山のグレーディング調査 二子山

日時 2025年6月8日
メンバー Y内(L)、A木(記録)

埼玉県山岳・スポーツクライミング協会(SMSCA)設立70周年の記念事業として所属する各山岳会が協力して行う「埼玉山のグレーディング」の実地調査に訪問しました。
我々パーティの担当は二子山。クライミングには何度か行ったことのある場所でしたが、普段とは異なる道を歩くことで、知らなかったこの山の魅力をさらに感じることができました。
ご一緒いただいたみなさん、連絡先のU田さんありがとうございました。

<ルート>
坂本登山口→股峠→東岳→西岳→魚尾道峠→魚尾道峠登山口→車道→坂本登山口
(途中、I村さん&I澤さんパーティと合流して中央稜を登攀しました。詳細はI澤さんが記事にしてくれています)

坂本登山口 バイオトイレ。とてもきれい。みんなで大切に使いましょう。(こちらもSMSCA山のトイレ調査にて報告。)



渡渉箇所あり。たまに不明瞭なところがあるので注意
稜線は岩稜帯が続く。
下山はクリーン登山活動を実施。あまりゴミは見つからなかった。

【春合宿①】鋸岳(~甲斐駒ヶ岳)

日程 2025年4月27日~29日(行程変更で28日までの1泊2日)
メンバー T橋さん、A木(L)

当初、剱岳小窓尾根を26日~29日の予定で組むも、A木の家庭都合により日程変更。
それでは…ということで八つ峰を狙ってはみたものの、シベリアからの寒気が入ってくるということで天候は今一つ。 
Bプランとして用意していた鋸岳~甲斐駒ヶ岳に行き先を変更することとなった。
一時はT橋さんの体調不良で催行が危ぶまれたが、さすがプロというべきご本人の迅速な処置対応で、なんとか26日早朝に埼玉を出発することができた。


DAY 1(4月26日)
順調に中央道を進んで戸台の仙流荘にたどり着いたのは朝8時。バス(戸台大橋まで乗車予定)の時間まではまだ2時間もある。そのまま車で登山口方面まで偵察に行くと、橋の先の立派な登山者用トイレの脇に駐車場が。これはありがたい!ということで今回はそちらの駐車場を利用して少し早めにスタートすることができました。
そこからしばらくは展望の開けた河原歩き。春とは思えない炎天下の中約2時間をかけて角兵衛沢登山口に至る。(途中、渡渉を数回行いますが、うまく飛び石を使わねばなりません)

ながいながい河原歩き。よく考えたら、帰りはもっと長くこれを歩く。
渡渉は慎重に。

角兵衛沢ではピンクテープが豊富に施されており、道迷いの心配はゼロ。
しかしながら新年度に入ってから毎晩のように宴席が続いていたボディに急登が堪える。
また、先ほどの河原歩きがしっかりと体内の水分を奪ってくれていたらしく、相当につらい登りとなったが、何とか15時前には宿泊予定地の岩屋に到着。
どうやら本日の宿泊者は我々しかいない模様。心配していた水も岩屋の奥から豊富にしみだしており、まさにテン泊好地。そそくさとツエルトを張って初日の疲れを癒す。

本日の泊地。なんと独り占め!
一部の看板はすでに木に食べられ始めていました
心配しましたが、岩屋の奥からは滾々と水が湧き出していました。
岩屋ではかわいい来訪者(ナントつがい)も!!
今回は軽量化のためツエルト泊。屋根のおかげて超快適。

どうやら明日は午後から天気は崩れ、未明からは結構な雪が降る可能性もあるらしい。
行程は伸びるが鋸岳通過後の中の沢乗越から熊穴沢を経て出発地に戻るプランに変更した。

DAY2(28日)
2時起床、4時行動開始。
ヘッデンを頼りに急登のザレ場?ガレ場?を詰める。きわめて登りづらく、体力消費が著しい。途中、左岸側に草付きが出始めるとその中を縫う道を発見。その後は比較的快適に高度を稼ぐことができた。(なお、道中にて快適なテン場を数か所確認。水さえ確保できれば良い場所と思われる。)

<第1高点>
角兵衛のコルに至ると、北側斜面はびっしりと雪。登るルートも凍結していることからアイゼンに装備を変更。
特に難しいところはないが、慎重に足を運んで第1高点に到達。2年前の春合宿で断念したピークにやっと立つことができた。

