白根三山縦走(会員山行)

メンバー:N山、I澤(L/記)
日程:2024年9月14日(土)-16日(月)
1日目:5:30奈良田(バス乗車)-6:30広河原-8:25白根御池小屋-11:10肩ノ小屋
2日目:5:05肩ノ小屋-5:35北岳-7:10中白根山-8:00間ノ岳-9:45西農鳥岳-10:15農鳥岳-10:55大門沢下降点-13:00大門沢小屋
3日目:5:00大門沢小屋-第一7:30発電所バス停(バス乗車)-7:50奈良田

今回はN山さんに南アルプスは白根三山に連れて行って頂きました。私Ⅰ澤は初・南アルプス。前日まで、槍ヶ岳西稜の岩登りを計画していましたが、雨予報で中止。急遽、N山さんにご提案頂き、白根三山になりました。直前の変更となりご迷惑をお掛けしました。
ご提案・ご計画頂いたN山さん、緊急連絡先をお引受け頂いたK村さん、ありがとうございました!

【1日目】晴れのち曇り
奈良田駐車場は大変混み合うだろうとの見立てから、前日夜に出発し、日付の変わった1時頃に到着。バスの時間まで仮眠を取りました。(N山さん、深夜の運転、本当にありがとうございました。)
朝一番5:30のバスに乗車し、広河原へ。コロナ対策なのか、バスの窓が全開で、冷たい風が吹き込んできて凍えそうになりながら、約1時間バスに揺られました。ブルブル

既に長い列ができていた。始発のバスは5台はあったか。

広河原に着いた頃には、既に明るくなっていました。谷筋の最奥には北岳頂上が見えています。
野呂川に架かる広河原橋を渡って、登山道に入り、谷筋に沿ってゆったりと歩いていきます。早朝の澄んだ空気が気持ち良い。
途中から谷筋を離れ、徐々に斜度が上がってきて、いい感じの登りになります。天気は晴れ。気温が上がって汗ばむ。
白根御池小屋に着く頃には、日影に人が集まる暑さに。白根御池小屋までは樹林帯なので、木陰の中を歩くことができます。

広河原橋
白根御池と北岳

白根御池小屋からは、北岳の稜線に上がる急登となります。序盤は特に斜度がきつく、ガレザレしていて、落石に気を使いました。九十九折の登りです。白根御池小屋より上は、樹木が減り、背丈が低くなるので、木陰はありません。アツイ
稜線に上がると、山々が一望できます。私が当会に入会させて頂いてから連れて行って頂いた仙丈ケ岳、鳳凰三山が見えて、とても嬉しくなりました。

甲斐駒ヶ岳と、遠くに八ヶ岳が見える。
仙丈ケ岳
北岳へ続く稜線
紅葉が始まっていた。

稜線に出てからは、肩ノ小屋まですぐです。雄大な稜線を歩いて行きます。
張り切りすぎたのか、予定より早いお昼前に肩ノ小屋に到着。急いでテントを設営して、初日は贅沢に生ビールで乾杯!寝不足もあり、昼寝をしたりして、時間を過ごしました~。
小屋の水は有料(200円/L)だったので、ケチって往復30分かかる水場へ行きましたが、水はチョロチョロしか流れておらず、先客がいたこともあり、5L汲むのに30分近くかかっただろうか…
それにしてもすごい人で、夕方にはテント場は一杯になりました。若者が多い印象。
午後になると、次第に谷からガスが上がってきて、気温が下がってきました。夜なると雨が降り始めました。予報通り、下り坂。

到着した頃は日も照っていて暑かった。テント左上の換気口からテント内部に雨が滴り落ちてきた。構造の問題なのでしょうか。
手書きのイラストが良い。N山さんと私は違うデザインだったので、一点物ということになるのか。

【2日目】強雨のち、晴れ・曇り・小雨と不安定
2:30に起床して準備を始めましたが、時間が経つにつれ雨脚が強くなっていきました。風もある。
天気予報では明け方にかけて雨が強く降り、その後、雨が弱まり、曇りとなる予報でした。2日目は肩ノ小屋→大門沢小屋で行動時間9時間半を予定していたので、出発を遅らせたとしても7時。それまでに雨脚が弱まらなければ、下山か。リーダーとして判断する必要がありました…
電波は届いていたのでスマホで天気予報を何度も確認しましたが、決めきれない…。「可能であれば行きたい。しかし、いつ風雨が弱まるのかわからない。無理はできない。」と葛藤。リーダーとしてまるで不十分でした。
N山さんから「出発を遅らせる場合は、大門沢小屋までいかず、農鳥小屋までとする案もあるが、農鳥小屋のテン場は稜線上にあって、悪天時は良くない。だから、行くなら大門沢小屋までいきたい。」とご助言。その時の私は、テン場の立地条件まで考えることはできていませんでした。とても勉強になりました。
そうこうしているうちに、4:30頃になって風雨が落ち着いてきました。私たちは前進することにしました。結局、N山さんにご判断頂いた形です。

出発時、撮影した肩ノ小屋テン場。この時、雨は小康状態になっていたが、風は強かった。

5:05肩ノ小屋を出発。岩稜帯を行きます。雨は小康状態ですが、風は強かったです。山の斜面を這うように吹き上がる西風が、バシバシと右半身を叩きます。フードを深くかぶって進みます。
5:35北岳登頂。なんと嬉しいことに、雨は止み、朝焼けまで見ることができました。初めての北岳山頂からの眺めは、贅沢なものでした~。

