子持山獅子岩クライミング(会員山行)

メンバー:I村さん、I澤
日程:2025年11月3日(月)文化の日
天候:曇り時々晴れ⇒12時前から通り雨と不安定
7:00駐車場-8:10登攀開始-11:05登攀終了-12:00屏風岩で雨宿り-12:30駐車場

I村リーダーのもと、獅子岩ノーマルルートにリトライしてきました。
元々、谷川岳マチガ沢東南稜を予定しておりましたが、天候が悪く断念。
(下山後、天神平のライブカメラを見たら雪が降っていました。)
最高ピッチグレード5.8とグレードこそ自分の許容範囲とはいえ、グレードには現れないランナウトの怖さ、スラブ・フレーク・スローパー気味のホールド・スタンスの悪さがあって、登り始めるまでかなり怯えてました…
結果的にはフォールすることなく登り切ることができましたが、壁の中では怖さ、警戒心満々で、クライミングは精神的な部分が大きいなと感じました。

獅子岩の側面部を登っていくルートです。

【1&2P目:5.5&5.6】リード:I澤
1P目と2P目はピッチを切らず、繋げて登りました。
ルートはほぼ一直線なので、ロープの流れは悪くなりませんでした。
グレードは上記の通りですが、ホールド・スタンスが遠くハイステップで体を引き上げなければならない所が2カ所程あります。
ガバではなくスローパー気味のホールド、横引きのホールドを使いバランスを保って体を引き上げますので、かなり緊張します。

【3P目:5.7】リード:I村さん
フェイスを左に出た後、右上し、フレーク形状の大岩(体がすっぽり入りそうなくらい空間が空いている)を使いテラスに上がります。テラスは広く樹木が生え、安定して休めます。
I村さんは簡単そうに登られていましたが、私はフェイスからフレーク状大岩を掴む所が少し遠くて「うっ」となりました。

3P目を見上げる。
丁度、フレーク状大岩を掴んでいる所。

【4P目:5.8】リード:I澤
スラブフェイス面の弱点を縫うように登っていきます。
核心は上部の右手アンダーを含む数手。持ちにくいホールドと僅かなスタンスにあーでもない、こーでもないと何度も行ったり来たりして、なんとか突破。
気温一桁台の中、I村さん、大変お待たせしました😅
終了点間近で左へトラバースするのですが、そこも意外と悪く感じました。
冷静にスタンスを見つけて、ビレイポイントへ。

【5P目:5.6】リード:I村さん
傾斜は緩いですが、スネアを多用するピッチでした。
僅かな凹凸に手指先を掛けて、スネアで登っていきます。
登りながら、I村さんに連れて行って頂いた小川山・ガマスラブの練習岩を思い出しました!

5P目を見上げる。
ツルツルのスラブです。

【6P目:5.7】リード:I澤
ホールドスタンスが豊富にあるように見えるボコボコ面ですが、後半の疲れもあってか、意外と考えさせられました。
特に、最後の最後、大岩を乗越す所はカチで体を引き上げた後、奥にあるガバを掴んで乗越すのですが、ガバホールドが奥にあって見えにくく確信を持てず、掴むまでは油断できませんでした。
ここでもあーでもない、こーでもないと行ったり来たりして、寒い中、I村さんをお待たせしてしまいました…
大岩を乗越すと一般道と交わります。立木でビレイしました。

6P目

【7P目:5.7】リード:I村さん
6P目から7P目は一般道を4m程横切って取付きます。左の凹角を登って頂上です。
頂上にはハンガーボルトなどのビレイポイントはありませんので、I村さんは岩にスリングを回してビレイポイントとしていました。
因みに、一般登山者も行ける頂上ですので、少し回り込めば金属製の梯子が掛かっています。

頂上からの眺め

【下山】
下山は一般登山道を下りました。駐車場まで1時間程です。
ノーマルルートを懸垂下降するよりも時短だと思われます。登ってくるパーティーとのすれ違い・待ちもありませんし。

下山後は『道の駅こもち』で野菜を買ってから、渋川市にある『たか幸食堂』さんで栄養補給して、帰路につきました。
『たか幸食堂』さんですが、中華料理と家庭料理の良いとこ取りで優しいお味、ボリューム満点で大満足でした!また今度お邪魔したいです。

【まとめ】
獅子岩ノーマルルートは各ピッチごとに表情が違うので、今まで習得したクライミング技術を総動員して登り切ったように思います。
1&2P目:横引きのフレークを持って側対の動き、フレークのエッジに足を乗せるバランシー&怖さ、スローパー気味のホールドを持ってハイステップで体を引き上げる
3P目:絶妙に遠いフレーク状大岩を掴むバランシーな動き
4P目:手・足の少ない中、右手アンダーから手・足を繋いでいく核心部の数手
5P目:僅かな凹凸に手指先を掛けて、スネアを多用する
6P目:集中力がなくなってきた中で、カチで体を引き上げて見えにくいガバを取り、大岩を乗越す
7P目:ハンガーボルトなどのビレイポイントはないので、工夫してビレイポイントを作る

私I澤はクライミングジムに通い始めて半年程。まだまだ伸びしろがあると信じて、頑張って行ければと思います。
ご一緒頂いたI村さん、緊急連絡先をお引受け頂いたA木さん、今回もありがとうございました!また、宜しくお願いします!

子持山獅子岩クライミング(渓稜祭2日目)

メンバー:➀A木さん-I澤
     ➁Y内さん-I村さん-Y代さん
日程:2025年10月19日(日)

取付き

渓稜祭2日目は子持山獅子岩(ノーマルルート)へクライミングに行ってきました。
結果的にはメンバーの一人が1P目をリード中、4ピン目手前辺りでランナウトした状態でフォールし、右足首を負傷。撤退となりました。
先行していた➀A木さん-I澤パーティは2P目終了点まで到達していましたが、メンバーが負傷した状態にあることから、A木さんの素早い状況判断で撤退を決め、下降し➁パーティと合流。
負傷メンバーにA木さんがテーピングを施し、全員で介助しながらの下山となりました。
また、近くにいらっしゃった3人組のパーティーの方には、快くストックを貸して頂きました。本当にありがとうございました🙇

悔しいですが、クライミングに限らず、山登りでは怪我は付き物。困った時は助け合い。お互い様です。
もしかしたら自分が落ちて怪我をしていたかもしれない、自分事として考えさせられた経験となりました。

