二子山縦走(渓稜祭/会山行)

メンバー:Y下、N山、K村(SL)、U田、S方、I澤(L/記)
日程:2024年11月10日(日)
10:00二子山登山口-10:35東岳山頂-11:55西岳山頂-13:20二子山登山口

A木さんの山行記録2024年11月10日『スーパーたこやん』にあったように、渓稜祭2日目は豪快な寝坊から始まった。K村さんの指示で、二子山に向かっているであろうY内さんとS方さんに電話をかけると、Y内さんから「大丈夫。想定済みです。」と、先輩の心強い?お言葉。すみませんでした…

渓稜祭2日目は縦走組とマルチ組に分かれましたが、私達は前者として二子山を登りました。
二子山は縦走コースでも岩登り要素強めの山。計画段階でY下さんの助け舟もあり、今回はヘルメット、25mロープとハーネス、アルヌンなどを持参しました。

駐車場でハーネスを装着して、10:00山行開始。

準備中
入山

登山口から10分程で股峠に到着。左に行くと東岳。右に行くと西岳です。まずは、東岳へ。
いきなり、粘土質の滑りやすい急斜面を登ります。転ばないよう慎重に…
それが終わると、岩々してきますが、急斜面である為、落石が怖いと思い、斜面の途中でヘルメットを装着。
急斜面を登りきると、左側へトラバースします。

1箇所、せり出した大きな岩を避けてトラバースする場所があり、左下が切れ落ちていて緊張しました。大岩に鎖が設置してあるので、それを使い通過できます。

この大岩のトラバースは緊張した。

振り返ると眼前に西岳の岩壁がドドンと。
25分程で山頂に。天気が良く、南側にある両神山が映えていました。

振り返ると二子山西岳の岩峰がそびえ立つ。
東岳山頂にて

同じルートを下山して、再び股峠に。今度は西岳を目指します。
暫く樹林帯を登ると岩壁が現れ、案内板が。ここで、上級者コースと一般コースに分かれます。私達は上級者コース。

写真右端が上級者コース取付き。右上する。

それまではK村さんに先頭を歩いて頂いていましたが、「ルーファイやロープ出しの練習をしてはどうか」と、先頭を交代して頂きました。
(折角、交代して頂いたのに、ロープは使いませんでした。が、とても良いルーファイの練習になりました。)
岩壁の右側に上級者コースの登り口があります。取り付きから稜線に抜けるまでがまさに岩登りで、ロープを出すならここでした。ピナクルか樹木に支点を取って、確保できたと思います。
手がかり、足がかりが丁度良くあり、グイグイ登れる気持ちの良いルートでした。

気持ちの良い岩登りができた

岩稜帯の稜線に抜けると、岩を登ったり、降りたり、間を縫ったりして行きます。

11:55西岳登頂。
山頂からは、中央稜が良く見えました。

西岳山頂にて

登頂後もしばらく岩稜帯の稜線歩きを楽しめます。
途中で、南側の斜面に降りて、股峠へ帰還するためにUターンします。

中学生サイズのマムシがいた。

途中、ゲレンデがあり、10名程がフリークライミングを楽しんでいました。ハングしたロングルートが、ずらりと並んでいました。

13:20駐車場に帰還。スーパーたこやん組はもう少し時間がかかるようでしたので、私達は一足先に『道の駅 龍勢会館』でおやつ+お買い物へ。丁度、出店が出ていて、ホットドッグや焼き芋に舌鼓。焼き芋は1本100円でした。
その後、マルチ組と合流し、無事、渓稜祭は打ち出しとなりました。

今回の山行はありがたいことに、リーダーをやらせて頂けることになりました。
安全確保をした上で、同行者に楽しんでもらえる気配りができるリーダー像を目指して、引き続き精進します。
改めて、ご企画頂いたT橋さん、山行メンバーの皆様、本当にありがとうございました!!

【SMSCA主催】登攀技術講習会

日程 2024年10月20日(日)
場所 飯能市 平戸の岩場
主催 (一社)埼玉県山岳・スポーツクライミング協会(SMSCA) 指導委員会
参加 N山、Ⅰ澤(記録)

N山会長と私Ⅰ澤でSMSCA主催の登攀技術講習会に参加させて頂きました。
講師の皆様、ご一緒させて頂いた皆様、大変お世話になりました!

二人とも中上級クラスに参加させて頂き、主に、ビレイヤの自己脱出と、3分の1引き上げシステムについて学びました。

ビレイヤの自己脱出とは、
「クライマーが滑落した際、ビレイヤが救助活動を行う為などに、ビレイヤ側のロープを解除し(=自己脱出する)、ビレイヤが自由に行動できるようにする」方法のことです。
具体的には、クライマーとビレイヤ(自分)につながったロープの加重を、他の支点に移す作業です。
今まで、自己脱出の方法を知らずにビレイしていましたが、クライマーが滑落した際には、どうすることもできなかったと思うと、とても怖いことだと思いました。
今回の講習会をきっかけに、万が一の際、実際の山行で活用できるよう、良く復習いたします。

3分の1引き上げシステムについては、滑落したクライマーを引き上げする際などに活用することができます。
実際に50kgの重りを引き上げる体験をさせて頂きましたが、参加者数名で全力で引っ張っても、僅かずつしか引き上げられず、3分の1といえども、大変な作業なのだと体感することができました。(カラビナや滑車との摩擦で、実際は3分の1の重さにはならないようです。)
滑落者がある程度、自力で登り返せる場合など、「滑落者の自力+引き上げ」という形であれば、効果的なのではないかと感じました。

いずれにしても、講習会に参加したことで、登山、岩登りにおいては、アクシデント対応ができて初めて、楽しむことができるのだと気付けたことは、大きな収穫です。
引き続き、講習会に参加するなど、知識、技術習得に努めて参ります。
改めまして、講師の皆様、ご一緒させて頂いた皆様、ありがとうございました!