北岳山頂より。朝焼けと富士山。

中白根山-間ノ岳-西農鳥岳-農鳥岳と続く3,000mを越える稜線は、天空の縦走路と呼ばれるそう。北岳-農鳥岳への縦走路は、基本的に砂礫地と岩稜帯の組み合わせで、歩きやすかったです。雄大な景色を堪能しながら歩きました。
7:10中白根山、8:00間ノ岳と順調に山頂を踏み、農鳥山荘で休憩した後、9:45西農鳥岳、10:15農鳥岳と無事登頂できました。一度に5座も3,000m峰を登頂できるなんて!本当にありがとうございます。

中白根山、間ノ岳へ続く稜線
北岳山荘付近から北岳を振り返る。
北岳山荘
農鳥山荘にあった古いアイゼン。N山さんも持っていたとのこと。
常に西風は強く吹いていました。天候は不安定で、晴れ、ガス、小雨を繰り返していました。
農鳥岳山頂にて
大門沢下降点

農鳥岳を下りて、大門沢下降点に到着。鐘を鳴らして、無事、天空の縦走路を終えたことを山に報告します。大門沢下降点から大門沢小屋へは1,000m以上高度を落としますので、険しい下りが続きます。沢が見えると、やっと傾斜は緩やかになります。雨で岩肌が濡れており、滑らないように注意しました。

見事な房。誰も取らないということは毒キノコ?
大門沢小屋(写真は3日目の早朝に撮影したもの)

2日目も張り切りすぎたのか、予定より1時間以上早い13時頃、大門沢小屋に到着。到着時間からして、このまま下山することもできましたが、今回は「冬山登山でも利用することのある大門沢小屋を一度は利用しておいた方が良いだろう」とのN山さんのお取り計らいで、テン泊することになりました。冬季は避難小屋として開放されているそう(2024年4月20日"白根南嶺(笹山〜広河内岳)会員山行"に記載があります)。勉強になります!
テント設営後は、小屋前のテーブルで乾杯しました。すぐ隣を流れる沢は渓魚釣りで有名だそう。

【3日目】晴れ
3日目は5:00に小屋を出発しました。沢沿いの登山道を歩いていきます。倒木が多く、かわしながら行きます。登山道の整備って本当に大変なんですね。丸太でできた橋を何度か渡りましたが、冒険感があって楽しかったです。その後は、斜面をトラバースする道に変わって、取水口吊り橋に至ります。

取水口吊橋

車止めゲートを通過し、7:30に発電所バス停に到着して時刻表を見ると、数分後にバスが通過する予定になっていた。これはもう運命だ!と、バスに乗車(奈良田駐車場まで5~10分。料金は250円。マイカー規制区間外の為、協力金300円はかからなかった)。バスは満員御礼。皆さん、早いですね~。
7:50頃には奈良田駐車場に到着。女帝の湯は開店前なので、みはらしの丘みたまの湯で入浴しました。高台にある入浴施設で、山々を一望できました。奈良田からは1時間強かかりましたが、行く価値ありです。そのまま、みたまの湯で早めのお昼ご飯も頂きました。馬刺しと鶏もつ煮、おいしかったです!

【振り返り】
私I澤は初めての南アルプス。3,000m峰を5座も登頂出来ましたし、縦走路から見た山々に是非登りたいと、宿題を持ち帰ることができました。
計画段階では、バリエーションルートの勉強として槍ヶ岳西稜を予定しておりましたが、代替案を用意していませんでした。直前に雨予報になったことから、N山さんにお助け頂いた形です。やはり、代替案は用意しておく必要がありますし、用意できるだけの知識・経験を身に着ける必要があります。
また、今回の山行で感じた課題として、リーダーとしての前進・撤退判断があります。2日目の朝、思ったより風雨が強かった為、リーダーとして判断が必要でしたが、結局、決めきれず、N山さんにご判断いただいた形です。これは大きな反省です。自分・メンバーの安全は担保できるのか、天気はどうなるのか、工程を短縮することで出発時間を遅らせられるのか。そして何より、この悪天の中、前進・登頂することで「メンバーに喜んでもらえるのか、達成感を味わってもらえるのか」。
ルーファイ・道選びについても、時折、歩き辛い方を選んで、N山さんに修正して頂くことがありましたので、まだまだです。N山さんにご支援いただきながら、何とか3日間の工程を終えることができました。
まもなく、入会させて頂いてから1年になります。いつまでも連れて行ってもらう立場ではなく、"自立した"会員になるべく活動したいです。
N山さん、今回も様々なご支援・ご指導、本当にありがとうございました!

