山岳レスキュー講習会(無雪期)

日程 2024年6月21日(金)~6月23日
場所 富山県立山町 国立登山研修所
主催 日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)
参加 T橋、A木(記録)

豪雨に見舞われた都内から新幹線で2時間。富山は30度を超える快晴だった。
だが登山研修所の門をくぐる私の心は晴れない。
仕事のせいでこの研修の参加に遅れていたからだ。(もちろん事前に連絡済み)

「この講習のコーチは鬼軍曹だらけ、全国から集う講習生はひと癖もふた癖もある猛者ぞろい。心して行くように」
受講が決まった私にN山会長からはそんな助言があった。

それなのに遅れてしまった。一体どんなことになるのだろうか・・・
この額を流れる汗は暑いからだけではない(ハズだ)。

これが国立登山研修所の入り口。空がまぶしい。体育館内は激アツだったそう。

スタッフに誘導され、講習会場である体育館へ。
「オクレマシタ、スミマセン・・」

私の期待は良いほうに裏切られ、講師陣は極めてにこやかに迎え入れてくれました。そして受講生を見渡すと、先着していた当会のT橋さんをはじめ、天覧山でご一緒したM塾の面々がちらほら。10名ほどの受講生の皆さんはとてもフレンドリーな方ばかりで、とても良い雰囲気の会場に一安心でした。

さて今回の講習、2つにクラスが分かれており、私が参加したのは「クラス2(ロッククライミング セルフレスキュー)※」講座でした。
クラス2ではマルチピッチの登攀中にアクシデントが発生、相方をレスキューするための一連の技術を教わりました。
※クラス1はファーストエイドでした

■主な講習メニュー(クラス2)
<基礎編>
ムンターやクローブといった基礎的な結索技術、フリクションヒッチ、フィックスロープの登り返しと懸垂下降、仮固定
<レスキュー>
上記技術を総動員して1/3レイジングシステム、振り分け懸垂

特に、リーダーレスキューとなる振り分け懸垂は、なかなか練習の機会がなく初めての経験。
実際にテンションロープを切断するなど貴重な経験を積むことができました。

振分懸垂セット後にテンションロープを切断するT橋さん
(要救役の方からは画像掲載承諾済み)

上記のように盛りだくさんの内容を含んだ3日間の研修(と夜の宴会)はあっという間に終わりましたが、これからしっかりと復習し、また会の皆さんにもお伝えできる機会を頂戴できれば幸いです。

今後もこうした研修にはできる限り参加して、最新の技術を身に着け、自らのみならず会のレベルアップに貢献できればよいなと感じた3日間でした。

最後に、献身的に指導いただいた講師のみなさんや、一緒に学んでくださった受講生のみなさんには本当に感謝です。またどこかの講習や山でお会いできることを楽しみにしております。

以上、講習会の参加報告でした!

(おまけ)電鉄富山駅にはヘッドマークがずらり。体内の鉄分が沸き立ちます。

※講習会に関する報告UPについては講習会事務局よりご了承いただいております。

稲子岳南壁左カンテ(会員山行)

日程   2024年5月19日
メンバー Y内、I村、A木(L・記録)

日々温かくなりいよいよクライミングの季節、ということで久しぶりのマルチピッチを登りに稲子岳へ行ってきました。

朝3時、Y内さんをピックアップして浦和を出発。途中でI村さんをピックアップ。
順調に上信越道を進みます。
Y内さんが仕入れた情報によると、八ヶ岳近辺はウルトラマラソンの当日らしく、目的地の稲子湯もエイドステーションとして使用されるとのこと。その影響で登山口となる「みどり池駐車場」が満車でないことを祈りつつ現地到着は5時半ごろ。
なんとか数台の空きスペースがあり安心。

駐車場はまだ空きがあった。よかった・・


身支度を整えて6時スタート。あっという間にシラビソ小屋に到着(汗だく)。小鳥たちを愛でつつ、どんよりとした空を見上げる。夕方からの雨予報は少し早まるかもしれない。そんな予感で先を急ぐことに。

しらびそ小屋にて

その後は稲子岳の岩場までのアプローチ。当初予定のルートは急登のザレが延々と続くとの情報もあり、(昔行ったことのある)I村さんの助言により通常のルートよりも高い位置からトラバースすることに。薄い踏み跡ながらも問題なく取付きに到着できた。

登攀については、I村さんの計らいで、今回がお初のY内さんとA木がリードさせていただくことに。
1P目の出だしでちょっとだけ躊躇したものの、あとは順調に登攀。トポでは6Pということでしたが、豊富なピナクルや残置を利用してすこし長めにピッチを切ったこともあり合計4Pで登攀を終えた。

1ピッチ目。1手だけすこし出しにくいところがあった
2ピッチめ終了点
Y内さん、軽快に登る
最終ピッチI村さん、全体を通してサクサクと。さすがです。
登攀終了。眺めよし!
あとはザレを登ってピークへ
控え目すぎる山頂標識

最終ピッチを終えると、パラパラと雨が降り出して岩もそれなりに濡れる状態に。メンバーの皆さんのおかげでタイミングよく終えることができたことに感謝。
下山はそれなりに明瞭な踏み跡をたどり「にゅう」を経由。にゅうのピークではモデルさんらしき方の大変美しい撮影を横目に我々もとりあえず集合写真をパチリ。

にゅうピークにて。それぞれ「にゅう」「NEW?」「パン??」と思い思いのアイテムを手に。
※一部画像処理しています。

その後は石楠花尾根をスタコラと(というほど早くはないのですが)下山。アフターは稲子湯にて汗を流して一路埼玉へというつもりでしたが・・・やっぱり途中でナナーズ(長野のスーパー、とても品ぞろえがよい)に立ち寄り家族への?お土産を購入して帰路につきました。