第一高点。なぜこんな体側が攣りそうなポーズになったかは謎。

<第3高点>
第1高点からは小ギャップとよばれる鎖場をクライムダウンする必要があるが、結構な急傾斜(若干ハングしている?)と手袋でおぼつかない手元を鑑みて約10mの懸垂下降。
その後、鎖のついた壁を登り返し、すっぱりと切れ落ちたナイフリッジをトラバースして鹿窓に到着。

夏場は鹿窓をくぐって第2高点を目指すのだそうだが、せっかくなので鹿窓の右をよじ登ってから第3高点を目指す。(第1と第2の間が第3高点。きっと高さの順なのだろう。)
ロープを出すほどではありませんでしたが、クライミング要素という点ではこの辺りが今回の山行で最も手ごたえのある部分だったように思います。
この部分を過ぎればあっという間に第3高点。そそくさと第2高点に向かうべく大ギャップを目指します。

<第2高点>
第3高点から少し下ると、枯れた灌木に多数のスリングが掛かっているのが見える。どうやら大ギャップの懸垂下降点のようだ。
枯れ木はすこし信用できないな・・と近づきながら見回すと、まだ生きている木にも捨てビナを擁した丈夫なスリングを発見。こちらを利用させていただいてA木が懸垂下降開始。
途中どうも谷底にはロープが届かないことが発覚。
少し登り返してテラスにあった立派な木でピッチを切る。
2番目にT橋さんが降りてくる途中、キャア!とかわいい悲鳴が聞こえるや否や、ドスン!!!と全くかわいくないサイズの大岩が私の目の前に落ちてきた。

ひえぇぇぇ・・
「フォールラインには入るな。」先輩に教わっていたことの理由を本当の意味で理解することができた。
気を取り直して2ピッチ目。若干トラバース気味に途中のバンドを降りつつ大ギャップの谷底に着地。
第2高点を目指して狭いルンゼを100mほど下る。
降った先からは左側の尾根を登り返して第2高点に。
最後のハイマツとシャクナゲの藪漕ぎは結構こたえた。

大ギャップ下降点から急傾斜の狭いルンゼを降る。足元ガレガレ、壁は触ると剥がれる。いやらしさ満点。
(写真では登っているように見えますが、下っています)
第2高点。南アルプスの山々が美しい。(画面外ですが)中央アルプスや八ヶ岳の峰々も見渡せる、素晴らしい眺望でした。

第2高点を過ぎると、ガイド本などでは特に難しいポイントはないとの記載が多い。
油断した我々を待ち構えていたのは・・・長い長~~い下りだ。

第2高点からの下りルート。おそろしくガレガレだ。
T橋さんが写っているので探してみましょう(レベル1)
嘘みたいだろ。登山道だぜ・・これで。
信じられないくらい悪いガレ道(というか道はない)が続く。この時点で1/5程度。
なお、右端の氷瀑はまだ碧い。冬季に登攀記録がありそうなので後で調べてみたい。
ちなみに、こちらもT橋さんが写っているので探してみましょう(レベルMAX)

ログをみると中ノ川乗越から熊穴沢渡渉点まで3時間強。
中の川乗越までガレガレ、熊穴沢はもっとガレガレ・・の急斜面を注意しながらの下りは二度と来たくないと思わせられるほど体力を削りました。

河原に出てから降り出した雨は思ったよりも強く、疲れた体を「冷え」でさらに追い込みます。長い河原歩きの末にようやくスタート地点に戻ったのは19時過ぎ。
ぎりぎり間に合った仙流荘の風呂で冷え切った体を解凍して帰路につきました。(スタッフさんのやさしい気づかいがまたホッコリ)

今回の山行のシメは昭和の喫茶店スタイルの「シャトレ」さんへ。
こちらでローメンとかつ丼、ジンギスカン定食と、なぜか2名なのに数が合わない、ストロングスタイルな食事をあっさりと制し、我々の春合宿は終了となりました。(山でもストロングになりたいです。。)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0108-1024x768.jpeg

2日目の行動時間15時間は結構疲れましたが、入会以来培った技術をフル動員できた、合宿らしい充実した山行となりました。
ご一緒した同期T橋さん、連絡先を引き受けてくださったY下さん、どうもありがとうございました!!(記録:A木)

🪨古賀志山 岩トレ🪨

日程 2025年4月20日(日曜日)
メンバー I澤さん、S方さん、Y代さん、A木(L/記録)

