春合宿後半 B隊奥明神沢~前穂高岳、A・B隊合同 西穂高沢~西穂高岳

日程:2024年5月3日~5日

春合宿後半組は、岳沢小屋をベースに2日目にA隊が奥穂南陵、B隊が奥明神沢~ダイレクトルンゼ経由で前穂高岳。3日目にAB隊合同で西穂沢経由で西穂高岳へと登る計画となりました。

【1日目】上高地9:40 ~ 岳沢小屋12:00

この日は岳沢小屋まで約3時間登るだけの予定でしたが、出だしから早速トラブル発生。駐車場から沢渡バスターミナルに移動しようとした瞬間、N村さんのザックのショルダーハーネスがぶちっと千切れる。取り急ぎ腰ベルトに縛り付けて応急処置をしましたが、バスに乗り込む寸前に今度は上部が千切れてしまいました。

上高地に到着早々、N村さんがシュリンゲとカラビナを利用してさくさくと利用できる状態に補修。以降は岳沢まで問題なく背負えていたようで、応用力の高さにびっくりしました。

上の方はベルトのヒモ通しにスリングをインクノット、下は腰ベルトにカラビナを通してスリングを折り返して長さ調整出来るようにしてフレンチノット、とのこと。

観光の方で賑わう上高地を(主にN山さんが)超高速で抜け、岳沢小屋に到着してテント設営後は奥穂南陵チームが偵察に向かうのをお見送りし、(奥明神沢の取りつきは小屋からまる見えだったため)前穂チームは翌日に備えて体力温存します。

乗鞍、霞沢岳、焼岳が一望できる岳沢小屋のテラス
山座同定しながら

【2日目】B隊メンバー:N山さん(L)、N村さん(副L)、U田。

岳沢小屋3:30 ~ ノド5:40 ~ 前穂高岳 6:30 ~ 岳沢小屋10:10(U田の立木を利用した懸垂支点構築練習1時間を含む)

雪崩や落石の危険を避けるため、2時起床し3時半には小屋を出発。山肌では既にちらほらとヘッデンの明かりが光っており、みなさん早出なのが伺えます。

奥明神沢の斜面はかっちかちに凍っていましたが、人気ルートのようで比較的トレースがしっかりしており、ふくらはぎ耐久勝負にはならずにちょっと安心しながら登ります。(とはいえ、うっかり後ろを振り向くととんでもない傾斜が目に入るので極力下は見ません。)

写真だとあまり伝わらない急登感
標高をあげると、乗鞍に隠れていた御嶽が!
ノドの様子、しっかり雪がついていると思いきや。

核心部のノドに到着します。思ったより雪がしっかり残っており安心したのも束の間、N村さんより「下が空洞になっているためそっと登るように」との指示が。空洞??と思いましたが、アイゼンを指すと音が全然違う! ここを崩したら大変だと、おそるおそるアイゼンとピッケルをやさしく刺して慎重に通過しました。

ノドを通過すると間もなく山頂です。

山頂看板はまだ雪の下のようです
少し進むと、奥穂が大迫力!
槍や裏、立山エリアまでしっかり見えていました
奥穂をバックに。写真を撮ってくださったパーティーとは、翌日も西穂でお会いしました。
南陵を攻めているT橋さんI村さんと思われる人影

下山はあの傾斜を下るんだと緊張しながら慎重に。登りでは上がらなかった息がぜえぜえになりながら下山します。

どこまで細い木でいけるか、実践しながら

時間に余裕があったため、立木を利用する懸垂の練習を4ピッチ200mして小屋まで戻りました。横では奥穂南陵ルートでヘリが救助活動をしており、改めて危険なエリアであることを肌で感じます。

小屋に戻ったあとは、祝杯の生ビールとパスタランチを楽しみながらA隊の帰りを待ちます。

【3日目】メンバー:N山さん(L)、T橋さん、I村さん、U田。

岳沢小屋4:20 ~ 西穂高沢取り付き4:50 ~ 西穂高岳 7:40 ~ 岳沢小屋 10:00

この日は前日に奥穂南陵を踏破されたA隊も一緒に、西穂高沢経由で西穂高岳へ。(N村さんは足を痛めてしまい、残念ながらお留守番)