長くはないルートではありますが景色もよく、今シーズンのスタートとして大変気持ちのよいクライミングとなりました。ご一緒いただいた皆さんに感謝です。(A木)

春合宿前半A隊 奥穂高岳 南稜(吊尾根経由下山)

日程 2024年4月27日~29日
メンバー Y内さん(L)、A木(記録)

今年の春合宿は連休前半・後半それぞれ2パーティが岳沢をベースにしながらいくつかのルートを登ることとなった。リーダーのYさんと相談の結果、前半A組は以下の欲張り山行の計画となった。
<初日>上高地→岳沢(テン場設営後に各日程取付きを下見)
<2日目>岳沢→南稜→奥穂高→吊尾根→前穂高沢下降→岳沢
<3日目>岳沢→コブ尾根→ジャンダルム→岳沢→上高地
※初日の様子はB隊のレポートに詳しいのでご参照ください。

<2日目>
前日の情報収集の結果、すくなくとも数Pが入って混雑するものと予想。
2:30起床、3:50行動開始。
取付きに向かう雪渓を進むと、すでに先行1Pが取付きから登攀を開始していた。どうやら我々が本日の2P目のようだ。
取付きにたどり着くと、シュルンドが開いている様子。当初想定よりも下部から尾根に取付く。草付きにアイゼンがよく効くのでサクサクと進む。
数分ほど登ると小滝に到着。
ロープを出していた先行Pに譲っていただくこととなった。(明るくなって気づいたのですが、私の友人のパーティでした。びっくり。)
そこからが南稜の本番といったところ。前夜の雨は今までのトレースを消した一方、雪を程よく締める効果があったようで、ところどころ出現している草付きやハイマツも利用しながら快適&順調に急斜面を詰めることができた。

急斜面だが草付きにアイゼンがよく効く
トリコニーを目指してぐいぐい登る

トリコニーⅠ峰直下で小休止したのちは一気に詰める。Ⅰ峰には6:00ちょうどに到着。
そこからⅡ峰まで約60分。ピーク直下のチムニー状はY内さんにお願いして巻かずに突破。やや厳しそうなポイントでロープを出す。リードを私が買ってでたものの、残置スリングに騙されて撤退。ひええと言いながら他に簡単なルートを発見して無事に通過。その後3ピッチはロープをつないだままツルベで進み、南稜の頭直下に出る。

そこで無線機が受信。明神沢を詰めているB隊からだ。無事に前穂高のピークに到着したとのこと。渓稜コールを送ったが、さすがに遠すぎたようで返ってはこなかった。

チムニーは飛んで越える。「とりゃ!」
ロープを出して2ピッチ目。いやらしいクライムダウンに続いてナイフリッジ脇を通過。

その後、ナイフリッジをグイグイと登ったあとは雪原の登り。

4ピッチ目。ここでロープセクションは終わり。
絶景をバックに最高の登攀だ
南稜頭直下。あと少し。

思いのほか急な雪原を抜けると南稜の頭に出る。そこから奥穂のピークには数分で到着。
まれにみる大展望です。
初めて来た奥穂の残雪期に、しかも憧れのクラシックルートでここに至ることができた感動に浸りつつ、北側を見ると2年前のGWに登った槍のピークが見えました。(同日に登っているNさん&Iさんの姿はさすがに見えなかった。)

南稜の頭にて往路を振り返るの図
奥穂ピークにて


さて、ここからが問題。今回の核心は吊尾根の下山ルートでした。
南稜頭直下でいきなり急斜面に出くわす。安全を期してピナクルを利用したナナメ懸垂50mで下降。登りではまったく使わなかった2本目のロープがようやく役に立つことに。

その後は滑ったら700~800Mは落ちてしまいそうな雪渓(グズグズ雪)トラバースの連続。
クリアしたと思ったらまた現れる、無限にも思える雪渓の連続に緊張度MAX、快晴の天気も仇となり我々の体力を徐々に奪っていきます。「足が攣り尾根 」とは言い得て妙。Y内さんの名言です。
そんな訳で、計画時には「時間があれば前穂高にも登りましょう」なんて言っていました我々ですが、そんな余裕もなく身も心もヘロヘロに。

見る分には美しいが・・こんな感じの所をトラバース。
※ちなみにここはリッジ上を進む選択をしたように思いますが、浮石が多くて神経を使いました。
我々が引いたトラバースのあと。延々・・

そんな「激シブ」な吊尾根も無事に通過して前穂高沢にようやく到達。「やっと帰れる」と安心したのも束の間。出だしの斜度は結構なもので、数百メートルほどクライムダウンを強いられました。(途中、数か所クラックが開いており、要注意。)
沢の最後は大滝の懸垂下降。右岸に残置されているハーケンを利用して無事に岳沢の雪渓に降り立ちました。

その後は岳沢に一直線。疲れ果てた我々を小屋前までB隊のK村さんがお迎えに来てくれていました。感謝。ボロボロになってたどり着いたテン場でB隊に合流、Y下さん、K村さんと祝杯(先に下山されたF子さんにはお会いできませんでした。残念。)・・なのですが、あまりの疲労のため大事をとって翌日のコブ尾根は中止することとなりました。
残念ではありますが安全第一。コブにはまたいつか挑戦したいと思います。

<3日目>
本日は下山のみにてゆっくり起床。5時に岳沢を発って上高地には6時半ごろ到着。
河童橋付近からは昨日登っていた吊尾根がよく見える。
痺れるような緊張の世界。
そこから無事に帰ってこれたことへの感謝と同時に、力不足でコブ尾根に行けなかったというすこし悔しい気持ちが入り混じります。
そんな思いを胸にコーヒーでも飲みながら反省しようとレストランに入ったのですが、メニューを見るとおいしそうな定食が。
結局はお得な朝定食をモリモリ食べることに。
よく考えたら出発前にも朝ごはんは食べていましたが、まあこれも山なのでOKでしょう。

以上、春合宿A隊の報告でした。今回もご一緒いただいたY内さん、B隊のY下さん、K村さん、F子さん、どうもありがとうございました!!