人がいる場所が1P目終了点。フレークを上手く使いながら登っていく。

技術的な所で言えば、私は1P目:セカンド、2P目:リード(1P目と2P目は繋げて登られることが多いようですが、今回は先行パーティに追いついてしまいそうだったので切りました。)で登りましたが、
トポに記載されたグレードでいうと1P目:5.5~5.7、2P目:5.6~5.7と一見すると簡単そうに思えますが、安山岩?(榛名黒岩と同じ)のスラブ特有?のホールド・スタンスの少なさ、スローパー気味のホールド=しっかり持てない、横引きのホールド=体重の掛け方が難しい、フレークの淵を足で踏む怖さ・スタンスの悪さ、ボルトの間隔が広い=怖くて思い切って登れない、など初心者の私には怖さ・難しさ満載でした。
登ってみたい、試してみたい気持ちもありましたが、
正直、2P目で撤退して、「この悪さ、緊張感、ランナウトに耐え続けられたか確信がない。あ~良かった。」と安堵した自分がどこかにいたことも事実。
まだまだ、まだまだ、トレーニング、経験が必要なようです。

ご一緒させて頂いたメンバーの皆様、緊急連絡先をお受け頂いたY下さん、今回もありがとうございました。
また、何よりも、負傷されたメンバーの一刻も早い回復を祈っております。お大事になさって下さい。

古賀志山クライミング(会員山行)

メンバー:Y代、I澤(L)
日程:2025年9月28日(日)

Y代さんと古賀志山へクライミングに行ってきましたので、ご報告です。
不動滝左フェースを登りました。
➁、➃は出だしが被っているのでチョンボ棒を使って1ピン目にプリクリップしてから登りました。プリクリした方が安心・安全ですね!

➀クウ(5.8)
➁沙羅ちゃん(5.8)
➂競技会(5.9)
➃粉屋の娘さん(5.9)

➂競技会ルート(5.9)

私I澤は悔しい思いをした今年6月の二子山中央稜、同8月の小川山の父岩にある小川山物語(5.9)をリードで完登すべく、引き続き頑張っていこうと思います。
少しクライミングから離れていたY代さんは、「次はリードで完登してやる!」と意気込んでいました!
お互いにモチベーションを高めることができた良い山行になりました。

余談になりますが、当日はJFA(日本フリークライミング協会)さんと地元山岳会の方々が合同で、11月に予定しているリボルトの下見をされていました。
外岩はこういった方々のボランティア精神によって支えられているのだと実感しました。
本当に有難い限りです!
また、登ること以外の山との関わり方について考えて、行動することは、人生の彩りという点においても重要であるような気がします。

山行後はY代さんの希望で『宇都宮みんみん 鹿沼店』へ。
いつ来ても安定の美味さ。ご馳走様でした!

もちろんノンアルです!水餃子が一押し

小川山クライミング(会員山行)

メンバー:I村さん(L)、I澤
日程:2025年8月30日(土)-31日(日)

8月最後の週末はI村さんに小川山に連れて行って頂きました!
小川山と聞くとクライミングの楽園?めちゃ強クライマーが集う場所?みたいなイメージを持っていましたので、I村さんにお誘い頂いてからはジム練するモチベーションになっていました。
下界は気温40℃の猛暑の中、朝晩はダウンを着るくらい快適な気候で、お陰様で登り込むことができました。
(流石に日中は暑かったですが、クライミングできるくらいの暑さです!)
H島さんも参加予定だったのですが、体調不良の為、今回は欠席となりました~😭

【1日目】快晴
8時過ぎに廻り目平キャンプ場に到着すると、クライマーやキャンパーでぎっしり。なんとか車を停めました。
炊事場の隣にテントを張って、初日は八幡沢エリアへ。

I村さんにテーブルまでご用意頂きました~

まずはガマスラブでウォーミングアップです。3本登りましたが、スラブは足を良く踏ん張るので結構疲れる~。ここは私も全てリードしました💪

ガマスラブ。至る所にボルトが打ってあるので好きなルートを登れます。

お次はマガスラブへ。(I村さんは全てリード。『ルート名:〇〇』はI澤の取組内容。)
➀song of pine(5.8):トップロープ(TR)で完登
➁穴があったら出たい(5.10a):TRでも完登できず
➂ウルトラセブン(5.7):リードし完登
➃かわいい女(5.8):リードし完登

マガスラブ。➀➁の辺りです。

初日はスラブ三昧でした~
キャンプ場に戻って、I村さんに夕食をご馳走になりました💕
冷やしトマト、ジャガイモとピーマンの炒め物、ポークステーキ、豚肉と茄子のつけ汁にうどんと、初日の疲れが吹き飛ぶ美味しさでした!
料理しているI村さんをボケーと眺めているだけで、何もできずすみません😭
ご馳走様でした!
日が沈むと一層気温が下がって、上着を着込んで超快適♫
私たちはやりませんでしたが、周りの方々は焚火を楽しんでおられました~

【2日目】快晴
空が明るみ出した5時過ぎに自然とI村さんも私も起床しました。
これまたI村さんにコーヒーをご馳走になって、ゆっくりと支度しました。
2日目はキャンプ場から近い父岩からスタート。
➀小川山物語(5.9):
リードでオンサイトトライしましたが7合目辺りでルート逸れて断念・テンション。小川山ストリートの終了点までカンテを使いながら登って地上に戻りました。TRでは完登できました!
途中から都岳連の講習会御一行が来ましたので、地上から視線を感じながら必死こいて登りましたw
➁モラリスト(5.8):
リードでオンサイトトライしましたが上部のスラブを突破できず断念。TRでは完登。

お次は兄岩。
➂八王子ルート2P目(5.6):TRで完登
ジャミングがしっかり決まるし、1手だけ無理やりリービテーションもどき?使ってみたりと楽しかったです!

八王子ルート2P目(5.6)。左の凹角クラックを登る。終了点は樹木で残置ロープ・カラビナはないので最後は懸垂下降で降りる。ビレイデバイスとグローブをお忘れなく!

お次は弟岩。
➃ジョイフルジャムのある岩の左面の右端のクラック+フェイス:TRでなんとか完登
➄ジョイフルジャム(5.8):TRでなんとか完登

➃松の木に並走するように左上する右端のクラックを登ります。
➄フェイスとクラックを上手く使いながら登ります。数手、クラックにジャミングと足を決めて登ります。

最後は兄岩に戻って。
➅ピクニクラ(5.10c):私は登らず(と言うより登れないw)。I村さんは1度レストする為にテンションしましたが、無事トップアウト!

【まとめ】
今回はI村さんのお陰で小川山をお腹一杯楽しませて頂きました!
TRを張って頂いたことはもちろんのこと、小川山でのクライミング以外の楽しみ方、キャンプ場での楽しみ方も教えて頂き、I村さんには大感謝です👏
小川山には私が今回リードで完登できた5.8以下のルートはあまりなく、I村さんがいなければ岩を眺めて帰るだけになってしまうところでした。
まずは『小川山物語(5.9)』を安定してリードできるようになることを目標にトレーニングに励みたいたいと思います。
改めまして、I村さん、緊急連絡先をお引受け頂いたT嶋さんありがとうございました!

