7月 会山行 軍刀利沢

日程:2024.7.7

場所:軍刀利沢

メンバー:Iさん(L)、Yさん、Uさん、H(記録)

10:45 矢沢林道落合橋前 ~ 11:20 入渓 ~ 12:20 15m大滝 ~ 焚火 ~ 17:00 駐車場

前日の豪雨で大丈夫かな・・・?と少し心配していましたが、

朝起きたら暑い!暑すぎる!!

「梅雨」はどこへ行ってしまったのだろうか?と心配になるくらいの青い空。

今日は天気の心配はいらないドピーカン☼でした。

7月の会山行の目的は、

   1 基本的な沢登りの訓練

   2 幕営適地の選定

   3 幕営地の構築

   4 焚火の対応

   5 焚火を使った食事 の5つを柱として訓練を行いました。

9:00 駐車場到着

「1年前に来たときは、もう少し上まで車で上がれましたよね?土砂崩れが起きているからかな…?」などと話しながら舗装された道を歩くこと40分。

ここは違うのでは?とGPSを確認すると違う谷に来ていることが発覚。

急いで駐車場に戻る。

38度近くの気温でのハイキングで高度順応ならぬ暑熱順化。

10:45 駐車場到着   再びアプローチ。

11:20 入渓

火照った体に川の水が沁みます。

新会員のHはスタスタと進むIさん(L)の背中を追いましたが、体格差があるため自分に合う登り方を探しながら登ります。今回が沢登り2回目。ロープワークはIさん、Uさん、Nさんにおんぶにだっこでしたが、前回よりもスムーズに登れるようになった気がします。

ロープの長さを確認しながら滝を上ります。

前を進むパーティーの人数が多かったため、ここで焚火訓練開始。

乾いた木を集め(折れればOK)、川の流れに沿って木を並べ(空気の流れをつくる)、上に落ち葉をのせる(燃えやすい)

あっという間に火がつきました!!

こんな暑い中、焚火の煙があがっていたら山火事と間違われるのでは?!と心配しながらも焚火訓練開始。

集めた薪はすべて燃やしきる!ということなのでここで焚火をつかった食事と休憩をはさみました。

この炎の違和感・・・

最後は水をかけ、石を上にのせて終了。

最後の滝を登り、下山開始。

軍荼利神社までが急こう配&滑りやすく、暑さで疲れがピークに。

自分のいる位置を確認する、どっち方面に向かっているのかなど随時確認する大切さを実感しました。踏み痕を頼りにすることもありますが、これは通れる道なのか?と少しでも疑問に思ったときは前に進むだけでなく、一度立ち止まることも大切。

リーダーだけに頼るのではなく、一人でも道を選択できるように経験を積んでいきたいと思います。

矢沢水系 軍刀利沢登り(会山行)

メンバー
統括:N村さん
A班:A木さん(L)、Y下さん、K村さん、I澤
B班:T橋さん(L)、H寺さん、Y内さん
日程:2024年7月6日(土)
9:00矢沢林道落合橋前-9:50軍刀利沢入渓点-15:10三国峠-17:30矢沢林道落合橋前

ルート概念図

7月の会山行は6月と同様、沢登り訓練をご企画頂き、奥多摩は軍刀利沢に行ってまいりました。
今回の目的は、沢登り技術の確認に加え、夏合宿で予定されている沢泊山行の事前準備として、タープ張りと焚火技術の確認です。
私以外は皆様、熟練者でしたので、完全に初心者である私の為の山行になってしまったような気がしております…
皆様、いつもありがとうございます!
沢登りは、ルートの自由度(創造性)、岩登りの要素、沢を詰め上がって山頂を踏む冒険性などの点において、魅力を感じております。

【訓練内容】
・タープ張りの練習
・焚火のシミュレーション
・直登or高巻、ルート選択の判断
・沢登りにおける基本ロープワークの確認
・リードとフォローの連携の確認

【個人的な収穫】
✓今回の山行では、なるべくスマホの地図アプリを使わずに、地図とコンパスでルーファイする練習をさせて頂きました。
特に下山時は終始、先導させて頂き、ルート選択をさせて頂きました。下山ルートは単純な尾根歩きだと油断していましたが、何カ所か分かり辛いルートがあり、改めてルーファイ技術の重要性を認識できました。
沢遡行においても、支流が現れた際にどちらに進めばよいのか、現在地の同定とルート選択が必要になります。当たり前のことですが、「川幅が広いからきっとこっちだろう」などと、安易に進まないことを徹底する必要があります。
次回山行では、あえて(なるべく)スマホの地図アプリは使わずに、地図とコンパスで歩く練習をしたいと思います。
✓土壁の登攀。軍刀利沢を詰め切って稜線に抜ける最後のフカフカの土の急斜面。登るのにとても苦労しました。A木さんからは「綺麗に登ろうとし過ぎると進まないよ。」と、N村さんからは「(ラッセルのように)膝を使って土を固めて、そこに足を乗せるやり方もあるよね。」とアドバイスを頂きました。土壁の登攀は次回以降の課題です。