前川大滝

2024年8月18日(日)
山形県米沢市 吾妻連峰  前川大滝沢登り
メンバー Y内 N村 Y代 S方 4名

朝発(深夜発?)にてY内号にて家庭訪問兼メンバーを積み、
台風5号が東北地方を逸れたとは言え、1日違いの台風を追いながら

一路山形県へ向かう。

~~~おおよそのタイムテーブル~~~~~
7時20分 入渓地点到着
8時20分 入渓
12時30分 前川大滝到着
14時30分 前川大滝上の支流到着
15時30分 登山道到着
16時30分 滑川温泉到着
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

入渓点の駐車場にて5~6台ほど停められる駐車場は既に満車状態、
丁度、他のパーティも着いたばかりで車を入れ替えて頂き無事駐車。

関東地方から来た3名パーティ
北陸地方から来た8名パーティ
出身地未確認の3名パーティと
我々4名で計4パーティを目視確認と軽い挨拶を行う。
総数4パーティ18人となるので今回の遡行は大渋滞の悪寒・・・

橋の上から見た沢は台風の影響からか以前来た時より

5割ほど水流が多い気がする・・・
見た感じ、ほぼ「アカン」感じだがせっかく来たので

行くところまで行く感じになる。

入渓直前、橋を降りた際に3名パーティとすれ違う。

「水流が多いので今回は撤退する」との事。入渓後、

足を持っていかれそうな感じの水流を受け、水流を避けて遡行。
途中、8人パーティに道を譲っていただき遡行継続。
3段15mの滝を直前に控え、更に3名パーティとすれ違う。

「滝を見て今日は撤退する」との事。どんな感じかと思い、

3段15mの滝に到着。はい、「激流滝」で以前見た感じや

他の写真と大きく違い、撤退する気持ちが分かった。

3段15m
普段なら1段登って右岸沿いに行くか、左岸から行けるが

本日は水量サービスタイムらしく横断NG,直登NG、

シャワークライミングNG日和。
無理繰り右壁の泥壁&草付き(実は泥壁大好き)を

大高巻き2ピッチし、トラバース3ピッチ後に

懸垂下降3ピッチで3段15mをクリア。

普段は懸垂下降するような沢ではありません

そして8人パーティは自分が登攀している最中に撤退したとの事。

へつりが無理で釜を結構泳いで突破中

その後、ナメ沢とは言えないやや急流なナメ沢を遡行し、

前川大滝に到着。水量5割UPのサービスタイム前川大滝は正に圧巻。

前川大滝の右壁に高巻き用の登山道を使い大高巻き。
前川大滝上部のトラバースはロープ出しが2か所あり、2か所とも丁寧にロープを出す。
※最初のトラバースでロープを出して、もう1か所ある事を知らずに

危険個所をロープ無しで通過しようとして過去滑落事故する場所ですので

ここは丁寧に危険回避の為、ロープを出す方を推奨します。

分かりにくですがロープを出しての2回目のトラバース、ちなみに左側は絶壁です

時間も押してきてネコノ沢を登攀し分かりにくい登山道に合流。

(3段15mの大高巻きが原因です、すいません)
ここで武装解除し、登山道を下降し途中の展望台で満喫したのち滑川温泉まで到着。

滑川温泉内を通過するのに一人200円必要です。
ここでお風呂と思いつつ、日帰り入浴は16時までとの事でここでの入浴は断念し、「高湯温泉」へ転進する。
高湯温泉はシャワー無し、シャンプー類無しではあるが建物は綺麗で入浴料250円と安く、正に秘湯。
乳白色のお湯は露天形式で温度も丁度よく、また来たいお風呂場でした。

帰りは大きな渋滞もなく東北道を南下し帰宅。

総括
トラバース用にロープは25m×2本はあった方が良い。(今回2本持参して正解)

全遡行は叶わなかったが水量UPの前川大滝と高湯温泉を堪能しここに筆を置きます。

北穂高岳東稜-奥穂高岳縦走(会員山行)

メンバー:N山、I澤(L)
日程:2024年8月17日(土)-19日(月)
1日目:9:00上高地バスターミナル-11:30横尾-14:30涸沢
2日目:4:30涸沢-6:00北穂高岳東稜取付-8:50北穂高岳-10:30涸沢岳-11:50奥穂高岳-13:45涸沢
3日目:4:40涸沢-7:10横尾-10:20上高地バスターミナル

今年は盆休みが取れたので、フルで山行に使おうと意気込んでいた。昨年秋に入会させて頂き、それまでハイキング程度の経験しかなかった私が持ち合わせているのは時間だけだ。
N山さんにご一緒して頂けることにもなった。N山さんのご指導の下、盆休み前半の夏合宿後、3泊4日で北アルプスの読売新道か、南アルプス縦走の計画を立てた。…がお盆が近付けば近付く程、天気予報が優れない。おまけに台風が矢継ぎ早に発生する始末だ。うぅ…ついてない…
3泊4日の山行は厳しそうだということで、またまたN山さんに代替案をご指導頂いた。天気予報が比較的前向きで、2泊3日で行ける北穂高岳東稜-奥穂高岳縦走に決まったのは山行の4日前。いつも本当にありがとうございます。緊急連絡先をお引受け頂いたY下さん、ありがとうございました。
出発日の未明まで台風の影響が残る予報で、直前まで気が抜けなかった。

【1日目】晴れ→曇り時々小雨
9:00上高地バスターミナル-11:30横尾-14:30涸沢
N山さんの運転で沢渡へ。バスターミナル前の駐車場は既に満車で一つ上の駐車場へ。未明まで台風の影響が残っていたが、人々には関係なかったようだ。観光客に混ざってバスに乗り込む。
上高地バスターミナルに到着。相変わらずの賑わいだ。7月1日に六百沢で発生した土石流の被害で小梨平~明神の左岸歩道は通行止めになっており、岳沢湿原側の右岸を迂回した。新村橋の架け替え工事も行われている為、その先も迂回する。(完成は令和9年3月とのこと)