今年度の課題は全員のクライミング力の向上だ!
ということで、毎月開催することとなった外岩トレーニング。
記念すべき1回目はみなさん大好き?古賀志山となりました。

天候が心配される中ではありましたが、なんとか日中は雨とはならなさそう。
なぜかいつもより車の少ない東北道をスイスイ北上して登山口駐車場に7:30ごろ到着。ここも車が少ない。

駐車場から岩場に向かう。だれもいない・・

ちゃっちゃと移動して到着した不動滝にはまだ誰もいない。どうやら本日の一番乗りだ。早速予定していたルート(クウ)にTRをかけて練習開始。その後、着々と以下のルートをこなす。

岩場では桃の花が満開。まだ誰もいないので、のんびりと取付く

>不動滝左
クウ
沙羅ちゃん
粉屋の娘さん

今回の特筆はI澤さんの成長ぶり!前回全く歯が立たなかった「粉屋の娘さん」もしっかりトップアウトでき、ここしばらくの練習の成果が現れているようでした。

粉屋さんに入店中。(I澤さんが見事に核心部の一手をこなした写真は残念ながらありまへん)

その後、昼食休憩を挟んで
>不動滝右
5.5ルート
新人クラック
猫またぎ part 1

新人クラックでは全員見事にトップアウト!さすがの経験者Y代さんの安定ぶりと、外岩2回目と言いつつセンス&ガッツあるS方さんの登りぶりが印象的でした。
最後の猫またぎは全員繰り返しトライしましたが、初手からの数手が辛くみなさん結構な苦戦。

5.5ではリード練習にもトライ。
もはや新人ではないI澤氏(新人クラック登攀中)
山桜とI澤さん。猫またぎで試行錯誤。
ネコマタギとY代さん
おつかれ山でした!

あーでもない、こーでもないとトライしていると、あっという間に15時。
今日の練習はここまで、猫またぎは次回の課題に残して撤収・下山となりました。
往路は少なかった東北道の交通量もこの時間はそれなりに増え、いつも通りに渋滞。ドライバーのI澤さんはじめ皆さんお疲れ様でした。

広河原沢 クリスマスルンゼ

日程 2025年1月18日
メンバー I村(L)、A木(記録)

いよいよシーズン真っ盛り、ということでSNSはじめ方々で「バッチリ氷結!」と噂のクリスマスルンゼに行ってきました。

登山口の舟山十字路についたのは6:30ごろ。
さすがシーズンということもあってすでに駐車場はほぼ満杯。それでもなんとかスペースを見つけて駐車完了。

アプローチは約1時間半。途中、アックスを忘れたーと悲しむパーティと会話しつつ目的地に到着。

すでに3組ほどが取り付いており満員御礼の予感。楽しそうに動画を撮影している外国人パーティーに声をかけてそのすぐ左側から登攀開始。久しぶりにリードさせていただきましたが、やっぱり怖い。そして氷が硬い!スクリューを必要以上に消費してテラスに上がる。

上段はI村さんがリード。スムースな登攀はさすがです。

その後はTRで上段をひたすらトライ。少しは慣れてきたなーと思ったら、アックスを打ち込んだ際に飛んできた氷で上唇付近を強打。血は出るは腫れるはでアイスクライミングの醍醐味を堪能?しました。

そうこうするうちにあっという間に14時過ぎ。飯も忘れて登っていたことに気づく。
そそくさと下山してハラヘリ2名組はいつものハルピンラーメンを食して帰路につきました。(唇キレてるのに辛いのを食べて悶絶)

以上ご報告でした。
晴天の中、思い切りアイスの練習ができて大変良い山行になりました!まだまだシーズンは続くので、1本でも多く登って上達したいなと改めて感じました。ご一緒いただいたI村さん、ありがとうございました。

※2名で楽しみすぎて写真は帰り際に証拠写真的に撮った1枚だけです。スミマセン。

谷川岳 雪上訓練

日程 2024年12月21日~22日
場所 谷川岳 天神平
メンバー
 泊組  Y下(SL)、N山(SL)、I村(SL)、U田、I澤、H島、A木(記録)
 日帰り Y内、N村(L)、S方

今年も雪のシーズンがやってきました。
とはいえど、雪は少なく。富士山にしようかという計画もありましたが、直前の天気予報でまとまった降雪が期待できる谷川岳天神平付近で今年も雪訓練です。

