会員山行 ヨナ沢の頭

日時 2024年3月30日(土)~3月31日(日)

メンバー:N山さん(L)、F子さん(副L)、U田(記録)

(1日目)8:15 駒ヶ根高原スキー場 - 9:30林道終点 - 13:00マセナギ (TS)

(2日目)5:00マセナギ - 8:20ヨナ沢の頭 -12:00マセナギ -15:00林道終点 - 16:00駒ヶ根高原スキー場

黒戸尾根を登りたいんですと先輩方のスケジュールを抑えておいた3月最後の週末。直前に長雨が続いたことや強風予報だったこともあり、二転三転した結果、行き先は空木岳へ。

まさか積雪期の池山尾根にチャレンジできるとは!と、どきどきしながらのスタートとなりました。

標高900mの登山口に雪はありませんでした

標高1500mタカウチ場あたりからずぶずぶの春の雪になってきます。早々にワカンを装着しますが、それでも沈む沈む……。

腐った雪にぐったりしてきた頃に、ようやくマセナギに到着。時間的にヨナ沢まで行くのは厳しく、上部の風もすごい音がしていたためここを本日の幕営地にします。景観のいいスポットを発見してテントを張ります。(翌日、幕営装備を背負って池山尾根を登るのは私には無謀だったと痛感したため助かりました)

TSから覗く中央アルプス
少し登ると南アルプスがよく見えます
アップで!

翌朝5時、身軽になって空木岳へ向かいます。

夏は少し細かったかなくらいの印象しか残っていない池山尾根ですが、雪がつくと別物です。序盤から雪岩氷がミックスとなっている階段や鎖場に緊張が続きます。

さくさくルーファイしながら進むN山リーダー

大地獄・小地獄をクリアし、ヨナ沢の頭へ向かいます。

雪が多い時期は尾根を直登するようですが、藪が出ていたため池山尾根名物(?)の夏道トラバースを選択。N山リーダーが数メートル進んで道を確認した後に、落ちたらまずいということでロープを出すことに。

下を見るとどこまで落ちるんだろうとぞっとします

ここからトラバースをザイル3ピッチ(150m)で通過します。雪山本チャン経験がないU田は出発前のガチャの用意から始まり何もかも準備不足で大変反省しました……。

トラバースを終えると、リーダーが登りやすそうなところをルーファイして尾根へ上がります。が、こちらも足場が悪くて難しい!

とにかくついていくことに必死になっていましたが、N山さんが開けたところで立ち止まったと思ったら、そこがヨナ沢の頭でした。

埋まっている山頂看板

上空は強風で山頂にも雲がかかっており、時間も押していたため本日はここまでにして引き返すことに。

片足埋まってますが、抜け出す気力もなくそのまま写真を撮ってもらいます
稜線には厚い雲が

帰りは尾根からトラバースまでの下降2ピッチ100mと、大地獄で1ピッチ50mロープを使用して下山しました。

ピッケルが効くまで何回も刺し直しているため、時間がかかっています
心配していた下りは、思ったよりはまともな恰好で下りれました
強風でテントが飛んでいかなかったことにほっとします

ちょうどお昼ごろにマセナギに戻り、テントを撤収。またしてもずぼずぼになっている雪に辟易しつつ、ワカンを履いて焦って転倒などしないよに、のんび~りと下山しました。

F子さんお勧めのこぶしの湯、露天から南アが一望できました!

残念ながら空木岳には届かず、とにかく厳しいところの通過に先輩方の3倍くらい時間がかかってしまい技術も経験も足りてないと痛感し大変悔しかったです。

半面、2月下旬に登った西黒尾根から3月上旬のラッセル訓練を経て、アイゼンの前爪と仲良くなることが個人的な課題でしたが、この週末に向けてちまちまと色んな山で練習していた甲斐もあり、ちょっとだけ成長を感じることもできる山行でした。

今度チャレンジする時は自分でルーファイしながら登れるようになりたいので、N山さんF子さん懲りずにまたお付き合いください!

谷川岳西黒尾根(会員山行)

メンバー:N山さん(L)、K村さん、I澤

日程:2024年3月24日(日)
ベースプラザ7:50-ラクダのコル10:50-ザンゲ岩11:50-トマノ耳13:05-(西黒尾根にて下山)ベースプラザ16:30

元々、3/23-24で戸隠山・高妻山を計画していましたが、23日(土)は天気が悪そうとのことで、私I澤のトレーニング山行として谷川岳西黒尾根をご企画頂きました。N山さん、K村さん、ご指導いただきありがとうございました!