台風一過で日差しが眩しかった。

N山さんのペースに遅れまいとついていき、2時間半で横尾に到着。とばしましたよ~。
本谷橋で休憩して出発する頃から小雨がぱらついてきたが、カッパを着るほどではなかったので良かった。

屛風岩と本谷橋

順調に歩みを進め、涸沢に到着。ヒュッテのテラスではビール片手に笑顔の人々。テントは40張り程か。
初めて涸沢に来たが、写真で見る以上に壮大で感動。カールとそれを囲うようにそびえ立つ稜線。
テント設営をササっと済ませ、ヒュッテのテラスでビールを乾杯。締めはおでんでした。
明日登る北穂高岳東稜を眺め、本日は終了。

ガスの切れ間から時折、北穂高岳東稜が顔を覗かせた。
ナナカマドの実が色づき始めていた。

【2日目】晴れまたは曇り
4:30涸沢-6:00北穂高岳東稜取付-8:50北穂高岳-10:30涸沢岳-11:50奥穂高岳-13:45涸沢

自分がリーダーとしてロープを使ってバリエーションルートを登るのは、これが初(もちろんN山さんの強力なバックアップ付です)。ロープワークや支点構築の実力が問われます。
今まで先輩方に貴重な時間を割いて頂き、訓練山行やジムでご指導頂いたお陰でこの日を迎えることができました。本当にありがとうございます。
3時に起床し4時半出発。既に、南稜にはヘッデンの明かりがいくつか。涸沢小屋の脇を通って、まずは東稜取付に向かう。南稜取付ルートを辿り、途中から右に大きくトラバースする。踏み跡以外は岩が不安定で容易に落石する。"踏み跡"といってもガレた岩の斜面にそれを見出すのは容易ではなかった。N山さんはすぐに踏み跡を見つけていたので、やはり経験不足。

前穂高岳、奥穂高岳が朝日に照らされる。
ガレ場を慎重にトラバースする。
取付付近。ガレザレ場を登る。まるで生まれたての小鹿のようなⅠ澤。落石させないように必死なのだ。

ガレザレした斜面を登ると取付(上図の青点)に到着。取付から岩登りをして東稜に上がる(ザイルは出さなかった)。今回は3ピッチ+懸垂下降1ピッチでザイルを使用。1,2ピッチはⅠ澤、3ピッチ目はN山さんがリードした。登攀中はロープワークと支点構築、セカンドの引き上げと大忙し。まだまだ手際が悪く、時間がかかった。
1ピッチ目取付で先行していた3人パーティーに追いついた。ハイマツに支点を作って登り始める。ピナクルにスリングを掛けて支点を作るが、時間がかかる。どのピナクルが良いか、ロープの流れは悪くならないか、スリングが足りなくなるかも、不安だから掛け直そう、、、
セカンド引き上げのシステムを作るのにも時間がかかる。どこをビレイポイントにするか、どこを支点にしたら引き上げ易いか、、、
もたもたしているうちに先行する3人パーティーに引き離され、後続パーティーにも追いつかれた。焦る、がどうすることもできない。結局、3ピッチ目はN山さんにリードを代わって頂き、スピードアップ。

N山さんとリードを入れ替わる時にも、確保機でN山さん(セカンド)を引き上げていた為、確保機の掛け替えが必要で時間がかかる。N山さんから、ムンターヒッチで引き上げた方がリードとセカンドの入れ替えが円滑とアドバイス。ムンターであればそのまま入れ替われます。沢登り会山行で勉強していたはずですが、岩登りでは引き上げは確保機でやるものだという思い込みがありました。

ビレイポイント(安全地帯)の選択にも、判断ミスがあった。先行パーティーの真似をして同じ場所をビレイポイントにしたのですが、登ってきたN山さんから「ビレイポイントはもう少し先の方が良かった。先行パーティーの真似をするのではなく、自分で考えなくてはいけない。」とご指摘頂きました。ビレイポイントの少し先に危険地帯があり、そこもザイルを使うべきだった。状況判断ができていませんでした。

大岩を懸垂下降したが、その際にも2ミス。
①大岩のテッペンに残置スリングが3本程掛けてあり、そのスリング3本に残置ビナが1枚だけ掛けてある支点があった。私は残置ビナ1枚だけにザイルを通して懸垂下降した。が、その残置ビナが破断したらと考えると恐ろしい。もう一枚カラビナを掛けて2枚で懸垂下降した方が良かったかもしれない(この場合、捨てビナになる)。あるいは、残置スリング3本にザイルを通して、懸垂下降した方が良かったかもしれない。N山さんからご指摘頂きました。
②確保機にザイルを通した後、懸垂下降を開始するために、テッペンの岩を回り込んで空中に身を乗り出そうとした際、バランスを崩してしまった。上記の残置スリングにセルフビレイを取っていたから墜落しなかったが、危ない所だった。注意力不足。

背後の大岩は懸垂下降した。テッペンに残置支点があった。
東稜から槍ヶ岳がきれいに見えていた。格好良い。
北穂高小屋が見える。

北穂高小屋を経由し、北穂高岳登頂。穂高の稜線から滝谷を見下ろす。"鳥も通わぬ"とは言い得て妙。切れ落ちた荒々しい岩壁と尖った稜線がひだのように連なる。「第2・4尾根へは松濤岩のコルからC沢左俣を下降して…C沢は落石が頻発するから気を付けて…」「クラック尾根は何度も登ったな…」「ドームはあそこで、ツルムはあそこで…」とN山さんの解説付き。贅沢です。いつか挑戦できるように、この記録を書きながら滝谷のガイド本とその時の記憶を照らし合わせています。

滝谷側を見下ろす。圧巻。

涸沢岳への登りは所々に鎖やボルトがあってスリリングでした。スッパリ切れ落ちていて、仮にボルトがなければザイルを出さなければ通過できないように思えるセクションもありました。

涸沢岳。ゴーレムのよう。

穂高岳山荘を経由して奥穂高岳へ。ザイテングラートを経由して下山。

奥穂高岳山頂にて記念撮影。

