山のグレーディング調査山行 妙法ヶ岳(会山行)

メンバー T橋、H島、S木

8:30大輪バス停-10:00見晴台-11:00妙法ヶ岳(三峰神社奥宮)-12:10ビジターセンター(いちご削り)-13:40大輪バス停

 6月の会山行はSMSCA70周年記念事業である埼玉県山のグレーディング作成のためのルート調査とクリーン登山になりました。当会の担当ルートは6ルート(担当数最多)で、それぞれにメンバーを割り振り、私達は大輪バス停から妙法ヶ岳へ至るルートの担当になりました。

 いつもの会山行とは違い、ゆるふわ登山…とはならず、私は三峰神社までふくらはぎがヒーヒーでした。ですが、今回初参加で新メンバーのS木さんは余裕の表情!さすが、かなり登り込まれている様子。今日は湿度90%以上で汗が吹き出ます。足攣り注意でH島さんオススメのカリカリ梅で塩分を補給をします。

ここから表参道の山道へ。橋の上からは大血川渓流がきれいです
橋の崩落箇所。木が滑りやすいので注意です。
清浄の滝。この先からつづら折の道になり、高度をどんどん上げていきます。ふくらはぎヒーヒー。
三峰神社が近づいてきたあたり(40丁目と48丁目あたり)に立派な家が2軒ほどあり。今は誰も住んでいなさそう。
山頂直下(奥宮)の鎖。一般の人が多く、なかなか盛り上がっていた。

ルートは一部崩落箇所がある程度で歩きやすく、三峰神社まで人も少なく静かな山歩きが楽しめます。神社を過ぎると家族連れも多くなり、だいぶ賑わっていました。特に奥宮の直下の短い鎖場は、なかなか盛り上がっていました。

山頂は狭く、親指くらいの大きさの蜂にブンブンされたので、手を合わすことも忘れて、さっさと降りました。

瓶やら缶やら大量に回収。

途中、クリーン活動として廃屋に散らばっている空き缶や瓶を回収しながら下山。登山口近くにある滝は寄り道し、無事バス停に戻りました。たくさん汗をかいたので大滝温泉でさっぱりして、S木さんの沢道具を物色しにららぽーとへ〜^_^。H島さん、S木さんおつかれ様でした。

番外編、今回は買食いが充実していました。その中でも三峰ビジターセンターのいちご🍓削りがサイコーでした。ホイップクリームおかわり有りです。渓稜の皆様オススメです。

山のグレーディング調査 二子山

日時 2025年6月8日
メンバー Y内(L)、A木(記録)

埼玉県山岳・スポーツクライミング協会(SMSCA)設立70周年の記念事業として所属する各山岳会が協力して行う「埼玉山のグレーディング」の実地調査に訪問しました。
我々パーティの担当は二子山。クライミングには何度か行ったことのある場所でしたが、普段とは異なる道を歩くことで、知らなかったこの山の魅力をさらに感じることができました。
ご一緒いただいたみなさん、連絡先のU田さんありがとうございました。

<ルート>
坂本登山口→股峠→東岳→西岳→魚尾道峠→魚尾道峠登山口→車道→坂本登山口
(途中、I村さん&I澤さんパーティと合流して中央稜を登攀しました。詳細はI澤さんが記事にしてくれています)

坂本登山口 バイオトイレ。とてもきれい。みんなで大切に使いましょう。(こちらもSMSCA山のトイレ調査にて報告。)



渡渉箇所あり。たまに不明瞭なところがあるので注意
稜線は岩稜帯が続く。
下山はクリーン登山活動を実施。あまりゴミは見つからなかった。

山のグレーディング調査 武甲山(会山行)

遭難予防の観点から登山道を通過する登山者に求められる「体力度」および「技術的難易度」の二面から評価(グレード付け)するにあたり登山道を実地調査し、そこを通行する登山者に求められる技術・能力などの技術的難易度を評価した。また、同時に県岳連主催で毎年恒例のクリーン登山活動も行った。

調査日:2025年6月8日(日)

調査者:Y下(68)・N山(66)

天候:曇り、スタート時気温21℃(若干蒸し暑い)

行程:横瀬駅5:00ー一の鳥居6:30ー表参道ー武甲山8:30ー小持山ー大持山ー妻坂峠ー一の鳥居12:00ー横瀬駅13:30

武甲山にはかつて裏参道と途中から分岐する西参道と屏風道が存在し、屏風岩なる岩登りの対象となった200m位の大きな岩場があり当会からも参加して県北や秩父の岳人達による開拓が行われた時代があった。今は削られてしまい当時の面影はないが、あのあたりにあったよな~と当時に思いを馳せながら汗をかく。また西武鉄道が開通する前は熊谷経由で秩父駅から歩くから一の鳥居下の宿屋が連ねたところまでが1日目で、翌日登頂後に裏参道や橋立道など西側に下山していった。