以下、山行写真を掲載させて頂きますので、ご覧下さい。

入渓点まで林道歩き
入渓点
タープ張り練習
B班の登攀
A班の登攀
大滝。ここは左岸を巻いた。
下山の様子。雨が降り滑りやすかった為、慎重に下りた。下山ルートの一部は急峻で、痩せた尾根もあった。

尾瀬 小淵沢登り(会山行)

メンバー
A班:A木さん(L)、N山さん、I澤
B班:N村さん(L)、U田さん、Y代さん
日程:2024年6月9日(日)
7:50大清水-9:30小渕沢入渓点-13:40小渕沢終了点-17:10大清水

6月の会山行は沢登り訓練をご企画頂き、尾瀬は小渕沢に行ってまいりました。
私自身、沢登りデビューとあって、前日から不安と楽しみがグルグル。昨年秋から入会させて頂き、岩登り、雪山と様々ご指導頂いていた中で、今までの成果を発揮できるか自分自身への期待と不安…
最高に楽しかったです!皆様ありがとうございました!
次はどんな(素敵な)滝が現れるのか、ワクワク。迫力のある滝が現れた時の高揚と緊張。デビュー戦で早速、沢登りの醍醐味を味わわせて頂きました。
(当日は寒かったです。曇り時々…晴れ。これも経験として今後に活かしたいです。)

技術的な面でも、大変ありがたいことに、リードさせて頂いたり、支点構築させて頂いたり、ルート選択させて頂いたりと、貴重な経験をさせて頂きました。とても勉強になりました。
個人的な課題は山程ありますが、ルート選択、地図とコンパスの使い方が未熟ですので、まずはこれらを重点的に取り組みます。

【A班取組み】
・直登or高巻、ルート選択の判断
・沢登りにおける基本ロープワークの確認
・沢登りにおける支点構築
・リードとフォローの連携の確認
・藪漕ぎ

【B班取組み】(A班取組みに加えて)
・お助け紐の使い方、活用法

以下、山行写真を掲載させて頂きますので、ご覧ください。

いざ参らん。大清水を出発。
小淵沢入渓点
U田さんの登攀
ヤシオツツジと滝
最後の滝。A木さんが全身に水流を受けながら果敢に。
沢をつめると”平和”が広がる。
水芭蕉が咲き誇る
燧ケ岳

阿寺 岩訓練(5月会山行)

日程 2024年5月26日(日)
メンバー
 Aチーム : N村(L)、I澤、Y代、U田(記録)
 Bチーム : I村(L)、N山、A木(記録)

5月の会山行はこれからの沢/岩シーズンを睨み、いつもお世話になっている阿寺で岩&レスキュー訓練となりました。

訓練開始前に、N山さんが念入りに虫よけ対策をして下さいました。

====Aチーム====
初級Aチームは基本的なロープワーク・マルチピッチクライミングのシステム練習・レスキュー訓練を実施しました。

まずはマスト・半マストの復習から。N村リーダーが丁寧に実演・チェックをしてくださいます。続いてブーリン・ガルーダという結びを初実践。ブーリンは一生に一回使うかどうか!?とのことでしたが、全員一番熱心に練習していたと思います。

支点だけでなく階段の手すりも利用しながら各自練習します

さらに半マストで懸垂と、バックアップを取るロープスリングがどれだけ脆いかは体感するために、実際にロープスリングに摩擦をかけまくってみました。あっという間に簡単に切れてしまうロープスリングにぎょっとし、バックアップはあくまで補助だと実感します。

半マストで懸垂

昼休憩を挟んだあとは、マルチピッチクライミングの練習です。

どこで支点をとるか、現場にある木や岩を使いどういった支点の作り方をするかを実践します。登りながら判断するのが大変難しく、知恵熱が出そうになりました……。

最後は滑落者の事故対応。初級コースは岩稜帯で同行者の滑落(ハーネスなし)を想定しての対応手順を実施しました。バンド帯に落ちた滑落者のところまで懸垂し、シートベントを作り滑落者を仮固定するところまでを実施します。実際に滑落場面にあたった場合、引き上げるのは現実的ではないのがよく分かりました。

懸垂して滑落者のところまで下降
滑落者を仮固定。(滑落者が少しうれしそうに見えるのは気のせいでしょうか……)

