白毛門沢右俣(会員山行)

日時 2024年7月28日(日)日帰り
メンバー Y内(L)、U田(SL)、T橋、I村、S方、A木(記録)

谷川岳を西黒尾根から登るとき、振り返ると立派な白毛門が見える。かっこいいその山容の中でひときわ目を引くのが大きな滝の存在だ。名前を聞いて驚く。ハナゲの滝である。

ネットで調べると所説あるようだが、白毛門の由来となった山中の岩峰「ジジ岩、ババ岩」(どうやら見る人/場所によっては人の顔に見えるらしい)の鼻あたりから染み出した水が伝って、鼻毛?のように流れる滝であることから、そのような名前が付いたらしいとのこと。

なるほど、なるほど。とくにヒネりはない・・いや、鼻毛長すぎやろ!とツッコミたくなるところだが、あくまでもネットで調べた一説という事でお許しください。

今回はその鼻汁の源流を遡り、山頂に至るルート「白毛門沢」に新人さん含む6名で行ってきました。

7:00 白毛門登山口駐車場
天気予報では16時頃から雨とのこと。すでにどんよりと雲は厚い・・どころか時折パラパラと雨粒を感じる。

そんな天気のもとチャッチャと身支度を整える。
途中、越谷から避暑に来たという陽気なオッチャンに絡まれたり、駐車場奥の林からクマのような唸り声を聞き、若干ビビりながらも入渓点に向かう。

7:30 早速ハナゲの滝に到着。遠くから眺めた印象と違い、結構寝ている。
水流左側をさらりと登り、落ち口付近で右側にトラバースして越えた。

うわさの「ハナゲの滝」

その後、よきスライダー地形を発見。夏だもの、ということでさっそくTさんはじめ数名がスライディング。

その後、いくつかの滝を越える。

しばらく進むと、大きな滝が。
タラタラのセンだ。さすがにこの人数と時間を考えると登攀は控えて右岸を高巻きました。水流左側から登れそうに見えたので、そのうちどなたかお付き合いください。

たぶんこれだったと思います。タラタラノセン・・写真違うかも?

その後、名物三平岩(I村さんが似ているとおっしゃっていました)を眺めて最後の詰めへ。

林家三平に似ているとのうわさ。一部メンバーは寛平と聞き間違えていたそうです。
かいーの。


その後は源頭部への詰め。

長いナメ地帯を過ぎると
雨でぬれたスラブ地帯に。
キスゲが咲き乱れており、天国のようでした
ラストは草付きの斜面を詰めて(先頭は終始SLのU田さんでした)
山頂にて(一部画像を加工してあります)

白毛門ピークで写真撮影した後は、長い下山路をひたすら降り、16時には登山口駐車場に到着。

その後はいつもの湯テルメで汗を流し、帰路につきました。

以上です。みなさんありがとうございました!!

7/13 三国川ジロト沢

A、I

3連休、アルパインか泊り沢か小川山か、仕事に追われながら夢が膨らむが天気は雨。初日だけは北のほうに行けばどうにか晴れのよう。上越方面の沢に狙いを絞り、Aさんとジロト沢で合意したのは前日の朝。

これぞ日本の里山といった感じの六日町の景色に癒されつつ、林道終点にたどり着く。さすがに2週にわたって入渓点を間違えるわけにはいかない。

駐車場奥の踏み跡をたどり、5分ほどすると沢に降り立つので、そこから遡行開始。序盤は癒し系。ロープを出すことなく、小滝やナメを味わいながらサクサク進む。

トイ状4mの右壁でどうにもどこら辺がルートかよくわからず、大きく右に高巻くことに。なかなか藪が手ごわい。

途中からとてつもなく大きな滝が視界に入る。右俣の布晒の滝、上部も含めると300m!左股との分岐で、どちらに進むか相談するが、せっかくなので布晒の滝を見学することに。

手前の20m滝であるが、両岸の巻きも検討するがヌメッていて、スラブ滝を直上が一番可能性高そうということになりAさんのリード。下部にクラックが走っていて、5mでアンクルハーケン、7mでカムを決めるが、その先はなにもない…ランナウトに耐え、ロープを延ばす。

布晒の滝の先の30mはさすがに巻きを選択するが、巻きのスラブも悪い。どうにか灌木帯に逃げ込み左股に逃げる。略奪点の手前で左股に降り立つが、ガイドの階段状は全くわからず、左手にまた巻き。