前穂高岳北尾根(夏合宿)

メンバー:I村さん(L)、H島さん、I澤
日程:2025年8月15日(金)-16日(土)
1日目:9:50上高地バスターミナル-14:30涸沢小屋
2日目:2:50涸沢小屋-4:30五・六のコル-10:40前穂高岳-14:50上高地バスターミナル

前穂高岳北尾根。言わずと知れたクラシックルート。1924年に慶応大学山岳部が初登攀してから100年以上も登り継がれている。梓川沿いからも、如何にもアルパインチックな前穂東壁と共に望むことできる。涸沢に行ったことがあれば誰しもが認識する重厚な尾根。

今回の山行では、3人の都合の合う1泊2日という限られた日程であった為、I村リーダーの提案で小屋泊を選択しました。お盆期間中の小屋予約できるかが核心でしたが、お忙しい中、H島さんが予約してくださいました。本当にありがとうございました!
お盆前半の大雨の影響で山行2日前?までは釜トンネルー上高地間は通行止めとなっていましたが、山行当日は天候も味方し、無事、山行計画を実行することができました。

【1日目】晴れたり曇ったり
1日目は涸沢小屋までということでゆとりある工程。沢渡駐車場の足湯があるエリアに駐車し、シャトルバスの乗継が悪かったのでタクシーで上高地へ(定額制税込6,000円也)。
上高地に到着すると、もはや見慣れた光景となった大混雑、人人人。毎度、河童橋が無事か心配になる(笑)

小梨平には大勢のキャンパー。観光、キャンプ、登山、クライミング。様々な山の楽しみ方を許されているのは上高地の魅力です。
順調に歩みを進め横尾を経由し、涸沢到着。

横尾から前穂東壁と北尾根

涸沢小屋に行く前にヒュッテで生ビール。これは欠かせないですよね!

それから、取付までのルートを偵察。キャンプ地から五・六のコルは支尾根に隠れており見えませんが、地形図を見ながら「あそこじゃないか?」「いやあっちじゃないか?」と議論するのは、明確な登山道のないバリエーションルートの楽しみの一つ。この冒険感は何物にも代えがたい。

五・六のコルへのルートを偵察する二人。後ろ姿がカッコイイ!

涸沢小屋に到着して、I村さんがちらと言っていたパフェを注文。北アルプスの山小屋でパッ・フェッ!
きっと、涸沢小屋には私と同じくらい(いやそれ以上)の甘党がいらっしゃるのでしょう。最高です!

テラスからの眺めも最高です。
夕飯も美味しい。なんと白飯、味噌汁はお替り自由です。

そして個人的に念願だった涸沢小屋に宿泊させて頂きました。涸沢小屋さん、予約して頂いたH島さん、ありがとうございました!

【2日目】
先行パーティがいたら三峰の登りで待ち時間あるかもしれないということで、計画を早めて2時起床、2:50出発。気温は寒くなく、むしろ生ぬるいくらいでした。夜、通り雨があった為か、カール内には霧が立ち込めていました。

1日目の偵察ではキャンプ地から五・六のコルへのルートを探りましたが、当日はヒュッテを通って、北尾根斜面の裾をトラバースしアプローチ。
トラバースを終えると、五・六のコルへ詰め上がります。ガレザレした斜面です。ほぼ同時出発した2人組パーティーがすぐ近くにいましたので、落石させないよう慎重に歩きました。少し登ると雪渓があります。事前の情報収集で雪渓を通らなくてもコルへ辿り着けることが分かっていたので、今回はアイゼン等は持参しませんでした。

I村さんが終始先頭を歩いて下さった。右端に雪渓が見えている。

1時間半程でコルに到着。風が冷たくもう一枚着込む。3~5畳程?の踊り場があり、そこでハーネス等登攀具一式を装着。そうこうしてしているうちに、空が明るみ出しました。

五・六のコルで支度した。

五峰の登りは、歩きと簡単な岩登り。岩はしっかりしています。ただし、落ちれば谷底までです。下りも岩は安定しており、怖い所はなかったです。

五峰
五峰を登っている途中でご来光。信じられない程美しい景色!モルゲンロートを見ることができた。
ブロッケン現象も見ることができた!

4峰の登りはルート取りが核心。私達は最初、涸沢側を登っていきましたが、ある程度登ると岩は不安定になり行き詰りました。ハーケンと捨て縄があったりと、先人達が何とか登ろうとした証がそこにはありました。そこでビレイをして仲間を引き上げている姿が思い浮かびました。
涸沢側は悪いということで、極めて慎重にクライムダウンし、途中で奥又白側の斜面に移る。
こちらは比較的安定していて、登られていることが分かりました。稜上近くに到達。2~3m程のスラブ状の大岩を登れば先に進めるが、もっと安全なルートはないか探りました。少しするとガイドさんを含む3人パーティが登ってきて、そのスラブ状大岩を登っていたので、私達もそれに倣いました。
足がかりはしっかりありましたが、アプローチシューズだったので緊張しました。ロープは出しませんでした。
その大岩を登らなくても、ほんの少し戻って稜通しに歩くこともできたかもしれません。

確か四峰登りの写真
四峰の登り

その後は順調に進み三・四のコルに到着。前日夜に涸沢小屋に作って頂いた弁当を食べて、しばらく休憩+先行パーティ待ち。

三峰

さて出発しようかと支度していると、赤茶色のかわいいオコジョがお出まし。弁当の匂いに釣られたのでしょうか。I村さんに懐いて、去っていったと思ったら戻ってきて、せわしなく、また同じルートで一周回って戻ってきてといった形で。流石はアイドル!サービス精神に欠きませんでした。

三・四のコルでクライミングシューズに履き替え、少し歩いて大きなピナクルにスリングを掛けビレイポイント(BP)を作りました。
1P目はH島さんです。残置ハーケン等に中間支点を取り登っていきます。出だしは少し左上した後、大岩を起点に直上するので、ロープが擦れてかなり重かったようです。

三峰1P目。H島さんのリード。
H島さんのリード

後半部分に2つの大岩に挟まれたチムニー状?があり、殆ど手がかり足がかりのないツルンとした岩です。左岩には丁度足を置ける位置にハーケン1つ、右岩にはハーケンに捨て縄が掛けてあり右手で掴めそうです。廣川健太郎氏の『アルパインクライミングルートガイド』によると、1P目は左右2ルートあり、左はⅢ級、右はⅣ級またはⅢ級+A0となっており、H島さんが選んだのは右ルートだったようです。(山行当日、手元にあったトポにはⅡ級とあったので、H島さんがリードすることになったのですが、どうやら違ったようです。)
フォローの私は思わず左岩のハーケンに足を置いてしまいましたが、H島さんは背中と足で突っ張ってエイドせず登ったそうです。流石すぎる!🙌
途中でロープが動かなくなったので、下でI村さんと「苦戦しているのかな」とお話していたのですが、そういうことだったんですね~笑
2番手で登った私は飄々とビレイしているH島さんと合流すると、A0ルートをリードした驚きと、登り切った勇敢さに、なんだか可笑しくなってしまって、しばらく笑いが止まりませんでした。リードして頂いてありがとうございました!
I村さんは難なくスルスルと登られて、2P目はI澤がリードです。
BPから右にトラバースした後、立派な幅広のガリーに入ります。ガリーを進むと左側に大岩があります。トポにはフェイスを登るとありましたが、右端のクラックの方が面白そうだったのでそちらを登りました。残置ハーケンもありましたが、折角カムを持ってきたのでキャメロット0.75番を使用。練習です。
そこから少し登ったところで岩にスリングを掛けてBPとしました。短いピッチでⅡ級(一部Ⅲ−級)くらいに感じました。