訓練終了後は全員でクリーンアップ活動を実施しました。盛りだくさんで時間いっぱいまで訓練でき、N村リーダーありがとうございます!実地でフリーズしないように、復習をがんばらなければと頭ぱんぱんになった一日でした。

====Bチーム====
フレッシュなAチームとは対照的にオジサン?ぞろいのBチーム。
まずはベンチ横で滑落者救護シミュレーションを実施。
単純な技術の復習だけでなく、他パーティーの遭難救護を行う際に確認すべき事項など、N山さんの経験を交えたケース検討と救護トレーニングを行いました。
その後は駐車スペース付近に新設作業中の岩場に移動(さらに新たなクライミングエリアを開拓されている管理者さんには本当に頭が下がる思いです)。土や草を払いながら恐る恐るFIXを張ったのちに登り返し等の訓練のほか、各々バッチマンの研究や岩場整備のお手伝いなどを堪能しました。

一通りのメニューをこなした後は。。。岩を前にすると、どうしても登りたいものです。
I村さんとA木は以下のルートを登って時間終了。
充実したトレーニングの一日を終えました。

 ・ そっと立つんだ 5.9+
 ・ めたろう 5.10b
 ・ フェースメーカー 5.10bc

==クリーンアップ活動==
岩場を後にしたのち、所属するSMSCAの活動の一環として清掃活動に参加しました。
当会が清掃を行ったのは平戸の岩場~東吾野駅のエリア。
ぱっと見た感じでは判らなかったのですが、林道わきには多くの不法投棄らしきゴミが・・・昭和の匂いのする空き缶をはじめ、怪しげなDVDなどに驚きつつ、可能な範囲ではありますが多くのごみを収集。ゴールの東吾野駅でBBQ帰りと思しき大学生の群れを横目に記念撮影して活動終了となりました。(群れの移動後にまたゴミがあったのでさらに収穫量UP・・)

清掃活動終了!ゴール地点の東吾野駅にて(一部画像処理しています)

春合宿後半 B隊奥明神沢~前穂高岳、A・B隊合同 西穂高沢~西穂高岳

日程:2024年5月3日~5日

春合宿後半組は、岳沢小屋をベースに2日目にA隊が奥穂南陵、B隊が奥明神沢~ダイレクトルンゼ経由で前穂高岳。3日目にAB隊合同で西穂沢経由で西穂高岳へと登る計画となりました。

【1日目】上高地9:40 ~ 岳沢小屋12:00

この日は岳沢小屋まで約3時間登るだけの予定でしたが、出だしから早速トラブル発生。駐車場から沢渡バスターミナルに移動しようとした瞬間、N村さんのザックのショルダーハーネスがぶちっと千切れる。取り急ぎ腰ベルトに縛り付けて応急処置をしましたが、バスに乗り込む寸前に今度は上部が千切れてしまいました。

上高地に到着早々、N村さんがシュリンゲとカラビナを利用してさくさくと利用できる状態に補修。以降は岳沢まで問題なく背負えていたようで、応用力の高さにびっくりしました。

上の方はベルトのヒモ通しにスリングをインクノット、下は腰ベルトにカラビナを通してスリングを折り返して長さ調整出来るようにしてフレンチノット、とのこと。

観光の方で賑わう上高地を(主にN山さんが)超高速で抜け、岳沢小屋に到着してテント設営後は奥穂南陵チームが偵察に向かうのをお見送りし、(奥明神沢の取りつきは小屋からまる見えだったため)前穂チームは翌日に備えて体力温存します。

乗鞍、霞沢岳、焼岳が一望できる岳沢小屋のテラス
山座同定しながら

【2日目】B隊メンバー:N山さん(L)、N村さん(副L)、U田。

岳沢小屋3:30 ~ ノド5:40 ~ 前穂高岳 6:30 ~ 岳沢小屋10:10(U田の立木を利用した懸垂支点構築練習1時間を含む)

雪崩や落石の危険を避けるため、2時起床し3時半には小屋を出発。山肌では既にちらほらとヘッデンの明かりが光っており、みなさん早出なのが伺えます。

奥明神沢の斜面はかっちかちに凍っていましたが、人気ルートのようで比較的トレースがしっかりしており、ふくらはぎ耐久勝負にはならずにちょっと安心しながら登ります。(とはいえ、うっかり後ろを振り向くととんでもない傾斜が目に入るので極力下は見ません。)

写真だとあまり伝わらない急登感
標高をあげると、乗鞍に隠れていた御嶽が!
ノドの様子、しっかり雪がついていると思いきや。

核心部のノドに到着します。思ったより雪がしっかり残っており安心したのも束の間、N村さんより「下が空洞になっているためそっと登るように」との指示が。空洞??と思いましたが、アイゼンを指すと音が全然違う! ここを崩したら大変だと、おそるおそるアイゼンとピッケルをやさしく刺して慎重に通過しました。