下山後、上高地で合宿前半組の記念撮影
河童橋を越えたら、偶然にも槍チーム(Nさん&Iさん)と遭遇した。

<2日目ログ>
03:50 岳沢小屋出発
04:15 南稜取付き
06:00 トリコニーⅠ峰
07:00 トリコニーⅡ峰
09:20 南稜の頭
09:45 奥穂高岳山頂
10:30 南稜の頭(吊尾根経由下山開始)
12:45 前穂高沢下降開始
14:20 岳沢小屋(ビールが最高においしかった) 

岩トレ 天覧山岩場&キャンプ (会員山行)

日程 2024年4月13日(土)
メンバー T橋、I村、U田、I澤、A木(L/記)

例年は残雪を利用した谷川岳近辺での雪訓練となる4月の会山行だが、今年は雪が少なく難しい様子から日曜日の日帰り岩訓練(飯能・阿寺)に変更となった。
そこで、せっかく土日の2日間を空けているメンバーがいるのだからと、土曜に岩練習&吾野近辺のキャンプ場で宿泊、そのまま会山行(阿寺)に向かうプランを提案した。快く(モノズキな?)4名が参加くださるとのこと。大変ありがたいことです。

朝9:00、桜が満開の飯能中央公園Pにて集合。
準備を整えたあとは能仁寺の隣、オシャレなパン屋さんの横から入山。
辺りにはすでにパンの焼ける香ばしい香りが漂っている。
「帰路でおいしいパンをGETしてからキャンプ場に向かいたい」と心に秘めつつ、歩くこと3分。あっという間に天覧山の広場に到着する。

満開のツツジにザックが映える

その後はわずか数分、登山道を少し外れた岩場に到着。先行パーティによってすでに数本のロープが掛かっている。
ご挨拶をすると、ありがたいことに岩場の左側をお譲りくださるとのこと。感謝をお伝えしたのち、さっそく上部にTR支点を構築。

さて始めますか・・と準備を進めていると、どうも先行Pの中に見覚えのある方が。
先日のクライミング旅行(伊豆・雨で結局相模原のジムに転戦)でご一緒した他山岳会のみなさんでした。いや、ホントによくこの会の方には山でお会いするなと、さらに勝手に親しみを感じてしまいました。

その後は新人さんを中心に懸垂下降、ビレイ&リード、フリクションヒッチの復習から、ついでに登り返し、ミュールノットによる仮固定を実施。
新人I澤さんは登り返しが相当に気に入ったようで、何度も反復して練習をしていました。

レクチャーを受けるI澤さん
T橋ねえさんも登り返します

ひと通りのトレーニングを終えたあとは、「いかにこの岩場を難しく登るか」という、よくわからない意欲にかられ、以下の課題に挑戦しました。

<ノーハンドでの登攀>
岩場が若干寝ていることから、ノーハンド(もちろんTR)で簡単なルートに挑戦。
なんとか完登したものの、ビレイヤーの新人Uさんから「ゾンビが歩いているみたいでしたよ」とのコメントが。T橋さんが撮影してくれた写真を見て納得。確かにちょっとキモい感じがします。

確かに気になる…「こんな程度のキモさではなかった」とは撮影者T橋さん&ビレイヤーU田さんの共通見解。

<無駄に?困難なルート設定>
幼少期から平山ユージさんの動画を見続けてきたという期待の新人I澤さん(クライミング歴約半年)が微妙なハングを利用してルート設定。核心部と思しき箇所を指して「あそこのムーブがカッコよくなる想定です」とのこと。数名で束になってかかりましたが、彼の理想には至ることができず。いつか再挑戦したいと思います。

自ら設定した課題に挑むI澤さん。このあと「て、テンションください。。」と言っていました

そうこうするうちに15時近くを迎え、下山。
登山口にある例の「おしゃれパン屋さん」にお邪魔しましたが、レジの大行列に驚くとともに、ロープを背負った我々の場違い感もあって、そそくさと退散。
結局パンは買えず仕舞い(TT)

おとなしく飯能市内のスーパーで買い出しをしたのち、西吾野のキャンプ場へ。
西川材を使った美しい炊事場&トイレ、ウッドデッキの綺麗なサイト、そしてなにより管理人ご夫妻の温かいおもてなしで楽しい時間を過ごすことができました。(居心地が良すぎて、翌日の会山行の集合にはちょっと遅刻しました。申し訳ありません。。)

サイト横にはボルダーが??つい登りたく気持ちを抑えて七輪を熾す
七輪を囲んでお酒が進む・・

以上、岩トレーニング&キャンプのご報告でした。
ご参加いただいたみなさん、どうもありがとうございました!