<DAY1>
初日は日帰り組も含めて基礎的な歩行とロープワーク、支点確保を行いました。

当日の訓練メニューは以下のとおり
・用具確認(アイゼン、ワカン)
・歩行訓練(ダイヤモンド歩行、アイゼン、ワカン)
・ラッセル訓練
・滑落停止
・ロープを使用した基本的な確保(腰がらみ、肩がらみ、スタンディングアックス)
・支点構築(スノーバーの特性と使用方法)

結構盛り沢山でしたので、きがつけばもう夕方。宿泊組はそのままスキー場沿いから尾根を上がって、適地に幕営。

2組に分かれてテントを構築。そこでトラブル発生。
あれ?うちのテントにバーナーない??
装備の振分けの際にどうやら麓に置いてきてしまった様子。
訓練なので笑い話で済みましたが、装備の確認はしっかりとやりましょう、ということで今回の反省点でした。

とはいえ予定通り?1つのテントで合同宴会。
風を伴った雪はどんどんと降り続く。明日はどうなるか・・・といいつつ持参した酒はすべて飲み切りました。

<DAY2>
朝。積もった雪でテントが狭い・・。
外に出てみると結構な降雪で、どうやら一晩で40~50センチは積もった様子。
さらに風も雪もまだまだやむ気配はない。
今日はピークまで行こうという話もあったが、ロープウェイが止まらないうちに下山することに決定。
当日の行動食を朝食とし、そそくさと撤収。
下山はルーファイとラッセル練習のため若手メンバーが先頭を担当。たまに転ぶところもありましたが、よい訓練になった様子でした。

下ること少々。あっというまにロープウェイ駅に到着。
運休が心配される天候でしたが、係員の方によれば朝は運行してくれそうな様子で一安心。

始発までしばらく時間があったので、ビーコン訓練を行いました。
ビーコン探索練習では、H島さんが雪上を楽しそうに走り回る姿が印象的でした。
若いって、ほんとうに素晴らしいですね・・

適度にビーコンになれたところで練習終了。
始発のロープウェイに全員で乗り込みます。
風の影響で低速運転&停止を繰り返しつつ、いつもの倍程度の時間をかけてロープウェイは無事にベースプラザに到着。訓練終了となりました。
以上、雪訓練の報告でした。

子持山獅子岩右ルート

日程  2024年11月30日
メンバー I村さん(L)、A木(SL/記録)

天気も良いし、マルチにでも行きますか!
ということで、近い&南向きの獅子岩に行ってきました。
前回登ったのはちょうど2年前、左右あるうちの左ルート。もはやすごい昔のような気もします。
すこしは成長できたのだろうか。

細い山道を進んで駐車場へ向かう途中、なにやら車を止めるように指示する男性が1名。
「今日はどこいくの?このルート知ってる?」
そう言いながらおもむろに地形図を示してくる。どうやらハイカー向けにお勧めルートを教えてくれる親切な方のようだ。
「いやーすみません、我々、獅子岩なんですよ」と申し訳なく伝えると
「あーー、クライミングね!
 じゃあこっちのルートをオススメ!獅子岩をバッチリ見ながらアプローチできるよ!」
と満面の笑みで地形図に赤く線を付けたルートを勧めてくる。
どうやら通常の沢沿いに詰めるルートではなく、途中から尾根筋を辿るルートが良いのだそう。

そんなやり取りのあと、装備を整えて出発。
例の男性が示してくれた分岐あたりに差し掛かると・・確かに尾根に向かう明瞭な踏み跡がある。
これ、変な道に誘い込む罠だったり・・と心配しつつも、素直にそのルートを辿ってみることとした。

行ってみたら、お勧めどおり。なかなかの獅子岩ビューぶり。
すでに岩には数パーティーが左ルートに取付いている模様も見える。「結構混んでるから、やっぱり右ルートで正解でしたね・・」などと話しながら取付きに至る。

尾根上の展望スポットから。立派な獅子ぶりですな

今回は奇数ピッチをI村さん、偶数をA木が担当。
やはり初見ということもあって、お互いそれなりに苦労する場面がありましたが、何とか完登。
最終のおまけピッチは通常のルートの右側、フェイスに走ったクラックを利用するルートにトライ。前回来たときは「こんなとこ無理!」と思っていましたが、何とかリードでクリア。
ちょびっとだけ2年間の成長を感じることができました。