ノドを通過すると間もなく山頂です。

山頂看板はまだ雪の下のようです
少し進むと、奥穂が大迫力!
槍や裏、立山エリアまでしっかり見えていました
奥穂をバックに。写真を撮ってくださったパーティーとは、翌日も西穂でお会いしました。
南陵を攻めているT橋さんI村さんと思われる人影

下山はあの傾斜を下るんだと緊張しながら慎重に。登りでは上がらなかった息がぜえぜえになりながら下山します。

どこまで細い木でいけるか、実践しながら

時間に余裕があったため、立木を利用する懸垂の練習を4ピッチ200mして小屋まで戻りました。横では奥穂南陵ルートでヘリが救助活動をしており、改めて危険なエリアであることを肌で感じます。

小屋に戻ったあとは、祝杯の生ビールとパスタランチを楽しみながらA隊の帰りを待ちます。

【3日目】メンバー:N山さん(L)、T橋さん、I村さん、U田。

岳沢小屋4:20 ~ 西穂高沢取り付き4:50 ~ 西穂高岳 7:40 ~ 岳沢小屋 10:00

この日は前日に奥穂南陵を踏破されたA隊も一緒に、西穂高沢経由で西穂高岳へ。(N村さんは足を痛めてしまい、残念ながらお留守番)

小屋からは取り付きまでが長く、デブリ帯や木々の間を抜けながら西穂高沢へ向かいます。取り付きに到着したらあとは登るだけ!と思いましたが、これが中々につらい登りとなりました。日の出直後から光があたる斜面だったため、あっという間に雪が溶けてぐずぐずに緩んでいきます。

登っても登っても近づかない稜線

ぐったりしてきた頃に、ようやく西穂の稜線にでました。稜線上には全く雪がなかったため、アイゼン・ピッケルをデポして山頂に向かいます。(が、一カ所かちかちな雪渓が残っており、先輩方のフォローでどうにかなりましたが、U田はどっちか持って行った方が安全でした)

稜線に上がると、目のまえに笠!
明神岳をバックに
西穂も初のU田はこれが有名な西穂の稜線か~とこっそりテンション上がっていました。
セルフタイマーで記念撮影
コブ尾根方面、かっこいい

登りの苦労はなんだったんだろうというくらい下山はサクサクと進みますが、西穂高沢を終えてから小屋までは登りとなり、大変つらい道のりでした。

小屋に戻ったらパスタランチ会を開催。5名3日間で、果たしていくら小屋にお金を落としたのか…?
上高地まで戻り、(小ぎれいな方たちに大変頼みづらかったため)交代で記念撮影しました。

沢渡まで戻った後は、源泉かけ流しの「しもまき」さんで汗を流し、おいしいお蕎麦を食べ、渋滞に巻き込まれつつ帰路につきました。

3日間ともこんなに快晴でいいのかと不安に思うくらいお天気に恵まれ、終始絶景を楽しみながらの山行でした。

また個人的に、夏も含めて穂高の山々を登ったことがなかったのにまさか始めてが残雪期のバリエーションになるとは思ってもおらず、無事に登れてとても嬉しかったです!これも2月から4月までのアイスや岩場でのアイトレなど十分な訓練期間を経て今回の山行に臨むことができたおかげだなあと、ご指導くださった先輩方に感謝がつきません。ご一緒してくださった皆様ありがとうございました!

春合宿前半A隊 奥穂高岳 南稜(吊尾根経由下山)

日程 2024年4月27日~29日
メンバー Y内さん(L)、A木(記録)

今年の春合宿は連休前半・後半それぞれ2パーティが岳沢をベースにしながらいくつかのルートを登ることとなった。リーダーのYさんと相談の結果、前半A組は以下の欲張り山行の計画となった。
<初日>上高地→岳沢(テン場設営後に各日程取付きを下見)
<2日目>岳沢→南稜→奥穂高→吊尾根→前穂高沢下降→岳沢
<3日目>岳沢→コブ尾根→ジャンダルム→岳沢→上高地
※初日の様子はB隊のレポートに詳しいのでご参照ください。

<2日目>
前日の情報収集の結果、すくなくとも数Pが入って混雑するものと予想。
2:30起床、3:50行動開始。
取付きに向かう雪渓を進むと、すでに先行1Pが取付きから登攀を開始していた。どうやら我々が本日の2P目のようだ。
取付きにたどり着くと、シュルンドが開いている様子。当初想定よりも下部から尾根に取付く。草付きにアイゼンがよく効くのでサクサクと進む。
数分ほど登ると小滝に到着。
ロープを出していた先行Pに譲っていただくこととなった。(明るくなって気づいたのですが、私の友人のパーティでした。びっくり。)
そこからが南稜の本番といったところ。前夜の雨は今までのトレースを消した一方、雪を程よく締める効果があったようで、ところどころ出現している草付きやハイマツも利用しながら快適&順調に急斜面を詰めることができた。