三峰2P目出だしのガリー

3P目はほとんど歩きといった感じで抜けていきます。
3P目終了後は3峰頂上、2峰頂上へはロープを出しませんでしたが、何カ所か墜落の許されない絶妙なトラバースや乗越がありました。4峰程ではありませんでしたが、ルーファイ力も求められます。
2峰の頂上からは5m程懸垂下降します。頑丈な岩に残置捨て縄・ビナがあるので利用させて頂きました。

二峰頂上からの懸垂下降

安定した岩を登り、無事登頂!
事故なくに登り切れた安堵感、そして喜びを噛みしめました。

下山は重太郎新道で上高地へ。先日の仙塩尾根縦走で再発していた腸脛靭帯炎が心配でしたが、I村さんに頂いたテーピング、H島さんに貸して頂いたトレイルランナー御用達の鎮痛クリームを使わせて頂き、心配していた程痛みは出ずでした。気を使って頂き、大感謝です🙇
しかし、重太郎新道は本当に急ですよね。登山道を切り開かれた先人達には驚嘆するばかりです。I村さんも「これは膝痛くなるわ」とこぼしていました。
岳沢小屋で一休み。各々、マウンテンデューとCCレモンで一服してから、とても歩きやすい登山道を歩いて上高地に帰還。シャトルバスで沢渡へ。

【持参した装備】
✓ダブルロープ1組
今回は3人だったのでダブルロープ1組(2本)持参しましたが、2人パーティであれば50mロープ1本でも問題ないと思いました。ガイド本にもそう書いてあります。ルートは大岩などを起点に大きく屈曲しており、ロープ2本使ったとしても、いずれにしても流れは悪くなってしまいます。
✓キャメロット0.5~2番
事前にI村さんから「カムはなくても登れるよ」と言われていましたが、持って行きたくて私が持って行ってしまいました。結局、3峰2P目に無理やり1回使っただけです。
基本的には危険個所には残置ハーケン等があり、I村さんの仰る通りカムはなくても十分登れます。残雪期など残置支点が見つかり辛いことが想定される場合は、持参することを検討しても良いかもしれません。
ちなみに、登攀中、残置カムを2~3個見つけました笑
✓クライミングシューズ
私のクライミング力だと3峰の登りはクライミングシューズを持参して正解だったと思います。心理的に安心して登ることができました。残雪期にクライミングシューズを持参しない場合は、なるべく安全で容易なルートを選ぶルーファイ力が試されるように思います。4峰のスラブ状大岩は登らずに、少し戻って稜通しを通過する。3峰のエイドルートは避けて、左ルートを使うなど。雪質、雪の付き方によって、柔軟に対応する必要があります。

【アフター】
I村さんの提案で白骨温泉公共野天風呂へ。谷に向かって階段を下りていくと、川沿いに露天風呂があります。切り立った赤黒い崖に囲まれて、すぐ近くには川が流れている。まさに秘湯といった感じ。I村さんはどこへ行っても良い所を知っていて、そういった山以外の楽しみを忘れないことは大切だなと、尊敬です。

入浴後、お腹が空きましたねということで、これまたI村さんのご提案で『レストラン 十字路』さんへ。レトロと現代風が喧嘩することなく共存する良い雰囲気の外観と店内。ボリュームたっぷりで大満足です。というか最後はフードファイターの様な気持ちになります(笑)
上高地帰りの定番になりそうです!

十字路風オムライス。鉄皿は触ると普通に火傷するのでご注意ください!

【まとめ】
今回の山行を大船に乗ったつもりで安心して楽しむことができたのは、I村さんのお陰です。
山行計画の核心、涸沢小屋の予約など縁の下の力持ちとしてサポートして下さったのはH島さんです。
そして、入会以来、それとなく目標にしていたクラシックルート・前穂高岳北尾根に挑戦し、完登できたのは、先輩方のご指導のお陰です。
皆様、緊急連絡先をお引受け頂いたF寺さん、ありがとうございました!
引き続き、自分が理想とする山登りを追い求めて、“より高く・より困難”を目標に、感謝の気持ちを持って、楽しみながら精進していきます。

仙塩尾根縦走(会員山行)

メンバー:I澤
日程:2025年8月8日(金)-11日(月)
1日目:7:00鳥倉登山口第二駐車場-11:00三伏峠小屋テント場
2日目:4:20三伏峠小屋テント場-10:00塩見岳-16:40熊ノ平小屋テント場
3日目:3:15熊ノ平小屋テント場-5:20三峰岳-8:20野呂川越-9:10両股小屋10:00-15:10長衛小屋テント場
4日目:6:40長衛小屋テント場-7:20発南アルプス林道バスで戸台パークへータクシーで高遠バス停へ(15-20分程)-9:20発JRバス関東高遠線で伊那市駅へ(伊那バスターミナル下車)-JR飯田線で伊那大島駅へ-伊那バス南アルプス登山バス鳥倉線で(鳥倉登山口)第二駐車場へ

【1日目】晴れ時々曇り
7:00鳥倉登山口第二駐車場-11:00三伏峠小屋テント場

夜明け前に鳥倉登山口第二駐車場に到着。登山口に一番近い上の駐車場は既に満車でした。
仮眠を取ってから出発。初日は三伏峠小屋までなので気楽です♬
三伏峠までは緩やかな登りが続きます。後半は斜面をトラバースすることが多くなりますが、危険な場所には金属製の階段等が設けられており、安全に通過できます。
三伏峠小屋に着いて受付に行くと、前日の降雨の影響で水場の水が出ていない状態とのこと。降雨後なので涸れたわけではなさそうなので、詰まってしまったのか何なのか~。
有難いことに小屋の水を分けて頂けました。ありがとうございました😭
第一駐車場が満車だったのでテン場もパンパンかなと思っていましたが、私が到着した時は3割くらいで安心しました。
午後から徐々にガスが上がってきましたが、日光が遮られて却って過ごし易かったです。

三伏峠小屋
三伏峠小屋では蕎麦を頂いた。

【2日目】晴れ後曇り
4:20三伏峠小屋テント場-10:00塩見岳-16:40熊ノ平小屋テント場

夜明け前に出発。朝焼けが美しかった…ですが、天候悪化は避けられない。
三伏峠小屋から少し歩くと稜線上に出て三伏山へ。町を見下ろせます。

三伏峠小屋と町の明かり
目指す塩見岳のシルエット

眺望が開けるのは三伏山周辺だけで、塩見小屋まではひたすら樹林帯を進んでいきます。

遠くに仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳が見えた!