小屋からは取り付きまでが長く、デブリ帯や木々の間を抜けながら西穂高沢へ向かいます。取り付きに到着したらあとは登るだけ!と思いましたが、これが中々につらい登りとなりました。日の出直後から光があたる斜面だったため、あっという間に雪が溶けてぐずぐずに緩んでいきます。

登っても登っても近づかない稜線

ぐったりしてきた頃に、ようやく西穂の稜線にでました。稜線上には全く雪がなかったため、アイゼン・ピッケルをデポして山頂に向かいます。(が、一カ所かちかちな雪渓が残っており、先輩方のフォローでどうにかなりましたが、U田はどっちか持って行った方が安全でした)

稜線に上がると、目のまえに笠!
明神岳をバックに
西穂も初のU田はこれが有名な西穂の稜線か~とこっそりテンション上がっていました。
セルフタイマーで記念撮影
コブ尾根方面、かっこいい

登りの苦労はなんだったんだろうというくらい下山はサクサクと進みますが、西穂高沢を終えてから小屋までは登りとなり、大変つらい道のりでした。

小屋に戻ったらパスタランチ会を開催。5名3日間で、果たしていくら小屋にお金を落としたのか…?
上高地まで戻り、(小ぎれいな方たちに大変頼みづらかったため)交代で記念撮影しました。

沢渡まで戻った後は、源泉かけ流しの「しもまき」さんで汗を流し、おいしいお蕎麦を食べ、渋滞に巻き込まれつつ帰路につきました。

3日間ともこんなに快晴でいいのかと不安に思うくらいお天気に恵まれ、終始絶景を楽しみながらの山行でした。

また個人的に、夏も含めて穂高の山々を登ったことがなかったのにまさか始めてが残雪期のバリエーションになるとは思ってもおらず、無事に登れてとても嬉しかったです!これも2月から4月までのアイスや岩場でのアイトレなど十分な訓練期間を経て今回の山行に臨むことができたおかげだなあと、ご指導くださった先輩方に感謝がつきません。ご一緒してくださった皆様ありがとうございました!

会員山行 ヨナ沢の頭

日時 2024年3月30日(土)~3月31日(日)

メンバー:N山さん(L)、F子さん(副L)、U田(記録)

(1日目)8:15 駒ヶ根高原スキー場 - 9:30林道終点 - 13:00マセナギ (TS)

(2日目)5:00マセナギ - 8:20ヨナ沢の頭 -12:00マセナギ -15:00林道終点 - 16:00駒ヶ根高原スキー場

黒戸尾根を登りたいんですと先輩方のスケジュールを抑えておいた3月最後の週末。直前に長雨が続いたことや強風予報だったこともあり、二転三転した結果、行き先は空木岳へ。

まさか積雪期の池山尾根にチャレンジできるとは!と、どきどきしながらのスタートとなりました。

標高900mの登山口に雪はありませんでした

標高1500mタカウチ場あたりからずぶずぶの春の雪になってきます。早々にワカンを装着しますが、それでも沈む沈む……。

腐った雪にぐったりしてきた頃に、ようやくマセナギに到着。時間的にヨナ沢まで行くのは厳しく、上部の風もすごい音がしていたためここを本日の幕営地にします。景観のいいスポットを発見してテントを張ります。(翌日、幕営装備を背負って池山尾根を登るのは私には無謀だったと痛感したため助かりました)

TSから覗く中央アルプス
少し登ると南アルプスがよく見えます
アップで!

