雪訓(会山行)

メンバー:F寺、Y内、A木、I村、U田、Y代、H島、I澤(L)
日程:2025年4月12日(土)
場所:湯檜曽川を挟んで白毛門駐車場の対岸の斜面(湯檜曽川右岸側)

4月会山行は2月SMSCA講習会の内容共有と、春合宿前の技術確認を目的として雪訓を実施しました。
私I澤は初めて訓練山行の進行役?講師役?を務めさせていただきました。
説明が分かり辛かったり未熟な部分があったかと思いますが、経験を積み重ねて、より良い訓練山行を実施・完遂できるように精進します。
ご参加いただいた皆様、緊急連絡先をお引受け頂いたT橋さん、今回もありがとうございました🙇

【内容】
➀スタンディングアックスビレイにおける自己脱出
➁ボディビレイ
③支点構築(スノーバー、土嚢、スノーボラード)
➃梱包・搬送

【スタンディングアックスビレイにおける自己脱出】
まずは、2月SMSCA講習会の内容共有としてスタンディングアックスビレイにおける自己脱出をやりました。
手順はこちらを参照して頂きたいのですが、
特に、≪肩絡みで確保した後、ビレイループに掛けたカラビナにムンターヒッチを掛けて、両手を自由にする≫までの工程に苦慮している様子でした。

重要なのは、“手順”そのものではなく、“手順”の持つ意味。
その意味を理解したうえで、“手順”に固執するのではなく、自分自身が確実にやれる方法を身に着けることが重要。
そして、例えば後輩への指導方法の一つの類型として“手順”とその“意味”を伝授する。
そうすれば、“手順”自体が改良・変更されても、対応できるのだと思います。

まずは平らな場所で手順を確認しました。
斜面に移動して確保から自己脱出の練習をしました。

【ボディビレイ】
そもそもボディビレイがちゃんとできていないのではないかという話になり、併せて、ボディビレイの練習も行いました。腰絡みと肩絡みです。
実際の山行でもよく使うので、自信をもって確保できるようになっておきたいです!

腰絡みを練習するY代さん

【支点構築】
スノーバー、スノーボラードで支点構築を行いました。
一部の参加者の方々には土嚢での支点構築も学習しました。
現場の状況に合わせて持ち合わせているもので支点構築するためには、なるべく多くの方法を知っている方が有利です。
その時の雪質や天候、気温などの条件によっても、最適な支点構築は変わると思います。

スノーボラード。この日は気温も高く雪がしっかり固まった。

【梱包・搬送】
訓練の最後に梱包・搬送を行いました。
山行中の事故で要救助者が行動不能に陥った時、風雪を凌げる場所に移動させたり、救助ヘリが近付ける場所まで移動させる必要があります。
今回は雪上で使える梱包・搬送技術でしたが、今後機会を見つけて、無雪期の梱包・搬送技術も勉強・訓練したいと思いました。

スノーバーと同様にT字の溝に埋める。スリングの巻き付け方にすっぽ抜けを防ぐ工夫がある。
要救助者役はY内さん。搬送中に足が広がらないように膝、足首を固定する。
ツエルトに雪玉やカラビナなどを入れて、クローブヒッチでロープとツエルトを接続する。
斜面を下ろす練習。搬送中は要救助者の表情・様子を確認する係を設けたい。ツエルトが顔に覆いかぶさって呼吸できないなど注意。
F寺さん私物の簡易担架。洗濯ネットなどで製作したとのことです。軽量・コンパクトでとても便利。

当会の掲げる安全登山、遭難対策を実現するためには、今回の雪訓内容も含め、講習会への参加⇒最新の技術習得⇒会内での共有(訓練山行など)のPDCA サイクルを回していくことは有効な手段の一つです。遭難対策の技術・仕組みがベースにあって、”より高く、より困難”な山行にトライできる。自分自身、まだまだ先輩方に頼り放しですので、引き続き、技術の習得⇒会への還元に努めて参ります。改めまして、皆様、今回もありがとうございました!

古賀志山 クライミング(会員山行)

メンバー:Ⅰ村(L)、A木、Ⅰ澤
日程:2025年3月20日(木)
9:30古賀志山駐車場-猪落とし-マラ岩-16:50古賀志山駐車場

古賀志山にクライミングに行ってきました。
Ⅰ村さん、A木さん、緊急連絡先をお引受け頂いたF寺さん、ありがとうございました!
しばらくクライミングを怠けていた私Ⅰ澤にとっては試練の山行?となった。

インターを降りて街中を走っていると、「あれ、古賀志山、なんか白くない?」
「気のせい、気のせい」と心を落ち着かせ、更に近づいていくと...
「うん。白いね!雪、積もってるね👍」と確信。
前日の積雪がうっすら残っている様子。

不動滝エリアに着くと、壁は乾ききっていない。
予定変更して、太陽の良く当たる『猪落とし』へ。
『猪落とし』へのアプローチは雪が乗っていたせいか、一部少し悪かったです。
不動滝エリアを素通りして道なり。『聖観音』の辺りで尾根を一つ越える。
到着すると、太陽がガンガン当たっていて岩も乾いている。
こちらに来て正解でした!

この聖観音の所を右巻きして尾根を越える

【猪落とし】11:10登攀開始-13:20?山頂-13:50取付きに帰還
洞窟の前で準備をして登攀開始。
装備は50mロープ×2、キャメロット0.5~2番。

写真中央が『猪落とし』。写真中央下部の洞窟が目印だ。

【1P目】リード:Ⅰ村さん
カンテの末端から登り始め、左上にある木が生えたテラスでピッチを切った。

1P目

【2P目】リード:A木さん
左カンテから右カンテに移る工程で、このピッチは短かった。

2P目終了点。左下の青い服がⅠ村さん。

【3P目】リード:Ⅰ村さん
露出間がある。
出だし、左フェイスにやっと届くところに支点があり、そこにヌンチャク・ロープ掛けて、一旦少しクライムダウンしてから、右フェイスへ移って登っていく。
途中、手の置き場が見つからず、クライミング初心者の私にとってはとても難しい所があり、近くのヌンチャク掴む+セルフビレイでエイドでなんとか登ったが必死だった。
あまりに進まない私を見かねて、A木さんが肩車しようとして下さった。
A木さん、Ⅰ村さん、寒い所お待たせしました...
ここを越えるとすぐに山頂。

3P目登りだし

【下山】
山頂から下山道が右奥に続いているので、そこを辿ると取付きに戻ることができる。

山頂で声が聞こえると思ったら、2月のSMSCA講習会でご一緒したⅠ上さんでした。
当会Ⅰ村さんも他の講習会でご一緒したことがあるようです。
山の世界は狭いとはこのことですね!