水上ICを下りてすぐのセブンイレブンから谷川岳を見上げると、雪がべったり付いているように見えました。店員さんの話だと、明け方まで降雪があったそう。期待が高まります。
山行日当日は曇天予報でしたが、歩き出す頃には青空が広がっていました。気温も上がる予報。ベースプラザから西黒尾根登山口へ向かう車道には雪はほとんどなく、アスファルトが露出していますが、山肌にはしっかり雪が残っています。

ベースプラザから登山口へ向かう車道

西黒尾根登山口から、まずは尾根に上がります。出発が遅かったため、トレースはしっかりついていましたが、雪は緩くグズグズで歩きにくかったです。
尾根に上がると、既に熱い。汗をかきながら歩きます。「これが春山か」と、登山初心者の私には新鮮に感じました。今月の会山行(雪訓)でラッセル訓練をした斜面を通過します。
さらに進むと、谷川岳が見えてきます。12月の雪訓では天神尾根から登りましたが、西黒尾根から見上げる谷川岳は、また別の表情で格好良かったです。振り返ると白毛門も見えます。

樹林帯を進む。正面にはラクダのコブと谷川岳が。

暫く歩くと、ラクダのコブの取付きに到着。ここで、いつでもロープを使えるようアイゼン・ハーネスを装着し、ストックをピッケルに持ち替えました。山行日は雪が緩く比較的登りやすかったですが、凍っていたらもっと怖かっただろうと思います。
途中、急傾斜の岩とグズグズ雪のミックス・セクションがありました。私は岩の乗り越え方が分からず、かなりの時間がかかってしまい、N山さんとK村さんをお待たせしてしまいました(下山時も同様に時間がかかりました)。足・アイゼンの置き方をご指導いただきながら、何とか通過することができましたが、アイゼンを使った岩の昇り降りに大きな課題を感じました。
痩せた尾根を上り下りしながら前進します。10m程、急雪面の下りがあったため、私だけはロープを繋いで、K村さんにボディビレイして頂きながら後ろ向きで下りました。私はアイゼンを正しく効かせることができていない為、このような急雪面ではロープが必須です。

ラクダのコブ取付き付近(実際は写真よりも急に見えました)
痩せた尾根を歩く

この後、コルまで一旦下って、登り返します。なかなかの急登で疲れました。途中、何度も、「ごおぉー」と雪崩の音が聞こえてきました。雪崩自体は目視できなかったので、一ノ倉沢方面だったのかもしれません。雪崩の音を聞いたのも初めてで、少し興奮しました。

途中、N山さんから「これ、ザンゲ岩だよ」と教えて頂きました。急斜面を下を向きながら、(まるで懺悔しているかのように)登っていきます。
この辺りで後ろを振り返ると、K村さんがかなり後方を歩いている為、しばらく待機していると、今度は座り込んで足をマッサージしていたので、足攣りだとわかりました。ザンゲ岩の辺りで、バケツを掘ってザックを下ろし、待機します。

待機中、N山さんから、私のアイゼンの前爪が短いというご指摘を頂きました。急雪面を登るときは、もう少し前爪が出ていた方がアイゼンが効いて良いとのことです。一方で、平地を歩くときは、アイゼンの前爪が長いと、岩や木の根に引っかけてバランスを崩すことが増えますので、想定される状況によって使い分ける必要があるとのことでした。勉強になります。
K村さんと合流して話を伺うと、両足を攣ったとのこと。序盤、かなり汗をかきましたので、それが原因だったのかもしれません。私も気を付けないといけません。

急斜面を登る
ザンゲ岩
東尾根と白毛門

急斜面を終えると、美しいなだらかな雪稜が現れます。山頂を目指します。13:05トマノ耳登頂。K村さんは足の回復を優先して、肩ノ小屋までとなりました。山頂付近は天神平からの登山者で賑わっています。

このまま空まで続いているような雪稜
山頂にて

肩ノ小屋付近で少し休憩し、西黒尾根にて下山。雪の状態が悪かったため、西黒尾根で下山する方は殆どいなかったです。
登りより下山の方が高度感があって怖かったです。急斜面については、後ろ向きで下ります。ここでも私だけはロープを繋いで、3ピッチ(150m)、ボディビレイして頂きました。上りと同様に、私がアイゼンを正しく効かせられていないためです。次来るときはロープなしで下りられるよう、経験を積みます。