急斜面だが草付きにアイゼンがよく効く
トリコニーを目指してぐいぐい登る

トリコニーⅠ峰直下で小休止したのちは一気に詰める。Ⅰ峰には6:00ちょうどに到着。
そこからⅡ峰まで約60分。ピーク直下のチムニー状はY内さんにお願いして巻かずに突破。やや厳しそうなポイントでロープを出す。リードを私が買ってでたものの、残置スリングに騙されて撤退。ひええと言いながら他に簡単なルートを発見して無事に通過。その後3ピッチはロープをつないだままツルベで進み、南稜の頭直下に出る。

そこで無線機が受信。明神沢を詰めているB隊からだ。無事に前穂高のピークに到着したとのこと。渓稜コールを送ったが、さすがに遠すぎたようで返ってはこなかった。

チムニーは飛んで越える。「とりゃ!」
ロープを出して2ピッチ目。いやらしいクライムダウンに続いてナイフリッジ脇を通過。

その後、ナイフリッジをグイグイと登ったあとは雪原の登り。

4ピッチ目。ここでロープセクションは終わり。
絶景をバックに最高の登攀だ
南稜頭直下。あと少し。

思いのほか急な雪原を抜けると南稜の頭に出る。そこから奥穂のピークには数分で到着。
まれにみる大展望です。
初めて来た奥穂の残雪期に、しかも憧れのクラシックルートでここに至ることができた感動に浸りつつ、北側を見ると2年前のGWに登った槍のピークが見えました。(同日に登っているNさん&Iさんの姿はさすがに見えなかった。)

南稜の頭にて往路を振り返るの図
奥穂ピークにて


さて、ここからが問題。今回の核心は吊尾根の下山ルートでした。
南稜頭直下でいきなり急斜面に出くわす。安全を期してピナクルを利用したナナメ懸垂50mで下降。登りではまったく使わなかった2本目のロープがようやく役に立つことに。

その後は滑ったら700~800Mは落ちてしまいそうな雪渓(グズグズ雪)トラバースの連続。
クリアしたと思ったらまた現れる、無限にも思える雪渓の連続に緊張度MAX、快晴の天気も仇となり我々の体力を徐々に奪っていきます。「足が攣り尾根 」とは言い得て妙。Y内さんの名言です。
そんな訳で、計画時には「時間があれば前穂高にも登りましょう」なんて言っていました我々ですが、そんな余裕もなく身も心もヘロヘロに。

見る分には美しいが・・こんな感じの所をトラバース。
※ちなみにここはリッジ上を進む選択をしたように思いますが、浮石が多くて神経を使いました。
我々が引いたトラバースのあと。延々・・

そんな「激シブ」な吊尾根も無事に通過して前穂高沢にようやく到達。「やっと帰れる」と安心したのも束の間。出だしの斜度は結構なもので、数百メートルほどクライムダウンを強いられました。(途中、数か所クラックが開いており、要注意。)
沢の最後は大滝の懸垂下降。右岸に残置されているハーケンを利用して無事に岳沢の雪渓に降り立ちました。

その後は岳沢に一直線。疲れ果てた我々を小屋前までB隊のK村さんがお迎えに来てくれていました。感謝。ボロボロになってたどり着いたテン場でB隊に合流、Y下さん、K村さんと祝杯(先に下山されたF子さんにはお会いできませんでした。残念。)・・なのですが、あまりの疲労のため大事をとって翌日のコブ尾根は中止することとなりました。
残念ではありますが安全第一。コブにはまたいつか挑戦したいと思います。

<3日目>
本日は下山のみにてゆっくり起床。5時に岳沢を発って上高地には6時半ごろ到着。
河童橋付近からは昨日登っていた吊尾根がよく見える。
痺れるような緊張の世界。
そこから無事に帰ってこれたことへの感謝と同時に、力不足でコブ尾根に行けなかったというすこし悔しい気持ちが入り混じります。
そんな思いを胸にコーヒーでも飲みながら反省しようとレストランに入ったのですが、メニューを見るとおいしそうな定食が。
結局はお得な朝定食をモリモリ食べることに。
よく考えたら出発前にも朝ごはんは食べていましたが、まあこれも山なのでOKでしょう。

以上、春合宿A隊の報告でした。今回もご一緒いただいたY内さん、B隊のY下さん、K村さん、F子さん、どうもありがとうございました!!