【マラ岩】
その後はマラ岩へ。『マライワ・キャリー』などある一番右のラインに1家族入っていたので、私たちは一番左の優しそうな所へ。
短いスラブのルートでしたが、私は必死!お二人は余裕でした。
一部、明確な足の置き場のない場所があり、スメアリングの練習になるそうです。

その後、一番右のラインが空いたので、移動。
『マライワ・キャリー』の左隣にあるルートをトップロープで登らせて頂きました。
最後の一本で、少しだけ足で登る感覚、足の置き場を探す・考えてから登る感覚が分かった気がして収穫でした!
A木さんは最後『マライワ・キャリー』を登って締めとなりました。一部、逆層になっており、難しそうでした。

帰りは『宇都宮みんみん 鹿沼店』さんで餃子を食べて帰路につきました。

【山行を振り返って】
今までは「“足で登る”とは何ぞや」と全く分かりませんでしたが、それにほんの少しだけ気付けたことは収穫でした。
自分なりに、今回の山行のテーマは「足で登る感覚を得よう」と事前に決めていました。
というのも、今シーズン何度かやったアイスクライミングで足で登ることの重要さを知り、方法を学んでいたから。
「これって岩のクライミングでも同じなんじゃない」「アイスクライミングと同じように、足で登る方法を覚えたら、もっと楽に、楽しく登れるんじゃない」と感じたからでした。
よく「点と点が線で繋がる」とか「無駄な経験はない」なんて言いますけど、今回の気付きもそのうちに入るのでしょうか(笑)
いずれにしても、更に難しい山に挑戦するためには、クライミング力を向上させる必要があります。
二子山中央稜リードを目標に、ジム練も頑張れればと思います!
改めまして、Ⅰ村さん、A木さん、緊急連絡先をお引受け頂いたF寺さん、ありがとうございました!

雪洞泊訓練 in 東谷山(会山行)

パーティ➀:N山、F寺、Ⅰ村(L)、T橋、A木(SL)、U田、Y代、Ⅰ澤
パーティ➁:N村、S方(3/9(日)のみ参加)
日程:2025年3月8日(土)-9日(日)
1日目:10:50二居パーキング-11:05東谷山入山口-11:45東屋-雪洞適地に移動し訓練
2日目:8:00訓練スタートー11:40下山開始

3月会山行は「雪洞に泊まってみよう!」ということで、昨年できなかった雪洞泊をやることに。
「雪洞に泊まってみよう!」と思ったら、ご指導頂ける先輩がいる。
とってもありがたいことです。
これも当会約70年の歴史で技術が伝授されている証。

【1日目】
「雪洞泊なんだから楽しまなくっちゃ❤️」ということで、居酒屋さながらの仕入れツアーを敢行。
まず、『永井食堂』さん。お目当てはもちろんモツ煮。自販機でサクッと購入できるので、日夜問わず働く仕入れ担当にはありがたい。
「モツ煮にはやっぱりネギだねよ❤️」ということで、コンビニの地場野菜コーナーで激安・極太ネギを入手。
これで終わりかと思ったら、そこに別車両から「いい酒屋があるよ❤️」と情報あり。
そう...離れていても思いはひとつ。それが浦和渓稜山岳会だ(笑)
『一桝屋』さんで、にごり酒(一升瓶)を購入。
開店準備が整ったので、集合場所の二居パーキングへ向かう。

初日は天気が良かったので、『宿場の湯』前の駐車場は満車で、二居パーキングに駐車する。
しばらく舗装された道を進み、東谷山入山口に到着。そこから40分程で途中にある東屋に着いた。

東屋下の斜面に雪洞を掘れないかとプローブで積雪量を測るが、8人が泊まるには足りなそう。
N山さんから「もう少し登ったところに吹き溜まりができている適地があるよ」とご助言頂き、T橋隊長、U田さん、私の3人で適地を探す旅に出た。
登山道から逸れて斜面をラッセルしてトラバースしたところに、尾根上に積もった雪で形成された雪壁があったので、ここでも出来るなと思って東屋に戻ろうとしたら、、、

最初に見つけた雪壁

N山さんから「もう少し行った所にもいい所があるよ」とご助言頂き、5~10分くらい登山道上を進むと、明確な吹き溜まりができていて、プローブで測ると十分雪があったので、そこが良さそうでした!

このような斜面にできた吹き溜まりが良さそう

こちらの方が積雪量が多かったですし、雪壁になっていないので、尾根上の登山道から吹き溜まり下にアプローチできました。
最初に見つけた雪壁は登山道から逸れて、ラッセルしてアプローチする必要がありましたし、雪壁になっていたので、雪が締まって硬く、掘るのに苦労したかもしれないです🤔
これも試してみないとわからいですね~。何事も経験!

早速、適地に移動し雪洞作りスタート。
今回は8人用の巨大雪洞である為、2カ所から掘っていき、雪洞内で繋げる作戦だ。
入口はしゃがんで入れるほどの大きさにして、中の空間を広げることで、外気の流入を最低限にすることができる。

ブルーシートに掘り出した雪を載せて運び出す
中の人は濡れるので対策が必要

雪洞作りに必ず必要なのはスコップ、スノーソー。
あると便利なのは、雨合羽、レジャーシート、ノコギリ、文房具の下敷き。
雪が解けて濡れるので、雨合羽があると便利。
レジャーシートは掘り出した雪を運び出すのに使う。自分の下に敷いて作業すれば、濡れ防止にもなる。
ノコギリは邪魔な木や根を取り除くのに使う。スノーソーの代りにもなる優れものだ。
下敷きは最後の仕上げの工程で使う。プラスティックの下敷きを使って天井の凹凸を滑らかにすることで、天井からの水垂れを減らすことができる。

雪洞作りだけではない。
T橋さんは外でキッチン兼食卓作り。立派な特設会場が出来上がった。
F寺さんは、私が作った微妙なトイレを熟練の技で手直し。
トイレへと続くウィニングロードも施工頂いた。

全員一丸となって取り組むこと3時間。やっと雪洞が完成。
お楽しみの宴会へ!

まずは、T橋さん制作の特設ダイニングでお食事。
肉が旨いのなんの。寒いのなんて気にならない旨さ。
あれだけの食材買い出しするの大変だったと思います。
T橋さん、食事担当の皆様、ありがとうございました!!