塩見小屋に到着して売店を覗くと、タッパーウェアに入った美味しそうなおはぎ(あんこときな粉の2種類)を発見。値札は付いていないし、余りにひっそりと遠慮がちに棚の下段の端っこの方に置かれていたので「従業員さんのおやつかな」と思い、パンとコーヒーを購入してモグモグ。食べ終わってゴミを捨てに再び売店に入って、やっぱりおはぎが気になったので「これって売り物ですか」と尋ねると「そうです。昆布茶(確か昆布茶と言っていたと思う)とセットでお出ししています。」と聞いてガックリ。初めから聞けばいいものを…。勝手に解釈して納得してしまう悪い癖です😔今度行った時は忘れず頂こう!
塩見小屋を出ていくらも経たないうちにガスってきて視界が悪くなってきましたが、塩見岳頂上に到着。おじいちゃんとお孫さん2人で塩見岳に来ていた方に記念写真を撮って頂きました。ありがとうございました!素敵なファミリーでした。
次は仙塩尾根への入り口、北俣岳分岐へ。
塩見岳山頂から急な岩場を下りたり、砂礫の崩落地の痩せた尾根を気を付けて行きます。
北俣岳分岐から仙塩尾根への入り口は看板があったのでわかりましたが、なければ気付かず北股岳・蝙蝠岳方面で進んでいたかも。塩見岳~北股岳・蝙蝠岳の尾根は顕著で分かりやすいですが、仙塩尾根へは北股岳方面の尾根から派生する不明瞭な尾根を下降する形になる為、とても分かりにくいなと思いました。地図上は尾根になっていますが、実際、下降していても、特に下り始めは、尾根であることを認識できませんでした。視界不良時などは北股岳方面への迷い込み注意です。
また、下降し始めはハイマツに覆われた斜面に作られた登山道である為、ハイマツの枝の上を歩いて行くことになります。雨で濡れているときなど、スリップ注意です。
それにしてもあれだけのハイマツを切って登山道を作る労力は大変なものがあると思うと、頭が上がりません。

北股岳分岐から仙塩尾根へ。ハイマツの枝の上を歩いた。

暫く下って行くと時折ガスが切れるようになって、笹山~広河内岳~農鳥岳~間ノ岳~と続く稜線を右手に見ながら、すっきりとした稜線上を歩いて行きます。

農鳥岳側稜線を右手に望む。

農鳥岳側の西側斜面には大井川東俣に流れ込む沢筋と大きな滝も見えました。
北荒川岳に至る東側斜面は草原のようになっていて気持ちが良かったです。
北荒川岳を過ぎると徐々に樹林帯が多くなり黙々と歩きます。
16:40熊ノ平小屋に到着。テン場は既にかなり埋まっており、私は小屋から一番遠い斜面の上の方にスペースを見つけて幕営。

受付で小屋番の方に明日以降の天気と工程を相談。計画では翌日仙丈ケ岳登頂後北沢峠まで下山する予定でしたが、悪天と7月に痛めた右膝痛がぶり返しつつありコースタイム通りには歩けないだろうと。雷も怖かった。三峰岳を越して野呂川越で仙塩尾根を外れ、両股小屋~林道経由で北沢峠まで下山するルートをエスケープとして想定していたが、沢沿いのルートである為、夕方から降り出した雨で危険ではないかとお伺いしたが、降り出し1日目は大丈夫、それなりの雨量が続いた2~3日目以降はヤバいと教えて頂きました。
持参したラジオでNHKを聞いていると運よく天気予報が流れて、「長野県、雨、昼前から雷を伴う可能性あり」と言っていて、一層怖くなる。
折角だから仙塩尾根を完歩したい気持ちもあり、両股小屋か仙丈藪沢小屋でもう1泊するか?、ただ明日は悪天だし足の状態もわからないなと考えつつ眠りにつきました。
夕方からぽつりぽつりと雨が降り出しました。

【3日目】終日雨
3:15熊ノ平小屋テント場-5:20三峰岳-8:20野呂川越-9:10両股小屋10:00-15:10長衛小屋テント場

工程、天気、足など色々不安あり予定より早く1:30に目が覚め、寝ててもしょうがないと思って、雨の中テント撤収し3時過ぎには行動開始。
三峰岳の稜線に出ると結構な南西風が吹いています。歩けない程ではないですが、時折体が持っていかれます。
三峰岳登りの序盤は樹林帯を抜けた後、岩とハイマツに覆われたとても広い稜線のように見えました。強風&ガス&暗闇で良く見渡せませんでしたが、気持ちの良い稜線だったはずです。
後半は小ピークをいくつか越える岩稜帯になります。慎重に進みます。

三峰岳登りの後半はこのような小ピークをいくつか越えて行く。

三峰岳登頂後は、急な岩場を下りてから樹林帯に入ります。ずーと樹林帯歩き。
歩いているうちに、足の状態は良くないし、やはり両股小屋経由で下りようと決めました。
野呂川越に着いて仙塩尾根を外れ東側斜面を下っていき両股小屋を目指します。結構急な下りです。

ギンリョウソウの蕾?眼玉みたい…

両股小屋に着いて小屋を覗いてみると、女性のオーナーの方が暖まって行けば?と言って下さって、お言葉に甘えて。
オーナーさんは40年以上(確かそう仰っていたはず)小屋番をされていて、元々は広河原ロッジ(2004年頃老朽化により閉鎖)で働いていたそう。縁あって小屋番に。1980年代前半に女性4人でアンナプルナ街道を2週間掛けてトレッキングしたお話など、とても親切に話して下さいました。小屋の中には白簱史朗氏の大きな山岳写真(おそらくヒマラヤ)が3枚飾ってありました。いつか両股小屋に戻って、野呂川でイワナ釣りしたいです。ありがとうございました!