50kgの重りを使って、自己脱出や引き上げシステムを勉強しました。

古賀志山 岩登り訓練(会山行)

メンバー:Ⅰ村(L)、A木(SL)、Ⅰ澤(記録)
日程:2024年10月19日(土)

10月の会山行は栃木県は古賀志山のゲレンデで、岩登り訓練を行いました。
古賀志山は埼玉県から比較的近く、かつ、多くのルートが開拓されている為、今後も利用させて頂く機会があると思いますので、アプローチを含め、とても良い経験になりました。

入山口にある駐車場に車を停めて、岩場へ向かいます。
駐車場は斜面に作られている為、2-3段に分かれていて、合計10台ほど?は駐車できそうです。仮設トイレも設置されていました。ありがたい限りです!
舗装道と山道を20-30分歩くと、目の前に岩場が現れます。祠があり、長く大切にされてきたことが分かります。
他にクライマーはおらず、一番乗りでした。

岩場に到着。広場のようになっており、屋根付きの祠、高低差のある細い滝、水場があります。

早速、準備を整えて訓練開始です。
内容は以下の通りです。
【訓練内容】
①マルチピッチクライミングの一連の流れの確認・実践
➁リードクライミング・トップロープ(TR)クライミング
(クウ(5.8)、粉屋の娘さん(5.8)の2本)

【①マルチピッチクライミング練習】
私Ⅰ澤はマルチに不安がある為、まずは、マルチの一連の流れを確認させて頂きました。
入会させて頂いてから、何度もお教え頂いているのですが…
なるべく早く、体が自然に動くレベルになって、様々な岩場に行けるようになりたいです。

・ゼロピンを取ることを忘れない(1ピン目を掛けるまでの墜落に備える)
・残置支点の強度に不安がある際は、持参したスリングやカムなどを用い、追加の支点を作ることで、十分な強度を確保することに努める(現場判断、工夫)
・懸垂下降の際、ロープを投げると引っかかるおそれがある場合、ロープを抱えながら下降する技術がある(覚えたい)

以上が、特に私に不足していたことです。
一度で覚えられるように、復習します!
他に、カムのセット方法も教えて頂きました。

マルチ練習の様子

【➁クライミング】
マルチ練を終えたら、ゲレンデで岩登りをしました。
今回は、クウ(5.8)、粉屋の娘さん(5.8)の2本を登りました。
Ⅰ村さんとA木さんは、リードでスルスルと登ってしまいましたが、私は『クウ(5.8)』はTRでなんとかやっと、『粉屋の娘さん(5.8)』は出だしの小さなカチを使う部分がどうしても乗り越えられず、完登できませんでした。修行が足りません!

粉屋の娘さん(5.8)

14時頃になると、雨が降り出し、撤退となりましたが、当日はゲレンデは空いており、充実した訓練をさせて頂くことができました。

帰りは、『宇都宮みんみん 鹿沼店』で餃子を食べて、帰路につきました。
Ⅰ村さん、A木さん、ありがとうございました!

流石、本場の味。大満足!もちろん、ビールはノンアルです。

木曾駒ケ岳・空木岳縦走(会員山行)

メンバー:N山、I澤(L/記)
日程:2024年10月12日(土)-14日(月)
1日目:12:20千畳敷ロープウェイ上駅-13:30頂上山荘TS(テント設営)13:50-14:10木曽駒ケ岳山頂-14:35頂上山荘TS
2日目:5:45頂上山荘TS-6:20宝剣岳-8:00濁沢大峰-9:00檜尾岳-10:20熊沢岳-11:30東川岳-13:35空木岳-14:25空木岳避難小屋
3日目:5:40空木岳避難小屋-6:30ヨナ沢の頭-7:40マセナギ-10:00池山尾根登山口(駒ケ根高原スキー場駐車場)

10月の三連休はN山さんに中央アルプスに連れて行って頂きました。
もちろん?私I澤は初めて。
今年1月にサギダル尾根、3月に空木岳と、積雪期の会(員)山行で実績のある山なので、まずは夏道を経験させて頂きました。
N山さん、今回もありがとうございました!

【1日目】ガス→晴れ(雲多め)
12:20千畳敷ロープウェイ上駅-13:30頂上山荘TS(テント設営)13:50-14:10木曽駒ケ岳山頂-14:35頂上山荘TS

早朝にN山さん宅に集合し、中央アルプスへ向かいます。
行楽シーズン真っ只中。案の定、中央道の合流点で大渋滞。仕方ないですね(泣)
駒ヶ根高原スキー場駐車場に車を停めて、バスでロープウェイ乗り場へ向かいます。
菅の台駐車場は満車でした。
ロープウェイに乗り込み、千畳敷ロープウェイ上駅到着。時間が遅かったので、登りのロープウェイはハイシーズンにしては空いていました。
駅舎から出ると、目の前にサギダル尾根が。想像していたより急。こんな所、自分に登れるのか…
いつか登れるように修行せねば!

サギダル尾根

千畳敷カールのど真ん中を登っていきます。
積雪期を想定して、雪崩易そうな斜面はどこか、想像しながら登ります。
同じ斜面でも、樹木・植物が残っている部分と、ガレている部分があり、後者は雪崩の影響で表面の樹木等が無くなり、ガレたと想像することができます。
右斜面はそういった部分が所々に見られました。
なんとなく歩くのではなく、積雪期を想定することが大切だということです。

千畳敷カール
カール右斜面の様子。どこが雪崩易そうか考えながら登る。

山頂山荘に到着。紅葉シーズン真っ只中で、既に多くのテントが張られていました。
なんとかスペースを見つけて、テント設営。
空身で木曾駒ケ岳山頂へ。
御嶽山山頂は雲に覆われていましたが、山々を一望できました。

木曾駒ケ岳頂上にて
木曾駒ケ岳頂上より。御嶽山は雲に覆われていた。
木曾駒ケ岳頂上から細尾沢を見下ろす。沢登りできるそう。詰めが楽しそう!

テン場に戻って乾杯。(木曽の地酒・中乗さん、美味かったです!)
日が出ているうちは、外で過ごしていましたが、日が陰ってくると、急に冷え込んできました。
ちなみに、頂上山荘の水場は凍結防止の為、16時以降は利用できないそうです。

夕方の頂上山荘テン場

【2日目】晴れ
5:45頂上山荘TS-6:20宝剣岳-8:00濁沢大峰-9:00檜尾岳-10:20熊沢岳-11:30東川岳-13:35空木岳-14:25空木岳避難小屋

朝起きると、フライシートの内側がパリパリに凍っていた。結構、冷え込みました。
日の出とともに出発。天気は快晴。

頂上山荘の夜明け

宝剣岳-濁沢大峰-檜尾岳-熊沢岳-東川岳と中央アルプスの稜線を楽しむことができました!
ロープウェイで比較的容易にアクセスできる稜線ですが、所々、鎖場があったりと、緊張感もありました。

宝剣岳と宝剣山荘
宝剣岳登頂!
中央アルプスの稜線
鎖場
鎖場

東川岳に近づいてくると、美しい三角錐の空木岳がドンと見えます。
優雅な見た目。さすが「中央アルプスの女王」。
東川岳山頂から下降したコルには、木曾殿山荘があります。
木曽殿山荘の水場(山荘から片道15-20分程)は、この時期でもジャージャー流れていました。

空木岳へ続く稜線

木曽殿山荘から空木岳山頂へ、最後の登り。
一気に山頂へ詰め上がる登りにアドレナリンが出ます!

