ませて、撤収。徐々に天気が良くなり晴れてきた。嬉しい。

チシマギキョウ
赤岳へ向かう岩登り。キレット小屋あたりから天気が崩れだした。
赤岳頂上山荘でコーヒーを一杯注文。
イブキジャコウソウ

東天狗岳から黒百合ヒュッテへの道のり"天狗の奥庭"が辛かった。この時点で雨が強まり、稜線を吹き抜ける強い西風で、雨合羽はぐっしょり。その上、濡れた岩を(天狗のように)飛び移っていく。予定では1時間でしたが、1時間半かかってしまいました。

黒百合ヒュッテに着く頃にはとても疲れていました。小屋の中はストーブが焚かれて暖かい。小屋泊りの方達の雨合羽が干されている。楽しそうな笑い声。びしょ濡れで疲れ切った私。小屋の中では(捨て犬のような)私だけが異質。なんだか思い返すとシュールで面白いです。笑
テン場に用意されているパレットの上にテントを張り、バーナーを焚いて暖を取り、疲れを癒しました。

【3日目】雨→穏やかな曇り
6:20黒百合ヒュッテ-8:45稲子湯

朝起きるとまだ雨が降っており、風も強かったが、出発する頃には雨は止んでいた。中山峠からの最初の下りは、急峻で道も悪かったが、それ以外は安全に下れた。
下山口直結の稲子湯で汗を流して(本当にありがたいです)、小海町営バスで小海駅へ。
小海駅ロータリーにある「御食事処月華」さんでカツ丼ラーメンセットを食べて、帰路につきました。(駅舎内にあったセブンティーンアイスも食べちゃいました!)

かつ丼のどんぶりのデカさが伝わりますでしょうか!白米がずっしり。若いお兄ちゃんだから、白米大盛サービスしてくれたのかもしれません。野沢菜漬けも付いていました。コーヒーはサービスで頂きました。ご馳走さまでした!おいしかったです!

【感想】
南八ヶ岳の主稜線を十二分に楽しむことができました。爽やかな樹林帯から始まり、網笠山の急登、変化に富んだ稜線、赤岳への岩登り、可憐な高山植物、キノコたち。
このような充実した山行に取り組めたのは、ご指導頂いている浦渓の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
技術面では、本山行では極力、GPSを使わないようにしました。スマホの地図アプリは便利ですが、紙の地図とコンパスだけでルート選択できることは重要ですし、何より登山の楽しみが増えると思います。
引き続き、浦渓会員として一人前になれるよう精進します。ありがとうございました!