その後は40分程?野呂川左岸を歩いて行き、その後、野呂川を高巻く様に作られた林道に変わります。
野呂川沿いを歩いていて、ふと流れの緩くなった岩陰に目をやると、九寸はありそうな立派なイワナが定位していました。流石、イワナ釣りのメッカです。

林道は荒れていて土砂崩れや落石、倒木を乗り越えたり、野呂川に流れ込む支沢を渡渉します。支沢はたくさんありますが、渡渉と言えるのは2カ所ほどだったかと思います。
確かに大雨続きの2~3日目以降は特に怖そうですね😅

渡渉ポイント。水量が増えるとヤバそう。

15時過ぎに長衛小屋に到着。『仙醸』とつまみを購入。ひとまず北沢峠まで降りて来られたことにほっと一息。
小屋のオーナーさんが「このまま雨が降り続けば久しぶりに林道バス止まるかもな」とポツリ。そっかー、そこまでは想定していなかった。
テントに潜り込んで、念の為、戸台へ徒歩で下山するルートを確認。
雨は夜も強弱を繰り返しながら降り続けました。
バス止まったら最悪だなと、この日も落ち着かない気持ちで就寝。

【4日目】
6:40長衛小屋テント場-7:20発南アルプス林道バスで戸台パークへータクシーで高遠バス停へ(15-20分程)-9:20発JRバス関東高遠線で伊那市駅へ(伊那バスターミナル下車)-JR飯田線で伊那大島駅へ-伊那バス南アルプス登山バス鳥倉線で(鳥倉登山口)第二駐車場13:40着

雨は降り続いていました。
テントを撤収して長兵衛小屋前に行くと、クラブツーリズムのガイドさんがいらっしゃってお話を伺うと、「予定を早めて7:20のバスで戸台パークに降りることにしたよ」と。ということは、朝一番のバスは動いてくれるということ。バス停で伊那市職員の方(毎朝一に軽バンで戸台パークから林道を上がって、林道の安全確認、危険な落石や枝などを撤去している)のお話を伺うと、「これくらいじゃ大丈夫だな。強力な台風の時は通行止めになることあるけど。今日下山するのはクラブツーリズムさんの一団と、数人だけじゃないかな。ほとんどは昨日に降りてしまったよ。」とのこと。
無事バス乗車でき戸台パークへ。タクシーを呼び高遠バス停へ、5,500円也。高遠バス停から伊那バスターミナル(伊那市駅)。などなど乗り継いで北沢峠バス停から6時間20分かけ鳥倉駐車場に戻ってきました。
高遠バス停で同じ北沢峠から下山してきた方とお話。なんでも茅野駅から走って八ヶ岳を南下し青年小屋テン場で1泊目、網笠山から観音平に下りて、走って尾白川渓谷登山口から甲斐駒ヶ岳に登り、仙水小屋テン場で2泊目、3日目も更に縦走する予定でしたが悪天により戸台パークへ下山したとのこと。2泊目は大雨の中ツエルト泊したそうで、侵入してくる雨水を排水する為に全然寝られなかったそう。
ただ者ではないと思ってお話聞いているとTJARにも出場したことがあるとのこと。来年の出場も狙っているそうです。また、以前はボルダリングで初段まで登ったとのことで、トレランもボルダリングも一流の方でした!
お疲れの所、親切にお話お聞かせいただき、ありがとうございました🙇

【振り返り】
計画段階を振り返ると、今回の山行の目線は3泊4日以上の山行をしたい、お盆期間中で山小屋・テン場の予約が不要なルートを複数案計画し、天候次第で行先を決めるというものでした。最終的には、➀早月尾根入下山→剱・立山三山、➁仙塩尾根・甲斐駒ヶ岳、③新穂高温泉→奥穂・槍・笠ヶ岳の3案を山行案として考えることができました。
今回のように複数案検討することで、様々な山、道を知ることができ、とても勉強になりました。
冒険性に加え、当初から悪天が予想されていた為、エスケープの余地、エスケープ後の車両回収の容易さ(時間、費用面から)など複合的に考えた結果、➁に決めました。
実際の山行では、3日目の悪天、足の不調を考慮してエスケープできたことは良かったと思います。一方で、当初計画では3日目に仙丈ケ岳登頂後、北沢峠まで下山する予定でしたが、悪天予報の中、これは無理があったように感じました。
両股小屋か仙丈藪沢小屋でもう一泊する計画の方が、天候、自分の体力に合っていたと思います。
体力的なところでは、足の不調もあってペース遅く2・3日目は12時間程度の行動時間となりましたが、そのお陰で15kgのザックに肩を慣らす?鍛える?ことができたことは良かったと思います。
雪山はもう5kgは重くなりますので、まだまだ鍛えないとです💪
引き続き、縦走も頑張ってやっていきたいです。
緊急連絡先をお引受け頂いたF寺さん、会員の皆様、今回もありがとうございました!

二子山中央稜クライミング(会員山行)

メンバー:Y内さん(L)ーA木さん、I村さん(SL)-I澤(記録)
日程:2025年6月8日(日)
天気:曇天

入会させて頂いてからクライミングの一里塚として意識してきた二子山中央稜。
今回、挑戦させて頂けることになりました。
Y内さん、I村さん、A木さん、ありがとうございました🙇

Y内さん、A木さんは『埼玉山のグレーディング』山行として坂本登山口から入山し、股峠を経由し、東岳と西岳に登頂したのち、また股峠に引き返して、I村さん、入澤(倉尾登山口から入山)と合流しました。
股峠から祠エリアを通って、中央稜取付きへ。
先行パーティーは2人組の1パーティのみ。自分たちの後に4名程中央稜を登られていましたが、先行する2人組パーティのお仲間である様子。
なんでも安曇野の山岳会だとか。
「昨日は善光寺の近くの岩場を登った。」「前穂の北尾根はいつ行こうか。7月かね。」など会話していました。羨ましい😙

パーティ分けはY内さんーA木さん、I村さん-I澤です。私I澤を後ろからバックアップできるように、Y内さんーA木さんパーティが後続します。

【1P目】リード:I村さん
凹状壁から登り始め、クラック?ピナクル?みたいな岩を使いながら右上し、テラスに出る短いピッチ。
I村さんは安定のリードで、私も比較的スムーズに登ることができました。

【2P目】リード:I澤
今度は私の番。テラスから左上し、一度フェイス面に出て直上する。
フェイス面に出るときは露出感があって緊張しました…😅
最後、丸い大岩を登って小さなテラスに上がるのが正規ルートであるようですが、最初、左隣にある少し被っている?岩の所に行ってしまったので苦労しました。
結局、正規ルートに引き返してビレイポイントへ。

【3P目】リード:I村さん
中央稜の核心ピッチ。凹角を直上した後、やや右上、岩溝地形を直上すると大テラスに出ます。下部~中部までの凹角+コーナークラックが核心で、ビレイ点から見上げると傾斜が寝ている様に見え登れそうに見えたのですが、実際取付いてみると、凹角直上後、角度が変わってやや右上する部分が、自分には激難でもう必死でした😭
結局、カムエイドしながら抜けました…。
が…、エイドで使っていたカムが抜けて、危うく、すぐ下まで登ってきていたA木さんにぶつかるところでした。A木さん、すみませんでした😭