空木岳山頂へは木曽殿山荘のあるコルから、一気に詰め上がる。

ある程度登ると、大きな岩がゴロゴロしてきて、ちょっとした岩登りになります。
積雪期は、ザイルを使用した方が良いだろうなと思いました。
濡れたテントと水を背負って岩をよじり上がるので、それなりに大変ですが、これも楽しい!

山頂に辿り着くには、大きな岩をいくつも越えなければならない。

いくつか小さいピークを越えて、空木岳登頂。

空木岳山頂にて

空木岳のカールの中を沢伝いに下降し、避難小屋へ向かいます。
この時期でも沢の水はしっかり流れていました。
避難小屋には先行者2名とデポ2名分。トイレ付のまだ新しそうな綺麗な小屋でした。
最終的には10名程になりましたが、詰めれば、16人程は泊まれるのではないでしょうか。
(前日は満員御礼で、床に寝た方もいたそうです。)

空木岳のカール
空木岳避難小屋

【3日目】晴れ
5:40空木岳避難小屋-6:30ヨナ沢の頭-7:40マセナギー10:00池山尾根登山口(駒ケ根高原スキー場駐車場)

日の出とともに避難小屋を出発。やはり朝は冷え込みました。

避難小屋を出発

(カールから麓を見た)左手の池山尾根に上がり、尾根道を進みます。

池山尾根から見た宝剣岳

積雪期は尾根上を真っ直ぐ進むこともできるそうですが、夏道は途中からトラバースを交えながら進みます。(トラバース道は所々、崩れている所もありました。)
迷い尾根を過ぎて、小地獄・大地獄と経由。地獄は痩せ尾根で、積雪期は注意が必要だと思いました。

積雪期はトラバースせず、尾根上を通過することもできる。積雪状況によって、ルート選択したい。

今年3月にN山さん達が幕営したマセナギを通過。マセナギから空木岳山頂は結構距離があるのだなとわかりました。
無事、スキー場駐車場に到着。

帰りは、こまくさの湯で汗を流してから、明治屋駒ヶ根本店で食事をして帰路につきました。
明治屋さんは開店前から20組以上が順番待ちしていました。

明治屋駒ヶ根本店。私は欲張りすぎて超満腹。N山さんは馬刺し握り。

いつか、積雪期の空木岳、中央アルプス縦走に挑戦できるように、引き続き、山行を重ねます。
N山さん、今回も大変お世話になりました!

谷川岳馬蹄形縦走(会員山行)

メンバー:I澤
日程:2024年9月28日(土)-29日(日)
1日目:9:00土合駅-9:20白毛門登山口-12:45白毛門山頂-14:10笠ヶ岳山頂-15:30朝日岳山頂-17:30清水峠白崩避難小屋
2日目:5:30清水峠白崩避難小屋-6:45七ツ小屋山-7:50蓬ヒュッテ-9:10武能岳-11:40茂倉岳-12:15一ノ倉岳-13:35オキの耳-13:50トマの耳-16:45西黒尾根登山口-17:15土合駅

冬の谷川岳は何度も連れて行って頂いていますが、夏道の谷川岳を知らないなんて…ということで、以前からやりたかった馬蹄形縦走にチャレンジしてきました。秋の谷川連峰はどんな山なのか、楽しみです。

【1日目】曇り(雨は時々パラつく程度)
太平洋を低気圧が通過する影響で、今回も天気がコロコロ変わりました。
始発の電車に乗り、土合駅へ。駅前で身支度をして、9時出発。白毛門駐車場には10数台程。私を追い抜いたのは、外国人2人組だけでしたので、最後の入山だったようです。
今年1月、Ⅰ村さんに白毛門に連れて行って頂いた時のことを思い出しながら、「夏道は雪で段差が埋まっていない分、段差が大きいのだなぁ」なんて、当たり前のことを思いながら登りました。
1月に撤退した松ノ木沢ノ頭に近くなると、白毛門を登頂して下山する方々と多くすれ違いました。ほとんどの方が白毛門のピストンだったようです。松ノ木沢ノ頭から先は尾根歩きの後、山頂へ斜度が上がります。雪山だともっと急に感じただろうなと思います。
白毛門登頂。山頂では沢登り2人組が休憩していました。湯檜曽川最奥から朝日岳に詰め上がったとのこと。

土合駅
白毛門登山口
松ノ木沢ノ頭付近から白毛門を望む

続けて、笠ヶ岳、朝日岳と登頂。小ピークを何度も越える必要があり、そろそろ山頂かと思うと、まだまだ~のような感じで、焦らされました。笹が目立つようになり、いかにもクマさんの住処という雰囲気に。
朝日岳を越えると木道が敷かれており、辺りには池塘が現れました。周囲に靄がかかり、幻想的。
日の入り丁度に清水峠の白崩避難小屋に到着。避難小屋が満員だった時の為に、また雨予報だったので、テントを担いで登ったのですが、私を含め2人のみ。とても快適でした。同じくらいの年齢の方で、その方も登山を始めて2年程ということで、登った山や道具の話をして過ごしました。
その方は、道具の軽量化をうまくやっていました。今回の山行のように、出発が遅くなる場合は、荷物を軽量化して、スピードを上げられれば、もう少し早く避難小屋に到着できたと思います。安全登山において軽量化=スピードは、とても重要なことだと感じました。
夜から雨が降り始めました。

笠ヶ岳、朝日岳方面
笠ヶ岳山頂
朝日岳山頂
朝日岳から清水峠への下り。池塘があった。
清水峠白崩避難小屋

【2日目】小雨と風(風は時間が経つにつれ悪化)
日の出に合わせて5:30出発。1日目とは比べ物にならない程の笹薮を進みます。七ツ小屋山を登頂して、高度を下げて、蓬ヒュッテ、武能岳、茂倉岳、一ノ倉岳、オキの耳、トマの耳と続きます。特に、武能岳と茂倉岳の登りが斜度があってきつかったです。小ピークを何度も越えなければならない上、腰丈程の笹薮を掻き分けて進みます。また、10時を過ぎると西風が強くなってきて、気温も下がってきました。幸い、雨は弱かったので良かったです。
一ノ倉岳、谷川岳の縦走路は、所々、鎖場が出てきて、雨で濡れた岩を慎重に登りました。一ノ倉沢はガスに包まれ、何も見えなかったです。残念…