涸沢小屋に到着する頃には頭の中はビール…。小屋で飲むか、ヒュッテで飲むか。我慢は良くない!小屋でジョッキを頼んでゴクゴク。「こりゃ水ですね!」と乾いた体はアルコールそっちのけで水分だけを取り込む。ということで、涸沢小屋では水分補給だけして?、アルコール補給は改めてテン場ですることに(笑)

特設ダイニング。日が出ると暑い。日傘を差すN山さん。

隣の2人組は滝谷ドームに行ってきたとのこと。静かな夜が訪れます。

前穂高岳北尾根
吊尾根

【3日目】晴れ時々曇り
4:40涸沢-7:10横尾-10:20上高地バスターミナル
午後から天気が崩れる予報だったので、早朝に涸沢を出発。N山さんに屏風岩などについて教えて頂きながら下山しました。

屏風岩右岩壁(ルート図はI澤が作成)
屏風岩東壁(ルート図はI澤が作成)
前穂高岳北尾根を東側から望む。
徳澤園。熱中症対策で噴霧器が設けられていた。

帰りは沢渡バスターミナルからすぐの「しもまさ」さんで汗を流して、梓川SAで冷やし葉わさび蕎麦を頂いて帰路につきました。
行きも帰りも終始、N山さんに運転して頂きました。いつもすみません…。テントのお掃除もありがとうございます!

【山行を終えて】
台風の影響で山行日数の短縮を余儀なくされましたが、結果的には、3,000m峰を3座も登頂することができましたし、バリエーションルートのリードをさせて頂き、現状の立ち位置と今後の課題をご指導頂くことができました。ご一緒させて頂いたN山さん、浦渓会員の皆様のご指導のお陰です。本当にありがとうございます。
今回の計画段階を振り返ると、やはり自分の知っている山の少なさから、代替案の立案にとても苦労しました(ほとんどN山さんに計画して頂きました)。将来的にリーダーとして会山行の計画を担えるようになるためには、知っている山を増やす必要があります。
北穂高岳東稜をザイルを使い2ピッチリードさせて頂きましたが、ロープワーク、支点構築、状況判断のどれをとっても未熟。レベルアップするには、経験=山行日数を増やすしかない。
リーダーが担うべきことは、天候判断、代替案の立案、山域の決定、パーティーの安全確保、山行の確実な遂行、撤退判断など多岐にわたりますが、それらを全うする必要がある。
特にバリエーションルートでは、「たぶん大丈夫だろう」という甘い考えを捨て、気を張り詰めて、万が一を想定した正しい選択が必要。普段の生活、仕事からそういう意識でないと、山で正しい選択をすることはできない。東稜でビレイポイントを間違えたのも、経験だけの問題ではなかったはず。

7/13 三国川ジロト沢

A、I

3連休、アルパインか泊り沢か小川山か、仕事に追われながら夢が膨らむが天気は雨。初日だけは北のほうに行けばどうにか晴れのよう。上越方面の沢に狙いを絞り、Aさんとジロト沢で合意したのは前日の朝。

これぞ日本の里山といった感じの六日町の景色に癒されつつ、林道終点にたどり着く。さすがに2週にわたって入渓点を間違えるわけにはいかない。

駐車場奥の踏み跡をたどり、5分ほどすると沢に降り立つので、そこから遡行開始。序盤は癒し系。ロープを出すことなく、小滝やナメを味わいながらサクサク進む。

トイ状4mの右壁でどうにもどこら辺がルートかよくわからず、大きく右に高巻くことに。なかなか藪が手ごわい。

途中からとてつもなく大きな滝が視界に入る。右俣の布晒の滝、上部も含めると300m!左股との分岐で、どちらに進むか相談するが、せっかくなので布晒の滝を見学することに。

手前の20m滝であるが、両岸の巻きも検討するがヌメッていて、スラブ滝を直上が一番可能性高そうということになりAさんのリード。下部にクラックが走っていて、5mでアンクルハーケン、7mでカムを決めるが、その先はなにもない…ランナウトに耐え、ロープを延ばす。

布晒の滝の先の30mはさすがに巻きを選択するが、巻きのスラブも悪い。どうにか灌木帯に逃げ込み左股に逃げる。略奪点の手前で左股に降り立つが、ガイドの階段状は全くわからず、左手にまた巻き。

60mのスラブ状滝は自分のリード、傾斜はないが、ぬめりはある。途中の灌木でランニングをとり、50mロープを延ばす。

フィナーレはヒトマタギの釜。絵になるところだが、両壁はコケコケで滑りそう。釜も深く、落ちたが最後、這い上がれないので泳ぐ羽目になることは確実。

ツッパリの釜を超えた先で左手の稜線に上がる。稜線からはひたすら藪漕ぎが待っている。展望台から3、40分ほど格闘すると雨量計小屋につき、そこからは刈り払われた高速道路。重松乗越まで快適なハイキングが続くが、重松乗越からはフィックスロープを頼りに急下降が続く。まったく気象庁の職員も大変である。延々と下降すること1時間余りで沢に降り立ち、ほてった体を沢に沈める。

帰りに寄った五十沢温泉が値上がりしていて、世の物価高を嘆く(健全に男湯に浸かりました)。

南八ヶ岳縦走(会員山行)

メンバー:I澤(L)
日程:2024年7月13日(土)-15日(月)
1日目:11:00観音平-14;30編笠山-15:00青年小屋
2日目:5:00青年小屋-6:15権現小屋付近-7:35キレット小屋-9:40赤岳-12:35硫黄岳-14:50東天狗岳-16:30黒百合ヒュッテ
3日目:6:20黒百合ヒュッテ-8:45稲子湯

2泊3日で南八ヶ岳を縦走してきました。本当は北八ヶ岳まで入りたかったのですが、次の日は仕事ですし、無理なく帰宅しようと思い、今回の計画になりました。
八ヶ岳は、初めて上高地に行って"岳沢小屋までしか登れなかった旅"の帰りの電車内で、八ヶ岳に向かう2人組の登山者を見て、いつか行ってみたいと思い憧れていた山でした。