60mのスラブ状滝は自分のリード、傾斜はないが、ぬめりはある。途中の灌木でランニングをとり、50mロープを延ばす。

フィナーレはヒトマタギの釜。絵になるところだが、両壁はコケコケで滑りそう。釜も深く、落ちたが最後、這い上がれないので泳ぐ羽目になることは確実。

ツッパリの釜を超えた先で左手の稜線に上がる。稜線からはひたすら藪漕ぎが待っている。展望台から3、40分ほど格闘すると雨量計小屋につき、そこからは刈り払われた高速道路。重松乗越まで快適なハイキングが続くが、重松乗越からはフィックスロープを頼りに急下降が続く。まったく気象庁の職員も大変である。延々と下降すること1時間余りで沢に降り立ち、ほてった体を沢に沈める。

帰りに寄った五十沢温泉が値上がりしていて、世の物価高を嘆く(健全に男湯に浸かりました)。

井戸沢(会員山行)

日時 2024年7月13日(土)

メンバー:Y内さん(L)、K村さん(気象)、U田(記録)

7:10 駐車場 - 8:30入渓 - 11:30 流石山 - 13:40 三斗小屋 - 15:20 駐車場

癒し系の沢ですとお誘いいただき、那須の井戸沢へ。直前まで予報が不安定だったため中止するかぎりぎりの判断になりましたが、思った以上によい天気に恵まれ1日楽しむことができました。

ゲートまで車でアプローチ
木でできた石堤(?)が入渓地点の目印

一番最初の15m滝。ここは登らず右を巻きます。巻き道にはお助けシュリンゲが設置されていましたが、それでも体が上がらずY内さんに肩を貸していただきどうにか通過。

次の15m滝は左の水流沿いを登ります。しっかり段差がついてそうに見えましたが、登ってみると思った以上にヌメっており、手をしっかり取れるとこもなく、冷や汗が出てきました。

「癒し系」とは……?という気持ちになりながら遡行を続けます。

ルート上一番大きい18m滝でロープを出します。遡行図では「左が階段状になっていて簡単」と書いてありましたが……。

敢えて右を攻めるY内さん。

下からだと中段で簡単にトラバースできそうに見えましたが、登ってみるとヌメりがすごく、とてもトラバースはできそうにない状態で納得しました。滝は下から見ても登ってみないと全然分からないな~と勉強になります。

18m滝を終え、ここは全然癒し系の沢ではない……と思い始めた頃に、スラブ状の開けた沢が稜線に向かって続いていました!

沢沿いにはニッコウキスゲやイワギボウジが咲いており、花を眺めながら沢登りができるなんてと不思議な感覚になります。

ツメは優しい藪漕ぎ

ガレと藪のツメを終えると、登山道に合流。こんなに開けた稜線に出る沢登りははじめてだったため、感動しました。

流石山山頂で沢装備を解除。登山道を縦走してきた方に、熊がいたとの情報をいただきました。
霞んではいましたが、遠くには茶臼岳も。

あとは登山道で下山するだけ!と思いましたが、ここからが地味に長い。途中三斗温泉に寄り道してみたところ思った以上に雰囲気がよく、しばらくまったりと休憩してから駐車場まで戻りました。

今度はテン泊でまったり温泉に入りにきたい大黒小屋

開けた沢を遡行して森林限界を超えた稜線に上がるという、沢登りと登山のいいとこどりをしたような素晴らしいルートでした。(癒し系であることを疑ってしまいすみませんでした。)

また個人的に、遡行図と照らし合わせてルートを探すのが最近の沢の楽しみでしたが、遡行図ガン無視で攻める姿勢もバリエーションならではだなと勉強になりました。Y内さんK村さんありがとうございます!

南八ヶ岳縦走(会員山行)

メンバー:I澤(L)
日程:2024年7月13日(土)-15日(月)
1日目:11:00観音平-14;30編笠山-15:00青年小屋
2日目:5:00青年小屋-6:15権現小屋付近-7:35キレット小屋-9:40赤岳-12:35硫黄岳-14:50東天狗岳-16:30黒百合ヒュッテ
3日目:6:20黒百合ヒュッテ-8:45稲子湯

2泊3日で南八ヶ岳を縦走してきました。本当は北八ヶ岳まで入りたかったのですが、次の日は仕事ですし、無理なく帰宅しようと思い、今回の計画になりました。
八ヶ岳は、初めて上高地に行って"岳沢小屋までしか登れなかった旅"の帰りの電車内で、八ヶ岳に向かう2人組の登山者を見て、いつか行ってみたいと思い憧れていた山でした。
話は変わりますが、電車に揺られて山に向かって、そして帰ってくるっていいですよね。家を出た瞬間から旅が始まる感覚というか、電車の時刻表に自分を合わせなければいけない。電車に乗るところから旅が始まっている感覚があって、これから3日間独りなんだぞって、そういう制約と孤独が心地いいです。(大袈裟ですね。)