雪洞に潜り込んでからは、水作り後、宴会再開。
今朝、仕入れたモツ煮とにごり酒、F寺さん特製のホットワインなど最高の夜でした!!
ちなみに、雪洞内にはロウソクを灯すことを忘れず。
理由はひ・み・つ...ではなく、酸欠に気付くためですね~

料理をすると煙が立ち込め怪しい雰囲気に。暖かく快適でした。

【2日目】
初日の夜、雪洞内で煮炊きしたので、寝る頃には結構天井が落ちてきていて、大丈夫かなと心配していましたが、朝起きてみるとそれ程落ちておらず、ほっとしました。
こればっかりは外気温や雪質などによって変わるのでしょうから、読み切れません。

2日目のメインはイグルー作り。
その前に、Y代さんと私は、N山さんとF寺さんのご指導の下、ツエルト・ビーコン・プローブの使い方を学習しました。
N山さんがビーコンを埋めて、それを3人で探したのですが、ビーコンが小さいこともあり全然プローブがヒットせず苦労しました。
プローブは隊列を組み、「左、真ん中、右」などの掛け声に合わせて、足元の雪面にプローブを差して、ヒットしなければ一歩前進を繰り返しながら埋没者を探していく。

最初に作ったイグルーは大きすぎて、完成までたどり着きませんでしたが、大きくて立派でした!
2つ目に作った小さめのイグルーはなんとか完成させることができましたよ~

大きい方のイグルー

➀雪面に円を描いて大きさを決める。
➁円内の足元の雪をスノーソーで切り出して、ブロックを積み上げる。
✓この時、出来るだけブロックを内側にずらしながら積み上げていく。
✓複数人いる場合、内側と外側に分かれて、助け合いながら積み上げると効率よい。
③ある程度積み上がったら、、、
✓イグルー内底面の外周を三角柱形に切り出して、天井を作る段階に入る。
✓三角柱は強度を保てる範囲でなるべく長いものを切り出し利用すると効率が良い。
✓外周をえぐるように切り出すことで空間が広くなる。
✓円周を一周切り出し終えてしまったら、足元の雪を同様に三角柱形に切り出し利用する。
★この段階では頭上からブロックが崩れてくることがあるので、内側の人はヘルメットがあると安心。
➃全体が完成したら、内側・外側からブロックの隙間を埋めたり、補強したりして完成。

雪洞同様、制作には時間・労力かかりますが、中は風が遮られ暖か。
貴重な経験をさせて頂きました!

途中から三角柱形のブロックを積んでいく

イグルー作りが終わった頃にN村さん、S方さんが到着。
時間の都合上、泊り組は先に下山。
一緒に訓練はできませんでしたが、以下に訓練内容・S方さんの感想を載せさせて頂きます。

下山後は、F寺さんがたまたま持っていた割引券を使って『雪ささの湯』さんで入浴。
赤城高原SAで食事をして帰路につきました。

【S方さんの感想】
訓練内容は、半雪洞、雪庇越え、ビーコン、コンパスの使い方でした。
半雪洞は怪我人が出たときのことを想定して15分以内に作れるようにタイムをはかって練習しました。
シートの隙間から風が入らないように想定しながら作るのが難しかったです。
半雪洞で命が助かった人がたくさんいると聞いて、大切な技術だなと思いました!
すぐに作れるように、頻繁に練習してみようとおもいます。

ビーコンは思っていたより見つけるのが難しくて、でも教えてもらったようにふりふり探すと見つけることができました。
これは使う機会はそんなに無いそうですが、忘れずに覚えておこうと思いました。

雪庇越えも難しくて、ラッセルと少し似ているけどもっと難しいなぁと、、
いつか実践で使ってみたいです!

道中も、木は生きていて温かいからまわりに雪が無いんだよとか、興味深いお山の話をしてくださいました。
マンツーマンで教えていただきありがとうございました!

【訓練を振り返って】(Ⅰ澤)
私にとっては初めての雪洞泊、イグルー作りでした。
山に精通した先輩方のお陰で、貴重な経験をさせて頂きました。
ありがとうございました!
「雪洞?もちろん作ったことあるよ。泊まったこともあるんだぜ!」
「イグルー?もちろん作ったことあるよ~」なんて自慢出来ちゃいますね(笑)
良い斜面もない、積雪量も少ないなんて時の為に、今度はスノーマウントやってみたいです。

遭難対策の観点で言えば、もちろん、雪洞もイグルーも重要な技術です。
テント、ツエルトが破損して使えない。風で飛ばされ、喪失してしまった。
でも、スコップはある。スノーソーはある。
こういう状況、あり得ますよね。
何事も経験。当会は“オールラウンド”に活動する山岳会。
あらゆる状況に対応できる一人前の山屋を目指して、訓練を重ねていきたいです。

谷川岳 西黒尾根(会員山行)

メンバー:N山さん、F寺さん、Ⅰ澤(L/記)
日程:2025年3月2日(日)
天候:曇天(時間が経つにつれ風が強くなった)
7:55ベースプラザ-8:05西黒尾根登山口-10:40ラクダのコル-12:00トマノ耳-西黒尾根にて下山-14:45ベースプラザ

N山さんのお声掛けで、F寺さんと3人で谷川岳の西黒尾根を登ってきました。
いつもありがとうございます!
今シーズンは積雪量が多いようなので、2024年3月下旬に登った時とどう違うのか楽しみでした。

元々、この日はSMSCA講習会が予定されていて、谷川岳の天気予報は気にしていた。(SMSCA講習会は中止)
1週間程前までまとまった降雪があり、その後何日か晴天が続いたよう。
「晴天で溶けて、それが夜凍って、斜面がツルツルのアイスバーンになっているのかな」など想像を巡らせた。
先輩からは「雪結構降ったし、途中までしか踏み跡付いてないかもね。ラクダ辺りからラッセルだったら大変だ。」と脅かされていた。

結論から言うと、降雪後、それなりに入山者はいたようでしっかり道ができていた。
しかし、入山口から程なくして現れる鉄塔は昨年よりも埋まっており、今年の積雪量の多さを感じた。
次週に東谷山で雪洞訓練を予定していたので、それは嬉しいことだった。

鉄塔のすぐ上で、大学山岳部?らしき団体が訓練中。何かで支点構築して、皆で引っ張って強度テストをしているよう。

少し進むと、わかりやすい尾根を歩いていくことになるが、ここが危険地帯。
樹木より左側は雪庇となっており、迂闊に歩くと雪庇ごと崩壊して滑落する。
私も歩きやすいので雪庇の上の踏み跡を辿ろうとしましたが、N山さんとF寺さんから注意されて右側の樹林帯を歩きました。
幅広の歩きやすい尾根で油断してしまいますが、基本は忠実に。

歩きやすい尾根に見えるが油断はできない。樹林帯より左側は雪庇だと考えるべき。

ラクダの背の取付き手前でアイゼン、ハーネスを装着。ピッケルを出しました。
ラクダの背に取付いて1つ目の雪壁を越えると、目の前の景色に愕然。
昨年は岩と雪の壁を上り下りした記憶があるのですが、その部分には雪がどっさりと乗っていて登られていない様子。
今回は踏み跡のあった右斜面をトラバースしました。