話は変わりますが、電車に揺られて山に向かって、そして帰ってくるっていいですよね。家を出た瞬間から旅が始まる感覚というか、電車の時刻表に自分を合わせなければいけない。電車に乗るところから旅が始まっている感覚があって、これから3日間独りなんだぞって、そういう制約と孤独が心地いいです。(大袈裟ですね。)

【1日目】穏やかな天気
11:00観音平-14;30編笠山-15:00青年小屋

自宅の最寄り駅の始発に乗って、小淵沢駅で降りて、タクシーで観音平へ。タクシーは4,000円くらい。2日目以降天気が崩れる予報だったことから、3連休にもかかわらず、(タクシーのドライバーさんによると)観音平の車は少ないらしい。盛期には駐車場から溢れて、車道の両端に路駐されているそう。
さらっとした穏やかな天気の中、観音平を出発し、ゆっくりと歩いていく。

歩きだしてすぐ、大好きなタマゴタケがお出迎え。幸先が良い。他にも様々なキノコに出会えた。
編笠山の最後の登り。写真以上に急に感じた。均整の取れた美しい等高線の重なりを持つ。美しさの裏には激しさがあるということ。
オオタカネバラか?編笠山頂の岩場に独り咲いていた。蜂が蜜を集めている。
ゴゼンタチバナが見ごろを迎えていた。
青年小屋と権現岳

青年小屋に着いてテントを張る。初日の夕飯はタラコスパゲッティ。19時頃から雨がぱらつき始めた。

【2日目】曇り→晴天→雨
5:00青年小屋-6:15権現小屋付近-7:35キレット小屋-9:40赤岳-12:35硫黄岳-14:50東天狗岳-16:20黒百合ヒュッテ

昨夜の雨でテントはぐっしょり濡れている。朝食を済ませて、撤収。徐々に天気が良くなり晴れてきた。嬉しい。

チシマギキョウ
赤岳へ向かう岩登り。キレット小屋あたりから天気が崩れだした。
赤岳頂上山荘でコーヒーを一杯注文。
イブキジャコウソウ

東天狗岳から黒百合ヒュッテへの道のり"天狗の奥庭"が辛かった。この時点で雨が強まり、稜線を吹き抜ける強い西風で、雨合羽はぐっしょり。その上、濡れた岩を(天狗のように)飛び移っていく。予定では1時間でしたが、1時間半かかってしまいました。

黒百合ヒュッテに着く頃にはとても疲れていました。小屋の中はストーブが焚かれて暖かい。小屋泊りの方達の雨合羽が干されている。楽しそうな笑い声。びしょ濡れで疲れ切った私。小屋の中では(捨て犬のような)私だけが異質。なんだか思い返すとシュールで面白いです。笑
テン場に用意されているパレットの上にテントを張り、バーナーを焚いて暖を取り、疲れを癒しました。

【3日目】雨→穏やかな曇り
6:20黒百合ヒュッテ-8:45稲子湯

朝起きるとまだ雨が降っており、風も強かったが、出発する頃には雨は止んでいた。中山峠からの最初の下りは、急峻で道も悪かったが、それ以外は安全に下れた。
下山口直結の稲子湯で汗を流して(本当にありがたいです)、小海町営バスで小海駅へ。
小海駅ロータリーにある「御食事処月華」さんでカツ丼ラーメンセットを食べて、帰路につきました。(駅舎内にあったセブンティーンアイスも食べちゃいました!)

かつ丼のどんぶりのデカさが伝わりますでしょうか!白米がずっしり。若いお兄ちゃんだから、白米大盛サービスしてくれたのかもしれません。野沢菜漬けも付いていました。コーヒーはサービスで頂きました。ご馳走さまでした!おいしかったです!

【感想】
南八ヶ岳の主稜線を十二分に楽しむことができました。爽やかな樹林帯から始まり、網笠山の急登、変化に富んだ稜線、赤岳への岩登り、可憐な高山植物、キノコたち。
このような充実した山行に取り組めたのは、ご指導頂いている浦渓の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
技術面では、本山行では極力、GPSを使わないようにしました。スマホの地図アプリは便利ですが、紙の地図とコンパスだけでルート選択できることは重要ですし、何より登山の楽しみが増えると思います。
引き続き、浦渓会員として一人前になれるよう精進します。ありがとうございました!

雨の小川山レイバック

前日からA T 日帰りで I Kが参加

6月30日(日)予報では8時から雨となるとの事で、早々にロングのルートは無くなり、さてどうしようかと相談の結果、Iさんが知っている多少の雨でも登れる小川山レイバックという初心者のクラック練習ができるゲレンデに行き、クラック登攀の練習をしてきました。Iさんがリードでトップロープを張ってくれた後、T K Aがそれぞれ1本ずつ登りました。私はクラックは全くの初体験でしたが、結果的にはクラックの練習はほんの2手のみで、その他は名前の由来通りレイバックでの登りとなってしまいました。手を岩の隙間に入れて足で立ちこむ事が大事と教わり、頭では理解できても身体は全くその通りに行かない事を実感した1日でした。雨が降り出したことと後続パーティーが順番を待っていることで、1本登り終了しました。次回は天気の良い日にまた挑戦したいものです。

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Iさんのリード
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コツをつかんださんT
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安定のAさん

小川山 大貧民ルート(会員山行)

小川山廻り目平でキャンプしながら、土曜はマルチの男山ダイレクト、日曜は廻り目平周辺でフリーを楽しむ計画でしたが、土曜は急遽予定変更し、廻り目平近くのマルチで殿様岩の大貧民ルート(5.7)に行ってきました。

メンバーT橋(L.記録)、青木、翌日合流メンバーあり。