武能岳、茂倉岳方面
笹薮を搔き分けて進む
武能岳への稜線
トマの耳。西風が強かった。

下山は西黒尾根です。この頃になると、西風が一層強くなり、早く樹林帯に逃げ込みたい一心でしたが、スラブ状の岩を下りていかなければならず、思うようにスピードが上がりません。3月にN山さんとK村さんに連れてきて頂いた時は、雪に覆われていた為、これほど岩が露出しているとは思いませんでした。ラクダのコブはかなりの斜度があり、且つ、スラブ状で、鎖を使いながら慎重に下りました。岩下りに悪戦苦闘しながらも、樹林帯に到達し、一安心。気の抜けない下山でした。無事、西黒尾根登山口に辿り着き、土合駅に帰着。
天候には恵まれませんでしたが、山深い谷川連峰を味わうことができました。
ありがとうございました!

ザンゲ岩
ツルツルした岩の下降が何カ所もあって神経を使った。
西黒尾根登山口
土合駅

白根三山縦走(会員山行)

メンバー:N山、I澤(L/記)
日程:2024年9月14日(土)-16日(月)
1日目:5:30奈良田(バス乗車)-6:30広河原-8:25白根御池小屋-11:10肩ノ小屋
2日目:5:05肩ノ小屋-5:35北岳-7:10中白根山-8:00間ノ岳-9:45西農鳥岳-10:15農鳥岳-10:55大門沢下降点-13:00大門沢小屋
3日目:5:00大門沢小屋-第一7:30発電所バス停(バス乗車)-7:50奈良田

今回はN山さんに南アルプスは白根三山に連れて行って頂きました。私Ⅰ澤は初・南アルプス。前日まで、槍ヶ岳西稜の岩登りを計画していましたが、雨予報で中止。急遽、N山さんにご提案頂き、白根三山になりました。直前の変更となりご迷惑をお掛けしました。
ご提案・ご計画頂いたN山さん、緊急連絡先をお引受け頂いたK村さん、ありがとうございました!

【1日目】晴れのち曇り
奈良田駐車場は大変混み合うだろうとの見立てから、前日夜に出発し、日付の変わった1時頃に到着。バスの時間まで仮眠を取りました。(N山さん、深夜の運転、本当にありがとうございました。)
朝一番5:30のバスに乗車し、広河原へ。コロナ対策なのか、バスの窓が全開で、冷たい風が吹き込んできて凍えそうになりながら、約1時間バスに揺られました。ブルブル

既に長い列ができていた。始発のバスは5台はあったか。

広河原に着いた頃には、既に明るくなっていました。谷筋の最奥には北岳頂上が見えています。
野呂川に架かる広河原橋を渡って、登山道に入り、谷筋に沿ってゆったりと歩いていきます。早朝の澄んだ空気が気持ち良い。
途中から谷筋を離れ、徐々に斜度が上がってきて、いい感じの登りになります。天気は晴れ。気温が上がって汗ばむ。
白根御池小屋に着く頃には、日影に人が集まる暑さに。白根御池小屋までは樹林帯なので、木陰の中を歩くことができます。

広河原橋
白根御池と北岳

白根御池小屋からは、北岳の稜線に上がる急登となります。序盤は特に斜度がきつく、ガレザレしていて、落石に気を使いました。九十九折の登りです。白根御池小屋より上は、樹木が減り、背丈が低くなるので、木陰はありません。アツイ
稜線に上がると、山々が一望できます。私が当会に入会させて頂いてから連れて行って頂いた仙丈ケ岳、鳳凰三山が見えて、とても嬉しくなりました。

甲斐駒ヶ岳と、遠くに八ヶ岳が見える。
仙丈ケ岳
北岳へ続く稜線
紅葉が始まっていた。

稜線に出てからは、肩ノ小屋まですぐです。雄大な稜線を歩いて行きます。
張り切りすぎたのか、予定より早いお昼前に肩ノ小屋に到着。急いでテントを設営して、初日は贅沢に生ビールで乾杯!寝不足もあり、昼寝をしたりして、時間を過ごしました~。
小屋の水は有料(200円/L)だったので、ケチって往復30分かかる水場へ行きましたが、水はチョロチョロしか流れておらず、先客がいたこともあり、5L汲むのに30分近くかかっただろうか…
それにしてもすごい人で、夕方にはテント場は一杯になりました。若者が多い印象。
午後になると、次第に谷からガスが上がってきて、気温が下がってきました。夜なると雨が降り始めました。予報通り、下り坂。

到着した頃は日も照っていて暑かった。テント左上の換気口からテント内部に雨が滴り落ちてきた。構造の問題なのでしょうか。
手書きのイラストが良い。N山さんと私は違うデザインだったので、一点物ということになるのか。

【2日目】強雨のち、晴れ・曇り・小雨と不安定
2:30に起床して準備を始めましたが、時間が経つにつれ雨脚が強くなっていきました。風もある。
天気予報では明け方にかけて雨が強く降り、その後、雨が弱まり、曇りとなる予報でした。2日目は肩ノ小屋→大門沢小屋で行動時間9時間半を予定していたので、出発を遅らせたとしても7時。それまでに雨脚が弱まらなければ、下山か。リーダーとして判断する必要がありました…
電波は届いていたのでスマホで天気予報を何度も確認しましたが、決めきれない…。「可能であれば行きたい。しかし、いつ風雨が弱まるのかわからない。無理はできない。」と葛藤。リーダーとしてまるで不十分でした。
N山さんから「出発を遅らせる場合は、大門沢小屋までいかず、農鳥小屋までとする案もあるが、農鳥小屋のテン場は稜線上にあって、悪天時は良くない。だから、行くなら大門沢小屋までいきたい。」とご助言。その時の私は、テン場の立地条件まで考えることはできていませんでした。とても勉強になりました。
そうこうしているうちに、4:30頃になって風雨が落ち着いてきました。私たちは前進することにしました。結局、N山さんにご判断頂いた形です。