2024年3月下旬の“ラクダの背”付近の様子。
今回の山行

道中、所々に巨大な雪の割れ目があり、自然のダイナミズムを感じました。
クレバス帯を進んでいるようで、なんだか冒険感があって良かったです。

そして、マチガ沢から続く谷川岳東面を見上げると無数の亀裂が。
ひぇ~、恐ろしい…いつ雪崩れてもおかしくないように見えました。

谷川岳東面。よく見ると無数の亀裂がある。

ラクダの背からしばらく進むとホワイトアウト。
すっかり特濃ガスに覆われて、風も強く吹くようになってきた。
10m先の先行者も霞む中、N山さんが先頭を進みます。

12:00トマノ耳到着。オキノ耳はあまりのホワイトアウトに断念。

ホワイトアウト練習の為に、下山は私が先頭を歩かせてもらいました。
山頂から続く緩斜面を下っていくと、短いですが一カ所、急斜面を降りる所があるのですが、あまりのホワイトアウトで一瞬、崖に出てしまったかと思い、立ち止まっておろおろしてしまいました。
後ろのF寺さんとN山さんは「何で直立して動かないのだろう」と不思議に思っていたことでしょう…

そんなこんなで何とかトレースを辿り、“ラクダの背”取付きまで戻ってきました。
ラクダのコル辺りまで降りてくれば、視界はある程度回復しました。

2024年3月の雪訓で下山ルートを間違えたので、今回はそのポイントも再確認。(最後の最後。尾根から外れて斜面を降りる所。)
やはり少しわかりにくいと感じました。観察力が大切ですね。

それから、登りで見かけた雪訓中の大学生?チームですが、梱包・搬送訓練をしながら下山していました。
腰まで埋まる深雪の中、頑張っておられました。

無事下山。
帰りは、『上牧温泉 風和の湯』さんで入浴して帰路につきました。
600円とお安い。(残念ながら3月末で閉店するそうです。)

【山行を振り返って】
2024年3月にN山さん、K村さんに西黒尾根に連れてきてもらって、その後9月に馬蹄形縦走の下山道として西黒尾根を使い、今回3回目の西黒尾根。
同じ西黒尾根でも積雪量などコンディションによってここまで違うのかと。
ルートでも技術でも、形式的に覚えるのではなく、理解して応用できるようになりたいものです。

また、1年前と同じ山に来て自分自身何が成長できたのかを考えると、安全登山の為の選択肢が増えたことだと思います。
今回は持参しただけで使いませんでしたが、必要があればロープを出せたと思いますし、
ホワイトアウトしていても、地図とコンパスで進むべき方向を見出すことができたと思います。
そういった安全登山の選択肢を増やせたことはこの1年間の成果だと思います。
これからも学べる環境・先輩方に感謝して、一つひとつの山行を大切に活動していきたいです。
N山さん、F寺さん、緊急連絡先をお引受け頂いたY下さん、今回もありがとうございました!

【SMSCA主催】積雪期登山講習会

主 催 SMSCA 指導委員会・遭難対策委員会
日 程 2025年2月15日(土)-16日(日)
場 所 県営大丸駐車場から那須ロープウェイ山麓駅方面へ進んだ途中の斜面
宿 泊 那須湯本温泉 雲海閣
参 加 N山、H島、Ⅰ澤(記録)

SMSCA主催の積雪期登山講習会に参加させて頂きました。
講師の皆様、ご一緒させて頂いた皆様、雲海閣様、大変お世話になりました🙇
H島さんは中級クラス、N山さんと私Ⅰ澤は上級クラスでの受講となりました。

【1日目】快晴
駅集合でN山さん車で那須へ。
毎度、車出し・運転ありがとうございます!
渋滞はなく順調に那須入り。
早く着いたので、途中にある『ペニーレイン』さんで優雅に朝食。

集合場所の『雲海閣』さんへ。H島さんは今年2回目。なかなか歴史を感じるお宿でしたよ~。
大広間で開講式、段取りを確認してから講習会へ。
車で県営大丸駐車場へ移動し、そこから那須ロープウェイ山麓駅方面へ進んだ途中の斜面で講習会を実施しました。

この快晴!県営大丸駐車場より茶臼岳。

【中級クラス】H島さん
【1日目】
・雪上歩行の基本(ステップ、カッティング、方向転換)
・耐風姿勢→教えるときのポイント
・滑落停止(雪崩のときも含め)
・支点の構築と強度(スノーバー強度・土嚢・ピッケル・笹)
・ツェルトでのビバークの仕方
【2日目】
・1日目の確認
・腰がらみから自己脱出

【上級クラス】N山さん、Ⅰ澤
➀滑落停止
➁雪上での支点構築(何で、どのように)
③スタンディングアックスビレイと自己脱出

《➀滑落停止》は当日は斜面が柔らかい雪で覆われていて実際的な滑落停止の訓練としてはコンディション△でしたが、このようなコンディションの中でも滑落停止のエッセンスをどのように講習するのか、教える側の視点を学ぶことができました。
滑落の仕方のパターンを考えてみる、など。

《➁支点構築》は、ピッケル、スノーバー、デッドマン、笹・草・細枝を使った支点構築について学ぶことができました。
✓スノーバーを雪面に対して垂直に差して使うときは、スノーバーの凹角側を圧力のかかる面(通常は斜面の谷側)にしない。→凹角側に強い圧力が加わると折れ曲がることがある。
✓デッドマンは決まると非常に信頼できる支点になるが、負荷をかける"力の方向"に気を遣う必要がある。
 デッドマンもスノーバーと同様に凹角側を圧力のかかる面(通常は斜面の谷側)にしない。

写真はブレブレだがこれがデッドマン。

✓笹・草・細枝で支点構築するには『イワシ結び』を使うべし。
 スリングのすっぽ抜けを防ぐことができる。

イワシ結び

《③スタンディングアックスビレイ》については、まずは基本的なビレイ方法について学習し、その後、スタンディングアックスビレイからの自己脱出について学びました。

《スタンディングアックスビレイの基本》
➀足元にアックスを埋め、シャフトにスリングを巻き、スリングの末端にカラビナを付ける。
 スリングの長さは、スリングの上に足を置ける程度で良い。
➁足元に埋めたピッケル・カラビナにロープを通して肩絡みでビレイする(間接確保)
➁スリング(またはピッケルヘッド)の上に山側の足を置き押さえつける。
③谷側は誘導手、山側の手で確保する(山側の肩に絡める)。
以前は逆で教えていたそうです。
谷側の手で確保すると、確保時のロープの体への巻き付きが強く、ビレイヤの負荷が大きく潰れてしまうことが少なくなかった為、現在の指導方法になったそうです。
どちらが正しいということではなく、自分自身が自信をもって確保・自己脱出できる技術を身に着けることが重要です。
➃ビレイヤの上体が潰れてしまうと確保できない為、上体を維持できる程度にロープを適度に流しながら確保する。
ビレイヤの上体が潰れてしまう≒ビレイの失敗となるので非常に重要

《自己脱出》(文章で表すのは難しいのですが...)
✓足元のピッケルで作った支点に滑落者の加重を移し、ビレイヤが自由に行動できるようになる為の作業。⇒救助を呼ぶ・向かうことができる
✓カラビナの向きに関わらず、片手でムンターヒッチできる必要がある。←苦労しました!