土曜日は小雨が止まず諦めモードでとりあえず、キャンプ場を目指します。レタス収穫日本一の川上村に入ると道が乾いています。これはイケるかも??廻り目平に到着するとPはガラガラでテン場も3張りテントがある程度です。芝生の良い場所にテントとターフを張って今夜の宿と宴会場をセッティング。これから男山に取り付くにも、撤退で戻るにも時間がかかるので、近場のマルチを検討。小川山ビギナーの私達が決めたのはアスレチック要素のある大貧民ルートです。

取り付きのテラスへ行くには2パターンあり、裏からトンネルを抜けるか、下からスラブを登るかです。はじめ後者を選択し登りますが、びしょびしょのスラブに阻まれ、トンネルアプローチに変更。狭いトンネルの中はカメムシの香りで充満しています。身体を壁に擦りつけつつ、香りも移しつつトンネルを抜けると、すっかりカメムシの化身です。テラスで自身の香りにおののきながらも、装備をつけ登り始めます。

抜けてきたトンネルを振り返る。狭い。

11:00スタート、12:40トップアウト、13:30下降開始

1P T橋、横クラックからの縦クラック。横に0.5と1.0、縦に0.75をキメて立木でピッチをきります。

スタート地点。横のクラックにそって登っていく
1P終了点手前。登ってくるA木さん。立木で支点可。

2P A木さん、これもやさしいスラブなのですが、ランナーを取るところがまったくなく、高度感もあるためリードはとてもコワイ。しかも濡れています。リーダー権限を発動し、A木さんにリードをお願いしました。

2Pフォローで登るT橋。

3P A木さん、2P終了点からほんの数メートル歩いて3Pですが、30センチほど離れた岩に飛び移ります。移る側の岩の割れ目に0.5カムをキメて、割れ目の中のガバをつかんで移ります。最初、私がリードにトライしてましたが、割れ目のガバが見つけられず、ヌメヌメに怯えてリード交代。乾いていれば何てことはないのですが、岩のしっとり感がメンタルをジワジワと溶かしていきます。

岩がしっとりしていてメンタルやられる

4P?縦穴 T橋、最後は縦穴をくぐり抜けて、岩の上に出るのですが、ここも狭い。そして、香りがキツイ笑。

光が入り込み美しいけど、狭い、香る

ギアをはずしてズリズリ上がりますが、途中ヘルメットがハマって首がロックされてしまいます。一生抜け出せないかもと不安を感じつつ、ヘルメットも外して、岩に挟みこみ、再びズリズリとお腹やお尻のお肉を削ぎ落とすように(ホントに削ぎ落ちればいいのに!)上へ上へ。赤ちゃんがお母さんのお腹から産まれる時ってこんな感じかもです。最後はマントルで上がり込んで、オギャーっと無事に産まれ出ました。

ヘルメットを岩に挟み込み登るT橋。ヘルメットははフリクションが効いて落ちない。

荷物や、ヘルメットを回収し、後続のA木さんの誕生をサポートします。

産まれ上がったところは廻り目平を一望できる気持ちの良い場所です。屋根岩郡も私達のテントも遠くによく見えます。

屋根岩郡

さらにもうに一つ上がるところがあり、これも飛び移り系。A木さんに飛び移ってもらい、映える写真を撮ったら懸垂で下降です。

巨石に立つ産まれたてのA木さん。山荘と私達のテント見えます。

トポでは60m懸垂でしたが、50mロープだったので、3P目のところと1P目のテラスでピッチを切り、懸垂3回でした。

テント場に戻ったあとは買い出しに行き、乾杯タイム突入です。19時過ぎにK村さんとI村さんが合流しました。飲んでしまうといろんなことがどうでもよくなり、嗅覚も鈍感になるようです。コインシャワーもあったのに、カメムシの香りをまとったまま翌朝を迎えてしまいました。

大貧民ルート、とても楽しいルートですが、今年はカメムシがとても多いようです。ご注意ください。A木さん、ありがとうございました。

雲取山縦走(会員山行)

メンバー:I澤(L)
日程:2024年6月22日-23日
1日目:9:20秩父鉄道三峰口駅-11:30大血川渓流観光釣場-12:40大陽寺-14:50お清平-16:25白岩小屋跡地-16:55芋ノ木ドッケ-17:35大ダワ-18:00雲取山荘
2日目:4:55雲取山荘-5:30雲取山山頂-6:55ブナ坂-7:20七ツ石山-10:25鷹ノ巣山-14:10奥多摩駅付近

平年より2週間遅れて梅雨入り。雲取山を縦走してきました。
私は単独テント泊山行の経験がない為、その練習を兼ねています。新品のエアライズを担いで行ってきました!
ルートは以下の通りです。折角なら、バスは使わず三峰口駅から歩いて奥多摩駅に繋げてみようという目論見です。

【1日目】
初日は天候に恵まれ快適でした。秩父鉄道三峰口駅からスタート。⑤大血川渓流観光釣場までは2時間の車道歩きです。

秩父鉄道三峰口駅

出発早々、①-②の区間が土砂崩落によって通行止めになっていたので、橋を渡って対岸の道を歩くことに。
2匹のお猿さんに監視?されながら、⑤大血川渓流観光釣場に到着。やっと登山道に入れると思ったら、釣場の方から「⑤-⑥大陽寺の区間も土砂崩落で通行止めだよ。このまま車道を歩いて行ってね!」とお声掛け。車道歩きが続きます。
途中で、大陽寺への近道があったので利用しましたが、現在はあまり使われていない様子で荒れていました。

奥秩父の苔むした世界
ギンリョウソウ

大陽寺付近の登山道から入山。ここから山歩きになりました。
そのまま、大陽寺~お清平~白岩山~芋ノ木ドッケ~大ダワと経由して、18:00雲取山荘到着。(大陽寺から霧藻ヶ峰を経由する計画でしたが、工程に遅れがあった為、巻き道を利用しました。)
翌日は悪天予報でしたが、小屋泊まりのお客さんもそれなりにいて、テントは6張程ありました。
雨が降る前に、テント設営完了。天気予報通り、21時過ぎから雨が降り出し、徐々に風も強くなっていきました。持参したビールを流し込んで、就寝。明日は雨の中で撤収か…