昔の面影など一切ない面白くないアスファルトの車道の往復は、もうすぐ50年になる盟友と武勇伝に花を咲かせて歩くが、どうしてもいつのまにか年齢的にシモ話に脱線してしまうのも仕方なし。

グレード付けと言えば、昭和40年には当会は遭難防止の観点から独自に岩場のグレード付けを行い、提出された山行計画書を評価し、組織としての承認責任を果たしていた。昔の会報に記載があるので興味が湧いたら探して読んでみても良いかもしれない。現在のグレード付けと比較しても遜色ないので先輩たちの先見性・独自性といった発想力の凄さには脱帽である。

長い前置きはこのくらいにして本題に移ろう。

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踏査した結果は次の通りである。

①ルートは全般的に明瞭

②反時計回り(武甲山→大持)で踏査したが小さな岩場の下りで不安定な姿勢を強いられることから反対方向(時計回り)のほうがつまずいた際の転落距離が短くなるのでより安全と思われる。現地案内図も妻坂峠→大持→武甲山周回で表示されていることから現地と同じにするのがルート設定として整合性が高く、このコースで歩く登山者がほとんどであった。実情に合わせたほうが良い。

③足の置き場が狭い部分もあり時に慎重な足捌きが必要。

④道標が古く苔むしており文字の判別が難しい。

⑤分岐点での道標の矢印が必ずしも実際の方向と合致していないため一旦立ち止まって地図等で進行方向を確認する必要がある。

⑥電波状況:一ノ鳥居以降すべて「圏外」

⑦橋立口通行止め

横瀬駅から武甲山を周回して戻るルートはヤマレコの計画作成機能「らくルート」で標準倍率でも10時間47分、距離して21.4kmと公共交通機関を使った日帰り山行としては始発駅出発時刻や駅帰着時刻に多分の無理があり、途中に避難小屋や幕営地点もないことから事前に必要な準備(リスク管理)を行った上で実施されるのが良い。

クリーン登山の結果は、僅かだがゴミを回収した。

山のグレーディング調査 雲取山(会山行)

メンバー:I村さん(L)、Ⅰ澤(記)
日程:2025年6月7日(土)
天候:曇り⇒晴れ(梅雨入り前の貴重な好天でした)
5:50三峰神社駐車場-7:30霧藻ケ峰-11:05雲取山山頂11:30-14:20霧藻ケ峰休憩舎15:00-16:00三峯神社駐車場

SMSCA創立70周年記念事業『埼玉山のグレーディング』調査に三峯神社駐車場⇔雲取山を歩いてきました。
私自身、雲取山は2回目ですが、三峰神社から歩いたことはなく楽しみな山行でした。
また、後世への遺物たるグレーディング調査に参加できたことは大変貴重な経験であり、また責任を感じての山行でした。

午前3時に集合し、I村さんの運転で三峰神社駐車場へ。
I村さん、運転本当にありがとうございました!
登山者用駐車場には既に何台か車がありました。皆さん早いです。
歩き始めは曇り。ひんやりと感じられる体感でした。
歩き始めると薄っすら汗ばんできて、すぐに半袖に。
炭焼平~霧藻ケ峰~お清平~旧白岩小屋~雲取山荘~雲取山山頂とアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていくコース。
標高1,049mの三峰神社駐車場から標高2,017mの雲取山の標高差約1,000mを、片道約10kmかけて登っていきますので、急登はほとんどなかった印象です。

登山中、2頭の鹿と出会った。
山頂はすぐそこ。

【注意を要する箇所】
➀随所にあるトラバース道
 山の斜面に作られたトラバース道。幅は狭い所で60cm程でしょうか。
 余程不注意でなければ踏み外すことはないように思います。
 ただし、すれ違い時や、降雨等により地面が緩んでいる場合には注意して歩きたいです。

➁お清平~前白岩山間の鎖場
 今回のルートで唯一の鎖場。
 鎖は使わずとも登下降可能ですが、雨で濡れている場合などは注意が必要です。

下山はクリーン登山(ゴミ拾い)を実施しながらでした。
廃小屋である『雲取ヒュッテ』と『白岩小屋』にはかつての残置物がありますが、登山道沿いには殆どゴミが落ちておらず非常に綺麗でした。
埼玉県屈指の人気ルートが綺麗だというのは誇らしいです!