下山後、上高地で合宿前半組の記念撮影
河童橋を越えたら、偶然にも槍チーム(Nさん&Iさん)と遭遇した。

<2日目ログ>
03:50 岳沢小屋出発
04:15 南稜取付き
06:00 トリコニーⅠ峰
07:00 トリコニーⅡ峰
09:20 南稜の頭
09:45 奥穂高岳山頂
10:30 南稜の頭(吊尾根経由下山開始)
12:45 前穂高沢下降開始
14:20 岳沢小屋(ビールが最高においしかった) 

4月会山行 阿寺の岩場・岩稜訓練

日時:4月14日(日帰り)

山域:東吾野 阿寺の岩場

内容:アイゼン訓練 クライムダウン、懸垂下降など

メンバー:N(L)、Y、N、K、F、Y、A、T、I、U、I、 合計11名 見学者1名

4月の会山行はなんと会員全員が参加。見学者の方も1名いらっしゃいました。

GWの春合宿が北アルプスの岳沢ベースということは決定していたので、その山行計画に繋がるような訓練を実施。

当初は谷川岳のマチガ沢辺りで雪上訓練を予定していたが、雪が不足しているのではないかということもあり、岩訓練に変更することに。

春合宿の北アルプスも雪が少ないだろうと考え、雪と岩のミックスしている状況を想定し、アイゼンを付けて岩場を上ったり、歩いたりの訓練をメインにやった。

阿寺の岩場や平戸の岩場のような、アプローチも短く、管理もしっかりしていて安全な訓練しやすい環境の岩場は貴重なので、会としては本当にありがたい。

この場を借りて、いつも岩場を管理されている大野さんをはじめ、その関係者の方々にも感謝をお伝えしたいと思います。

3月会山行 谷川岳・雪上訓練

日時:3月9日・10日(一泊二日、テント泊)

山域:谷川岳 西黒尾根途中 ※日光白根山より変更

内容:雪上訓練 半雪洞の構築(日帰りビバーグを想定)、ラッセル訓練

メンバー:A(L)、Y、N、K、F、Y、T、I、U、I 合計10名

3月の会山行は10名の参加、車は3台で移動することになった。

その内の1台が出発に遅れてしまい、先に丸沼高原スキー場に向かっていた2台と連絡を取り合う。

現地で到着を待っててもらうのも時間が惜しいので、先にロープウェイで上がってもらい、訓練を始めていてほしいと伝える。

が…先着メンバーからロープウェイが動いていないとの連絡が入り、急遽訓練場所の変更先の相談を始める。

結果、決まったのが谷川岳の西黒尾根を少し上がったところで訓練をすることに。

谷川のベースプラザには、全員がほぼ同じ時間に集合できた。

※丸沼高原スキー場方面に向かってくれたメンバー、ありがとうございました!

谷川岳ロープウェイも動いていなく、スキーヤーやボーダー、登山者などがそこそこいたが、どうしようかと待機している感じだった。

ベースプラザは開いているが、ロープウェイは見合わせ中

雪が降り、風も強く、そんな中を山に向かうのは我々くらいだった。

西黒尾根途中の鉄塔を過ぎ、少し登ったあたりで訓練開始。

鉄塔下でほんの一息

1日目は日帰り山行時のビバーグを想定してのツェルトと使った半雪洞の構築。

日帰り想定なのでスコップの使用は禁止。ピッケルのみで雪斜面を削っていく。

ピッケルのみでもけっこう削れる。持っていればコッヘルなどでも代用できる。

雪が柔らかいので、数十分で完成。強風を想定し、ツェルトが飛ばされないように気を付けながら広げるなど、新会員にレクチャーしながら各々が半雪洞の居心地を体験する。

訓練が落ち着いたところで、今回はテント泊だが場所が斜面なだけに、時間がかかりそうなので早めに整地を始める。

(サクッとテントに入って一杯やりたいというのがホンネ…)

整地は大変だったが、斜面に張ったこともあり、風の強い夜中も不安なく過ごせた。

未明には顔に当たるテントの冷たさで起きたが、一晩でテントを圧迫するくらいの積雪だった。

恐らく30㎝くらいは降り積もったのではないだろうか。

一晩明けたテント周辺。テントの圧迫感が積雪量を物語っている。

おかげで2日目のラッセル訓練は、3月にしては良い訓練になった。

最初は空荷のツボ足→ザックを背負ってのツボ足→ワカンを履いてのラッセル

荷物を背負ってのラッセル。深いラッセルでは空荷でラッセルが効率的。

こんな感じでラッセル訓練をし、登り過ぎるにしても表層雪崩のリスクなどもあるので、近場で登ったり降りたりを繰り返して訓練終了。

こっちのメンバーもがんばってます!