肩絡み確保している状態からスタート⇒
➀ハーネスのビレイループにカラビナを掛けて、加重がかかっている方のロープをカラビナに通す。
➁ロープを掛けたカラビナを起点にロープを折り返し、束ねるようにグリップビレイに移行する。
⇒片手が自由になる。グリップビレイに移行するには少しコツがいる。
③ビレイループのカラビナにムンターヒッチを掛けてから、スリップノット+止め結び。
⇒両手が自由になる。この工程でムンターヒッチ使う目的は?
➃ゆっくりしゃがんで、アックスよりも滑落者側にフリクションヒッチコードなどでクレイムハイスト(確実な確保)を作り、足元のアックス・カラビナに接続。
⑤ビレイループのカラビナに掛けたムンターヒッチをゆっくりと解除する。
 クレイムハイストがしっかり効いているか確かめながら、ゆっくりと。
⇒滑落者の加重をアックスに移す工程(➃、⑤)
 ③でムンターヒッチを使う目的は、⑤の工程でクレイムハイストが効いていなかった場合、
 ムンターヒッチがバックアップになるから。

⑥足元のアックス・カラビナにメインロープでムンターヒッチ+スリップノット+止め結びをし、クレイムハイストのバックアップを取る。
ビレイヤは完全に自由になる
 ムンターヒッチを使うことで、後の救助活動に移行し易い。
 岩登りの自己脱出も同様で、ムンターヒッチを使います。
⑦助けを呼ぶ、要救助者の救助に向かう

上級クラスはN山さんも含めてベテランが参加されていましたが、昔と変更された点もあり、もっと確実に楽にできる方法はないかと試行錯誤しているうちに夕方になり、撤収となりました。

本日の宿『雲海閣』さんに戻ってからは広間をお借りしてクラス分け関係なく講習会を実施。
お題はやはり苦労した《スタンディングアックスビレイからの自己脱出》《ムンターヒッチの練習》です。
N山さんは昔と変更された点もすぐにマスターしていましたし、
H島さんは初めてでしたが、流石の器用さで大方習得していました。
お二方、流石です!
「これは違う」「こうしたら出来るんじゃない」と皆でワイワイやるのは楽しかったです!

その後はお楽しみの夕食。
*大変楽しかったのですが、何故か写真を撮ってませんでした(泣)
雲海閣さんは自炊の宿なので、講師の方々を中心にご用意頂きました。ご馳走様でした!
夕食はしゃぶしゃぶ(豚肉、ほうれん草、豆腐)に、〆はうどん、カレーライス。
豚肉はブランド物?で脂が美味しかった。カレーライスはN村先生の拘りのスパイスカレーで最高でした!
それから皆さんで持ち寄ったお酒とつまみ。
山でも人生でも先輩である皆様のお話を聞けて、とても貴重な時間を過ごすことができました。ありがとうございました!

【2日目】快晴
2日目の朝はあまり冷え込まなかった。
講師の方々とH島さんを含め参加者の方々が用意して下さった朝食を頂きました。
(お手伝いできず、すみませんでした!)

写真のおかずに味噌汁、ご飯お替り自由!

2日目の上級クラスは初日に不完全燃焼となった《③スタンディングアックスビレイと自己脱出》の反復練習です。
初日よりも急な斜面に移動し、実際にソリで斜面を滑り落ちて加重を掛けて練習しました。
お昼頃には2日目は終了。
雲海閣さんに帰って、広間にて閉講式となりました。
2日間、大変お世話になりました。ありがとうございました!

【閉会後】
帰宅するにはまだ早かったので、N山さんから《コンテ》を教えて頂けることに。
本当にありがとうございました!
県営大丸駐車場へ戻り、近くの斜面で講習会第2弾。
N山さん持参のソリで斜面を滑り落ちてコンテの練習をしました。

《基本》
✓チェストコイルとハンドコイルで余長を束ねる。
 チェストコイルの末端はビレイループに付けたカラビナに掛ける。
 パートナーとつながるメインロープは、同カラビナにクローブヒッチで固定する。
 (チェストコイルを締め付けないように)
✓コンテ中に相方が滑落した場合、ハンドコイルの余長を離し、肩絡み確保に移行する。
 いかに素早く肩絡み確保に移行できるかがポイント。
 ⇒ロープを取り損ねるなど、"肩絡み確保への移行に失敗"すると重大な事故になる可能性
 ⇒大阪方式

《応用:大阪方式》
✓ビレイループに付けたカラビナにロープを通して"肩絡み確保の形を作っておく"ことで、
 素早く肩絡み確保に移行できる。カラビナは誘導手の役割。
 ⇒"肩絡み確保への移行に失敗"するリスクを相当に低減させた画期的な方法
✓あるいは、滑落停止の姿勢のように、斜面にピッケルピックを差し込み四つん這いになり、
 ピッケルとロープを一緒に持ち、流しながら止める。

コンテも自己脱出も練習・実践あるのみですね。良く復習しておきます!
16時前まで練習してから、帰りは『源泉 那須山 令和の湯』で汗を流して、お食事処で食事をして帰路につきました。

【講習会を振り返って】
H島さん
1日目の雪上歩行の基本は、以前、会山行の谷川岳の雪上訓練で指導していただいた内容と同じ基本のことであった。
ただ、今回はそれを仲間や会に戻ってどう教えるか、自分が誰かと(初めて山に登る)行くときにどう教えるか、伝えるかという視点であった。
なぜこうなのか状況を想像しながら行動の意味を教えていただいた。
私はまだ経験が浅いので「教える」ということはないが、講習を受けるというインプットだけではなくアウトプットして自分の知識や技量につなげていきたい。

2日目の腰がらみからの自己脱出は、指導者に1日目の夜にお願いをして無理を言って講習内容に入れていただいた。
基本は一番強いメインロープ!!
自己脱出までの流れは、何度も練習してスムーズにできるようにならないと実際に起きた時に対応できない。
まずは、基本であるロープの結び方を確実にできるようにならないといけないと感じた。

泊をともなう講習会では、時間がたくさんあるので部屋に戻ってきてからロープの結び方の確認をする時間もとることができた。
また、他の山岳会の人との交流も行うことができ、それぞれ山岳会によって日ごろ行っている山行も違い、目標も違い、とてもよい交流となった。