八ヶ岳 河原木場沢 醤油樽ノ滝

日時 2024年2月10日
メンバー K村、I村、A木(L/記録)

今年の2月は3連休が2回もある。1回目は最近熱が入っているアイスクライミング!ということで、先日は見学しただけに終わった八ヶ岳の「醬油樽ノ滝」を登りに行きました。

埼玉は当日の未明発。すいすいと中央道を通ってA木号は登山道入り口へ。林道の積雪は少なく、スタッドレスタイヤのままで上がることができ、滝前の駐車スペースには予定よりもちょっと早めの8時頃に到着。我々以外の車はない。
連休初日で混みあうのでは?と心配したのですが、それなりの本数を登ることができそうだと一安心。

そそくさと準備を整えて出発。途中の1の滝は前回の倍くらいに育っている。
前回は氷結がいまいちで高巻いた(薄暗い)ゴルジュ状の小滝もしっかり凍っており、直登可能。前回よりも短時間で醤油樽ノ滝に到着した。よくみると若干内部に水流が観察されるものの、前回の見学時よりもしっかり育っている様子。

うす暗~いゴルジュ帯をぬける
ゴルジュを抜けると醤油樽、ドーン!
結構な迫力だ。

一番乗りということで、まずは左ルートよりI村さんがリード。トップロープ(TR)をかけてくださいました。(60mロープではぎりぎりなので、支点構築には長~いスリングが大活躍)
各自とも同ルートを登った後は、もうすこし傾斜が強い右側ルートに移動。
何度かTRで練習した後に、私もリードさせてもらいました。
なんとかやりきることができましたが、スクリューによる支点構築に難儀しまして、もっと修業が必要だなぁと改めて感じました。

安定のリード、I村さん
ついにリードさせてもらいました。こええ・・(左ルートは別パーティの方です)
午後は日が差しこんで、このまま空に吸い込まれてしてしまうのではないかという雰囲気に。

その後、休憩の後に下流へ移動。途中、埼玉からお越しのハイカーさん(ソロで氷瀑見学とは、なかなかのツワモノでした)と出会うなどしながら「1の滝」を登ることに。
こちらはコンパクトながらも垂直に近く、前回同様に大変よい練習ができました。(こちらもTR支点をI村さんが構築してくださり感謝)

途中の2の滝はつながっていなそうでした(詳細未確認)
1の滝を登るK村会長

それぞれ数回登ったら結構よい時間に。お腹がすいたので帰ることとなりました。

<恒例・アフターグルメ?>
今回は帰路の南諏訪IC目の前、「ハルピンラーメン」さんにお邪魔しました。
入店して気づきましたが、前回の醤油樽に行った後も、この名前のラーメン屋さんだったような・・
ちょっと体も冷えたこともあって、みんなでニンニクラーメンをチョイス。
車内を香ばしい香りに変換し、A木号は帰路につきました。

全員そろってニンニクラーメン。前回同様、結構なボリューム。う、うまい!
しかし、今日はこんなにカロリー使ってないはず・・なのは、いつもどおり気にしないでおこう。

冬合宿 鳳凰一山(薬師のみ)

日程 2024年1月6日~7日
参加 N山、K村、F子、N村(SL)、T橋(L)、U田、I澤、A木(記録)

毎年、年末年始におこなっている冬合宿ですが、今シーズンはメンバーのスケジュール都合により、1月の3連休を利用して、鳳凰三山を登ることとなった。
暖冬といわれる今シーズンではあるが、天気予報は晴天が期待できるものの、強い寒波の南下に伴う低温&強風を告げていた。
無事に三山のピークを踏むことを願いつつ、一路南アルプスへ向かう。

DAY1(夜叉神→南御室小屋BP)
朝7:30に夜叉神峠駐車場に集合。共同装備を振り分けて8:00ごろに入山。
入山前にはリーダーが山梨県登山条例に基づき、計画書の確認を受ける。
「皆さんの登山歴は?」
「長い方で半世紀近くになります・・」という恒例のやり取りもあり、特に問題なくクリアした模様だった。

最初の経由地である夜叉神峠小屋まではなかなかの急登。
しかし今年は全くと言っていいほど雪がない。
汗をかきかき、途中何度か休憩を取りながら、ゆっくりと歩を進める。
ようやくたどり着いた夜叉神峠小屋からは白根三山の素晴らしい景色。
一同、これを眺めながら「次はあのルートを登りたい・・」といった話が尽きない。

小屋を出た後は順調に高度を上げ、苺平に到着。
これ以降はアイゼンなどを履くほどではないものの、少しだけ積雪が出てきた。
ようやく冬山の雰囲気につつまれた一行は南御室小屋に13:30ごろに到着。
全員で整地とテント設営を行ったあとは新年会。
大量の酒とつまみが提供され「(標高が)日本一高いスナック」が久しぶりに開店。
今回はチーママのTさんに大ママ(Fさん)、新人スタッフ(Uさんとなぜか私?)も加わって、大賑わいの店内となった。

楽しい新年会がお開きとなった後は、男女に分かれてテントで就寝。

夜叉神駐車場 ほぼ雪はない。
登山道もしばらくこんな感じ。ほぼ雪はない
夜叉神峠小屋前にて、白根三山を眺めて。「あのルート行きましょうよ・・」
南御室小屋到着。積雪20cmくらい?水場もしっかり流れていました。
(標高が)高いスナックで提供されたおつまみの例、チーママが楽しく盛り上げます。
外は満天の星。でも強風・・明日はどうなることか。

DAY2 (南御室小屋~山頂往復→下山)
早朝3:30。
5:00出発のために携帯電話が起床時間を告げる。
外は天気予報どおりの晴天だが、強風に加えて小雪が舞う厳しいコンディション。

「本日、三山コンプリートは断念して薬師岳のみ、行動は日の出以降7時頃に開始する。」との連絡がTリーダーから即座に入る。
各自、二度寝するなり、お茶を飲むなりして出発までの時間を過ごしたのち、南御室小屋を7:00ごろに発つ。