(写真中央テント)もちろん練習しましたが、初めてにしては上手く張れたと自画自賛。

【2日目】
2:30起床し、外に出ると、濃霧で視界がほとんどない。トイレまでの道もおぼつかない程だったので、日の出後の出発に変更しました。雨は強弱を気まぐれに繰り返している。

雲取山荘

4:55雲取山荘を出発し、5:30雲取山登頂。天気がすぐれず眺望はありませんでしたが、自分で計画して踏んだ山頂は喜びもひとしおです。

雲取山山頂

ここから東京都に入り、進路を東に変えて石尾根を下山します。東京都側は南向き斜面である為、北側の埼玉県側よりも明るく、植生はシダやフキの群生があったりと、明るく開けた印象を受けました。

開けた縦走路が続く
鷹ノ巣山頂より

石尾根は七ツ石山~高丸山~日蔭名栗山~鷹ノ巣山~城山~と西から東へアップダウンを繰り返しながら、徐々に標高を下げていきます。綺麗な尾根歩きで、奥多摩駅から上りでも歩いてみたいと思いました。
昨日の疲れもあって、前半はなかなかペースが上がらない…のそのそ…
城山を下りたあたりで、中学生7名くらいと引率の先生のグループに抜かされたので、くっついて行くことに。
何やら三角点や地形の話をしていたので、地理の先生のようでした。先生、お疲れ様でございます。
中学生グループのお陰で後半はペースが上がり、前半の遅れを取り戻すことができました。
無事、14:10奥多摩駅近くに下山。奥多摩温泉もえぎの湯で汗を流してから、帰路につきました。

【山行を終えて】
自分が理想とするラインを計画し自分の足で歩き切る。そういった縦走の魅力を感じることができたと思います。
まだまだ、知識・経験・体力が不足しており、行ける山は限られていますが、少しずつ自分の山を増やしていきます。
ありがとうございました!

稲子岳南壁左カンテ(会員山行)

日程   2024年5月19日
メンバー Y内、I村、A木(L・記録)

日々温かくなりいよいよクライミングの季節、ということで久しぶりのマルチピッチを登りに稲子岳へ行ってきました。

朝3時、Y内さんをピックアップして浦和を出発。途中でI村さんをピックアップ。
順調に上信越道を進みます。
Y内さんが仕入れた情報によると、八ヶ岳近辺はウルトラマラソンの当日らしく、目的地の稲子湯もエイドステーションとして使用されるとのこと。その影響で登山口となる「みどり池駐車場」が満車でないことを祈りつつ現地到着は5時半ごろ。
なんとか数台の空きスペースがあり安心。

駐車場はまだ空きがあった。よかった・・


身支度を整えて6時スタート。あっという間にシラビソ小屋に到着(汗だく)。小鳥たちを愛でつつ、どんよりとした空を見上げる。夕方からの雨予報は少し早まるかもしれない。そんな予感で先を急ぐことに。

しらびそ小屋にて

その後は稲子岳の岩場までのアプローチ。当初予定のルートは急登のザレが延々と続くとの情報もあり、(昔行ったことのある)I村さんの助言により通常のルートよりも高い位置からトラバースすることに。薄い踏み跡ながらも問題なく取付きに到着できた。

登攀については、I村さんの計らいで、今回がお初のY内さんとA木がリードさせていただくことに。
1P目の出だしでちょっとだけ躊躇したものの、あとは順調に登攀。トポでは6Pということでしたが、豊富なピナクルや残置を利用してすこし長めにピッチを切ったこともあり合計4Pで登攀を終えた。

1ピッチ目。1手だけすこし出しにくいところがあった
2ピッチめ終了点
Y内さん、軽快に登る
最終ピッチI村さん、全体を通してサクサクと。さすがです。
登攀終了。眺めよし!
あとはザレを登ってピークへ
控え目すぎる山頂標識

最終ピッチを終えると、パラパラと雨が降り出して岩もそれなりに濡れる状態に。メンバーの皆さんのおかげでタイミングよく終えることができたことに感謝。
下山はそれなりに明瞭な踏み跡をたどり「にゅう」を経由。にゅうのピークではモデルさんらしき方の大変美しい撮影を横目に我々もとりあえず集合写真をパチリ。

にゅうピークにて。それぞれ「にゅう」「NEW?」「パン??」と思い思いのアイテムを手に。
※一部画像処理しています。

その後は石楠花尾根をスタコラと(というほど早くはないのですが)下山。アフターは稲子湯にて汗を流して一路埼玉へというつもりでしたが・・・やっぱり途中でナナーズ(長野のスーパー、とても品ぞろえがよい)に立ち寄り家族への?お土産を購入して帰路につきました。

長くはないルートではありますが景色もよく、今シーズンのスタートとして大変気持ちのよいクライミングとなりました。ご一緒いただいた皆さんに感謝です。(A木)

ミネザクラと茶臼岳

令和6年5月18日(土)日帰り

メンバー : F K

沼原駐車場(06:30)~白笹山(07:50)~南月山(08:30)~牛ヶ首(09:30)~姥が坂~姥が平~沼原湿原~沼原駐車場(12:30)

予定もなくだらだらと過ごそうと思っていた土曜日にFさんよりハイキングのお誘いあり、日帰りで那須の沼原~茶臼岳の往復でハイキングに出かけました。目的は道中に満開のミネザクラの群生地があるとの事で花を楽しみにしてのお気楽山行でした。天気も良く満開ではなかったがミネザクラ、沢では詰めの宿敵であるシャクナゲがきれいに咲いて癒されてきました。

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牛ヶ首~茶臼岳には多くのハイカーがいて今回は山頂はパスしましたが、姥が坂からは全く人と会うこともなく姥が平ではゆったりと景色が堪能でき本当にゆったりハイキングとなりました。