瘦せ尾根を下りる際、脆い雪面に足を置いてしまい、足を取られることがありました。雪質を判断してから足を置くという基本的なことができておらず、今回の反省点です。
また、気温上昇に伴い、下山時の方が雪が緩くなっていた為、踏み抜くことが多く疲れました。N山さんとK村さんの方が踏み抜きが少なかったことから、私は疲れてくると足の置き方や重心の置き方が雑になっているのだと思います。これも次回以降の課題です。

下山は高度感があって怖かった
急斜面は後ろ向きで下りる
西日に照らされる谷川岳

16:30ベースプラザ到着。帰りは、湯テルメ・谷川で汗を流してから、上毛高原駅近くの蕎麦屋・天丸さんで夕食をとりました。天丸さん、上毛高原駅近くに飲食店がほとんどない為か、新幹線利用客や地元の方で満席。そば・丼セット定食はボリューム満点で大満足。ご馳走様でした。
帰りも最後まで、中山さんに運転して頂きました。いつも、ありがとうございます。

山行を通して、天候に恵まれ、春を感じさせる谷川岳を満喫できました。岩の昇り降りや急雪面の下り方を勉強させて頂きました。次回は、後輩を連れて来れるように、引き続き経験を積ませていただきます。
N山さん、K村さん、今回は、私I澤のレベルアップ山行をご企画頂き、ありがとうございました!また、宜しくお願い致します!

磐梯山(会員山行)

メンバー:Y下さん、K村さん、H子さん(L)、I澤

日程:2024年3月16日(土)
裏磐梯スキー場登山口8:30-スキー場上部入山口9:05-磐梯山火口壁コル10:35-弘法清水小屋11:20-磐梯山山頂12:00-イエローフォール13:50-裏磐梯スキー場登山口14:45

桜の開花が待たれる3月中旬、磐梯山に行ってきました。強風の予報もありましたが、天候に恵まれ、気持ちの良い山行になりました。ご一緒させていただき、ありがとうございました!

8:30裏磐梯スキー場からスタート。駐車場は雪が少なく、地面が見えていました。スキー場上部入山口までリフトを利用している方もいましたが、私たちは歩きます。スキー場の左端を歩きます。

裏磐梯スキー場駐車場
裏磐梯スキー場

30分程でスキー場上部の入山口に到着。樹林帯を進みます。雪が少ないことに加え、入山者が多くトレースがしっかりついていたため、ワカンは最後まで使いませんでした。

スキー場上部入山口

しばらく進むと、雪原と磐梯山の火口壁が眼前に広がります。美しい景色に思わず足を止めます。雪原を歩きます。

磐梯山火口壁。この壁の向こうに磐梯山があるが、ここからは見えない。
岩肌と雪のコントラストが美しい

雪原歩きの次は、火口壁を登り、コルを目指します。途中でアイゼンを装着。気温が高かった為、斜面は凍っておらず、ステップもついていて、安全に登ることができました。コルに上がると、桧原湖、飯豊連峰がくっきり。

コルへ上がる最後の斜面
左から飯豊連峰、桧原湖、西吾妻山(蝶々形のグランデコスキー場)
櫛ヶ峰

コルから稜線を辿ると、今まで山の端に隠れていた磐梯山が姿を現します。美しさに息を吞むます。

磐梯山

しばらく歩くと、弘法清水小屋に到着。磐梯山を見上げます。

弘法清水小屋と磐梯山

山頂を目指して、最後の登りです。所々、凍っていたため、アイゼンを効かせます。時折、風か強く吹き、寒かったです。

山頂を目指す。雪の造形が美しい。

12:00登頂。風は強く寒かったですが、天気は快晴で、猪苗代湖、安達太良山、飯豊連峰がよく見えます。存分に景色を堪能しました。地元の方とお話もできました。この方、ホームセンターで売っているような普通のスパイク付長靴で登ってました。地元民強し。周辺の山のことなら何でも知っていて、勉強になりました。

飯豊連峰をバックに山頂にて記念撮影
地元の方に色々教えて頂きました
猪苗代湖
飯豊連峰

下山時、H子さんからお借りした尻ソリを使わせて頂きました。私はまだまだ下手くそですが、上手くなれば下山が楽になるだろうなと思いました。H子さん、ありがとうございました。
途中、イエローフォールを見に行きました。例年であれば、岩壁に付いた氷が黄色く染まっているそうですが、今回はかなり融解が進んでいたため、またの機会にお預けです。