距離にして10kmの下山路。ゴミはこれだけしか落ちていなかった。

下山途中、最近改修完了したばかりの霧藻ケ峰休憩舎のご主人にお声掛け頂き、休ませて頂きました。

霧藻ケ峰休憩舎

無知な私が小屋の中で「この香りは何でしょう。ススの匂いですか。」と聞くと、ご主人が「これは檜の匂いだよ」と教えて下さいました。今回の改修でも良い檜材を使っているそう。
皆さんも檜小屋の匂いを嗅ぎに行ってはいかがでしょうか😙
また、ご主人から「三峰神社⇔雲取山ルートは登り一辺倒ではなく、何度もアップダウンを繰り返すから、アルプスに入る前の良いトレーニングになるんだよ。」
「昔は霧藻ケ峰の辺りもスズ竹が生い茂っていたんだけど、何十年かの周期の中で数年前に全て枯れてしまってね。今は雲取山荘の辺りで背の低いやつが生えてきている。あと数年かで霧藻ケ峰の辺りにも復活してくるだろうね。私は若いころは奥秩父の沢登りをやっていたんだけど、どの沢を登っても、最後の詰めはスズ竹の藪漕ぎで大変だったんだ。」
「この辺りにも勿論、熊はいてね。この休憩舎に歩荷するときには熊に『来たぞ~!』って大きな声で知らせながら歩いているんだよ。そうすると、熊の唸り声が聞こえてね。」
「一度、熊と鉢合わせてしまったことがあってね。仲間をかばって熊と睨み合いになって。熊が去った後には、腰を抜かしてしまったよ。」
などなど、大先輩の貴重なお話を聞くことができました。
休憩舎を去る際にゴミ袋を提げている私達を見て、ご主人が「ゴミ拾いをしてくれたのか。ありがとうね。言ってくれればコーヒーの一杯でもご馳走したのに。今度来たときはご馳走するから声掛けてね。」と、気さくでお優しいご主人でした。ありがとうございました🙇

霧藻ケ峰から1時間ほどで三峯神社駐車場に帰着。
「長かった~」と一息。

充実した『山のグレーディング山行』&『クリーン登山』を完遂することができました。
『グレーディング』という貴重な経験をさせて頂いたこと、安全で綺麗な登山道・休憩所を維持して頂いていることに感謝。
I村さん今回もありがとうございました!

ジムトレーニング(会山行)

メンバー:I村さん(L)、矢内さん、A木さん(SL)、T橋さん、I澤さん、H島さん、U田

5月後半の会山行は当初古賀志山エリアで岩トレを予定しておりましたが、直前まで天気が二転三転。朝方に雨がやむとの天気予報を信じて現地に向けて出発しましたが、期待を裏切りインターを降りても霧雨がしとしとと、しっかり路面を濡らしていました……。インター最寄りコンビニで集合して協議を重ねた結果、浦和にUターンしてエナジーにてジムトレすることに。

長いドライブを経て浦和に戻るとちょうどオープン時間。体調不良から回復したH島さんと合流して練習開始です。

Y内さんI村さんにマルチピッチクライミングのロープワークまずは地上で小1時間ほどご教授していただき、練習壁が空いたら実践。頭をこんがらせながらも何度も何度も繰り返し練習させていただきました。

ボルダリングをしてみたり、見学のO滝さんを交えてギア談義をしたり、元気な人は登り込みをしたりと午後までめいめいに練習を重ねて、生憎のお天気ではありましたが有意義な1日となりました。みなさんありがとうございました!

【春合宿③】剱岳

日時:2025年5月4日(日)~2025年5月5日(月)

メンバー:Y内さん(L)、I村さん(装備)、I澤さん(気象)、U田(記録)

1日目:8:00 馬場島荘 - 14:00 早月小屋 (TS)

2日目:6:15 早月小屋 - 8:00 剱岳 - 11:00早月小屋 - 15:30 番場島荘

春合宿GW後半班は、昨年末にチャレンジするも早月小屋までしか辿りつけなかった剱岳に再びチャレンジしてきました。

直前まで天気予報は安定せず、一週間ほど前から気象担当のI澤さんが毎日お天気予報をお知らせしてくれ、日程が二転三転しつつも、4日から5日は晴れそうとのこと決行。

前日深夜からI澤さんに順番にピックしてもらい、夜通し車を走らせ富山まで向かい、余裕を持って番場島荘へ到着します。

番場島荘の駐車場には車がぎっしり!こんなに登る人がいるのかとびっくりしました。

上空にはどんよりとした雲がかかっていますが、きっと晴れてくるだろうと希望を持ってスタートします。

今回はしっかり石碑を見れました!