出発時、撮影した肩ノ小屋テン場。この時、雨は小康状態になっていたが、風は強かった。

5:05肩ノ小屋を出発。岩稜帯を行きます。雨は小康状態ですが、風は強かったです。山の斜面を這うように吹き上がる西風が、バシバシと右半身を叩きます。フードを深くかぶって進みます。
5:35北岳登頂。なんと嬉しいことに、雨は止み、朝焼けまで見ることができました。初めての北岳山頂からの眺めは、贅沢なものでした~。

北岳山頂より。朝焼けと富士山。

中白根山-間ノ岳-西農鳥岳-農鳥岳と続く3,000mを越える稜線は、天空の縦走路と呼ばれるそう。北岳-農鳥岳への縦走路は、基本的に砂礫地と岩稜帯の組み合わせで、歩きやすかったです。雄大な景色を堪能しながら歩きました。
7:10中白根山、8:00間ノ岳と順調に山頂を踏み、農鳥山荘で休憩した後、9:45西農鳥岳、10:15農鳥岳と無事登頂できました。一度に5座も3,000m峰を登頂できるなんて!本当にありがとうございます。

中白根山、間ノ岳へ続く稜線
北岳山荘付近から北岳を振り返る。
北岳山荘
農鳥山荘にあった古いアイゼン。N山さんも持っていたとのこと。
常に西風は強く吹いていました。天候は不安定で、晴れ、ガス、小雨を繰り返していました。
農鳥岳山頂にて
大門沢下降点

農鳥岳を下りて、大門沢下降点に到着。鐘を鳴らして、無事、天空の縦走路を終えたことを山に報告します。大門沢下降点から大門沢小屋へは1,000m以上高度を落としますので、険しい下りが続きます。沢が見えると、やっと傾斜は緩やかになります。雨で岩肌が濡れており、滑らないように注意しました。

見事な房。誰も取らないということは毒キノコ?
大門沢小屋(写真は3日目の早朝に撮影したもの)

2日目も張り切りすぎたのか、予定より1時間以上早い13時頃、大門沢小屋に到着。到着時間からして、このまま下山することもできましたが、今回は「冬山登山でも利用することのある大門沢小屋を一度は利用しておいた方が良いだろう」とのN山さんのお取り計らいで、テン泊することになりました。冬季は避難小屋として開放されているそう(2024年4月20日"白根南嶺(笹山〜広河内岳)会員山行"に記載があります)。勉強になります!
テント設営後は、小屋前のテーブルで乾杯しました。すぐ隣を流れる沢は渓魚釣りで有名だそう。

【3日目】晴れ
3日目は5:00に小屋を出発しました。沢沿いの登山道を歩いていきます。倒木が多く、かわしながら行きます。登山道の整備って本当に大変なんですね。丸太でできた橋を何度か渡りましたが、冒険感があって楽しかったです。その後は、斜面をトラバースする道に変わって、取水口吊り橋に至ります。

取水口吊橋

車止めゲートを通過し、7:30に発電所バス停に到着して時刻表を見ると、数分後にバスが通過する予定になっていた。これはもう運命だ!と、バスに乗車(奈良田駐車場まで5~10分。料金は250円。マイカー規制区間外の為、協力金300円はかからなかった)。バスは満員御礼。皆さん、早いですね~。
7:50頃には奈良田駐車場に到着。女帝の湯は開店前なので、みはらしの丘みたまの湯で入浴しました。高台にある入浴施設で、山々を一望できました。奈良田からは1時間強かかりましたが、行く価値ありです。そのまま、みたまの湯で早めのお昼ご飯も頂きました。馬刺しと鶏もつ煮、おいしかったです!

【振り返り】
私I澤は初めての南アルプス。3,000m峰を5座も登頂出来ましたし、縦走路から見た山々に是非登りたいと、宿題を持ち帰ることができました。
計画段階では、バリエーションルートの勉強として槍ヶ岳西稜を予定しておりましたが、代替案を用意していませんでした。直前に雨予報になったことから、N山さんにお助け頂いた形です。やはり、代替案は用意しておく必要がありますし、用意できるだけの知識・経験を身に着ける必要があります。
また、今回の山行で感じた課題として、リーダーとしての前進・撤退判断があります。2日目の朝、思ったより風雨が強かった為、リーダーとして判断が必要でしたが、結局、決めきれず、N山さんにご判断いただいた形です。これは大きな反省です。自分・メンバーの安全は担保できるのか、天気はどうなるのか、工程を短縮することで出発時間を遅らせられるのか。そして何より、この悪天の中、前進・登頂することで「メンバーに喜んでもらえるのか、達成感を味わってもらえるのか」。
ルーファイ・道選びについても、時折、歩き辛い方を選んで、N山さんに修正して頂くことがありましたので、まだまだです。N山さんにご支援いただきながら、何とか3日間の工程を終えることができました。
まもなく、入会させて頂いてから1年になります。いつまでも連れて行ってもらう立場ではなく、"自立した"会員になるべく活動したいです。
N山さん、今回も様々なご支援・ご指導、本当にありがとうございました!

北穂高岳東稜-奥穂高岳縦走(会員山行)

メンバー:N山、I澤(L)
日程:2024年8月17日(土)-19日(月)
1日目:9:00上高地バスターミナル-11:30横尾-14:30涸沢
2日目:4:30涸沢-6:00北穂高岳東稜取付-8:50北穂高岳-10:30涸沢岳-11:50奥穂高岳-13:45涸沢
3日目:4:40涸沢-7:10横尾-10:20上高地バスターミナル

今年は盆休みが取れたので、フルで山行に使おうと意気込んでいた。昨年秋に入会させて頂き、それまでハイキング程度の経験しかなかった私が持ち合わせているのは時間だけだ。
N山さんにご一緒して頂けることにもなった。N山さんのご指導の下、盆休み前半の夏合宿後、3泊4日で北アルプスの読売新道か、南アルプス縦走の計画を立てた。…がお盆が近付けば近付く程、天気予報が優れない。おまけに台風が矢継ぎ早に発生する始末だ。うぅ…ついてない…
3泊4日の山行は厳しそうだということで、またまたN山さんに代替案をご指導頂いた。天気予報が比較的前向きで、2泊3日で行ける北穂高岳東稜-奥穂高岳縦走に決まったのは山行の4日前。いつも本当にありがとうございます。緊急連絡先をお引受け頂いたY下さん、ありがとうございました。
出発日の未明まで台風の影響が残る予報で、直前まで気が抜けなかった。