途中スライドする下山者の様子からは、かなりの強風ぶりがうかがわれた。気を引き締めて山頂に向かう。

もうすこしで薬師岳ピークだ

8:45、強風に凍えながら山頂に到着。
寒いながらも360度の絶景に息をのむ。一同、しばし景色を堪能したのちに恒例の写真撮影を行った。

頂上からは素晴らしい展望。でも風は強い。
みんなで集合写真。なぜか解像度が低い。

山頂で恒例の撮影をした後はもう下るだけだ。
南御室でテントを撤収した後、サクサクと歩を進め、14:00ごろには夜叉神駐車場に到着、下山完了となった。

今回も楽しい合宿をプランニングしてくれた企画部をはじめ、皆さんに感謝です。

下山後のお楽しみ。ほうとうをいただきました~

■ログ
<Day1>
 08:15 夜叉神峠登山口
 09:15 夜叉神峠小屋
 11:10 杖立峠
 13:00 苺平
 13:30 南御室小屋
<Day2>
 07:00 南御室小屋
 08:00 砂払岳
 08:10 薬師岳小屋
 08:40 薬師岳
 09:30 南御室小屋(撤収)
 10:45 苺平
 12:00 杖立峠
 13:00 夜叉神峠小屋(休憩)
 14:00 夜叉神峠登山口

雲取→甲武信ヶ岳縦走

メンバー A木(おひとりさま)
日程 2023年12月27日ー29日

少し早めに年末休暇が取れたのですが、あいにく会の皆さんとは予定が合わず、以前から気になっていた稜線をトレーニング兼ねてひとり縦走してきました。

Day1 鴨沢→大ダル
始発で家を出て奥多摩の駅からバスに乗車。終着の鴨沢西バス停に辿り着いたのが9:30。
ここまででもう結構な旅行です。
バスに乗り合わせた他の方々が雲取山に向かうのを横目に1人で車道を進み、三条の湯に向かう。「お祭」という賑やかそうな名前のバス停横から入山。しばらくは林道を歩く。サルとリス以外には誰にも会わない。

登山口までこの猿の親子とずっと一緒でした。友達と思われたのだろうか。

しばらく林道を進み、ゲートを過ぎるとやっと登山道に。そこからすぐに本日の目的地である三条の湯についた。
当初計画では14時くらいになる予定であったが、まだ12時にもなっていない。
明日のコースの長さを考えると、少しでも距離を稼いでおきたいところ。
急遽ここでの幕営は中止。残り2日分の水をいただいて上を目指す。
三条の湯から先は結構な急登で、崩壊もそこかしこで起きており、それなりに緊張感があるルートであった。
飛龍山を越えたあたりで日没。風が強くなり始める。将監小屋(休業中)まで行きたかったが道もあまりよくないことから断念。登山道をすこし外した好地を見つけ、大ダル付近でツエルト泊。風さえ遮ればこっちのもので、持ってきたお酒でいい感じとなる。

DAY2 大ダル→破風山避難小屋
前日すこし距離を稼いだので、4時起床。
ツエルトが風にずいぶんと押されている。外に出てみると雪が舞っていた。寒い!
前夜に仕込んだアルファ米を茶漬けにして流し込み、5時過ぎ行動開始。
こりゃカッパではなくてハードシェルでも良かったかも、と思うようなコンディションのなか、ヘッデンを頼りに進む。
相変わらず、人間の気配はない。

寒すぎてモノクロームの世界。@大常木山ピーク
竜喰山2011m、2024年は辰年。あと13m高ければバズったのでは。

その後は特にどうということはないのですが、ずいぶんと鹿に会った。
途中で多摩川源頭で水を補給。分水嶺を眺めたあとは雁坂峠を経由して破風山避難小屋へ。
この小屋、埼玉県が最近建て替えたらしく、とても綺麗。
しかも薪ストーブ付き!!!
付近で薪を集め、小屋においてあるノコギリと手斧で大量に薪を作った。
ここまでやると、ほぼ営業小屋状態。この日は同宿者もなく、快適な睡眠を得ました。(なぜか持参したお酒がなくなっていたのは残念でしたが・・)

避難小屋は建て替えられてとてもキレイ
薪ストーブでヌクヌク

DAY3 破風山避難小屋→西沢渓谷
いよいよ最終日。
あとは甲武信に上って下山するのみ。スマホで帰りのバス時刻を再確認して6時頃に小屋を後にする。天候もよく、最終日を味わうようにゆっくり進む。1.5hくらいで甲武信のピークに到達。下山後のバスにはまだ早いので小屋脇の沢を下って荒川源流点を見学。「ほほう、これが大河の一滴よ・・」と少しだけ水を飲みました。

その後は木賊山を経てひたすら降るのみ。近丸新道を経由して西沢渓谷へ。

近丸新道では膝ラッセル状態。この時期は誰も歩いていないんだなと。


バスまでまだ時間があることから、道の駅で腹ごしらえ・・と向かったが年末休業中だった。
仕方なく下山後お決まりのドクターペッパーをがぶ飲みして空腹をごまかしつつ、これまた時間があるので近くの集落まで降りて停留所でバスを待つ。
待つ
待つ
アレ?バス来ない・・

しばらくすると近所のお姉さまがわざわざ家から出てきて教えてくれた。
「あー、今日は山梨交通は休みよ。今日は市営バスだけ。次は2時間後よ。」

見ると、1本前の市営バスは、もう少し早く下山すれば乗ることができた時間だ。荒川源流点に行かなければ十分間に合った・・自らのリサーチ不足を呪いながら、仕方なく近所をブラブラとして時間をつぶす。

これが、かの有名な笛吹権三郎像。笛吹川には親子の悲しい物語があった!
市営バスが営業していて本当に助かりました

ようやく市営バスに乗ることができ、無事に山梨駅に到着。今回の長旅は終わりを告げた。
歩行距離54km、累計標高差8,300m。久しぶりによく歩きました。

■ログ
<DAY1>
09:30 鴨沢西バス停
09:45 お祭バス停(登山口)
12:00 三条の湯
14:50 北天のタル
16:00 BP(大ダル付近)
<DAY2>
05:30 大ダル
07:25 竜喰山
08:00 将監峠
10:30 水干(多摩川源頭)
11:45 雁峠
14:00 雁坂峠
16:30 破風山避難小屋
<DAY3>
06:00 破風山避難小屋
07:15 甲武信小屋
07:30 甲武信岳
08:00 荒川源流点
11:45 西沢渓谷駐車場(下山)