ひたすら急登が続く早月尾根ですが、雪もしまっており順調に進みます。しかし快晴予報とは裏腹に、登るにつれてガスは濃くなっていき、とうとうぽつぽつと雨が降り始めました。右も左も真っ白の中、修行のように、ひたすらもくもくと進みます。

そして14時、番場島荘を出発してわずか6時間で(小雨に降られた以外は)たいした苦労をすることもなく丸山に到着。

前回、伊折からのアプローチを含めて3日かかった丸山山頂まで一瞬で到着!

そこから早月小屋はすぐそこです。既に2パーティー幕営していました。夜間から爆風予報となっていたため、風がよけられそうな小屋の傍で、1時間ほどかけてしっかりとした壁を作ります。作業中に雨は雪に変わり、今日はもう眺望は望めないかと思いましたが、夕方頃にはだんだんと雲が取れ晴れてきました。

鉄壁の壁

当初小窓尾根の案もでていましたが、眼前にくっきりと見えた小窓尾根のえげつないアップダウンぶりに震え、早月尾根でよかった……と心底思いました……。(でもいつか行ってみたい。)

小窓尾根を眺めながらモクるI澤さん

次の日。予報では風速20m/sを超えていたため、起床時の風次第ではそのまま撤退する可能性もありましたが、外に出てみると思いのほか風が弱い!!予定通り5時過ぎにテントを出発です。

先行パーティーの方が登っている姿から遠めにも急登さを察する

最初から壁のような登りに寝起きの身体は悲鳴を上げます。しかしそれは序の口、似たような壁が次から次へと現れました。ふくらはぎがあっという間にぱんぱんになりながら、元気なY内リーダーとI澤さんにおいてかれないよう必死に登ります。

一部夏道も
どこを登るのが、登りの時点では全くわかりませんでした…。
天気はどんどん晴れてきて、テンションは上がります。

獅子頭、カニのハサミといった難所は全て巻き道がついていました。トラバースもしっかり凍っていたため、問題なく通過。

一部鎖がでているところも

そろそろ山頂が近いだろうかという頃に、最後の難関のルンゼがきました。(余談ですが、みんなルンゼなの?と言っていましたが、富山県山岳警備隊のXにも「通称蒼氷ルンゼ」との表記をみたのでルンゼのはず)

先行していた2パーティーが下山してるのを退避して待ちますが、皆さんダブルアックスで慎重にクライムダウンしており、こんなところを下りるのかと早くも帰りが心配になりながら登り始めます。ここのルンゼだけ何故か雪が緩んでおり、コンディションの違いに愕然。一歩一歩びくびくしながらどうにか登り切りました。しかしここを終えてしまえばすぐに山頂です。

ご褒美の稜線歩き
まだ完全にガスは取り切れていませんでしたが、朝一に比べればいいコンディション
I澤さんんのヒミツ道具で記念撮影

余韻もそこそこに、雪が緩む前に下山を始めます。下りは案の定、とても怖かった!ステップを頼りにおりようとしてしまい、蹴り込みが足りないとリーダーにアドバイスをもらいます。

あとからここがカニのハサミだったのかと気づきました。
ひたすらクライムダウン
小屋に戻る頃には快晴

小屋に戻りましたが、すぐに撤収作業に入れないほどみんなでぐったり。しばらく休憩してから、重い腰を上げて下山を開始します。あとは下るだけと思っていましたが、気温が上がって雪がずるずるになり、何回かプチ滑落しながらの下山でした。

毛勝三山を眺めながらの下山路
春でも下山は試練だった!

帰りはまたしても富山きときと寿司でおいしいお寿司を満腹になるまで食べ、交代で運転しながら埼玉まで戻ってきました(🔰のU田ほとんど運転できずすみません……!!)

前回はまったく登れるイメージが湧かない、果てしない遠い山というイメージでしたが、今回再挑戦して無事に登頂でき、人間が登れる山なんだなあと実感することができました。(……が、これを厳冬期に登るというのは途方もないことだと改めて認識しました。)

(また冬に挑戦したくなるかどうかは置いておいて)冬春と一緒に挑戦できたY内さんはじめ、I村さん、I澤さんありがとうございました!初剱が念願の積雪期になったの一生忘れません。

【春合宿②】2日目 大中子(おおなご)山

メンバー:F王寺さん、H島さん(SL)、U田(L)