【1日目】晴れ→曇り時々小雨
9:00上高地バスターミナル-11:30横尾-14:30涸沢
N山さんの運転で沢渡へ。バスターミナル前の駐車場は既に満車で一つ上の駐車場へ。未明まで台風の影響が残っていたが、人々には関係なかったようだ。観光客に混ざってバスに乗り込む。
上高地バスターミナルに到着。相変わらずの賑わいだ。7月1日に六百沢で発生した土石流の被害で小梨平~明神の左岸歩道は通行止めになっており、岳沢湿原側の右岸を迂回した。新村橋の架け替え工事も行われている為、その先も迂回する。(完成は令和9年3月とのこと)

台風一過で日差しが眩しかった。

N山さんのペースに遅れまいとついていき、2時間半で横尾に到着。とばしましたよ~。
本谷橋で休憩して出発する頃から小雨がぱらついてきたが、カッパを着るほどではなかったので良かった。

屛風岩と本谷橋

順調に歩みを進め、涸沢に到着。ヒュッテのテラスではビール片手に笑顔の人々。テントは40張り程か。
初めて涸沢に来たが、写真で見る以上に壮大で感動。カールとそれを囲うようにそびえ立つ稜線。
テント設営をササっと済ませ、ヒュッテのテラスでビールを乾杯。締めはおでんでした。
明日登る北穂高岳東稜を眺め、本日は終了。

ガスの切れ間から時折、北穂高岳東稜が顔を覗かせた。
ナナカマドの実が色づき始めていた。

【2日目】晴れまたは曇り
4:30涸沢-6:00北穂高岳東稜取付-8:50北穂高岳-10:30涸沢岳-11:50奥穂高岳-13:45涸沢

自分がリーダーとしてロープを使ってバリエーションルートを登るのは、これが初(もちろんN山さんの強力なバックアップ付です)。ロープワークや支点構築の実力が問われます。
今まで先輩方に貴重な時間を割いて頂き、訓練山行やジムでご指導頂いたお陰でこの日を迎えることができました。本当にありがとうございます。
3時に起床し4時半出発。既に、南稜にはヘッデンの明かりがいくつか。涸沢小屋の脇を通って、まずは東稜取付に向かう。南稜取付ルートを辿り、途中から右に大きくトラバースする。踏み跡以外は岩が不安定で容易に落石する。"踏み跡"といってもガレた岩の斜面にそれを見出すのは容易ではなかった。N山さんはすぐに踏み跡を見つけていたので、やはり経験不足。

前穂高岳、奥穂高岳が朝日に照らされる。
ガレ場を慎重にトラバースする。
取付付近。ガレザレ場を登る。まるで生まれたての小鹿のようなⅠ澤。落石させないように必死なのだ。

ガレザレした斜面を登ると取付(上図の青点)に到着。取付から岩登りをして東稜に上がる(ザイルは出さなかった)。今回は3ピッチ+懸垂下降1ピッチでザイルを使用。1,2ピッチはⅠ澤、3ピッチ目はN山さんがリードした。登攀中はロープワークと支点構築、セカンドの引き上げと大忙し。まだまだ手際が悪く、時間がかかった。
1ピッチ目取付で先行していた3人パーティーに追いついた。ハイマツに支点を作って登り始める。ピナクルにスリングを掛けて支点を作るが、時間がかかる。どのピナクルが良いか、ロープの流れは悪くならないか、スリングが足りなくなるかも、不安だから掛け直そう、、、
セカンド引き上げのシステムを作るのにも時間がかかる。どこをビレイポイントにするか、どこを支点にしたら引き上げ易いか、、、
もたもたしているうちに先行する3人パーティーに引き離され、後続パーティーにも追いつかれた。焦る、がどうすることもできない。結局、3ピッチ目はN山さんにリードを代わって頂き、スピードアップ。

N山さんとリードを入れ替わる時にも、確保機でN山さん(セカンド)を引き上げていた為、確保機の掛け替えが必要で時間がかかる。N山さんから、ムンターヒッチで引き上げた方がリードとセカンドの入れ替えが円滑とアドバイス。ムンターであればそのまま入れ替われます。沢登り会山行で勉強していたはずですが、岩登りでは引き上げは確保機でやるものだという思い込みがありました。

ビレイポイント(安全地帯)の選択にも、判断ミスがあった。先行パーティーの真似をして同じ場所をビレイポイントにしたのですが、登ってきたN山さんから「ビレイポイントはもう少し先の方が良かった。先行パーティーの真似をするのではなく、自分で考えなくてはいけない。」とご指摘頂きました。ビレイポイントの少し先に危険地帯があり、そこもザイルを使うべきだった。状況判断ができていませんでした。

大岩を懸垂下降したが、その際にも2ミス。
①大岩のテッペンに残置スリングが3本程掛けてあり、そのスリング3本に残置ビナが1枚だけ掛けてある支点があった。私は残置ビナ1枚だけにザイルを通して懸垂下降した。が、その残置ビナが破断したらと考えると恐ろしい。もう一枚カラビナを掛けて2枚で懸垂下降した方が良かったかもしれない(この場合、捨てビナになる)。あるいは、残置スリング3本にザイルを通して、懸垂下降した方が良かったかもしれない。N山さんからご指摘頂きました。
②確保機にザイルを通した後、懸垂下降を開始するために、テッペンの岩を回り込んで空中に身を乗り出そうとした際、バランスを崩してしまった。上記の残置スリングにセルフビレイを取っていたから墜落しなかったが、危ない所だった。注意力不足。

背後の大岩は懸垂下降した。テッペンに残置支点があった。
東稜から槍ヶ岳がきれいに見えていた。格好良い。
北穂高小屋が見える。

北穂高小屋を経由し、北穂高岳登頂。穂高の稜線から滝谷を見下ろす。"鳥も通わぬ"とは言い得て妙。切れ落ちた荒々しい岩壁と尖った稜線がひだのように連なる。「第2・4尾根へは松濤岩のコルからC沢左俣を下降して…C沢は落石が頻発するから気を付けて…」「クラック尾根は何度も登ったな…」「ドームはあそこで、ツルムはあそこで…」とN山さんの解説付き。贅沢です。いつか挑戦できるように、この記録を書きながら滝谷のガイド本とその時の記憶を照らし合わせています。

