メンバー:N山、I澤(L/記)
日程:2024年9月14日(土)-16日(月)
1日目:5:30奈良田(バス乗車)-6:30広河原-8:25白根御池小屋-11:10肩ノ小屋
2日目:5:05肩ノ小屋-5:35北岳-7:10中白根山-8:00間ノ岳-9:45西農鳥岳-10:15農鳥岳-10:55大門沢下降点-13:00大門沢小屋
3日目:5:00大門沢小屋-第一7:30発電所バス停(バス乗車)-7:50奈良田
今回はN山さんに南アルプスは白根三山に連れて行って頂きました。私Ⅰ澤は初・南アルプス。前日まで、槍ヶ岳西稜の岩登りを計画していましたが、雨予報で中止。急遽、N山さんにご提案頂き、白根三山になりました。直前の変更となりご迷惑をお掛けしました。
ご提案・ご計画頂いたN山さん、緊急連絡先をお引受け頂いたK村さん、ありがとうございました!
【1日目】晴れのち曇り
奈良田駐車場は大変混み合うだろうとの見立てから、前日夜に出発し、日付の変わった1時頃に到着。バスの時間まで仮眠を取りました。(N山さん、深夜の運転、本当にありがとうございました。)
朝一番5:30のバスに乗車し、広河原へ。コロナ対策なのか、バスの窓が全開で、冷たい風が吹き込んできて凍えそうになりながら、約1時間バスに揺られました。ブルブル
広河原に着いた頃には、既に明るくなっていました。谷筋の最奥には北岳頂上が見えています。
野呂川に架かる広河原橋を渡って、登山道に入り、谷筋に沿ってゆったりと歩いていきます。早朝の澄んだ空気が気持ち良い。
途中から谷筋を離れ、徐々に斜度が上がってきて、いい感じの登りになります。天気は晴れ。気温が上がって汗ばむ。
白根御池小屋に着く頃には、日影に人が集まる暑さに。白根御池小屋までは樹林帯なので、木陰の中を歩くことができます。
白根御池小屋からは、北岳の稜線に上がる急登となります。序盤は特に斜度がきつく、ガレザレしていて、落石に気を使いました。九十九折の登りです。白根御池小屋より上は、樹木が減り、背丈が低くなるので、木陰はありません。アツイ
稜線に上がると、山々が一望できます。私が当会に入会させて頂いてから連れて行って頂いた仙丈ケ岳、鳳凰三山が見えて、とても嬉しくなりました。
稜線に出てからは、肩ノ小屋まですぐです。雄大な稜線を歩いて行きます。
張り切りすぎたのか、予定より早いお昼前に肩ノ小屋に到着。急いでテントを設営して、初日は贅沢に生ビールで乾杯!寝不足もあり、昼寝をしたりして、時間を過ごしました~。
小屋の水は有料(200円/L)だったので、ケチって往復30分かかる水場へ行きましたが、水はチョロチョロしか流れておらず、先客がいたこともあり、5L汲むのに30分近くかかっただろうか…
それにしてもすごい人で、夕方にはテント場は一杯になりました。若者が多い印象。
午後になると、次第に谷からガスが上がってきて、気温が下がってきました。夜なると雨が降り始めました。予報通り、下り坂。
【2日目】強雨のち、晴れ・曇り・小雨と不安定
2:30に起床して準備を始めましたが、時間が経つにつれ雨脚が強くなっていきました。風もある。
天気予報では明け方にかけて雨が強く降り、その後、雨が弱まり、曇りとなる予報でした。2日目は肩ノ小屋→大門沢小屋で行動時間9時間半を予定していたので、出発を遅らせたとしても7時。それまでに雨脚が弱まらなければ、下山か。リーダーとして判断する必要がありました…
電波は届いていたのでスマホで天気予報を何度も確認しましたが、決めきれない…。「可能であれば行きたい。しかし、いつ風雨が弱まるのかわからない。無理はできない。」と葛藤。リーダーとしてまるで不十分でした。
N山さんから「出発を遅らせる場合は、大門沢小屋までいかず、農鳥小屋までとする案もあるが、農鳥小屋のテン場は稜線上にあって、悪天時は良くない。だから、行くなら大門沢小屋までいきたい。」とご助言。その時の私は、テン場の立地条件まで考えることはできていませんでした。とても勉強になりました。
そうこうしているうちに、4:30頃になって風雨が落ち着いてきました。私たちは前進することにしました。結局、N山さんにご判断頂いた形です。