【1日目】穏やかな天気
11:00観音平-14;30編笠山-15:00青年小屋

自宅の最寄り駅の始発に乗って、小淵沢駅で降りて、タクシーで観音平へ。タクシーは4,000円くらい。2日目以降天気が崩れる予報だったことから、3連休にもかかわらず、(タクシーのドライバーさんによると)観音平の車は少ないらしい。盛期には駐車場から溢れて、車道の両端に路駐されているそう。
さらっとした穏やかな天気の中、観音平を出発し、ゆっくりと歩いていく。

歩きだしてすぐ、大好きなタマゴタケがお出迎え。幸先が良い。他にも様々なキノコに出会えた。
編笠山の最後の登り。写真以上に急に感じた。均整の取れた美しい等高線の重なりを持つ。美しさの裏には激しさがあるということ。
オオタカネバラか?編笠山頂の岩場に独り咲いていた。蜂が蜜を集めている。
ゴゼンタチバナが見ごろを迎えていた。
青年小屋と権現岳

青年小屋に着いてテントを張る。初日の夕飯はタラコスパゲッティ。19時頃から雨がぱらつき始めた。

【2日目】曇り→晴天→雨
5:00青年小屋-6:15権現小屋付近-7:35キレット小屋-9:40赤岳-12:35硫黄岳-14:50東天狗岳-16:20黒百合ヒュッテ

昨夜の雨でテントはぐっしょり濡れている。朝食を済ませて、撤収。徐々に天気が良くなり晴れてきた。嬉しい。

チシマギキョウ
赤岳へ向かう岩登り。キレット小屋あたりから天気が崩れだした。
赤岳頂上山荘でコーヒーを一杯注文。
イブキジャコウソウ

東天狗岳から黒百合ヒュッテへの道のり"天狗の奥庭"が辛かった。この時点で雨が強まり、稜線を吹き抜ける強い西風で、雨合羽はぐっしょり。その上、濡れた岩を(天狗のように)飛び移っていく。予定では1時間でしたが、1時間半かかってしまいました。

黒百合ヒュッテに着く頃にはとても疲れていました。小屋の中はストーブが焚かれて暖かい。小屋泊りの方達の雨合羽が干されている。楽しそうな笑い声。びしょ濡れで疲れ切った私。小屋の中では(捨て犬のような)私だけが異質。なんだか思い返すとシュールで面白いです。笑
テン場に用意されているパレットの上にテントを張り、バーナーを焚いて暖を取り、疲れを癒しました。

【3日目】雨→穏やかな曇り
6:20黒百合ヒュッテ-8:45稲子湯

朝起きるとまだ雨が降っており、風も強かったが、出発する頃には雨は止んでいた。中山峠からの最初の下りは、急峻で道も悪かったが、それ以外は安全に下れた。
下山口直結の稲子湯で汗を流して(本当にありがたいです)、小海町営バスで小海駅へ。
小海駅ロータリーにある「御食事処月華」さんでカツ丼ラーメンセットを食べて、帰路につきました。(駅舎内にあったセブンティーンアイスも食べちゃいました!)

かつ丼のどんぶりのデカさが伝わりますでしょうか!白米がずっしり。若いお兄ちゃんだから、白米大盛サービスしてくれたのかもしれません。野沢菜漬けも付いていました。コーヒーはサービスで頂きました。ご馳走さまでした!おいしかったです!

【感想】
南八ヶ岳の主稜線を十二分に楽しむことができました。爽やかな樹林帯から始まり、網笠山の急登、変化に富んだ稜線、赤岳への岩登り、可憐な高山植物、キノコたち。
このような充実した山行に取り組めたのは、ご指導頂いている浦渓の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
技術面では、本山行では極力、GPSを使わないようにしました。スマホの地図アプリは便利ですが、紙の地図とコンパスだけでルート選択できることは重要ですし、何より登山の楽しみが増えると思います。
引き続き、浦渓会員として一人前になれるよう精進します。ありがとうございました!

7月 会山行 軍刀利沢

日程:2024.7.7

場所:軍刀利沢

メンバー:Iさん(L)、Yさん、Uさん、H(記録)

10:45 矢沢林道落合橋前 ~ 11:20 入渓 ~ 12:20 15m大滝 ~ 焚火 ~ 17:00 駐車場

前日の豪雨で大丈夫かな・・・?と少し心配していましたが、

朝起きたら暑い!暑すぎる!!