滝谷側を見下ろす。圧巻。

涸沢岳への登りは所々に鎖やボルトがあってスリリングでした。スッパリ切れ落ちていて、仮にボルトがなければザイルを出さなければ通過できないように思えるセクションもありました。

涸沢岳。ゴーレムのよう。

穂高岳山荘を経由して奥穂高岳へ。ザイテングラートを経由して下山。

奥穂高岳山頂にて記念撮影。

涸沢小屋に到着する頃には頭の中はビール…。小屋で飲むか、ヒュッテで飲むか。我慢は良くない!小屋でジョッキを頼んでゴクゴク。「こりゃ水ですね!」と乾いた体はアルコールそっちのけで水分だけを取り込む。ということで、涸沢小屋では水分補給だけして?、アルコール補給は改めてテン場ですることに(笑)

特設ダイニング。日が出ると暑い。日傘を差すN山さん。

隣の2人組は滝谷ドームに行ってきたとのこと。静かな夜が訪れます。

前穂高岳北尾根
吊尾根

【3日目】晴れ時々曇り
4:40涸沢-7:10横尾-10:20上高地バスターミナル
午後から天気が崩れる予報だったので、早朝に涸沢を出発。N山さんに屏風岩などについて教えて頂きながら下山しました。

屏風岩右岩壁(ルート図はI澤が作成)
屏風岩東壁(ルート図はI澤が作成)
前穂高岳北尾根を東側から望む。
徳澤園。熱中症対策で噴霧器が設けられていた。

帰りは沢渡バスターミナルからすぐの「しもまさ」さんで汗を流して、梓川SAで冷やし葉わさび蕎麦を頂いて帰路につきました。
行きも帰りも終始、N山さんに運転して頂きました。いつもすみません…。テントのお掃除もありがとうございます!

【山行を終えて】
台風の影響で山行日数の短縮を余儀なくされましたが、結果的には、3,000m峰を3座も登頂することができましたし、バリエーションルートのリードをさせて頂き、現状の立ち位置と今後の課題をご指導頂くことができました。ご一緒させて頂いたN山さん、浦渓会員の皆様のご指導のお陰です。本当にありがとうございます。
今回の計画段階を振り返ると、やはり自分の知っている山の少なさから、代替案の立案にとても苦労しました(ほとんどN山さんに計画して頂きました)。将来的にリーダーとして会山行の計画を担えるようになるためには、知っている山を増やす必要があります。
北穂高岳東稜をザイルを使い2ピッチリードさせて頂きましたが、ロープワーク、支点構築、状況判断のどれをとっても未熟。レベルアップするには、経験=山行日数を増やすしかない。
リーダーが担うべきことは、天候判断、代替案の立案、山域の決定、パーティーの安全確保、山行の確実な遂行、撤退判断など多岐にわたりますが、それらを全うする必要がある。
特にバリエーションルートでは、「たぶん大丈夫だろう」という甘い考えを捨て、気を張り詰めて、万が一を想定した正しい選択が必要。普段の生活、仕事からそういう意識でないと、山で正しい選択をすることはできない。東稜でビレイポイントを間違えたのも、経験だけの問題ではなかったはず。

南八ヶ岳縦走(会員山行)

メンバー:I澤(L)
日程:2024年7月13日(土)-15日(月)
1日目:11:00観音平-14;30編笠山-15:00青年小屋
2日目:5:00青年小屋-6:15権現小屋付近-7:35キレット小屋-9:40赤岳-12:35硫黄岳-14:50東天狗岳-16:30黒百合ヒュッテ
3日目:6:20黒百合ヒュッテ-8:45稲子湯

2泊3日で南八ヶ岳を縦走してきました。本当は北八ヶ岳まで入りたかったのですが、次の日は仕事ですし、無理なく帰宅しようと思い、今回の計画になりました。
八ヶ岳は、初めて上高地に行って"岳沢小屋までしか登れなかった旅"の帰りの電車内で、八ヶ岳に向かう2人組の登山者を見て、いつか行ってみたいと思い憧れていた山でした。
話は変わりますが、電車に揺られて山に向かって、そして帰ってくるっていいですよね。家を出た瞬間から旅が始まる感覚というか、電車の時刻表に自分を合わせなければいけない。電車に乗るところから旅が始まっている感覚があって、これから3日間独りなんだぞって、そういう制約と孤独が心地いいです。(大袈裟ですね。)

【1日目】穏やかな天気
11:00観音平-14;30編笠山-15:00青年小屋

自宅の最寄り駅の始発に乗って、小淵沢駅で降りて、タクシーで観音平へ。タクシーは4,000円くらい。2日目以降天気が崩れる予報だったことから、3連休にもかかわらず、(タクシーのドライバーさんによると)観音平の車は少ないらしい。盛期には駐車場から溢れて、車道の両端に路駐されているそう。
さらっとした穏やかな天気の中、観音平を出発し、ゆっくりと歩いていく。

歩きだしてすぐ、大好きなタマゴタケがお出迎え。幸先が良い。他にも様々なキノコに出会えた。
編笠山の最後の登り。写真以上に急に感じた。均整の取れた美しい等高線の重なりを持つ。美しさの裏には激しさがあるということ。
オオタカネバラか?編笠山頂の岩場に独り咲いていた。蜂が蜜を集めている。
ゴゼンタチバナが見ごろを迎えていた。
青年小屋と権現岳

青年小屋に着いてテントを張る。初日の夕飯はタラコスパゲッティ。19時頃から雨がぱらつき始めた。

【2日目】曇り→晴天→雨
5:00青年小屋-6:15権現小屋付近-7:35キレット小屋-9:40赤岳-12:35硫黄岳-14:50東天狗岳-16:20黒百合ヒュッテ

昨夜の雨でテントはぐっしょり濡れている。朝食を済ませて、撤収。徐々に天気が良くなり晴れてきた。嬉しい。

チシマギキョウ
赤岳へ向かう岩登り。キレット小屋あたりから天気が崩れだした。
赤岳頂上山荘でコーヒーを一杯注文。
イブキジャコウソウ

東天狗岳から黒百合ヒュッテへの道のり"天狗の奥庭"が辛かった。この時点で雨が強まり、稜線を吹き抜ける強い西風で、雨合羽はぐっしょり。その上、濡れた岩を(天狗のように)飛び移っていく。予定では1時間でしたが、1時間半かかってしまいました。

黒百合ヒュッテに着く頃にはとても疲れていました。小屋の中はストーブが焚かれて暖かい。小屋泊りの方達の雨合羽が干されている。楽しそうな笑い声。びしょ濡れで疲れ切った私。小屋の中では(捨て犬のような)私だけが異質。なんだか思い返すとシュールで面白いです。笑
テン場に用意されているパレットの上にテントを張り、バーナーを焚いて暖を取り、疲れを癒しました。

【3日目】雨→穏やかな曇り
6:20黒百合ヒュッテ-8:45稲子湯

朝起きるとまだ雨が降っており、風も強かったが、出発する頃には雨は止んでいた。中山峠からの最初の下りは、急峻で道も悪かったが、それ以外は安全に下れた。
下山口直結の稲子湯で汗を流して(本当にありがたいです)、小海町営バスで小海駅へ。
小海駅ロータリーにある「御食事処月華」さんでカツ丼ラーメンセットを食べて、帰路につきました。(駅舎内にあったセブンティーンアイスも食べちゃいました!)