たしか4ピッチ目。この後、スタンスのないトラバースがこのピッチのアクセントになっている

下山後は・・・
全国のモツ煮ファンにとっての聖地巡礼。
群馬のソウルフード「永井食堂」でモツ煮定食を満喫。
小ライスのとんでもないボリュームに驚きつつもバッチリ完食してきました。

聖地巡礼する信者の列。もちろん我々もこの後に続きます。(ちなみに肝心のモツ煮定食の写真は撮り忘れました。) #モツ煮は飲み物

以上、初冬のクライミングレポートでした。I村リーダー、ありがとうございました!!
=おわり=

二子山 スーパーたこやん

日程 2024年11月10日
メンバー T橋(L)、Y内、I村、Y代、A木(記録)

渓稜祭2日目の朝。我々はすっかり寝坊した。
昨晩のお酒とニンニクの香りを纏った我々を載せ、Y内号が登山口に到着したのは午前10時。
途中の通行止め迂回もあってすでに2時間遅れだ。

(大幅に出遅れているが)キャンプ場で火器の点検にいそしむ一行。

登山口から又峠を通過して東岳方面へ。
途中の弓状エリアを登るツヨツヨなクライマー様を眺めながら「あっちじゃない?いや、こっちじゃない?」と若干迷いつつ、スーパーたこやんの取付きに到着。
ラッキーなことに他にパーティーはいない。先行からの落石リスクも後続から追われることもない。遅くなったことが幸いしたのかもしれない。

本日は1組目が(I村さん、Y代さん)、2組目が(T橋さん、Y内さん、A木)の組み合わせ。
かなり悪い足場に苦戦しながらも準備完了。登攀開始。

>1ピッチ目 26m、5.8(リード:Y代さん、A木)
簡単なフェースを登ってあっさりと終了点の「ひだまりテラス」に到着。名前の通りポカポカと気持ち良いのは数分。その後は猛烈な日差しで干物状態に。

>2ピッチ目 20m、5.8(リード:I村さん、Y内さん)
クラックも利用しながら広めのフェースを登る。ここから浮石が目立ち出して要注意。え?これが浮いてる?というようなサイズのモノもあり、慎重を要する。

>3ピッチ目 (徒歩)
ここは単純歩きルート。ロープを束ねて20mほど前進。ちょうど先行PのY代さんが離陸。

>4ピッチ目 32m、5.7(リード:Y代さん、T橋さん)
ここも簡単そうに見えて浮石だらけ。
しかも最近剥がれたであろうフレッシュな岩肌がところどころでムキ出しに。かなり気を遣いながら登る。

とはいえ、先行パーティのリード(Y代さん)、ずいぶんと時間がかかる。
あまりに時間がかかるので、ダイジョーブですか?と下からビレイヤーのI村さんが声を張る。何度声をかけてもかすかに声が聞こえるような、聞こえないような・・。

しばらくすると「虫になってまーす!」と返ってきた。
ほっと安心すると同時に、I村さんが「蝉のことでしょうね」と静かに突っ込む姿が印象的だった。

※後から聞くと、どうやらY代さんはすこし行き過ぎて5P目核心部に突入、ちょっと苦労されていたとのことでした。

>5ピッチ目 25m、5.10a(リード:I村さん、A木)
いよいよ最終ピッチ、このルートの核心部。
出だしのフェイスとその後のハングを乗り越すところが少し難しい。
そこさえ乗り越せばあとは簡単パート。
二子山東岳ピークに飛び出したら装備解除。
その後は元気よく急斜面を下って又峠に。無事下山となりました。

最後の岩峰をクリア。ここまでくれば、こんな感じになる余裕もある。
後続3人組。
下山の図。切り立った稜線は登攀より怖いかも。

以上、秋の気持ち良いクライミングのご報告でした。
企画のT橋さんはじめ、今回も皆さんありがとうございました!

