甲斐駒ヶ岳(会員山行)

日時:2025年1月31日(金)~2025年月1日(土)

メンバー:N山さん(気象)、U田(L・記録)

1日目:8:15 尾白沢渓谷駐車場 - 10:50笹ノ平分岐 -16:00 七丈小屋泊

2日目:6:00 七丈小屋 - 7:00 八合目御来迎場 - 8:25 甲斐駒ヶ岳山頂 - 10:30七丈小屋  - 17:00 尾白川渓谷駐車場

昨年からU田が行きたすぎてもだもだしていた黒戸尾根。昨年の宣言通り、今年はN山さんのスケジュールを(半ば無理やり)押さえお付き合いいただき、行ってきました。

時期は1月、まずは登れる天気かどうかが第一関門。一日目は強風予報でしたが宿泊予定の七丈小屋まではずっと樹林帯、稜線に出る二日目は風も弱まり昼過ぎまでは天気の崩れもなさそう。ということで決行です。

雪煙が舞い上がっているのが遠目からも分かる白根三山を眺めながら中央道を走り(いつも運転ありがとうございます!)、8時前に尾白沢渓谷駐車場に到着。8時過ぎにスタートしました。

序盤はこれから雪山に登るとは思えないような緩やかな樹林帯。落ち葉をかき分けながら、ばてないようにゆっくりと標高を上げていきます。

一合目までなんと約2時間!(配分が若干おかしい気もします)
3号目あたりからようやく雪が出てきはじめました。記録的豪雪になっている日本海側とは対照的に、雪が少ないようです。(南岸低気圧が今年はこなかった?)

13時頃、まずは最初の要注意ポイントの刃渡りに到着です。雪が少なく凍っている様子もなかったため、チェーンスパイクを装着して通過します。

14時半、6合目。山頂の方からは、聞いているだけでぞっとするような風の音がしています。ここから七丈小屋までは梯子や鎖が連続し、雪の量も増えてきたためアイゼンに履き替えました。(チェーンスパイクでも通過できそうですが、アイゼンの方が岩や梯子への引っ掛かりがよく安定しました)

夏に登った際の記憶はあまり残っていませんでしたが、雪がつくと緊張感が桁違いに。右側は切れ落ちており、滑ったら軽く数百メートルは滑落しそうな箇所を丁寧に登ります。

右側はどこまで落ちるのか、底が見えません

16:00 七丈小屋に到着。この日の宿泊は私たちを入れて4名。大きな小屋ではありませんが、装備は全て室内で乾かしてもらえ、お水もいただけ、食事はおいしく、寝床も暖かく、とにかく快適!外は相変わらず強風が吹き荒れていましたが、朝までしっかり9時間熟睡できました。

ずっしりと重量のあるハンバーグカレー。
N山さんが注文された七賢の純米大吟醸、ちょっといただきましたがびっくりする美味しさ!!

二日目、予定通り6時に小屋を出発。予報通り、昨日とは一転して風は穏やかです。

8号目御来迎場までは樹林帯の急登をもくもくと登っていきます。小屋泊の方1名が先行、さらにN山さんも先に歩いているというのに体が重い……。

日の出

ここからが緊張感のある細尾根や鎖場を通過し、いよいろ8号目のルンゼへ。トレースもついており、雪はしまっていたためアイゼンもピッケルをよく効きます。一番緊張していた箇所でしたが、下部は鎖も出ており、どちらかという純粋に急登を登る体力的なきつさの方が大きかったです(とはいえ緊張しすぎて写真をとる余裕はありませんでした!

甲斐駒のシンボル二本剣

ルンゼを終えてしまえば、あとはご褒美の雪稜歩きをして山頂に到着します。風は弱く、雲もなく、360℃の絶景が見渡せ、厳冬期とは思えないコンディション!

真っ白な仙丈ケ岳
のんびり景色を楽しみ、記念撮影。

山頂を満喫してから下山を開始。せっかくロープをもってきたので、8号目ルンゼはロープを出していただきました。大きなエコバックにコイル解いていれてくるようにと教わりましたが、そのままエコバックを枝にかけてロープを繰り出せ、なるほどー!と勉強になりました。また、ルンゼの途中で自分なりにロープを切る場所を考えてストップしましたが、あまりいい場所ではなく。判断が難しいです……。

いい天気だったため、ぞくぞくと日帰りする方たちが登ってきます。

10:30頃に七丈小屋へ戻り、休憩してから下山を開始。今回ベントしているピッケルを購入してみての初使用でしたが、梯子などでは都度都度しまいながら下りていると、N山さんよりピックを梯子にかけて降りれるとアドバイスが。実際にかけると、凍っている梯子を手で掴むよりもよっぽど安定しました……!

6号目に戻りアイゼンを外し、あとはひたすら黙々と下山をし、17時予定通りに駐車場に戻ってきました。今回小屋泊のため荷物はだいぶ軽かったですが、それでも足は棒のように疲れ切っていました。流石三大急登……。

ぐったりした足で尾白の湯でお風呂に入り、定番のほうとうを食べて帰路につきました。

ほうとう屋でおじやを頼む暴挙(お米おいしかったです)

とにかく疲れましたが、念願かなって冬の黒戸尾根を最高のコンディションの日に登ることができ、とにかく感無量でした!また、事故が多いときくルートを(自分なりに)判断して歩くことができて、少しだけ成長を感じることができました。

これもN山さんのスケジュールを無理矢理抑えておつきあいいただいたおかげです、今回もありがとうございました!!