6:30 林道スタート - 7:00 登山道取り付き - 9:30 クマ山 - 11:45 下山

女子だけの春合宿2日目は、当初燧ヶ岳を予定しておりましたが国道352号線が開通せず、登山口まで辿り着けないため断念。予定を変更しF王寺さんが事前に目星をつけてくださっていた大中子山へ。

会津百名山に選定されており、登山道は冬季限定とのことなので、それはそれでわくわくする!と調べると登山記録が極端に少ない。今年は2週間程前に登頂した人の記録しか見つからず、ほぼ情報がない状態で登山口へ向かいました。

駐車できる場所も定かでなかったため、登山口手前の林道路肩に車を止めて出発。(が歩きだしてから、もう少し奥まで車でいけたことが発覚。)

30分ほど林道歩きをして、登山口に到着。取り付きの真横を流れる沢は昨日と同様雪解け水で爆流!渡渉があるため、これ渡れるだろうかと少々不安になりながら入山します。

渡渉する予定の支流が奥に見えていますが、水流がすごいのが遠目にも明らか

ある程度踏み跡やピンクテープもありましたが明瞭とは言えないため、うろうろしながらまずは最初のポイントの渡渉地点まで。

思ったよりは川幅も狭く、何カ所か渡れそうなポイントがあったため、各々好きな場所を渡渉します。

F王寺さんとH島さんは敢えて難しいところからチャレンジ(しているように見えました笑)

あとは単純に尾根を辿ればOKと思いましたが、これがとても急!雪があればアイゼンでサクサク登れそうではありましたが、雪がないためずるずるの土。一回足を滑らせたら止まれなさそうな斜度にひやひやしながら登ります。下り用にロープあった方がよかった?最低限ヘルメットだけでも持ってくるべきだったかも……??と後悔しました。

下山の時に道を間違えないように、枝で目印を作りながら進みます。

標高900mあたりからは斜度も緩やかになってきましたが、今度は藪が出てきました。藪をかき分けたり残雪の上を辿ってみたりしますが、なかなか思うように進みません。

振り返ると昨日登った会津駒ケ岳~燧ケ岳の広くなだらかな稜線!

(昨日夜はキャンプ場にも爆風が吹き荒れテントが大暴れし、みんな若干の寝不足だったこともあり)標高1,500mあたり、いい加減疲れてきた~!という頃に、木に「クマ山」という謎の文字が刻んであるのを発見したため、ここを本日のピークとすることにしました。

ピークとは思えないような場所で発見
最高到達地点で。

下山はアイゼンを着用。最初の極端に急だった尾根は、土にアイゼンをぐさぐさと刺しながら下りることで、なんとか事なきを得ました。

林道まで戻ったら、収穫タイムの開始です。

春の恵みが大量
お買い物帰りスタイルのF王寺さんとH島さん

帰りは燧の湯でさっぱり汗を流して帰路につきました。

情報が少なかったとはいえ装備やルーファイなど反省点が多かったですが、思いがけずバリエーション感があり、予期しない方向で楽しむことができました。ピークは踏めませんでしたが、またいつかしっかり雪が残ってる時期に再チャレンジしたい…かも?

予定通りとはいきませんでしたが充実した2日間を過ごすことができました、F王寺さんH島さんありがとうございます!

雪訓(会山行)

メンバー:F寺、Y内、A木、I村、U田、Y代、H島、I澤(L)
日程:2025年4月12日(土)
場所:湯檜曽川を挟んで白毛門駐車場の対岸の斜面(湯檜曽川右岸側)

4月会山行は2月SMSCA講習会の内容共有と、春合宿前の技術確認を目的として雪訓を実施しました。
私I澤は初めて訓練山行の進行役?講師役?を務めさせていただきました。
説明が分かり辛かったり未熟な部分があったかと思いますが、経験を積み重ねて、より良い訓練山行を実施・完遂できるように精進します。
ご参加いただいた皆様、緊急連絡先をお引受け頂いたT橋さん、今回もありがとうございました🙇

【内容】
➀スタンディングアックスビレイにおける自己脱出
➁ボディビレイ
③支点構築(スノーバー、土嚢、スノーボラード)
➃梱包・搬送

【スタンディングアックスビレイにおける自己脱出】
まずは、2月SMSCA講習会の内容共有としてスタンディングアックスビレイにおける自己脱出をやりました。
手順はこちらを参照して頂きたいのですが、
特に、≪肩絡みで確保した後、ビレイループに掛けたカラビナにムンターヒッチを掛けて、両手を自由にする≫までの工程に苦慮している様子でした。

重要なのは、“手順”そのものではなく、“手順”の持つ意味。
その意味を理解したうえで、“手順”に固執するのではなく、自分自身が確実にやれる方法を身に着けることが重要。
そして、例えば後輩への指導方法の一つの類型として“手順”とその“意味”を伝授する。
そうすれば、“手順”自体が改良・変更されても、対応できるのだと思います。

まずは平らな場所で手順を確認しました。
斜面に移動して確保から自己脱出の練習をしました。

【ボディビレイ】
そもそもボディビレイがちゃんとできていないのではないかという話になり、併せて、ボディビレイの練習も行いました。腰絡みと肩絡みです。
実際の山行でもよく使うので、自信をもって確保できるようになっておきたいです!