浦和渓稜山岳会の”より高く””より困難”を目標とするため、今回受講した内容は確実にできるようにしないとこれからの会山行に行くことができないと思う。
経験が少ない分、いろんな講習会に参加し、まずは身体で覚え登山技術の向上に努めたい。

講習会の後に、会長から「コンテニュアス」の方法を教わった。
今回はほんの一部に過ぎないがこんな貴重な経験はできない。
会長から教わった技術をしっかりと自分のものにするために今後の山行の時に使って登りたい。

Ⅰ澤
改めまして、講師の皆様、ご一緒させて頂いた皆様、雲海閣様、N山さん、H島さん、大変お世話になりました!
SMSCA講習会に参加させて頂くと、「講師・他会の方々の経験談」や「他山岳会の活動」を知ることができ、視野を広げさせて頂いていると感じます。
特に今回のような宿泊形式の講習会では、夜の宴会もあって、一歩踏み込んだお話や山以外のお話も聞くことができて、充実した2日間を過ごさせて頂きました。

技術のことで言えば、
講師の先生はよく「以前は〇〇と教えていたけれど、〇〇という理由があって、今は〇〇と教えてます。」と仰います。
講師の先生方、先人達が承継・改良してきた技術を教えて頂ける環境には、感謝しなければなりません。
そして、学んだ技術は会で共有させて頂く。あわよくば改良し次の世代に繋げる。
自己満足で終わらせない姿勢を大切にしたいです。

八ヶ岳 大同心稜~横岳~地蔵尾根/アイスキャンディ(会山行)

メンバー:Ⅰ村(L)、U田(装備)、Y代(食糧)、Ⅰ澤(気象/記録)
日程:2025年1月25日(土)-26日(日)
1日目:8:00やまのこ村駐車場-10:15赤岳鉱泉テン場11:25-大同心稜-13:20大同心基部-14:30主稜線鞍部ー14:50横岳山頂-15:55地蔵ノ頭-地蔵尾根-17:05赤岳鉱泉
2日目:アイスキャンディにてアイス練-13:35赤岳鉱泉-14:50やまのこ村駐車場

1月の会山行は岩稜帯を歩く練習をしようと、西穂高岳や霞沢岳など候補に挙がったが、八ヶ岳に決まった。
1日目の方が風が弱そうだということで、初日に赤岳鉱泉をベースにして大同心稜~横岳~赤岳~文三郎道と主稜線を縦走することになった。

【1日目】快晴・ほぼ無風
8:00やまのこ村駐車場-10:15赤岳鉱泉テン場11:25-大同心稜-13:20大同心基部-14:30主稜線鞍部ー14:50横岳山頂-15:55地蔵ノ頭-地蔵尾根-17:05赤岳鉱泉

美濃戸口でチェーンを装着して赤岳山荘への林道を進む。
林道は昨年末よりも雪が少なくなっていた。
やまのこ村駐車場に駐車させて頂き山行開始です。

軽快に歩みを進め、あっという間に赤岳鉱泉到着。
受付を済ませテントを張り、少し休憩してから大同心稜へ出発。
硫黄岳方面の登山道を進みます。

素晴らしい天気だった。

斜面をトラバースする様に登っていき大同心稜上に出ると、それなりの傾斜の登りになります。

大同心稜を行く。大同心基部までは樹林帯だ。

大同心が見えた辺りで、Y代さんは前日の寝不足が祟り、テン場へ引き返すことになりました。

大同心を見上げる。ここから岩稜歩きが始まる。

大同心基部に到着したら、大同心は右側を巻きます。

大同心の右側をトラバースする様子。小同心左側壁は尖塔とそれを縫うように形成された岩溝を持つ。
大同心ルンゼ最上部の様子
要所要所で補助ロープを出した。
大同心を背に、鞍部まで詰め上がる。
鞍部に上がったところ。
横岳山頂にて記念撮影。後ろは硫黄岳、蓼科山。
主稜線を行く。赤岳方面。
地蔵ノ頭から撮影した赤岳と展望荘。

15:55地蔵ノ頭に到着。赤岳まで縦走して文三郎道で下山する計画でしたが、時間切れで地蔵尾根を下降することになりました。赤岳への縦走は次回の宿題です!

夕日に照らされた赤岳西壁。行者小屋より撮影。

暗くなる前に赤岳鉱泉に到着することができました。
やまのこ村駐車場を出発してから行動時間9時間、要所要所でロープワークの練習もでき、とても良いトレーニングになりました。

夜はY代さんが用意して下さったキムチ鍋!
沸騰した鍋の上でキムチ鍋の素(粉末タイプ)を投入すると、テント内にカプサイシンが一気に広がり皆ゲホゲホとむせた。粉末タイプは沸騰する前に入れるのがポイントですね(笑)
たっぷり野菜とうどんにお餅。とっても美味しかったです。
Y代さん、ありがとうございました!

キムチ鍋に餅をトッピングした図。美味しかった~!

【2日目】快晴
アイスキャンディにてアイス練-13:35赤岳鉱泉-14:50やまのこ村駐車場

朝ごはんはまたまたY代さんにご用意頂いた豚汁!
お陰様で朝から体はポカポカ、元気一杯です。

2日目はアイス練。昼過ぎまでのんびり楽しみました。
私個人としては昨年末の経験があり、前回よりも腕の力を温存して足で登る感覚を実践できたことは収穫です。裏側の垂壁にも挑戦できました。
アックスの振り方についてはY代さんから「アックスは握らない。小指に引っかけるだけ」と教わり、力任せでないコツを掴めたような気がしてます。

内田さんの登攀。1年振りとは思えない程、上手に登られていました。
Y代さんの登攀。アックスが一度で決まる。軽快に登られていました。
Ⅰ村さんの余裕のある登攀。流石でした!

アイス練後は鉱泉レストランで腹ごしらえしてから下山しました。

下山後はⅠ村さんお薦めの「蓼科温泉浴場」さんで汗を流して帰宅しました。熱々で気持ち良かった~。

赤岳までの縦走は叶わなかったが、補助ロープを積極的に使ったのでロープワークの練習ができたことは収穫でした。
また、登下降路としてよく利用される大同心稜、アイスルートである大同心ルンゼ、裏同心ルンゼの位置関係を確認できたことも収穫です。
アイスクライミングはコツが掴めると楽しさが分かってきて、本番ルートに行けるように練習したいと思いました。
アイスクライミングができるようになると、谷やルンゼ、ガリーを使った登山ができる。
山頂へアプローチするための手段が増える。

Ⅰ村さん、U田さん、Y代さん、緊急連絡先をお引受け頂いたY下さん、今回もありがとうございました!