翌朝5時、身軽になって空木岳へ向かいます。

夏は少し細かったかなくらいの印象しか残っていない池山尾根ですが、雪がつくと別物です。序盤から雪岩氷がミックスとなっている階段や鎖場に緊張が続きます。

さくさくルーファイしながら進むN山リーダー

大地獄・小地獄をクリアし、ヨナ沢の頭へ向かいます。

雪が多い時期は尾根を直登するようですが、藪が出ていたため池山尾根名物(?)の夏道トラバースを選択。N山リーダーが数メートル進んで道を確認した後に、落ちたらまずいということでロープを出すことに。

下を見るとどこまで落ちるんだろうとぞっとします

ここからトラバースをザイル3ピッチ(150m)で通過します。雪山本チャン経験がないU田は出発前のガチャの用意から始まり何もかも準備不足で大変反省しました……。

トラバースを終えると、リーダーが登りやすそうなところをルーファイして尾根へ上がります。が、こちらも足場が悪くて難しい!

とにかくついていくことに必死になっていましたが、N山さんが開けたところで立ち止まったと思ったら、そこがヨナ沢の頭でした。

埋まっている山頂看板

上空は強風で山頂にも雲がかかっており、時間も押していたため本日はここまでにして引き返すことに。

片足埋まってますが、抜け出す気力もなくそのまま写真を撮ってもらいます
稜線には厚い雲が

帰りは尾根からトラバースまでの下降2ピッチ100mと、大地獄で1ピッチ50mロープを使用して下山しました。

ピッケルが効くまで何回も刺し直しているため、時間がかかっています
心配していた下りは、思ったよりはまともな恰好で下りれました
強風でテントが飛んでいかなかったことにほっとします

ちょうどお昼ごろにマセナギに戻り、テントを撤収。またしてもずぼずぼになっている雪に辟易しつつ、ワカンを履いて焦って転倒などしないよに、のんび~りと下山しました。

F子さんお勧めのこぶしの湯、露天から南アが一望できました!

残念ながら空木岳には届かず、とにかく厳しいところの通過に先輩方の3倍くらい時間がかかってしまい技術も経験も足りてないと痛感し大変悔しかったです。

半面、2月下旬に登った西黒尾根から3月上旬のラッセル訓練を経て、アイゼンの前爪と仲良くなることが個人的な課題でしたが、この週末に向けてちまちまと色んな山で練習していた甲斐もあり、ちょっとだけ成長を感じることもできる山行でした。

今度チャレンジする時は自分でルーファイしながら登れるようになりたいので、N山さんF子さん懲りずにまたお付き合いください!

会員山行 谷川岳西黒尾根

日時 2024年2月24日

メンバー:F子さん、U田

6:50 谷川岳ベースプラザ - 11:00ザンゲ岩 - 11:30谷川岳(トマ・オキ)- 14:00天神平駅

Aチームが爺・鹿島槍に登っている最中、Bチームは諸般の事情により日帰り山行に変更となり、せっかくの機会なのでU田が登りたくてしょうがないルートの一つだった西黒尾根をお願いして谷川岳へ。

例年に比べてあまりにも雪のない登山口に、F子さんが驚愕しながらスタートします。U田はSMSCA雪山講習で一週間ぶりの西黒登山口でしたが、一週間前に比べても明らかに少なっていました。

稜線にでると細い尾根道になり、慎重に歩きます。

急な登り下りは例年だと雪で埋もれているそうですが、枝や鎖が出ていました。上手く通過できず、F子さんに見本を見せていただきながらクリア。

昼にかけて晴れる予報だったのに、どんどん白くなっていく山頂

ナイフリッジ地帯を終えてガラ沢の頭へ。斜面はガリガリつるつるの全面アイスバーン状態。怖さでフラットで歩こうとしてしまいますが、急すぎて靴底がつかず。アイゼンの爪先を信じて登れるようになることが今後の課題です……。(写真を撮る余裕はなし)

難所を終えて、ユニークな登山隊の方々とお菓子交換をさせていただいたりしながら休憩した後は、今回一番の難所と思われたザンゲ岩へ。ほどよく雪で埋まっており、右巻きでスムーズに通過できました。

天神尾根と合流!たくさんの登山者が登ってきています。
視界はありませんでしたが、オキトマを踏んで記念撮影。
下山は天神尾根からさくさくと。こちらの斜面もいい感じに凍っていました。
霧氷が見事です
登山あるある、下山すると晴れる現象。登ってきた西黒尾根がよく見えます。