山行日当日のイエローフォール
H子さんからご提供頂いた別日のイエローフォール

帰りは、H子さんにお勧め頂いた中ノ沢温泉の朝日屋旅館で汗を流しました。硫黄系・乳白色の温泉で、湯の華がごっそり沈んでいました。入浴後も、しばらく身体がポカポカ。
入浴後、朝日屋旅館の道路向いにある日乃出屋さんで天ぷらまんじゅうを食べました。天ぷらまんじゅうとは、(そのままでも美味しい)お饅頭を(さらに)天ぷらにしたものです。注文してから揚げてくれるスタイルで、熱々を頬張りました。餡子のたっぷり入ったお饅頭に、サクサクの衣。美味しかったです。

山行を通して、天気は快晴で風も弱く、雄大な磐梯山を満喫できました。
今回も連れて行って頂きましたが、なるべく早く、自分で計画から山行まで出来るよう、経験を積みます。Y下さん、K村さん、H子さん、ありがとうございました!

3月会山行 谷川岳・雪上訓練

日時:3月9日・10日(一泊二日、テント泊)

山域:谷川岳 西黒尾根途中 ※日光白根山より変更

内容:雪上訓練 半雪洞の構築(日帰りビバーグを想定)、ラッセル訓練

メンバー:A(L)、Y、N、K、F、Y、T、I、U、I 合計10名

3月の会山行は10名の参加、車は3台で移動することになった。

その内の1台が出発に遅れてしまい、先に丸沼高原スキー場に向かっていた2台と連絡を取り合う。

現地で到着を待っててもらうのも時間が惜しいので、先にロープウェイで上がってもらい、訓練を始めていてほしいと伝える。

が…先着メンバーからロープウェイが動いていないとの連絡が入り、急遽訓練場所の変更先の相談を始める。

結果、決まったのが谷川岳の西黒尾根を少し上がったところで訓練をすることに。

谷川のベースプラザには、全員がほぼ同じ時間に集合できた。

※丸沼高原スキー場方面に向かってくれたメンバー、ありがとうございました!

谷川岳ロープウェイも動いていなく、スキーヤーやボーダー、登山者などがそこそこいたが、どうしようかと待機している感じだった。

ベースプラザは開いているが、ロープウェイは見合わせ中

雪が降り、風も強く、そんな中を山に向かうのは我々くらいだった。

西黒尾根途中の鉄塔を過ぎ、少し登ったあたりで訓練開始。

鉄塔下でほんの一息

1日目は日帰り山行時のビバーグを想定してのツェルトと使った半雪洞の構築。

日帰り想定なのでスコップの使用は禁止。ピッケルのみで雪斜面を削っていく。

ピッケルのみでもけっこう削れる。持っていればコッヘルなどでも代用できる。

雪が柔らかいので、数十分で完成。強風を想定し、ツェルトが飛ばされないように気を付けながら広げるなど、新会員にレクチャーしながら各々が半雪洞の居心地を体験する。

訓練が落ち着いたところで、今回はテント泊だが場所が斜面なだけに、時間がかかりそうなので早めに整地を始める。

(サクッとテントに入って一杯やりたいというのがホンネ…)

整地は大変だったが、斜面に張ったこともあり、風の強い夜中も不安なく過ごせた。

未明には顔に当たるテントの冷たさで起きたが、一晩でテントを圧迫するくらいの積雪だった。

恐らく30㎝くらいは降り積もったのではないだろうか。

一晩明けたテント周辺。テントの圧迫感が積雪量を物語っている。

おかげで2日目のラッセル訓練は、3月にしては良い訓練になった。

最初は空荷のツボ足→ザックを背負ってのツボ足→ワカンを履いてのラッセル

荷物を背負ってのラッセル。深いラッセルでは空荷でラッセルが効率的。

こんな感じでラッセル訓練をし、登り過ぎるにしても表層雪崩のリスクなどもあるので、近場で登ったり降りたりを繰り返して訓練終了。

こっちのメンバーもがんばってます!

ラッセルの先頭は夢中になってしまうので、二人目以降が誘導してあげることや踏み固めることが大事なこと、雪庇は風下に向かって発達するが、人は無意識に風を避けようとして雪庇に寄って行ってしまうなど、そんな雪山での注意点なども共有しあう。

ちょうど雪庇が少し崩れた瞬間。よく見ると少し亀裂も走っている

一時は予定していた日光白根山を断念してどうなるかと思ったが、天気の悪さが逆に良い訓練に導いてくれたと思う。

こういった訓練をやることで安心や自信になるので、今後のより高い目標につなげていきたい。