丁度取り付いている三角錐の岩を抜けると右上することになるのだが、そこが私には激ムズだった。

兎に角、自分にリードなんて全然無理。セカンドでも死に物狂いといった感じでした😭まだまだ練習不足です!
I村さんは大変そうではありましたが、いつも通り、危なげなく堅実に一手一手登っておられました。流石です!
後続するY内さん-A木さんパーティは、A木さんがリードして、Y内さんも、危なげなく大テラスへ。
大テラスはとても広いです。

A木さん。ビレイポイント近くにて。

【4P目】リード:I澤
大テラス正面の岩を右側から取付き左上し、左上の被った岩を乗り越す。
一見少し怖いですが、掴みやすいガバがあるので安心して乗り越せます。

【5P目】リード:I村さん
すみません、このピッチは全く記憶に残っておらず…

3P目が大変過ぎてとても疲れている私

【6P目】リード:I澤
実質、最終ピッチ。
上部でフェイス気味の所に出るのか、凹角気味の所を登るのか迷って、時間が掛かってしまいました。結局、フェイス気味の所を登りました。

【7P目】
7P目は15m程の草付の凹状斜面で、I村さんを先頭に同時登攀しました。
無事、トップアウト!

終了点にてギアを外し、しばし休憩

しばし休憩した後、Y内さんとA木さんはグレーディング調査の続きをやる為、一度お別れ。
I村さんと私は股峠経由で下山し、『道の駅 両神温泉薬師の湯』で時間を潰し、調査を終えたお二人と合流した後、『焼肉レストラン 東大門』で腹ごしらえ。
精肉店が経営するレストランで、『THEクライマーズ飯』(わらじかつ丼:1枚はソース、もう1枚はおろしポン酢でさっぱり食べられる)、またぎ豚ぶり(豚バラ味噌漬け)、味噌もっちゃん(豚ホルモン)を食べましたが、どれも美味しかった!ご馳走様です👏

A木さんが食べたまたぎ豚ぶり

【まとめ】
まず、目標にしていた二子山中央稜に挑戦させて頂いたことに感謝したいです。ありがとうございました🙇
3P目がズタボロでしたので、トレーニングを積んで、秋に再挑戦できたらいいなと思ってます💪
Y内さん、I村さん、A木さん、緊急連絡先をお引き受け頂いたU田さん、今回もありがとうございました!

山のグレーディング調査 雲取山(会山行)

メンバー:I村さん(L)、Ⅰ澤(記)
日程:2025年6月7日(土)
天候:曇り⇒晴れ(梅雨入り前の貴重な好天でした)
5:50三峰神社駐車場-7:30霧藻ケ峰-11:05雲取山山頂11:30-14:20霧藻ケ峰休憩舎15:00-16:00三峯神社駐車場

SMSCA創立70周年記念事業『埼玉山のグレーディング』調査に三峯神社駐車場⇔雲取山を歩いてきました。
私自身、雲取山は2回目ですが、三峰神社から歩いたことはなく楽しみな山行でした。
また、後世への遺物たるグレーディング調査に参加できたことは大変貴重な経験であり、また責任を感じての山行でした。

午前3時に集合し、I村さんの運転で三峰神社駐車場へ。
I村さん、運転本当にありがとうございました!
登山者用駐車場には既に何台か車がありました。皆さん早いです。
歩き始めは曇り。ひんやりと感じられる体感でした。
歩き始めると薄っすら汗ばんできて、すぐに半袖に。
炭焼平~霧藻ケ峰~お清平~旧白岩小屋~雲取山荘~雲取山山頂とアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていくコース。
標高1,049mの三峰神社駐車場から標高2,017mの雲取山の標高差約1,000mを、片道約10kmかけて登っていきますので、急登はほとんどなかった印象です。

登山中、2頭の鹿と出会った。
山頂はすぐそこ。

【注意を要する箇所】
➀随所にあるトラバース道
 山の斜面に作られたトラバース道。幅は狭い所で60cm程でしょうか。
 余程不注意でなければ踏み外すことはないように思います。
 ただし、すれ違い時や、降雨等により地面が緩んでいる場合には注意して歩きたいです。

➁お清平~前白岩山間の鎖場
 今回のルートで唯一の鎖場。
 鎖は使わずとも登下降可能ですが、雨で濡れている場合などは注意が必要です。

下山はクリーン登山(ゴミ拾い)を実施しながらでした。
廃小屋である『雲取ヒュッテ』と『白岩小屋』にはかつての残置物がありますが、登山道沿いには殆どゴミが落ちておらず非常に綺麗でした。
埼玉県屈指の人気ルートが綺麗だというのは誇らしいです!

距離にして10kmの下山路。ゴミはこれだけしか落ちていなかった。

下山途中、最近改修完了したばかりの霧藻ケ峰休憩舎のご主人にお声掛け頂き、休ませて頂きました。

霧藻ケ峰休憩舎

無知な私が小屋の中で「この香りは何でしょう。ススの匂いですか。」と聞くと、ご主人が「これは檜の匂いだよ」と教えて下さいました。今回の改修でも良い檜材を使っているそう。
皆さんも檜小屋の匂いを嗅ぎに行ってはいかがでしょうか😙
また、ご主人から「三峰神社⇔雲取山ルートは登り一辺倒ではなく、何度もアップダウンを繰り返すから、アルプスに入る前の良いトレーニングになるんだよ。」
「昔は霧藻ケ峰の辺りもスズ竹が生い茂っていたんだけど、何十年かの周期の中で数年前に全て枯れてしまってね。今は雲取山荘の辺りで背の低いやつが生えてきている。あと数年かで霧藻ケ峰の辺りにも復活してくるだろうね。私は若いころは奥秩父の沢登りをやっていたんだけど、どの沢を登っても、最後の詰めはスズ竹の藪漕ぎで大変だったんだ。」
「この辺りにも勿論、熊はいてね。この休憩舎に歩荷するときには熊に『来たぞ~!』って大きな声で知らせながら歩いているんだよ。そうすると、熊の唸り声が聞こえてね。」
「一度、熊と鉢合わせてしまったことがあってね。仲間をかばって熊と睨み合いになって。熊が去った後には、腰を抜かしてしまったよ。」
などなど、大先輩の貴重なお話を聞くことができました。
休憩舎を去る際にゴミ袋を提げている私達を見て、ご主人が「ゴミ拾いをしてくれたのか。ありがとうね。言ってくれればコーヒーの一杯でもご馳走したのに。今度来たときはご馳走するから声掛けてね。」と、気さくでお優しいご主人でした。ありがとうございました🙇

霧藻ケ峰から1時間ほどで三峯神社駐車場に帰着。
「長かった~」と一息。

充実した『山のグレーディング山行』&『クリーン登山』を完遂することができました。
『グレーディング』という貴重な経験をさせて頂いたこと、安全で綺麗な登山道・休憩所を維持して頂いていることに感謝。
I村さん今回もありがとうございました!