景色は残念でしたが、念願の西黒尾根に登れてU田は感無量でした。F子さんありがとうございます!帰りは定番の湯テルメでのんびりと温まって帰路につきました。

会員山行 八ヶ岳

1日目:赤岳山荘9:35ー行者小屋12:30-阿弥陀岳14:40ー行者小屋16:00

2日目:行者小屋6:30-地蔵の頭7:20-石尊峰手前8:10-赤岳9:40-行者小屋11:10ー赤岳山荘14:10

メンバー:Nさん、Kさん、U

雪山初心者のU向けに、王道の行者小屋をベースにして阿弥陀岳、赤岳へ。

1日目:赤岳山荘までの悪路をNさんの華麗な運転で登りあげ、赤岳山荘よりスタート。例年よりもやはり雪は少なく、地面が露出している道を歩きながら行者小屋まで。テントを設営後、阿弥陀岳へ。途中からトレースがなくなった道をトラバースし、岩が露出している登山道を登り、阿弥陀山頂へ。(あいにくガスってしまい眺望は望めませんでしたが、初の阿弥陀岳に冬に登れたことにUは大興奮)下山は中岳沢を利用し、あっという間に行者小屋まで戻ります。

初日は生憎の曇天
行者小屋にてテントを設営後、阿弥陀岳まで
途中からトレースがなくなりましたが、Nさんがさくさくとルーファイしながら登っていきます
山頂は貸し切りです
中岳沢からの下りはあっという間
登山あるある、下山すると晴れる山頂。夕日に照らされ、山並みが輝いていました

2日目:地蔵尾根から地蔵ノ頭まで登り、予想よりも風が弱かったため横岳方面へ。横岳を目指すも、ベルグラ稜線になっているためUの技術では難しいと判断し、石尊峰手前で引き返します。そのまま赤岳に向かい、無事登頂後に文三郎尾根より行者小屋まで下山。テント撤収後赤岳山荘まで下山し、赤岳山荘名物の肉うどんをいただき岐路につきました。

2日目、地蔵尾根より稜線まで
地蔵ノ頭
横岳方面へ進むも、ベルグラ稜線に撤退
赤岳方面へ引き返します
富士山から北アルプスまでよく見えていました
この日は天候もよく、たくさんの登山者で賑わっていました

会員山行 表妙義縦走

道の駅みょうぎ7:45-大の字8:30-11:15相馬岳(妙技山)-14:25道の駅みょうぎ

メンバー:Tさん、Fさん、U

当初日帰りで雪山を予定していましたが、天候が思わしくなく急遽予定を変更し、まだTさんとUが登ったことのないまだ登ったこと表妙義へ。

妙義神社の参拝からはじまり、開放感あふれる大の字の裏に出て、表妙義縦走コースへ。22個あるという鎖を次々と楽しく登り(途中、長すぎる鎖に少々お腹いっぱいになったりもしながら)相馬岳まで。奥武蔵エリアの山々の景観を眺めながらの休憩後、バラ尾根から下山。中道コースに戻り、途中で落ち葉ラッセル(!?)をしたりしながら、表妙義縦走コースを楽しんできました。

道の駅みょうぎよりスタート
妙義神社で参拝し
落ち葉でずるずるの急登を登りきると、間もなく大の字の裏へ
さっそく大の字になってくれるTさん
風は強かったですが、気持ちのいい日でした

大の字から表妙義の縦走コースに入ります

鎖が次々とでてきます
ビビり岩はビビッて写真が取れません
絶景を前にタイタニックごっこをしたり
メタボチェックを受けたり
妙義山らしい景色!
長すぎる8番9番の鎖にうんざりしてきた頃に
相馬岳に到着
下山は時々落ち葉ラッセルをしながら、中道コースに合流し下山します
下山後は道の駅で、定番らしい巨大しいたけと下仁田を購入

今回は時間の関係で10番の鎖までとなりましたが、ぜひ次回は22番の鷹戻しまで歩いてみたいと思う楽しいルートでした。