白毛門(会員山行)

メンバー:Y内さん(SL)、Ⅰ澤(L/記)
日程:2025年1月19日(日) 天気:曇りのち晴れ
7:30白毛門登山口-10:20白毛門山頂10:45-下山途中斜面で訓練-13:20白毛門登山口-下山後斜面でラッセル訓練

去年撤退した白毛門に再挑戦してきました。Y内さんお付き合い頂きありがとうございました!
去年は雪降る中、それなりの積雪があった為、終始Ⅰ村さんにラッセルして頂いたものの、松ノ木沢ノ頭付近で撤退となりました。山のコンディションもさることながら、自分自身の力不足を感じた山行でした。
今回は天気は良好、トレースばっちりでラッセルなしと、とても良いコンディションでした。
それでもやはりこの山の急登は痺れます。とても良いトレーニングになりました。

始めのうちは暫く樹林帯を登っていく
このように開けてくるとまもなく雪稜になります
気持ちの良い雪稜を歩きます
まもなくドドンと白毛門が現れます
山頂直下の急登。凍っていたら難易度は段違いに上がるだろうなと思いました。
山頂直下にある唯一の鎖場(写真中央のピーク部分)
山頂にて、Y内さんと一ノ倉沢。
山頂にて、一ノ倉沢をバックに記念撮影。360度周囲の山々を見渡すことができた。

想定よりも早く登頂できた為、山頂直下の急雪面で、Y内さんが昨年末の剱岳で使おうと自作していた木製スノーバーの加重テストを実施しました。
スノーバーを埋める場所、深さ、加重の角度など抑えるべきポイントはありますが、しっかり決まれば斜面を懸垂下降しても抜けず、それなりに信頼できる支点になることが分かりました。
それにしても、自作してしまうなんてY内さん流石です。

白毛門下山後も時間があったので周辺の斜面でラッセル訓練をしました。
剱岳のラッセルパラダイスを戦ったY内さんからご指導頂き、ものすごい急斜面におぇおぇと喘ぎながらラッセル。とても良いトレーニングになりました。

ラッセルするⅠ澤

昨年1月に撤退して、9月に馬蹄形縦走して、今回白毛門に再挑戦することができた。
何かやり残していた宿題を終えたようなスッキリした気持ちになった。
やはり、一つひとつの山行を大切にして課題に向き合っていきたい。
ご一緒頂いたY内さん、緊急連絡先をお引受け頂いたK村さん、今回もありがとうございました!

八ヶ岳 アイス練/赤岳・文三郎道(冬合宿)

メンバー:Ⅰ村(L)、A木(SL)、H島、Ⅰ澤(記録)
日程:2024年12月28日(土)-29日(日)
1日目:9:40赤岳山荘駐車場-11:40赤岳鉱泉テン場-アイスキャンディにてアイス練
2日目:5:55赤岳鉱泉テン場-6:25行者小屋-8:15赤岳山頂-9:45赤岳鉱泉テン場-昼食・撤収-13:15赤岳山荘駐車場

【1日目】
9:40赤岳山荘駐車場-11:40赤岳鉱泉テン場-アイスキャンディにてアイス練

中央自動車道・大月あたりで通行止め発生。少々遠回りですが、上信越道経由で八ヶ岳へ向かう。佐久の雪化粧した田園風景を眺めながら南下し、北八ヶ岳を経由し美濃戸口へ。赤岳山荘までの凸凹道を同乗者の声援を受け、ビビりまくりながら運転し赤岳山荘に到着。
鉱泉へ向かう。堰堤より先は凍っている所もあったので、チェーンスパイクがあると安心でした。

鉱泉に到着すると、目の前にデデン!とアイスキャンディが現れる。中央自動車道の通行止めがあって到着時間が遅れていたので、初日はアイスキャンディでアイス練。
H島さんは初アイス、Ⅰ澤は2回目(2月の三ツ峠・金ヶ窪沢、以来)です。
アイスキャンディ大盛況で、残枠2ラインの所でギリギリ入場することができました。入口から見て裏側の初心者向け壁で練習開始。垂壁は始めの2m程で、その後は緩傾斜になります。
流石、Ⅰ村さんとA木さんは卒なくこなします。

オレンジ:Ⅰ村さん 赤:A木さん

Ⅰ村さん、A木さんと来て、私Ⅰ澤の番。
上手くアックスが刺さらない…。あっ。2月の金ヶ窪沢でN山さんが氷をぶっ叩いていたのを思い出して…。おりゃ!コンチクショー!と…。アックスを叩きこんで、力任せにノボリ。「ココハスイヘキナンダ。ケッシテオチラレナイノダ。」と想像し、全握力を使い果して終了点へ。その後は握力なくなり、まともに登れず…
続いて、H島さん。初アイスでアックスを決めるのに苦労されていましたが、流石のバランス感覚で力みなく壁に向き合っていました。

オレンジ:Ⅰ村さん 黒:H島さん

Ⅰ村さんとA木さんにご指導頂いて、ほんの少しコツを掴めました。
✓アックスを打ち込む際、ダーツのように体を少し斜めにすると力が入りやすい
✓アックスが決まったら、アックスと対角線の足から決めていく。両足が決まったら、腰を壁に近づけるようにして体を引き上げる。両足でしっかり立つ。
クライミングと同じで、足で登る感覚が大事だとわかりました。でないと、握力が持たない!
営業終了間際までアイスキャンディで練習させて頂きました。赤岳鉱泉スタッフの皆様、ありがとうございました!

(左から)A木さん、I村さん、H島さん

夕食はI村さんの親子丼と、H島さんのタンでした。ご馳走様でした!
夕食からT橋さん合流予定でしたが、体調不良で来れないことに。残念…

【2日目】
5:55赤岳鉱泉テン場-6:25行者小屋-8:15赤岳山頂-9:45赤岳鉱泉テン場-撤収-13:15赤岳山荘駐車場

2日目は風の状況を見て、行ければ赤岳西壁・南峰リッジ、難しければ文三郎道を辿ると決まっていた。
4時起床、5:55ヘッデン点けて出発。

行者小屋

行者小屋から樹林帯を進むと次第に傾斜が強くなり、尾根に上がる為の急登になる。鎖や階段が雪に埋もれ切らず残っていた。息を切らせながら、アイゼンとピッケルを効かせて登る。
尾根に上がっていくらも進まないうちに強風が吹きつけるようになった。Ⅰ村さんとA木さんの判断で南峰リッジは断念し、文三郎道になった。

2,440m地点。丁度、尾根に上がった所。

九折に尾根を詰めていくと、顕著な岩稜帯に入る。岩稜帯のアイゼンワーク。距離は短いが、岩肌に沿うように崩れかけた斜面のトラバースは緊張した。前週の谷川岳雪訓・ダイヤモンド歩行が役に立つ。アイゼンワークを意識しながら歩くと楽しいルートでした。
私Ⅰ澤はゴーグルを持参しなかった為、サングラスで挑んだが、痛い目にあった。サングラスの両面が凍って何も見えない…。外して歩くが、強風で弾丸のようになった雪がバシバシと当たって痛い。教訓にしなければならない。
パーティー全員強風に耐えながら、8:15登頂。
展望はなかったが、曇天&強風もまた良し!