全行程概観


妙義山マルチツアー(木戸壁&筆頭岩)

日程 2023年11月8日(水)
参加者 T橋さん(装備)、A木(L・記録)

11月の晴れを狙って?T橋さんとマルチピッチクライミングの練習に行くことに。

プランニングでは小川山や松木沢などいくつかの候補があがる中、二人とも未登であることに加え、天気予報で最も暖かそうなことから、裏妙義の木戸壁に行ってみることになりました。
さらに欲張りペアの我々ですから、(時間に余裕があれば)ついでに表妙義の筆頭岩を登って、さらに近隣で西上州の良質な食材をGETするという贅沢プランとなりました。

<木戸壁右カンテ>
早朝に埼玉を出発、最初のスタート地点である国民宿舎裏妙義には7:30ごろ到着。かなりひんやりと肌寒い。アレ?天気予報は何だったんだろう・・
手早く準備(ヒル対策含む)を済ませて8:00に行動開始。
コンクリ舗装の道を経て沢沿いの登山道を進み、40分ほどでいろいろな山行記録で目にする←↓マーキングの岩から取付きに至る。
日が昇るにつれてさっきの肌寒さはどこかに消え去り、私はいつも通りの汗かきモードに突入です。あつい・・

ヒル対策といえばコレ。海外の高級ホテルの匂いがした…気がする。
ヒルは地球外生命体としか思えないので、「私の山で会いたくない生物ランキング」第2位に堂々ランクインしています。当然のように足元に塗りたくってスタート。
これが有名な←↓分岐。ここから登山道を外れて右へ。岩壁沿いに進むと木戸壁取付きに至る。
岩壁沿いには、宿泊できそうなルーフが続く。一番奥まで進むと取付きになります。

取付きには本日一番乗りとなった様子でしたが、準備中に後続パーティーが到着。さすが人気のあるルートです。
妙義特有のボコボコとした岩肌で、ホールドは極めて豊富&ほとんどガバ。さらにはボルトもすごい数が打ってある。今回は練習の意味も込めてアプローチシューズでトライすることに。

じゃんけんの結果、A木のリードで9時頃には登攀開始。つるべで登ります。

T橋さんがリードしてくれた2P目と4P目に若干難しめの部分があったものの、全体的にはサクサクと進んで、10時20分に上部の大ハング下テラス終了点に到着。同終了点から懸垂で降りる。

サクサク登るT橋さん
大テラスから懸垂開始。眺めがよくて気持ちいい。

サクサクと登れたこのルートですが、難しいのは降りるほうでした。
まず、岩壁に鶏の頭のようなボコボコが多数あるため、垂らしたロープが引っ掛かりやすい。
しかも登攀ルートを下降するため、後続パーティーとの連携が必要なこととに加え、落石に細心の注意が必要なのです。(鶏の頭のような突起も、たまに取れる。。)
案の定、私はロープを数度ひっかけてしまい、少し手間取ることに。シチュエーションに合わせた方法で懸垂ができるよう、もっと技術の引き出しが必要だなと感じました。

<筆頭岩>
木戸壁の懸垂に若干時間がかかったものの、おおむね想定通りの時刻に国民宿舎に到着。
昼ご飯をパクつきながら、車を走らせて次の目的地である筆頭岩に向かいます。

車両移動約30分。途中でみつけた下仁田ネギの直売所やオシャレな蕎麦屋さんに後ろ髪をひかれつつ、さくらの里駐車場に到着。さっさと登攀を終わらせて、両方に寄りたいところです。(駐車場では親切な職員さんにお世話になりました。感謝。)

駐車場から筆頭岩までのアプローチはかなりのやせ尾根。直下には車道があることから、落石を起こして迷惑を掛けないように気を使いながら進む。
15分ほどで目的の取付きに到着。

筆頭岩は私がお初ということで、1P目のリードを担当。その後、T橋さんリードでピーク直下に到着。低山の短いルートだが、素晴らしい眺望に圧倒されました。

取付きからすぐはフリーで進む。あまり難しくはない。
さすがにロープを出す。低山ですが、高度感すごい。
筆頭岩ピーク直下のT橋さん
筆頭岩ピークにはかわいい標識が。木の後ろのオッサンとのコントラストが気になるところ。

頂上からは15mと50mに分けて懸垂下降。懸垂ポイントにはすごい数のスリングが残置されていました。ここでありがたいことにT橋さんから「ロープを抱えた懸垂の練習をしてみよう」との提案が。さっそく木戸壁で見つけた課題の練習をすることができました。感謝。

懸垂下降後はそそくさと下山(14時30分)。車を飛ばして例のネギやさんと蕎麦やさんに向かいますが・・残念ながらどちらもすでに営業時間終了後。

うわ、先に行くべきやった・・

しかしながら、拾う神はあるものです。その後に寄った道の駅「みょうぎ」で立派な下仁田ネギと超巨大シイタケをゲット!!
おかげで我が家の晩御飯は椎茸ステーキと白ワインという、シャレオツ?メニューとなり、奥様も大変喜んでくれました。

以上、妙義山マルチピッチトレーニングツアーの報告でした。ご一緒くださったT橋さん、どうもありがとうございました!!