ラッセルの先頭は夢中になってしまうので、二人目以降が誘導してあげることや踏み固めることが大事なこと、雪庇は風下に向かって発達するが、人は無意識に風を避けようとして雪庇に寄って行ってしまうなど、そんな雪山での注意点なども共有しあう。

ちょうど雪庇が少し崩れた瞬間。よく見ると少し亀裂も走っている

一時は予定していた日光白根山を断念してどうなるかと思ったが、天気の悪さが逆に良い訓練に導いてくれたと思う。

こういった訓練をやることで安心や自信になるので、今後のより高い目標につなげていきたい。

冬合宿 鳳凰一山(薬師のみ)

日程 2024年1月6日~7日
参加 N山、K村、F子、N村(SL)、T橋(L)、U田、I澤、A木(記録)

毎年、年末年始におこなっている冬合宿ですが、今シーズンはメンバーのスケジュール都合により、1月の3連休を利用して、鳳凰三山を登ることとなった。
暖冬といわれる今シーズンではあるが、天気予報は晴天が期待できるものの、強い寒波の南下に伴う低温&強風を告げていた。
無事に三山のピークを踏むことを願いつつ、一路南アルプスへ向かう。

DAY1(夜叉神→南御室小屋BP)
朝7:30に夜叉神峠駐車場に集合。共同装備を振り分けて8:00ごろに入山。
入山前にはリーダーが山梨県登山条例に基づき、計画書の確認を受ける。
「皆さんの登山歴は?」
「長い方で半世紀近くになります・・」という恒例のやり取りもあり、特に問題なくクリアした模様だった。

最初の経由地である夜叉神峠小屋まではなかなかの急登。
しかし今年は全くと言っていいほど雪がない。
汗をかきかき、途中何度か休憩を取りながら、ゆっくりと歩を進める。
ようやくたどり着いた夜叉神峠小屋からは白根三山の素晴らしい景色。
一同、これを眺めながら「次はあのルートを登りたい・・」といった話が尽きない。

小屋を出た後は順調に高度を上げ、苺平に到着。
これ以降はアイゼンなどを履くほどではないものの、少しだけ積雪が出てきた。
ようやく冬山の雰囲気につつまれた一行は南御室小屋に13:30ごろに到着。
全員で整地とテント設営を行ったあとは新年会。
大量の酒とつまみが提供され「(標高が)日本一高いスナック」が久しぶりに開店。
今回はチーママのTさんに大ママ(Fさん)、新人スタッフ(Uさんとなぜか私?)も加わって、大賑わいの店内となった。

楽しい新年会がお開きとなった後は、男女に分かれてテントで就寝。

夜叉神駐車場 ほぼ雪はない。
登山道もしばらくこんな感じ。ほぼ雪はない
夜叉神峠小屋前にて、白根三山を眺めて。「あのルート行きましょうよ・・」
南御室小屋到着。積雪20cmくらい?水場もしっかり流れていました。
(標高が)高いスナックで提供されたおつまみの例、チーママが楽しく盛り上げます。
外は満天の星。でも強風・・明日はどうなることか。

DAY2 (南御室小屋~山頂往復→下山)
早朝3:30。
5:00出発のために携帯電話が起床時間を告げる。
外は天気予報どおりの晴天だが、強風に加えて小雪が舞う厳しいコンディション。

「本日、三山コンプリートは断念して薬師岳のみ、行動は日の出以降7時頃に開始する。」との連絡がTリーダーから即座に入る。
各自、二度寝するなり、お茶を飲むなりして出発までの時間を過ごしたのち、南御室小屋を7:00ごろに発つ。

途中スライドする下山者の様子からは、かなりの強風ぶりがうかがわれた。気を引き締めて山頂に向かう。

もうすこしで薬師岳ピークだ

8:45、強風に凍えながら山頂に到着。
寒いながらも360度の絶景に息をのむ。一同、しばし景色を堪能したのちに恒例の写真撮影を行った。

頂上からは素晴らしい展望。でも風は強い。
みんなで集合写真。なぜか解像度が低い。

山頂で恒例の撮影をした後はもう下るだけだ。
南御室でテントを撤収した後、サクサクと歩を進め、14:00ごろには夜叉神駐車場に到着、下山完了となった。

今回も楽しい合宿をプランニングしてくれた企画部をはじめ、皆さんに感謝です。

下山後のお楽しみ。ほうとうをいただきました~

■ログ
<Day1>
 08:15 夜叉神峠登山口
 09:15 夜叉神峠小屋
 11:10 杖立峠
 13:00 苺平
 13:30 南御室小屋
<Day2>
 07:00 南御室小屋
 08:00 砂払岳
 08:10 薬師岳小屋
 08:40 薬師岳
 09:30 南御室小屋(撤収)
 10:45 苺平
 12:00 杖立峠
 13:00 夜叉神峠小屋(休憩)
 14:00 夜叉神峠登山口

