二子山 西岳 中央稜

2021年10月24日(日)

メンバー:Oさん、Sさん、KTさん、Yさん、K(記)

マルチピッチ入門ルートとして人気の二子山西岳中央稜へ行ってきました。

※二子山西岳中央稜を横から見て

快晴、風ほとんどなしの絶好のコンディション。美しい青空の下、乾いた岩場を登ってきました。

2組に分かれます。 

●先発組: Yさん、K(私) ●後発組:Oさん、Sさん、KTさん

Yさんに「ツルベで行きますか?」と聞かれて、せっかくの機会なので「ハイ」と答えて、2、4、6の偶数ピッチをチャレンジすることにしました!
7ピッチもある本格的な岩場でのマルチピッチは初めて。しかもリードで行かせてもらえるなんてドキドキです。

※取り付き地点の目安は、この赤いドラム缶

 到着時間10:20。狙い通り、私たちパーティーはこの日最後の到着者。後続パーティーから急かされたりせず、落ち着いて登れます。

<1ピッチめ>  5.6 25m リード=Yさん

 二人でコールを確認して、Yさんスタート。サクサクと軽快に登って行きます。クイックドローの掛け方もスムーズ。Yさんの「登ってください」のコールで私がスタート。中間付近の右手に切り立った岩があり、ちょっと難儀してると「焦らないで良いよー」と後発組からアドバイスが飛んできます。そう、じっくり岩を見なきゃと、横をのぞきこんで、まわりこんで、無事に通過。

1Pめ終了のピナクルテラスに到着すると3Pめで渋滞が発生しているようで、前パーティーもここで待機中。広めのテラスは暖かくて気持ち良いです。向かいのろうそく岩に登るクライマーたちがよく見えます。

※二子山は地元小鹿野市支援のもと平山ユージさんたちがルート開拓をしているとのこと。
上級者ばかりでなく初級者が登れるルートも作ってくれているそうで、期待したいです。
※後発組のリードKTさん。1Pめの支点でセカンド2名を順に引き上げています。

<2ピッチめ>  5.7 25m リード=K

 いよいよ私のリード開始。クイックドローの向きと左右のロープを交互にかけることに気をつけて登ります。3ピンめをかけたところで、テラスに立つ後発組から「黄色ロープを青色ロープの下に入るように架け替えてー」とアドバイスが飛びます。見るとロープが交差していました。

直登後、ややハングした岩に突き当たり、どうしたものかと見上げていると、後発組から「右!右の上にガバあるからそれを取る!」と声がかかる。右手を伸ばす私。「もっと右~」と、また指示が飛ぶ。足の位置をちょい右に上げて思いきってぐっと手を伸ばすと大きいガバがとれて、「それ!よーし!」の声。足を大きく上げて登り切ると「ナイス!」の声。応援ってありがたいなぁ。おかげで初のリードを登り切ることができました。感謝!

3人がやっと立てるくらいの狭く小さいテラスですが、支点は2ヶ所とれるので、前パーティーの隣に支点を構築しました。Yさんを引き上げようとすると、Yさんから「テンションがちゃんとかかるか、ちょっと引いてみてくれる?」とテストコール。「あ、大丈夫みたい」とYさん。怖い思いをしながら、おつきあいしてくださることに感謝です。

Yさんをビレイした後も渋滞で暫く待機。待つ間にYさんから支点構築のアドバイスをいっぱいいただきました。

※後発組のOさん、2Pめ終了間際で余裕の笑顔

<3ピッチめ> 5.8 35m リード=Yさん

 核心といわれるルート。逆Y字のクラックをYさんがレイバックで進みます。その後、しばらくたってから「登ってください」のコール。登れるかなぁ、不安な気持ちでスタートです。

※核心の3Pを登り始めるK

逆Y字クラックをレイバックやらガバをつかんで突破。

しかし、その後の3mほどが問題。手がない!足をかける岩がない!ガン見しつつ石灰岩のザラザラした小さいカチを拾って登っていきました。怖かった~。(下山後に調べたら、ここはカチ拾いではなく逆Y字から続く左手のクラックを利用して登るのが正解だったらしい。私には、大きいクラック=単なる穴としか見えず、右ルートをとっちゃいました💦。ま、登れたからいいけど、石灰岩は脆いらしいので危なかったかも…。次回はワイドクラックルートで登ってみたいです。)

3Pめ終了点の大テラスに到着。広々して見晴らしもよく気持ちいい。ぽかぽかの日差しを浴びて、今日で良かったねぇとYさんとしみじみ幸せをかみしめあいます。おにぎりいただき、長めの休憩。

※1Pめ終了後は、後ろを振り向けばいつでもこんな絶景が見られます。紅葉が始まっていますね。

<4ピッチめ> 5.6 25m リード=K

 後発組の大テラス到着を待って出発(後発組は、大テラスで超のんびり。ろうそく岩を登るクライマーを見て大いに楽しまれたそうです。余裕〜!)

「好きなルートで登っていいですよ」とYさん。なだらかな右側の階段っぽいルートを行くことにしました。1ピンめはロープの流れをよくするために、長いスリングでとるようYさんから指示があり、60cmのスリングでセットしました。

2ピンかけて直上後、広めのテラスに到着。1ヶ所しかない支点構築の場所は、前パーテイーが使用中でした。自然のもので支点が構築できないかといくつかの岩にスリングをかけてみますが、支点を作れそうな岩も木もなく断念。前パーティーの出発後に支点を構築し、Yさんを引き上げて、無事終了。

<5ピッチめ> 5.7 25m リード=Yさん

 Yさんの「登ってください」コールを待って、右から左へとほぼ横に直進。左端に縦に走るクラックがあり、その手前にハングした岩が頭上に。かがんでその下を通るのですが、体勢がうまく整えられず、怖くなって初めてヌンチャクにA0。だいぶ疲れがきてることを実感。直上し、無事にYさんのいるテラスに到着。「怖いときはA0してOKですよ」とYさん。ほっ。

※5P目のK。グレイの岩は固くて登りやすい。

<6ピッチめ> 5.6 30m リード=K

私が担当する最後のリード。左端から登り始めます。ほぼ直上して2ピンかけ、右手斜め方向のクラックを進み、3ピンめをとったところで斜度がゆるくなり、ひと安心。

突き当たりは開けた空間で、ふと下を見ると、前パーティーのセカンドの方がおり、ちょっとおしゃべり。彼らは、最初に右手に進むルートをとって登ってきたそうですが、やや難しかったとのこと。良かった、そっち行かなくて。

Uターンして左手に進み、テラスにあがって支点を構築。Yさんをビレイして無事に今日の全リードパートを終えました。

<7ピッチめ> 15m リード=Yさん

最終ピッチはとても短く、安心して登れました。
後発組も登ってきました。みんな一同に笑顔。

全員で西岳山頂手前まで行き、今、登ってきた中央稜をバックに記念写真。

※撮影者K

一般道を股峠まで下山して、本日のクライミングは無事終了。

簡単と言われる4ピッチめ以降もピッチ毎に難しい箇所があり、終始、手応えのあるクライミングでした。

憧れのルートでリードができて、すごく嬉しかったです。充実感いっぱい。諸先輩方の声援・アドバイスのおかげです。ありがとうございました。