腰絡みを練習するY代さん

【支点構築】
スノーバー、スノーボラードで支点構築を行いました。
一部の参加者の方々には土嚢での支点構築も学習しました。
現場の状況に合わせて持ち合わせているもので支点構築するためには、なるべく多くの方法を知っている方が有利です。
その時の雪質や天候、気温などの条件によっても、最適な支点構築は変わると思います。

スノーボラード。この日は気温も高く雪がしっかり固まった。

【梱包・搬送】
訓練の最後に梱包・搬送を行いました。
山行中の事故で要救助者が行動不能に陥った時、風雪を凌げる場所に移動させたり、救助ヘリが近付ける場所まで移動させる必要があります。
今回は雪上で使える梱包・搬送技術でしたが、今後機会を見つけて、無雪期の梱包・搬送技術も勉強・訓練したいと思いました。

スノーバーと同様にT字の溝に埋める。スリングの巻き付け方にすっぽ抜けを防ぐ工夫がある。
要救助者役はY内さん。搬送中に足が広がらないように膝、足首を固定する。
ツエルトに雪玉やカラビナなどを入れて、クローブヒッチでロープとツエルトを接続する。
斜面を下ろす練習。搬送中は要救助者の表情・様子を確認する係を設けたい。ツエルトが顔に覆いかぶさって呼吸できないなど注意。
F寺さん私物の簡易担架。洗濯ネットなどで製作したとのことです。軽量・コンパクトでとても便利。

当会の掲げる安全登山、遭難対策を実現するためには、今回の雪訓内容も含め、講習会への参加⇒最新の技術習得⇒会内での共有(訓練山行など)のPDCA サイクルを回していくことは有効な手段の一つです。遭難対策の技術・仕組みがベースにあって、”より高く、より困難”な山行にトライできる。自分自身、まだまだ先輩方に頼り放しですので、引き続き、技術の習得⇒会への還元に努めて参ります。改めまして、皆様、今回もありがとうございました!

雪洞泊訓練 in 東谷山(会山行)

パーティ➀:N山、F寺、Ⅰ村(L)、T橋、A木(SL)、U田、Y代、Ⅰ澤
パーティ➁:N村、S方(3/9(日)のみ参加)
日程:2025年3月8日(土)-9日(日)
1日目:10:50二居パーキング-11:05東谷山入山口-11:45東屋-雪洞適地に移動し訓練
2日目:8:00訓練スタートー11:40下山開始

3月会山行は「雪洞に泊まってみよう!」ということで、昨年できなかった雪洞泊をやることに。
「雪洞に泊まってみよう!」と思ったら、ご指導頂ける先輩がいる。
とってもありがたいことです。
これも当会約70年の歴史で技術が伝授されている証。

【1日目】
「雪洞泊なんだから楽しまなくっちゃ❤️」ということで、居酒屋さながらの仕入れツアーを敢行。
まず、『永井食堂』さん。お目当てはもちろんモツ煮。自販機でサクッと購入できるので、日夜問わず働く仕入れ担当にはありがたい。
「モツ煮にはやっぱりネギだねよ❤️」ということで、コンビニの地場野菜コーナーで激安・極太ネギを入手。
これで終わりかと思ったら、そこに別車両から「いい酒屋があるよ❤️」と情報あり。
そう...離れていても思いはひとつ。それが浦和渓稜山岳会だ(笑)
『一桝屋』さんで、にごり酒(一升瓶)を購入。
開店準備が整ったので、集合場所の二居パーキングへ向かう。

初日は天気が良かったので、『宿場の湯』前の駐車場は満車で、二居パーキングに駐車する。
しばらく舗装された道を進み、東谷山入山口に到着。そこから40分程で途中にある東屋に着いた。

東屋下の斜面に雪洞を掘れないかとプローブで積雪量を測るが、8人が泊まるには足りなそう。
N山さんから「もう少し登ったところに吹き溜まりができている適地があるよ」とご助言頂き、T橋隊長、U田さん、私の3人で適地を探す旅に出た。
登山道から逸れて斜面をラッセルしてトラバースしたところに、尾根上に積もった雪で形成された雪壁があったので、ここでも出来るなと思って東屋に戻ろうとしたら、、、

最初に見つけた雪壁

N山さんから「もう少し行った所にもいい所があるよ」とご助言頂き、5~10分くらい登山道上を進むと、明確な吹き溜まりができていて、プローブで測ると十分雪があったので、そこが良さそうでした!