榛名山黒岩クライミング(会員山行)

日程:2025年6月1日(日)
メンバー:I村、A木、I澤

雨後の黒岩に行って参りました。
前日夕方まで降雨がありましたが、なんとか乾いているだろうと目論んでの計画でした。
結果的には、東面、北面は濡れていて登れるルートはない様子。
南面も午前中早いうちはそれなりに濡れていて登れるルートは限定的でした。
加えて、雨後にも関わらず岩場にはたくさんのクライマーで満員御礼でした。
聞こえてくる会話を聞いていると、山岳会が多いよう。
時間が経つにつれ雲の切れ間から日が差すこともあって、徐々に乾いてきました。

【オケラ(5.8)】
黒岩に到着すると、広場の目の前のピラミッドフェイスや練習岩は既に満員で、他に登れる岩がないかI村さん、A木さんが探してくださって、左に回り込んだ『オケラ』が空いていましたのでそちらに取付きました。
取付いた時にはまだかなり濡れていましたが、A木さんが持参した雑巾で水分を拭き取りながら極めて慎重に登られて、トップロープを張って頂きました。
本当にありがたいことです。
自分もそういう役割を担えるようにならなくてはと思いました。

次に自分が登らせて頂いて、何とか落ちることなくトップアウト。
前回は上部の核心でテンションしてしまいましたので、ノーテンで登れてほんの少しは成長しているのかなと嬉しくなりました。

I村さんはいつも通り、危なげない抜群の安定感でトップアウト。流石です!

A木さんトップロープを張って下さった。白く見える部分は濡れている。

【大スラブ右ルート(1P目のみ/5.10a)&トッツィー(1P目のみ/5.10c)】
次に、少しグレードの高いルートを登ってみようということで、『オケラ』の右隣にある『大スラブ右ルート』をA木さんがリードしてトップロープを張って下さいました。
流石の青木さんも濡れ濡れだったので、『大スラブ中央クラック』を一部利用しながら、カムを使用しながら、慎重に慎重を重ねてロープを伸ばしておられました。
そういった慎重な姿勢は大いに参考にしなければならないと、日頃から感じております。
そういった先輩方の後ろ姿を見れるのが、当会の素晴らしい所だと感じます。

I村さんはA木さんの張ったトップロープを利用して、もう一つ右隣の『トッツィー』にトライされていました。
濡れていたせいもあって苦戦されていましたが、丁寧にムーブを検討されていました。

A木さんが『大スラブ右ルート』にロープを伸ばす。

私には両ルートともレベルが高そうでしたので、今回は登りませんでした。
また近い将来、挑戦できると信じてます!

I村さんの登攀中、お知り合いの方から声掛け頂きました。
そのお二人は最近、カナダはスコーミッシュにクライミングに行っていたそう。
その情熱に感嘆しましたし、山の世界は広いぞと改めて感じさせて頂いて励まされました。

【ヤンキー稜】
『オケラ』エリアから更に右に回り込んで、次は『ヤンキー稜』にA木さんと私の2人で登りました。
I村さんは登らずにお待ち頂いてしまいました。ありがとうございました🙇
4月にI村さんと登った際は、1P目下部で時間がかかってしまった上、2P目ではエイドしていたので、今回はそのリベンジです。

今回は1P目はセカンドで比較的スムーズに登れました。
2P目はなんと!リードさせて頂きまして、それなりに時間は掛かってしまいましたが、ランナウトする部分にはカムを決めるなど、安全確保にも意識を使って無事トップアウトすることができ、収穫のあった登攀をすることができたと感じております。

1P目下部

【西18番ルート(5.11a)】
ルンゼを挟んで『ヤンキー稜』の左隣にある『西18番ルート』にI村さんとA木さんがトライされていました。
まずはI村さんがリード。
核心の少し張り出した部分をフレークを使って越える部分に苦戦されていましたが、見事、トップアウト!

次にA木さんはトップロープでトライ。
I村さんと同様の部分で苦戦されていましたが、A木さんも見事トップアウト。
お二人とも流石でした😙

I村さん
A木さん

【まとめ】
今回は雨後の山行でした。
登山、クライミングは自然を相手にするもの。
いつも万全のコンディションで向き合いたいものですがそうもいきません。
「これくらい雨が降って、止んでから〇〇時間くらい経過すると、これくらいの状態なんだな」というような経験を積んでいくことも、非常に重要なことだと改めて思いますので、今回の山行もまた一つ貴重な経験をさせて頂きました。
I村さん、A木さん、緊急連絡先をお引受け頂いたU田さん、今回もありがとうございました!

榛名山黒岩クライミング(会員山行)

日程:2025年4月26日(土)
メンバー:I村、I澤

I村さんと榛名山黒岩に行ってきました。
清々しい気候(風が吹くと少し寒かった)で充実したクライミングを楽しむことができました。

≪登ったルート≫
➀ピラミッドフェイスで3本
➁練習岩で1本
①②は皆さん初心者の練習・アップとして利用していました。
私にとっては丁度良いグレードで安心してトップアウトできました。

③岳友会ルート(I村さんも私もリード)
ピラミッドフェイスと練習岩の間に伸びるルート。I村さんがリードでトップロープを張って下さったのですが、私が誤ってロープダウンさせてしまい、私もリードで登ることに。すみませんでした🙇
後半の核心がどうしても攻略できず、そこはA0でなんとか登りました。

最高の天気で多くの方で賑わっていました。

➃オケラ(私はトップロープ)
練習岩、岳友会ルートのある面から左に回り込んだスラブ壁。
1カ所、ホールドが小さい・少ない所があり落ちてしまいました。そこの一手がとても難しかった。
I村さんにロープを引っ張ってもらってトップアウトはできました。

『オケラ』下から見ると登れそうに見えるのに、実際に取付いたら核心を越えられなかった。

⑤西稜(私はトップロープ)
『オケラ』のある面から更に左に回り込んだ稜角を登る。
グラグラしている岩がたまにあるので、緊張感がありました。
一ノ倉沢とか滝谷とか、本チャンはもっと浮石あるんだろうなと。
カンテならではの露出感があって緊張しましたが、難しいムーブはなく、自分のレベルでも比較的安心して登れました。

『西稜』

⑥ヤンキー稜(I村さんがリード)
結構疲れてきていて、恐怖感もあって後半は2回くらいA0してしまいました。
またの機会の課題となりました。
トップアウトすると30m以上あるので、60mロープだとロワーダウンはできません。
セカンドは引き上げてもらい、懸垂下降2Pで下ります。

『ヤンキー稜』取付きの目印
『ヤンキー稜』頂上からの眺め

夢中で登っていると気付いたら夕方。
最後まで登っていたのは私達と地元のクライマー2人組だけでした。
本チャンデビューを目指して、クライミング頑張っていきたいです。
I村さん、今回もありがとうございました!