道の駅、ネギ売り場の様子。帰りの車内は葱が放出するガスに支配されました。

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■山行記録
>木戸壁右カンテ
08:00 国民宿舎裏妙義
09:00 登攀開始
 1P:A木、2P:T橋、3P:A木、4P:T橋、5・6Pリンク:A木
10:20 上部テラス到着
10:30 懸垂開始
12:20 国民宿舎裏妙義

>筆頭岩
12:50 さくらの里P
14:00 筆頭岩ピーク、懸垂開始
14:30 さくらの里P 
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湯檜曽川白樺沢

日程 2023年9月24日(日曜日)
メンバー Yリーダー、A(記録)

ぽっかり予定が空いた日曜日。Yさんと沢の計画を立てました。ガイド本をみてびっくり。「なんだ、この滝の数は・・・汗」
遡行図には滝を示すマークがびっしり。さらには噂に聞く魚留の滝も堪能できるとのことあって、計画段階からドキドキです(Aは湯檜曽川を初遡行)。

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ん?何か携帯が鳴っているような…時計を見ると朝4時過ぎ。Yさんと約束した時間だ!
「すみません!!今行きます!!」と慌てて家を飛び出す。
Yさん、お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

そんなバタバタでスタートした1日でしたが、幸いにして関越道に渋滞はなく、スムースに谷川岳インフォメーションセンターに到着。先週までの厳しい残暑はどこへやら。空気はひんやり。こりゃちょっと寒いかも・・

インフォメーションセンターは車で一杯だ


今回は一ノ倉沢出会いまでのロード区間(コースタイム往復3時間)を自転車で短縮するプラン。
指導所あたりを除けばこれといった急坂はなく、自転車はグイグイ進む。上りの所要は30分!
適度なウォーミングアップとなる。

一ノ倉の岩壁を眺めつつ、写真撮影している方と少しお話し。こんなに天気が良いのに、そんなにたくさんのパーティーが入っている様子はないそう。

一ノ倉岩壁。青空が映える。

邪魔にならない場所に自転車をデポした後、「ちょっと寒いし、今日は沢じゃなくて岩だったかな・・」などと話しながら、ハイペースで登山道を進む。武能沢で装備を整えて入渓。

JR監視小屋の先、道は沢を渡った少し下流側にありました。

入渓後すぐに現れるのが名物?魚留の滝。初めて目の当たりにしましたが、なかなかの迫力です。
1段目は絶妙なところに打ってある残置を利用しながら左壁から登り、若干の巻きを経て、再度水面へ降りてゴルジュを泳ぐ。急速に体温を奪われ、手足がしびれるほど。これも沢の醍醐味だ。純粋に楽しい。

魚留の滝。残置を使って左壁を登る
ツッパリと泳ぎでゴルジュ突破

魚留の滝を過ぎると、ほどなくして白樺沢の分岐に到着。

白樺沢出合い。左へ進む。

白樺沢に入ると、さっそくゴルジュのお出迎え。またまた泳ぐ!ありがたいことに日も上がり、気温は上昇傾向。凍えるほど寒くはなくなってきた。
一方で足元は徐々にヌメりはじめ、ラバーソールでの遡行は厳しそう。念のためフエルトサンダルを装着。おかげでその先は快適に進むことができた。

分岐後は初っ端からゴルジュ!
泳ぎで攻めるYリーダー。私も後に続く。


そうこうするうちに袈裟丸沢との分岐、白樺沢大滝40mに。
大滝は階段状でホールド豊富。難しくはないがヌメリがあるため、要所でカムを決めながら慎重に登った。

左が白樺沢大滝、右が袈裟丸沢。
ヌメリに注意しながら左→水流と攻めてみた。
大滝の途中でサンショウウオと目が合った。

その後は遡行図どおり、小滝・小滝・小滝・・・の連続。適度に水浴びしながら楽しく登る。

登りやすい滝が続く
また滝
小滝がいっぱいだ

次々に小滝をこなせば、あっという間に脱渓ポイントに到着。ちょっとした藪・泥壁を抜けて登山道に至り、サクサクと下る。

あっという間に脱渓ポイント

JR監視小屋からは少し登り返して国道291号へ。「酷道」とも呼ばれるこの道ですが、登山に利用するにはたいへん快適でした。

一ノ倉に戻り、デポしていた自転車を回収。インフォメーションセンターまで坂を一気に下る。所要時間はたった13分!気持ち良すぎて、これは癖になりそうです。

<感想>
アプローチは若干長いですが、コンパクトな中に滝・滝・滝・泳と内容の詰まった楽しい沢で、サイクリングとあわせてとても気持ちのよい日曜日でした。

ご一緒いただいたYさん、ありがとうございました!!

<遡行記録>
07:00​ 谷川岳インフォメーションセンター
07:30​ 一ノ倉沢出合い
08:00​ JR監視小屋
08:40​ 武能沢(入渓)
09:30​ 白樺沢大滝(袈裟丸沢分岐)
11:00​ 脱渓
13:30​ 一ノ倉沢出合い
13:43​ 谷川岳インフォメーションセンター

<備考>
下山後、ハラヘリ2人組はデカ盛りの有名店「あしま園」をめざすも、ちょうど営業時間終了でガッカリ。
気を取り直して、水上でよく寄るファミマの横でひっそりと営業している「気になるお店(いさご屋)」に突撃。
想像以上にお店は広いが先客はゼロ。ガラガラの店内に高まる我々の不安を他所に、メニューは「モツ煮」のみと、店側はかなりの自信を覗かせています。
オーダーからしばらくたって、モツ煮定食(ごはん大盛)が到着。

うお、これはウマイ!!期待以上だ!!!