赤岳山頂(左から、A木さん、I村さん、H島さん)

下山はより慎重に、丁寧なアイゼンワークを意識して。無事下山することができました。
それにしても、強風と氷の世界で見た主稜はなんだか威圧感というか迫力がありました。いつか挑戦できると良いのですが。

今回の冬合宿では、岩稜帯でのピッケル・アイゼンワーク、強風への対応、アイスクライミングと、また一つ経験を積むことができました。一つひとつの山行を大切に、今後の活動に活かしたいです。
緊急連絡先をお引き受け頂いたY下さん、ご一緒させて頂いたI村さん、A木さん、H島さん、今回もありがとうございました!

二子山縦走(渓稜祭/会山行)

メンバー:Y下、N山、K村(SL)、U田、S方、I澤(L/記)
日程:2024年11月10日(日)
10:00二子山登山口-10:35東岳山頂-11:55西岳山頂-13:20二子山登山口

A木さんの山行記録2024年11月10日『スーパーたこやん』にあったように、渓稜祭2日目は豪快な寝坊から始まった。K村さんの指示で、二子山に向かっているであろうY内さんとS方さんに電話をかけると、Y内さんから「大丈夫。想定済みです。」と、先輩の心強い?お言葉。すみませんでした…

渓稜祭2日目は縦走組とマルチ組に分かれましたが、私達は前者として二子山を登りました。
二子山は縦走コースでも岩登り要素強めの山。計画段階でY下さんの助け舟もあり、今回はヘルメット、25mロープとハーネス、アルヌンなどを持参しました。

駐車場でハーネスを装着して、10:00山行開始。

準備中
入山

登山口から10分程で股峠に到着。左に行くと東岳。右に行くと西岳です。まずは、東岳へ。
いきなり、粘土質の滑りやすい急斜面を登ります。転ばないよう慎重に…
それが終わると、岩々してきますが、急斜面である為、落石が怖いと思い、斜面の途中でヘルメットを装着。
急斜面を登りきると、左側へトラバースします。

1箇所、せり出した大きな岩を避けてトラバースする場所があり、左下が切れ落ちていて緊張しました。大岩に鎖が設置してあるので、それを使い通過できます。

この大岩のトラバースは緊張した。

振り返ると眼前に西岳の岩壁がドドンと。
25分程で山頂に。天気が良く、南側にある両神山が映えていました。

振り返ると二子山西岳の岩峰がそびえ立つ。
東岳山頂にて

同じルートを下山して、再び股峠に。今度は西岳を目指します。
暫く樹林帯を登ると岩壁が現れ、案内板が。ここで、上級者コースと一般コースに分かれます。私達は上級者コース。

写真右端が上級者コース取付き。右上する。

それまではK村さんに先頭を歩いて頂いていましたが、「ルーファイやロープ出しの練習をしてはどうか」と、先頭を交代して頂きました。
(折角、交代して頂いたのに、ロープは使いませんでした。が、とても良いルーファイの練習になりました。)
岩壁の右側に上級者コースの登り口があります。取り付きから稜線に抜けるまでがまさに岩登りで、ロープを出すならここでした。ピナクルか樹木に支点を取って、確保できたと思います。
手がかり、足がかりが丁度良くあり、グイグイ登れる気持ちの良いルートでした。

気持ちの良い岩登りができた

岩稜帯の稜線に抜けると、岩を登ったり、降りたり、間を縫ったりして行きます。

11:55西岳登頂。
山頂からは、中央稜が良く見えました。

西岳山頂にて

登頂後もしばらく岩稜帯の稜線歩きを楽しめます。
途中で、南側の斜面に降りて、股峠へ帰還するためにUターンします。

中学生サイズのマムシがいた。

途中、ゲレンデがあり、10名程がフリークライミングを楽しんでいました。ハングしたロングルートが、ずらりと並んでいました。

13:20駐車場に帰還。スーパーたこやん組はもう少し時間がかかるようでしたので、私達は一足先に『道の駅 龍勢会館』でおやつ+お買い物へ。丁度、出店が出ていて、ホットドッグや焼き芋に舌鼓。焼き芋は1本100円でした。
その後、マルチ組と合流し、無事、渓稜祭は打ち出しとなりました。

今回の山行はありがたいことに、リーダーをやらせて頂けることになりました。
安全確保をした上で、同行者に楽しんでもらえる気配りができるリーダー像を目指して、引き続き精進します。
改めて、ご企画頂いたT橋さん、山行メンバーの皆様、本当にありがとうございました!!

【SMSCA主催】登攀技術講習会

日程 2024年10月20日(日)
場所 飯能市 平戸の岩場
主催 (一社)埼玉県山岳・スポーツクライミング協会(SMSCA) 指導委員会
参加 N山、Ⅰ澤(記録)

N山会長と私Ⅰ澤でSMSCA主催の登攀技術講習会に参加させて頂きました。
講師の皆様、ご一緒させて頂いた皆様、大変お世話になりました!

二人とも中上級クラスに参加させて頂き、主に、ビレイヤの自己脱出と、3分の1引き上げシステムについて学びました。

ビレイヤの自己脱出とは、
「クライマーが滑落した際、ビレイヤが救助活動を行う為などに、ビレイヤ側のロープを解除し(=自己脱出する)、ビレイヤが自由に行動できるようにする」方法のことです。
具体的には、クライマーとビレイヤ(自分)につながったロープの加重を、他の支点に移す作業です。
今まで、自己脱出の方法を知らずにビレイしていましたが、クライマーが滑落した際には、どうすることもできなかったと思うと、とても怖いことだと思いました。
今回の講習会をきっかけに、万が一の際、実際の山行で活用できるよう、良く復習いたします。

3分の1引き上げシステムについては、滑落したクライマーを引き上げする際などに活用することができます。
実際に50kgの重りを引き上げる体験をさせて頂きましたが、参加者数名で全力で引っ張っても、僅かずつしか引き上げられず、3分の1といえども、大変な作業なのだと体感することができました。(カラビナや滑車との摩擦で、実際は3分の1の重さにはならないようです。)
滑落者がある程度、自力で登り返せる場合など、「滑落者の自力+引き上げ」という形であれば、効果的なのではないかと感じました。

いずれにしても、講習会に参加したことで、登山、岩登りにおいては、アクシデント対応ができて初めて、楽しむことができるのだと気付けたことは、大きな収穫です。
引き続き、講習会に参加するなど、知識、技術習得に努めて参ります。
改めまして、講師の皆様、ご一緒させて頂いた皆様、ありがとうございました!

50kgの重りを使って、自己脱出や引き上げシステムを勉強しました。