このような斜面にできた吹き溜まりが良さそう

こちらの方が積雪量が多かったですし、雪壁になっていないので、尾根上の登山道から吹き溜まり下にアプローチできました。
最初に見つけた雪壁は登山道から逸れて、ラッセルしてアプローチする必要がありましたし、雪壁になっていたので、雪が締まって硬く、掘るのに苦労したかもしれないです🤔
これも試してみないとわからいですね~。何事も経験!

早速、適地に移動し雪洞作りスタート。
今回は8人用の巨大雪洞である為、2カ所から掘っていき、雪洞内で繋げる作戦だ。
入口はしゃがんで入れるほどの大きさにして、中の空間を広げることで、外気の流入を最低限にすることができる。

ブルーシートに掘り出した雪を載せて運び出す
中の人は濡れるので対策が必要

雪洞作りに必ず必要なのはスコップ、スノーソー。
あると便利なのは、雨合羽、レジャーシート、ノコギリ、文房具の下敷き。
雪が解けて濡れるので、雨合羽があると便利。
レジャーシートは掘り出した雪を運び出すのに使う。自分の下に敷いて作業すれば、濡れ防止にもなる。
ノコギリは邪魔な木や根を取り除くのに使う。スノーソーの代りにもなる優れものだ。
下敷きは最後の仕上げの工程で使う。プラスティックの下敷きを使って天井の凹凸を滑らかにすることで、天井からの水垂れを減らすことができる。

雪洞作りだけではない。
T橋さんは外でキッチン兼食卓作り。立派な特設会場が出来上がった。
F寺さんは、私が作った微妙なトイレを熟練の技で手直し。
トイレへと続くウィニングロードも施工頂いた。

全員一丸となって取り組むこと3時間。やっと雪洞が完成。
お楽しみの宴会へ!

まずは、T橋さん制作の特設ダイニングでお食事。
肉が旨いのなんの。寒いのなんて気にならない旨さ。
あれだけの食材買い出しするの大変だったと思います。
T橋さん、食事担当の皆様、ありがとうございました!!

雪洞に潜り込んでからは、水作り後、宴会再開。
今朝、仕入れたモツ煮とにごり酒、F寺さん特製のホットワインなど最高の夜でした!!
ちなみに、雪洞内にはロウソクを灯すことを忘れず。
理由はひ・み・つ...ではなく、酸欠に気付くためですね~

料理をすると煙が立ち込め怪しい雰囲気に。暖かく快適でした。

【2日目】
初日の夜、雪洞内で煮炊きしたので、寝る頃には結構天井が落ちてきていて、大丈夫かなと心配していましたが、朝起きてみるとそれ程落ちておらず、ほっとしました。
こればっかりは外気温や雪質などによって変わるのでしょうから、読み切れません。

2日目のメインはイグルー作り。
その前に、Y代さんと私は、N山さんとF寺さんのご指導の下、ツエルト・ビーコン・プローブの使い方を学習しました。
N山さんがビーコンを埋めて、それを3人で探したのですが、ビーコンが小さいこともあり全然プローブがヒットせず苦労しました。
プローブは隊列を組み、「左、真ん中、右」などの掛け声に合わせて、足元の雪面にプローブを差して、ヒットしなければ一歩前進を繰り返しながら埋没者を探していく。

最初に作ったイグルーは大きすぎて、完成までたどり着きませんでしたが、大きくて立派でした!
2つ目に作った小さめのイグルーはなんとか完成させることができましたよ~

大きい方のイグルー

➀雪面に円を描いて大きさを決める。
➁円内の足元の雪をスノーソーで切り出して、ブロックを積み上げる。
✓この時、出来るだけブロックを内側にずらしながら積み上げていく。
✓複数人いる場合、内側と外側に分かれて、助け合いながら積み上げると効率よい。
③ある程度積み上がったら、、、
✓イグルー内底面の外周を三角柱形に切り出して、天井を作る段階に入る。
✓三角柱は強度を保てる範囲でなるべく長いものを切り出し利用すると効率が良い。
✓外周をえぐるように切り出すことで空間が広くなる。
✓円周を一周切り出し終えてしまったら、足元の雪を同様に三角柱形に切り出し利用する。
★この段階では頭上からブロックが崩れてくることがあるので、内側の人はヘルメットがあると安心。
➃全体が完成したら、内側・外側からブロックの隙間を埋めたり、補強したりして完成。

雪洞同様、制作には時間・労力かかりますが、中は風が遮られ暖か。
貴重な経験をさせて頂きました!