錫杖岳 前衛壁 左方カンテ/注文の多い料理店

日程 2024年10月13日~14日
メンバー I村さん(L)、A木(SL/記録)

暑い、とにかく暑い。
10月も半ばにかかわらず、汗だくになりながら新穂高温泉から幕営予定地に向けて尾根を上がる。地球はどうなってしまってるんだろうか。
環境問題にも思いを馳せながら、私は大変なことに気づいた。
「I村さん、大変です。ビール持ってくるの忘れました!!焼酎しかないです(涙)」

I村さんはいつもの落ち着きでこう言ってくれました。
「大丈夫。私が500ML持ってきたから、分けましょう。乾杯するには十分です」
ほんとうにやさしい人だ。感謝しかない。ひょっとしたら神様なのかもしれないとすら思える。

幕営予定地の錫杖沢出合いまでは急登が続く。
さすがのI村さんも長袖のままでは暑いようで、途中、ザックから取り出した半袖のシャツに着替える。

「あれ?濡れてる・・え?まさか?・・クンクン・・・やべ、、」

I村さんのザックから黒ラベル(500ML缶)が出てくる。見事なピンホールだ。
期待のビールはその半分以上をI村さんのザック内で放出していた。

半泣きになりながら残りのビールを二人で飲み干す。(これはこれで美味しかったです)
今夜の乾杯は焼酎の沢水割に決定した(涙)

幕営地の錫杖沢出合いは、3連休ということもあって満員御礼。
トゲトゲの木に囲まれた比較的平らな場所を確保、荷物をデポして左方カンテに向かう。

=Day1:錫杖岳前衛壁 左方カンテ=

1P目の取付き。いよいよ楽しいナチュプロの世界だ。

取付きにたどり着くと、ちょうど前の3名パーティーが離陸したところだった。
そそくさと準備を進める。
どうやら奇数ピッチが面白いらしい。I村さんのおすすめで私が奇数ピッチのリードを担当することに。

1P Ⅲ 40m(A木)
顕著な草付きの凹角を登る。ここはサクッと。
2P Ⅳ 40m(I村さん)
ガリーの中を詰めてサクッとピナクルに到着。
3P Ⅴ+ 40m(A木)
ピナクルを詰めてフェイスに上がる。そのまま小さなクラックを頼って直上するか、ハーケンのある右に出るかで迷うが、結局クラックをレイバック気味に直上。
クラックを詰めた後は結局右にトラバースするのだが、ややランナウト気味になるので少しいやらしかった。
後で聞いたところ、迷ったポイントでは右に出るのが正規ルートと聞いた。
先行Pに追いついたので、終了点の少し手前でピッチを切る。
4P Ⅳ 25m(I村さん)
湿ったチムニーを詰めて大木テラスに。さらっと登る。
5P Ⅴ 40m(A木)
I村さんの助言。
「正面のクラックを詰めるもよし、フェースを詰めるもよし。好きに行くがよい」とのこと。
クラックを登り始めたが、先行Pが途中の立ち木でピッチを切っていた。お先にどうぞ、とのことで、彼らを避けるため左のフェースに移る。ところどころにあるポケットからカムで支点を取りながら進んで、立派な立ち木でピッチを切った。
6P Ⅱ 10m(I村)
やさしいながらも脆い岩場。先行Pとともに大テラスに出る。
7P Ⅴ+ 40m(A木)
どうやらここがルートの核心部らしい。出だしの1手がちょっと難しい。
ハンガーボルトにプリクリップして挑む。むむ・・I村さんの誘導で、リーチぎりぎりながらもガバ発見。ここを越えれば、あとは楽しく・・と思ったが、終了点直下のスラブを乗り越すのがかなりいやらしかった。無事自分のパートは終了!
終了点のテラスでセカンドのI村さんをビレイしながら、先行Pと会話。どうやら京都からお越しとのこと。諸事情により京都→富山→錫杖と、3連休は大冒険されたようで、楽しくお話させていただきました。
8P Ⅳ+ 50m(I村)
このピッチ、脆いスラブなので省略されることが多いらしい。先行Pは登らずに懸垂で降りることにするとのこと。ビレイしながら我々もそうしようかなと思っていたところ、上から男女ペアが懸垂で降りてきた(彼らも京都から来たらしい)。仮に我々もここで終了とすると3番手になりそうだ。京都ペアの勧めもあって、I村さんが登攀を決意。
はがれそうな細かなホールド、支点は少ない。いやらしさ満点だ。
それでも京都女性の声援を受けながら、グイグイと高度を上げてロープいっぱいまで伸ばしてビレイ解除の声がかかる。
フォローで登った先には開けた空間が。前衛壁のピークを確認した後は、懸垂下降。明日登る予定の「注文の多い料理店」をチラ見しながら北沢に降りて登攀終了。