ご飯の量も期待以上の大盛でしたが、二人ともペロリと完食。あまりの美味さにペース配分を乱され、追加で単品モツ煮を頼みそうになるほどでした。
これならモツ煮にうるさい妻(群馬出身)も喜ぶに違いない・・・ということで、お土産のモツ煮(冷凍)もゲット。この日、我が家の晩御飯はモツ煮&ビールで痛風街道まっしぐら。幸せな1日の締め括りとなりました。

以上おわり。

北岳 バットレス4尾根主稜

日程      2023年9月15日(金)~16日(土)
メンバー   Iさん(L)、A(記録)

Iさんのお誘いで盆休みに計画したものの、台風の接近で延期となった北岳バットレス。
聞けば土日の込み具合はかなりのようで、それを避けるために3連休の前日からの計画となりました。

今回も気になるのは天気。9月とは思えない夏山の気候が続いており、いずれの日も午後は不安定。とはいえ、そこまで激しくは崩れないだろうということで、とにかく行ってみることに。

■Day 1(芦安→広河原→白根御池小屋<テント泊・小屋食>)
早朝6時、Iさんの車で芦安駐車場に到着。
7時の乗り合いタクシーに乗車し、広河原に到着。

キレイに整備された広河原山荘に驚く。考えてみれば、私が前回ここに来たのは10年以上前。一般路を利用して広河原から白根三山を経て奈良田に至る行程でした。
そのときに「いつかは」と思ったバットレスに挑戦する日がついにやって来たのだと感慨もひとしおです。

通常のテント泊装備+お酒にクライミングギア(どれくらい必要かわからなかったので、いつもより多い・・)の重さも加わって、ザックはなかなかの重量に膨れ上がる。前回こんなにしんどかったかな・・と思いつつ、ぐいぐい進むIリーダーの後を続く。やっぱり少しペースは速めだったようで、予定よりも早い2時間弱で小屋に到着。テントを広げたのちに昼食を済ませて、翌日の下見に向かう。

いよいよスタート。吊り橋効果もあって?ドキドキ。


先述のとおり、明日は午後の天候の崩れが気になる。4尾根は非常に人気のルートでもあり、渋滞回避のためには是非とも当日1番乗りを果たしたいところ。
4尾根にたどり着くルートは複数あるが、Iリーダーの読みでは「第5尾根からアプローチするルートが最近は一般的なので、他のパーティーがあまり入らないBガリー大滝からであれば、早出は前提ながらも順調にいけば一番乗りできるだろう」とのことで、今回はBガリーを詰めることに。

途中、錯綜する踏み跡に若干と惑わされながらも、特に問題なく大滝まで到着。翌日使用するギア類をデポして小屋に戻る。

初日はこれで日程終了。おいしいビールで乾杯し、小屋の食事(と地酒!)を楽しんでテントに戻る。ウトウトしたころに雨音で目が覚めるも、パラリと降る程度ですみ一安心でした。

Day 2 (白根御池小屋→バットレス→北岳→広河原→芦安)

朝は2時に起床。小屋が用意してくれたお弁当をいただき、予定よりも早く2:40に出発。

満天の星空のもと、Bガリーへと向かいます。暗い中での行動でしたが、下見を行っていたおかげで、ほぼ迷いなく取り付きに到着。装備などを整えつつ朝日を待ちます。

あたりに日が差し始め、いよいよ登攀開始。


日の出とともに登攀開始。大滝はIさん→Aのツルベで2ピッチ切ったところで草付きに向かう明瞭な踏み跡を発見。そちらを経由してCガリーに到着。ヒドゥンスラブと横断バンドの選択肢の中から、スピード重視で後者を選択。途中トポ図にある2ピッチを経由して第4尾根取付きに到着。

お待ちかね。こちらが4尾根の取付き。クラックがすこし難しい。

ルート選択と早出の効果もあって4尾根には誰の姿もない。どうやら1番乗りだ!

Iさんからは1ピッチ目のリードを譲っていただき感謝。ツルっとしたクラックに少し手間取りつつも何とか無事に終了点に到着。見渡すとまさに絶景。雲海に富士。

ここに来たものにしか見ることができない景色だ。

その後はさくさくとツルベで進み、ついに噂のマッチ箱に到達。懸垂したのちに枯れ木のテラスを目指す。

マッチ箱と登攀中のIさん。すごい高度感だ。

枯れ木のテラス付近は大崩落のせいでかなり高度感のあるナイフリッジ。下を覗いてゾゾーっと肝を冷やしながら、最終ピッチの核心部「城塞ハング」へ。

ここもIさんのはからいで、私がリードさせていただく。前傾しているだけでなく、前日の雨のせいか微妙にしっとりとしていて嫌な感じでしたが、たくさんあるハーケンとカムを駆使して安全確保。Iさんのアドバイスに従って、足に荷重を逃がしながらなんとかクリア。

おかげさまで、はじめてのバットレスは無事に登りきることができました。(が、セカンド引き上げの際に痛恨のロープトラブル・・・Iさん、助けてくれてありがとうございました)

その後の詰めは20分程度。頂上で記念撮影した後は下山開始。さすが3連休初日というだけあって、登山者が多いこと多いこと。広河原の最終バスに間に合うか、すこし心配しましたが何とか無事に下山することができました。

山頂で記念撮影!(個人情報保護のため画像処理をしています)
ピークではIさんの知り合いにばったり遭遇。偶然ってすごい。

以上、快晴の北岳バットレスでした。ご一緒いただいたIさん、ありがとうございました!!
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<記録>
Day 1;2023年9月15日(金曜日)
 07:00 芦安駐車場
 07:50 広河原
 09:40 白根御池小屋
 12:30 Bガリー大滝
 14:00 白根御池小屋

Day 2;2023年9月16日(土曜日)
 02:45 白根御池小屋
 04:45 Bガリー大滝
 07:30 4尾根主稜取付き
 11:40 北岳山頂
 13:40 白根御池小屋(テント撤収)
 16:10 広河原

<備考>
なお、下山後に立ち寄ったトンカツ屋さん、量も味も最高でした。
ライス&キャベツもしっかりお代わりしてばっちり栄養補給。2日間の消費カロリー分くらいは摂取できたと思います。
とんかつ屋 一力