途中から三角柱形のブロックを積んでいく

イグルー作りが終わった頃にN村さん、S方さんが到着。
時間の都合上、泊り組は先に下山。
一緒に訓練はできませんでしたが、以下に訓練内容・S方さんの感想を載せさせて頂きます。

下山後は、F寺さんがたまたま持っていた割引券を使って『雪ささの湯』さんで入浴。
赤城高原SAで食事をして帰路につきました。

【S方さんの感想】
訓練内容は、半雪洞、雪庇越え、ビーコン、コンパスの使い方でした。
半雪洞は怪我人が出たときのことを想定して15分以内に作れるようにタイムをはかって練習しました。
シートの隙間から風が入らないように想定しながら作るのが難しかったです。
半雪洞で命が助かった人がたくさんいると聞いて、大切な技術だなと思いました!
すぐに作れるように、頻繁に練習してみようとおもいます。

ビーコンは思っていたより見つけるのが難しくて、でも教えてもらったようにふりふり探すと見つけることができました。
これは使う機会はそんなに無いそうですが、忘れずに覚えておこうと思いました。

雪庇越えも難しくて、ラッセルと少し似ているけどもっと難しいなぁと、、
いつか実践で使ってみたいです!

道中も、木は生きていて温かいからまわりに雪が無いんだよとか、興味深いお山の話をしてくださいました。
マンツーマンで教えていただきありがとうございました!

【訓練を振り返って】(Ⅰ澤)
私にとっては初めての雪洞泊、イグルー作りでした。
山に精通した先輩方のお陰で、貴重な経験をさせて頂きました。
ありがとうございました!
「雪洞?もちろん作ったことあるよ。泊まったこともあるんだぜ!」
「イグルー?もちろん作ったことあるよ~」なんて自慢出来ちゃいますね(笑)
良い斜面もない、積雪量も少ないなんて時の為に、今度はスノーマウントやってみたいです。

遭難対策の観点で言えば、もちろん、雪洞もイグルーも重要な技術です。
テント、ツエルトが破損して使えない。風で飛ばされ、喪失してしまった。
でも、スコップはある。スノーソーはある。
こういう状況、あり得ますよね。
何事も経験。当会は“オールラウンド”に活動する山岳会。
あらゆる状況に対応できる一人前の山屋を目指して、訓練を重ねていきたいです。

醤油ダルアイスクライミング(会山行)

2月9日(日)

メンバー: I村さん、Tさん、Aさん、Yさん、Uさん、S(記録)

気温:-9℃ グレード: WI4

八ヶ岳の醤油ダルにアイスクライミングに行きました🧊

今年は雪が多めのようで、なんとか桜平(上)駐車場に到着!

ここから2.30分のアプローチで醤油ダルに到着です!

メインは先客がいたので、手前のアイスで練習♪

う〜ん、傾斜があるとなかなか難しい💧先輩方にいろいろ教わって、意識して登ってみるとあら不思議少し登れるようになったかも✨

ここには不思議な氷が沢山あって。。大人達がわんぱくになっていました♪ワーィ

そしていよいよ醤油ダルへ!

樽の天井からは八ヶ岳ブルーが時々見え隠れしたり、、風に粉雪が舞ったりして、ステキな樽時間の中クライミング🧊

Tさんがトップロープを張ってくださって、いざ挑戦!

30メートルくらいあったけど、傾斜も少し緩やかだったので、なんとか登れました。

アイゼンの蹴り込み、アックスの打ち込みと、、重心を対角に、、脇を締めて。次回はもっとムーブを意識して登ってみます😊!

沢山登って大満足の記念写真をパシャリ☆

よい時間になったので撤収!と車を走らせたらあれあれ?前の車が脱輪しているじゃないですか💦

救助を待つこと2時間弱、雪道を軽やかに颯爽と現れたJAFのジムニー!!カッコイイッ!

お兄さんひとりでテキパキと引き上げて慣れた様子。ここはみんな。落ちるらしいです。

そんなこんなで真っ暗になっちゃったけど、無事に下れて、塩分補給のためラーメンを食べて無事に帰宅できました。ドライバーのお2方、本当にお疲れ様でした🙇🏼‍♀️

A号で暖をとる4女達♪

渓稜2025✨