谷川岳雪訓(会山行)

<宿泊組>12月9日~10日
メンバー N村(L)、N山、F子、I村、U田、I澤、A木(記)

DAY1(12/9)
朝8時過ぎ、水上ICを降りてすぐ、いつものセブンイレブンに集合。
ベースプラザ駐車場(ナント無料!)で身支度を整えてチケット売り場に向かう。
往復3,000円か・・ずいぶん高くなったなぁと思っていたら、係員からひとこと「10Kg以上のお荷物は別途700円頂戴しますー」。
一気に値上がりしちゃいましたが、天神平まで運んでくれるのだからありがたいことです。

その後はロープウェイで一気に天神平へ。心配した雪の具合も、なんとか訓練できそうな程度で一安心。
はじめての雪山となる新人さんを含め、全員の確認ということで以下のメニューを行いました。
・アバランチトレーニング(ビーコンを使用した捜索法と電波特性について)
・冬装備のチェック(アイゼン/ワカンの装着)
・雪山歩行の基礎(フラットフッティング、エッジング、キックステップ)
・ピッケルの使い方
ひととおり訓練メニューをこなした後は、幕営訓練。稜線付近の適地にて雪上テント設営法について確認しました。

その後はいつもの宴会モードで楽しいテント生活。新人さんには、Nリーダーが水づくりの実演やテント内の注意点を伝授されていました。

ロープウェイ駅にて。ふむふむ。ギリで雪はありそうだ。
このあと、チケット代のジャンプアップに驚愕
なんとか雪はある。しかし、日差しも強くて、とにかく暑い。
アバランチトレーニングの様子。
ゾンデを伸ばすにも流儀がある。
プロービングの訓練。伸ばす方法からしっかりと。
ワカンの装着も先輩がしっかりと確認してくれます
テントの設営完了。(いつもどおり)すでに脳内はビールに支配されている。


DAY2(12/10)
ピー、ピヨピヨピヨ・・ピー、ピヨ?
小鳥の声で目が覚める。いや、周りはまだ暗い。よく確認すると、N村さんの寝息でした。
爽やかな朝を迎える。

今日は谷川岳ピークの往復だ。朝食を流し込んで6時半に出発。
熊穴沢避難小屋でストックからピッケルに兵装転換。
先輩方から歩行やピッケルの使い方について随所で新人さんへの指導が入りながらも、あっさりとトマの耳に到着。せっかくなのでオキの耳もめぐって、肩の小屋付近で休憩。

付近の斜面で滑落停止訓練を行いながら、本日入山の「日帰り組」を待つ。
通じないだろうと思っていたデジタル簡易無線も良好に交信でき、ほどなく日帰り組3名の姿が見えた。
渓稜コールを送ると、手を振り返してくれる。
山岳会の山行で一番好きなシーンだ。

快晴!彼らのさす方角にうっすらと富士も見えたらしい。
滑落準備中ののU田さん
お、止まった!ナイスです。
全員集合でパシャリ!

日帰り組との合流後、歩行訓練を行って下山。その後はいつもの湯テルメで汗を流して解散となりました。

<日帰り組> 12月10日

メンバー: Y(L)、K、T(記)

8時55天神平 9時30熊穴沢避難小屋 10時45トマの耳 11時訓練合流 14時天神平ロープウェイ

8時半発の始発のロープウェイで天神平に到着し、お泊まり組とトランシーバーで連絡を取り、肩の小屋あたりで合流予定としました。

天神平の積雪は30センチくらいでしょうか。夏道がまだ行けるようだったので、トレーニングも兼ねて最初からアイゼンつけて行きます。この時期にしては、とても日差しも強く気温もぐんぐんあがり、脱いだり着たりしつつも、汗だくになりながら登ります。

避難小屋を超えてからは岩陵に雪解け水が流れて春のようです。

天狗の溜場まで来ると風が強く、上着を羽織っていると空から「渓稜‼︎」のコールが聞こえて上を見上げると、稜線のスカイラインに黄色や赤や青のウエアの人達が手を振っているのが見えます。肩の小屋近くで滑落停止などの雪上訓練をしているお泊まり組の面々です。嬉しくなってこちらも大きく手を振り渓稜コールを送ります。

日帰り組でトマの耳。使い回しの写真ではないですよ。ちゃんと今回のです。

トマの耳まで行き、肩の小屋で合流後は滑落停止とアイゼン装着でのダイヤモンド歩行に参加し、テントを撤収を手伝ってから下山しました。