5:05肩ノ小屋を出発。岩稜帯を行きます。雨は小康状態ですが、風は強かったです。山の斜面を這うように吹き上がる西風が、バシバシと右半身を叩きます。フードを深くかぶって進みます。
5:35北岳登頂。なんと嬉しいことに、雨は止み、朝焼けまで見ることができました。初めての北岳山頂からの眺めは、贅沢なものでした~。
中白根山-間ノ岳-西農鳥岳-農鳥岳と続く3,000mを越える稜線は、天空の縦走路と呼ばれるそう。北岳-農鳥岳への縦走路は、基本的に砂礫地と岩稜帯の組み合わせで、歩きやすかったです。雄大な景色を堪能しながら歩きました。
7:10中白根山、8:00間ノ岳と順調に山頂を踏み、農鳥山荘で休憩した後、9:45西農鳥岳、10:15農鳥岳と無事登頂できました。一度に5座も3,000m峰を登頂できるなんて!本当にありがとうございます。
農鳥岳を下りて、大門沢下降点に到着。鐘を鳴らして、無事、天空の縦走路を終えたことを山に報告します。大門沢下降点から大門沢小屋へは1,000m以上高度を落としますので、険しい下りが続きます。沢が見えると、やっと傾斜は緩やかになります。雨で岩肌が濡れており、滑らないように注意しました。
2日目も張り切りすぎたのか、予定より1時間以上早い13時頃、大門沢小屋に到着。到着時間からして、このまま下山することもできましたが、今回は「冬山登山でも利用することのある大門沢小屋を一度は利用しておいた方が良いだろう」とのN山さんのお取り計らいで、テン泊することになりました。冬季は避難小屋として開放されているそう(2024年4月20日"白根南嶺(笹山〜広河内岳)会員山行"に記載があります)。勉強になります!
テント設営後は、小屋前のテーブルで乾杯しました。すぐ隣を流れる沢は渓魚釣りで有名だそう。
【3日目】晴れ
3日目は5:00に小屋を出発しました。沢沿いの登山道を歩いていきます。倒木が多く、かわしながら行きます。登山道の整備って本当に大変なんですね。丸太でできた橋を何度か渡りましたが、冒険感があって楽しかったです。その後は、斜面をトラバースする道に変わって、取水口吊り橋に至ります。
車止めゲートを通過し、7:30に発電所バス停に到着して時刻表を見ると、数分後にバスが通過する予定になっていた。これはもう運命だ!と、バスに乗車(奈良田駐車場まで5~10分。料金は250円。マイカー規制区間外の為、協力金300円はかからなかった)。バスは満員御礼。皆さん、早いですね~。
7:50頃には奈良田駐車場に到着。女帝の湯は開店前なので、みはらしの丘みたまの湯で入浴しました。高台にある入浴施設で、山々を一望できました。奈良田からは1時間強かかりましたが、行く価値ありです。そのまま、みたまの湯で早めのお昼ご飯も頂きました。馬刺しと鶏もつ煮、おいしかったです!
【振り返り】
私I澤は初めての南アルプス。3,000m峰を5座も登頂出来ましたし、縦走路から見た山々に是非登りたいと、宿題を持ち帰ることができました。
計画段階では、バリエーションルートの勉強として槍ヶ岳西稜を予定しておりましたが、代替案を用意していませんでした。直前に雨予報になったことから、N山さんにお助け頂いた形です。やはり、代替案は用意しておく必要がありますし、用意できるだけの知識・経験を身に着ける必要があります。
また、今回の山行で感じた課題として、リーダーとしての前進・撤退判断があります。2日目の朝、思ったより風雨が強かった為、リーダーとして判断が必要でしたが、結局、決めきれず、N山さんにご判断いただいた形です。これは大きな反省です。自分・メンバーの安全は担保できるのか、天気はどうなるのか、工程を短縮することで出発時間を遅らせられるのか。そして何より、この悪天の中、前進・登頂することで「メンバーに喜んでもらえるのか、達成感を味わってもらえるのか」。
ルーファイ・道選びについても、時折、歩き辛い方を選んで、N山さんに修正して頂くことがありましたので、まだまだです。N山さんにご支援いただきながら、何とか3日間の工程を終えることができました。
まもなく、入会させて頂いてから1年になります。いつまでも連れて行ってもらう立場ではなく、"自立した"会員になるべく活動したいです。
N山さん、今回も様々なご支援・ご指導、本当にありがとうございました!