かつ丼のどんぶりのデカさが伝わりますでしょうか!白米がずっしり。若いお兄ちゃんだから、白米大盛サービスしてくれたのかもしれません。野沢菜漬けも付いていました。コーヒーはサービスで頂きました。ご馳走さまでした!おいしかったです!

【感想】
南八ヶ岳の主稜線を十二分に楽しむことができました。爽やかな樹林帯から始まり、網笠山の急登、変化に富んだ稜線、赤岳への岩登り、可憐な高山植物、キノコたち。
このような充実した山行に取り組めたのは、ご指導頂いている浦渓の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
技術面では、本山行では極力、GPSを使わないようにしました。スマホの地図アプリは便利ですが、紙の地図とコンパスだけでルート選択できることは重要ですし、何より登山の楽しみが増えると思います。
引き続き、浦渓会員として一人前になれるよう精進します。ありがとうございました!

矢沢水系 軍刀利沢登り(会山行)

メンバー
統括:N村さん
A班:A木さん(L)、Y下さん、K村さん、I澤
B班:T橋さん(L)、H寺さん、Y内さん
日程:2024年7月6日(土)
9:00矢沢林道落合橋前-9:50軍刀利沢入渓点-15:10三国峠-17:30矢沢林道落合橋前

ルート概念図

7月の会山行は6月と同様、沢登り訓練をご企画頂き、奥多摩は軍刀利沢に行ってまいりました。
今回の目的は、沢登り技術の確認に加え、夏合宿で予定されている沢泊山行の事前準備として、タープ張りと焚火技術の確認です。
私以外は皆様、熟練者でしたので、完全に初心者である私の為の山行になってしまったような気がしております…
皆様、いつもありがとうございます!
沢登りは、ルートの自由度(創造性)、岩登りの要素、沢を詰め上がって山頂を踏む冒険性などの点において、魅力を感じております。

【訓練内容】
・タープ張りの練習
・焚火のシミュレーション
・直登or高巻、ルート選択の判断
・沢登りにおける基本ロープワークの確認
・リードとフォローの連携の確認

【個人的な収穫】
✓今回の山行では、なるべくスマホの地図アプリを使わずに、地図とコンパスでルーファイする練習をさせて頂きました。
特に下山時は終始、先導させて頂き、ルート選択をさせて頂きました。下山ルートは単純な尾根歩きだと油断していましたが、何カ所か分かり辛いルートがあり、改めてルーファイ技術の重要性を認識できました。
沢遡行においても、支流が現れた際にどちらに進めばよいのか、現在地の同定とルート選択が必要になります。当たり前のことですが、「川幅が広いからきっとこっちだろう」などと、安易に進まないことを徹底する必要があります。
次回山行では、あえて(なるべく)スマホの地図アプリは使わずに、地図とコンパスで歩く練習をしたいと思います。
✓土壁の登攀。軍刀利沢を詰め切って稜線に抜ける最後のフカフカの土の急斜面。登るのにとても苦労しました。A木さんからは「綺麗に登ろうとし過ぎると進まないよ。」と、N村さんからは「(ラッセルのように)膝を使って土を固めて、そこに足を乗せるやり方もあるよね。」とアドバイスを頂きました。土壁の登攀は次回以降の課題です。

以下、山行写真を掲載させて頂きますので、ご覧下さい。

入渓点まで林道歩き
入渓点
タープ張り練習
B班の登攀
A班の登攀
大滝。ここは左岸を巻いた。
下山の様子。雨が降り滑りやすかった為、慎重に下りた。下山ルートの一部は急峻で、痩せた尾根もあった。

【SMSCA主催】読図・アクシデント対応講習・研修会

日程 2024年6月29日(土)-30日(日)
場所 東吾野 虎秀アルパイン入門道場
主催 (一社)埼玉県山岳・スポーツクライミング協会(SMSCA) 遭難対策委員会
参加 H島、Ⅰ澤(記録)

SMSCA主催の「読図・アクシデント対応講習・研修会」に参加させて頂きました。
施設をご提供いただきました虎秀アルパイン入門道場様、SMSCA講師様、ご一緒させて頂いた皆様、各所ご関係の皆様、本当にありがとうございました!
こういった講習会をご提供頂けるのは、関係者様のボランティア精神、先人たちの情熱によって成り立っていることを改めて認識いたしました。
私もいつか、与えられる側から与える側へなれるよう、できることから取り組みます。

当山岳会の命題たる遭難対策において、読図とアクシデント対応は非常に重要です。
特に、私のような初心者には、本来、山に登る以前に学ばなければならないことなのかもしれません。
自分の山行を省みて今後に活かす、良い機会にさせて頂きました。

【1日目】
1日目のカリキュラムは以下の通りです。
・"遭難"への理解を深める(発生原因分析、原因第一位は道迷い)
・消防へ通報時の応対
・救急セット中身の確認、共有
・応急処置(負傷者の発見と初動、状況判断/包帯、三角巾などの使い方/出血対応)
・ツエルトの使い方、設営方法のバリエーション
・簡易ハーネスの作り方
・負傷者の搬送/スリングを使った背負い方
・基本ロープワーク(フリクションヒッチ、懸垂下降時のバックアップ)
・読図机上講習(読図に必要な地図の種類、縮尺/コンパスの使い方)
・ナイトハイク(読図の実践)(18時過ぎ~20時過ぎまで山を歩きました。)

捻挫の応急処置
フリクションヒッチ

【2日目】
2日目のカリキュラムは以下の通りです。
・読図の実践(実際に山を歩きました。)
・山中でのツエルト設営実践