「梅雨」はどこへ行ってしまったのだろうか?と心配になるくらいの青い空。

今日は天気の心配はいらないドピーカン☼でした。

7月の会山行の目的は、

   1 基本的な沢登りの訓練

   2 幕営適地の選定

   3 幕営地の構築

   4 焚火の対応

   5 焚火を使った食事 の5つを柱として訓練を行いました。

9:00 駐車場到着

「1年前に来たときは、もう少し上まで車で上がれましたよね?土砂崩れが起きているからかな…?」などと話しながら舗装された道を歩くこと40分。

ここは違うのでは?とGPSを確認すると違う谷に来ていることが発覚。

急いで駐車場に戻る。

38度近くの気温でのハイキングで高度順応ならぬ暑熱順化。

10:45 駐車場到着   再びアプローチ。

11:20 入渓

火照った体に川の水が沁みます。

新会員のHはスタスタと進むIさん(L)の背中を追いましたが、体格差があるため自分に合う登り方を探しながら登ります。今回が沢登り2回目。ロープワークはIさん、Uさん、Nさんにおんぶにだっこでしたが、前回よりもスムーズに登れるようになった気がします。

ロープの長さを確認しながら滝を上ります。

前を進むパーティーの人数が多かったため、ここで焚火訓練開始。

乾いた木を集め(折れればOK)、川の流れに沿って木を並べ(空気の流れをつくる)、上に落ち葉をのせる(燃えやすい)

あっという間に火がつきました!!

こんな暑い中、焚火の煙があがっていたら山火事と間違われるのでは?!と心配しながらも焚火訓練開始。

集めた薪はすべて燃やしきる!ということなのでここで焚火をつかった食事と休憩をはさみました。

この炎の違和感・・・

最後は水をかけ、石を上にのせて終了。

最後の滝を登り、下山開始。

軍荼利神社までが急こう配&滑りやすく、暑さで疲れがピークに。

自分のいる位置を確認する、どっち方面に向かっているのかなど随時確認する大切さを実感しました。踏み痕を頼りにすることもありますが、これは通れる道なのか?と少しでも疑問に思ったときは前に進むだけでなく、一度立ち止まることも大切。

リーダーだけに頼るのではなく、一人でも道を選択できるように経験を積んでいきたいと思います。

矢沢水系 軍刀利沢登り(会山行)

メンバー
統括:N村さん
A班:A木さん(L)、Y下さん、K村さん、I澤
B班:T橋さん(L)、H寺さん、Y内さん
日程:2024年7月6日(土)
9:00矢沢林道落合橋前-9:50軍刀利沢入渓点-15:10三国峠-17:30矢沢林道落合橋前

ルート概念図

7月の会山行は6月と同様、沢登り訓練をご企画頂き、奥多摩は軍刀利沢に行ってまいりました。
今回の目的は、沢登り技術の確認に加え、夏合宿で予定されている沢泊山行の事前準備として、タープ張りと焚火技術の確認です。
私以外は皆様、熟練者でしたので、完全に初心者である私の為の山行になってしまったような気がしております…
皆様、いつもありがとうございます!
沢登りは、ルートの自由度(創造性)、岩登りの要素、沢を詰め上がって山頂を踏む冒険性などの点において、魅力を感じております。

【訓練内容】
・タープ張りの練習
・焚火のシミュレーション
・直登or高巻、ルート選択の判断
・沢登りにおける基本ロープワークの確認
・リードとフォローの連携の確認

【個人的な収穫】
✓今回の山行では、なるべくスマホの地図アプリを使わずに、地図とコンパスでルーファイする練習をさせて頂きました。
特に下山時は終始、先導させて頂き、ルート選択をさせて頂きました。下山ルートは単純な尾根歩きだと油断していましたが、何カ所か分かり辛いルートがあり、改めてルーファイ技術の重要性を認識できました。
沢遡行においても、支流が現れた際にどちらに進めばよいのか、現在地の同定とルート選択が必要になります。当たり前のことですが、「川幅が広いからきっとこっちだろう」などと、安易に進まないことを徹底する必要があります。
次回山行では、あえて(なるべく)スマホの地図アプリは使わずに、地図とコンパスで歩く練習をしたいと思います。
✓土壁の登攀。軍刀利沢を詰め切って稜線に抜ける最後のフカフカの土の急斜面。登るのにとても苦労しました。A木さんからは「綺麗に登ろうとし過ぎると進まないよ。」と、N村さんからは「(ラッセルのように)膝を使って土を固めて、そこに足を乗せるやり方もあるよね。」とアドバイスを頂きました。土壁の登攀は次回以降の課題です。

以下、山行写真を掲載させて頂きますので、ご覧下さい。

入渓点まで林道歩き
入渓点
タープ張り練習
B班の登攀
A班の登攀
大滝。ここは左岸を巻いた。
下山の様子。雨が降り滑りやすかった為、慎重に下りた。下山ルートの一部は急峻で、痩せた尾根もあった。