これが核心ピッチ7Pの取付き。若干ボルダー的なムーブで面白い。

ヘッデンでテン場まで下って、再度適地を探索。あいかわらずI村さんのテン場サーチ能力は素晴らしく、ちょうどよい場所を確保。
焼酎の沢水割でいい感じになりながら明日の予定を確認。連休最終日で高速道路が渋滞するうえ、できれば私が車検に車を持っていきたいという事もあって、4時起床&日の出とともに登攀開始という予定で就寝した。

=Day2:注文の多い料理店=
目が覚める。周りが明るい気がする・・・時計はすでに6時だ。
寝不足のオッサン二人の無理な計画は早くも破綻した。
急いで身支度を整え、アプローチを急ぐ。もう汗だくだ。

こちらが注文の多い料理店。名店の料理は辛めでした。

取付きに到着すると、ちょうど先行3人組が1P目に取り掛かっていた。
「遅いので、1P目の終了点で抜いてください」
とのことで、急いで身支度を整える。
今日はどうやら3P目が核心らしい。志願して私が奇数ピッチを担当させていただいた。

1P Ⅳ  30m(A木)
草付きのフェースを登る。日陰でうすら寒い。取付く時間が早ければ、相当寒かったかもしれないな・・と寝坊を正当化する。大きな草付きテラスのペツルで終了点を切る。
2P 5.8  20m(I村)
草付きテラスから左ナナメ上に伸びるクラックを登る。途中から右のフェースを登るのだが、すこし行き過ぎながらも危なげなく終了点に到達。
3P 5.9  25m(A木)
出だしのハングを越えるところが超絶シビレる。
精神安定剤がわりに大き目のカムを必要以上に打ちながら(途中の残置カムで、ついA0しちゃいました。。)何とか乗り越えた。
ほっとしたのもつかの間、初見ということもあってその後のクラックもまあまあ難しい。
せっかく持ってきたのだからとカムを多めに消費。なんとか終了点にたどり着く。

いつもよりも慎重にセカンドで登ってきたI村さんと時計をみる。
もう結構よい時間だ。核心ピッチも終わったことだし、ここで本日は終了。懸垂で北沢に戻って下山することとなった。

岩場からの下山途中、錫杖岩舎を見学。かなり快適そうだ。住人の方と少しお話。
どうやら岩舎の確保のために連休前から入山、アプローチの刈払いなどもしてくださっていたとのこと。本当にありがたいことだ。
さらにありがたいことに、刈払いの途中でGETしたというマイタケをおすそ分けいただく。
(マイタケは炊き込みご飯で美味しくいただきました。感謝)

岩舎からの眺め。マウンテンビューの最高の宿です。

その後はテン場を撤収して下山。帰路につきました。
結局渋滞はしたのですが、おかげさまで車検の入庫にはギリギリ間に合い、すべて順調に終了することができました。
I村さん、今回もありがとうございます。
また来年、注文の多い料理店に行きましょう!!



白毛門沢右俣(会員山行)

日時 2024年7月28日(日)日帰り
メンバー Y内(L)、U田(SL)、T橋、I村、S方、A木(記録)

谷川岳を西黒尾根から登るとき、振り返ると立派な白毛門が見える。かっこいいその山容の中でひときわ目を引くのが大きな滝の存在だ。名前を聞いて驚く。ハナゲの滝である。

ネットで調べると所説あるようだが、白毛門の由来となった山中の岩峰「ジジ岩、ババ岩」(どうやら見る人/場所によっては人の顔に見えるらしい)の鼻あたりから染み出した水が伝って、鼻毛?のように流れる滝であることから、そのような名前が付いたらしいとのこと。

なるほど、なるほど。とくにヒネりはない・・いや、鼻毛長すぎやろ!とツッコミたくなるところだが、あくまでもネットで調べた一説という事でお許しください。

今回はその鼻汁の源流を遡り、山頂に至るルート「白毛門沢」に新人さん含む6名で行ってきました。

7:00 白毛門登山口駐車場
天気予報では16時頃から雨とのこと。すでにどんよりと雲は厚い・・どころか時折パラパラと雨粒を感じる。

そんな天気のもとチャッチャと身支度を整える。
途中、越谷から避暑に来たという陽気なオッチャンに絡まれたり、駐車場奥の林からクマのような唸り声を聞き、若干ビビりながらも入渓点に向かう。

7:30 早速ハナゲの滝に到着。遠くから眺めた印象と違い、結構寝ている。
水流左側をさらりと登り、落ち口付近で右側にトラバースして越えた。

うわさの「ハナゲの滝」

その後、よきスライダー地形を発見。夏だもの、ということでさっそくTさんはじめ数名がスライディング。

その後、いくつかの滝を越える。

しばらく進むと、大きな滝が。
タラタラのセンだ。さすがにこの人数と時間を考えると登攀は控えて右岸を高巻きました。水流左側から登れそうに見えたので、そのうちどなたかお付き合いください。

たぶんこれだったと思います。タラタラノセン・・写真違うかも?

その後、名物三平岩(I村さんが似ているとおっしゃっていました)を眺めて最後の詰めへ。

林家三平に似ているとのうわさ。一部メンバーは寛平と聞き間違えていたそうです。
かいーの。


その後は源頭部への詰め。

長いナメ地帯を過ぎると
雨でぬれたスラブ地帯に。
キスゲが咲き乱れており、天国のようでした
ラストは草付きの斜面を詰めて(先頭は終始SLのU田さんでした)
山頂にて(一部画像を加工してあります)

白毛門ピークで写真撮影した後は、長い下山路をひたすら降り、16時には登山口駐車場に到着。

その後はいつもの湯テルメで汗を流し、帰路につきました。

以上です。みなさんありがとうございました!!

山岳レスキュー講習会(無雪期)

日程 2024年6月21日(金)~6月23日
場所 富山県立山町 国立登山研修所
主催 日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)
参加 T橋、A木(記録)

豪雨に見舞われた都内から新幹線で2時間。富山は30度を超える快晴だった。
だが登山研修所の門をくぐる私の心は晴れない。
仕事のせいでこの研修の参加に遅れていたからだ。(もちろん事前に連絡済み)

「この講習のコーチは鬼軍曹だらけ、全国から集う講習生はひと癖もふた癖もある猛者ぞろい。心して行くように」
受講が決まった私にN山会長からはそんな助言があった。

それなのに遅れてしまった。一体どんなことになるのだろうか・・・
この額を流れる汗は暑いからだけではない(ハズだ)。

これが国立登山研修所の入り口。空がまぶしい。体育館内は激アツだったそう。

スタッフに誘導され、講習会場である体育館へ。
「オクレマシタ、スミマセン・・」

私の期待は良いほうに裏切られ、講師陣は極めてにこやかに迎え入れてくれました。そして受講生を見渡すと、先着していた当会のT橋さんをはじめ、天覧山でご一緒したM塾の面々がちらほら。10名ほどの受講生の皆さんはとてもフレンドリーな方ばかりで、とても良い雰囲気の会場に一安心でした。

さて今回の講習、2つにクラスが分かれており、私が参加したのは「クラス2(ロッククライミング セルフレスキュー)※」講座でした。
クラス2ではマルチピッチの登攀中にアクシデントが発生、相方をレスキューするための一連の技術を教わりました。
※クラス1はファーストエイドでした

■主な講習メニュー(クラス2)
<基礎編>
ムンターやクローブといった基礎的な結索技術、フリクションヒッチ、フィックスロープの登り返しと懸垂下降、仮固定
<レスキュー>
上記技術を総動員して1/3レイジングシステム、振り分け懸垂

特に、リーダーレスキューとなる振り分け懸垂は、なかなか練習の機会がなく初めての経験。
実際にテンションロープを切断するなど貴重な経験を積むことができました。

振分懸垂セット後にテンションロープを切断するT橋さん
(要救役の方からは画像掲載承諾済み)

上記のように盛りだくさんの内容を含んだ3日間の研修(と夜の宴会)はあっという間に終わりましたが、これからしっかりと復習し、また会の皆さんにもお伝えできる機会を頂戴できれば幸いです。

今後もこうした研修にはできる限り参加して、最新の技術を身に着け、自らのみならず会のレベルアップに貢献できればよいなと感じた3日間でした。

最後に、献身的に指導いただいた講師のみなさんや、一緒に学んでくださった受講生のみなさんには本当に感謝です。またどこかの講習や山でお会いできることを楽しみにしております。

以上、講習会の参加報告でした!

(おまけ)電鉄富山駅にはヘッドマークがずらり。体内の鉄分が沸き立ちます。

※講習会に関する報告UPについては講習会事務局よりご了承いただいております。