塩見岳(会員山行)

日時:2024年12月14日(土)~2024年12月15日(日)

メンバー:Y内さん(L)、N山さん(装備)、U田(SL・記録)

1日目:9:50 鳥倉第三駐車場 - 14:00三伏峠小屋 -15:30 本谷山 - 16:00 TS(P2,600)

2日目:6:00 TS - 7:15 塩見小屋 - 8:45 塩見岳 - 10:00 塩見小屋 - 14:15三伏峠小屋 - 17:30 鳥倉第三駐車場

合宿に向けた訓練山行として、岩稜歩きもできる塩見岳へ一泊二日で行ってきました。

9時過ぎに鳥倉第三駐車場に到着。駐車場には結構な台数の車が止まっていて、皆物好きだね~と感心しながらスタートします。(我々もでは……?)

しばらく林道歩きをして鳥倉登山口から入山。久しぶりの冬山テント泊装備の重みが背中にずしっときますが、それよりも半年ぶりの雪にわくわくして初日の足取りは軽かったです。

午後13時頃、三伏峠小屋に到着。気温ががくっと下がってきて、動きを止めるとあっという間に指先が痛くなる寒さ。防寒対策をしていなかった携帯はこの辺りで逝ってしまいました。

バッテリーを取り出すことも億劫になるような寒さの中、三伏山を超え、本谷山まで。本谷山山頂は広くてテント張りやすそう!と思いましたが、風が通るとのことで不可。

結局そこから少しおりて、2,600mあたりの少し尾根が広くなっているところで幕営しました。

テントを設営した後は、樹林の間からちらちら見える塩見岳が気になっていたため、視界が開けたところを探して散歩へ出かけます。初めて全容が見えた塩見岳の立派な山体に感嘆しました!

夕日に照らされて輝いている塩見岳。
反対側には真っ白になった仙丈と甲斐駒。
満月で月明りがきれいな夜でした

2日目、朝起きると小雪が舞っていましたが、予定通り6時前にテントを出発。進むにつれ雪はどんどん深くなり、もふもふの新雪を楽しみながらまずは塩見小屋を目指します。

塩見小屋にはテントが数張り、意外と風もなく快適そうでした。ここで装備を最終状態に整えて、いよいよ山頂アタックです。(この時点で風の音がそこまで聞こえなかったため、甘めの防寒で出発してしまい後ほど大後悔します……。)

ガスったり晴れたりを繰り返す塩見山頂。

久しぶりのアイゼンでの岩稜帯、歩き方忘れていたらどうしようと内心心配していましたが、先を歩くN山さんの足元をよく見ながら、前爪を引っかけ引っかけクリア。昨シーズンに皆さんにたくさん歩き方を教えていただいておかげで、体が覚えていました。

岩稜帯を終え遮る物がなくなると、すごい風!ビシビシ飛んでくる雪が顔に当たって、とにかく痛い。久しぶりの厳冬期の洗礼を受けながらなんとか登頂。

強風で集合写真などは撮れるはずもなく、少しだけ山頂からの景色を満喫した後は、そそくさと下山しました。

テントまで戻り、あとは下りるだけと思いましたが、ここからが大変。小ピーク(と言いつつ標高2,600mもある)2つを挟むため、登り返しが多い!最後まで淡々と歩くN山さんにペースを引っ張ってもらい、ふらふらになって駐車場まで戻りました。入会して1年ちょい経ちますが、会の山行では過去一体力的につらい山行でした……(なお半月後の剱で過去一つらいはあっという間に更新されました)。

最後の林道歩きは最終的にヘッデンゴールになりました。

冷えきった身体を温めるために、下山後は松川IC近くのまつかわ温泉清流苑に直行。

脱衣所の鏡で顔をみてびっくり、頬が茶色くなっている……。軽度でしたが初の顔面凍傷です。落ち込みながらお風呂から上がると、N山さんもY内さんも黒いシミを拵えていたのでちょっと安心しました。次回からはきちんとバラクラバ着用します、反省。

久しぶりの雪山はじめがテント泊で3,000m峰となかなかに過酷でしたが、鈍った身体をたたき起こすことができ、また懸念していたアイゼン歩行の確認もでき、よいシーズンインを迎えることができました。N山さんY内さん、ありがとうございました!!

筆頭岩

日程 2024年11月9日
メンバー 先行チーム:K村さん、F王寺さん、後行チーム:T橋さん(L)、U田(SL/記録)

渓稜祭1日目はチーム分けして、マルチピッチクライミング未経験のU田に併せていただき妙義エリアの筆頭岩へ。

駐車場から臨む筆頭岩

取り付きに到着してT橋さんに支点構築から確認させていただきます。この時点で緊張感からU田はすごい顔をしていたらしく、爆笑されながらのスタートとなりました。

1ピッチ目、先行チームセカンドのF王寺さんにくっついて、ランニングの取り方(どの岩や枝を利用するか、どのギアを使えばいいか、長さの調整方法等)を教えていただきながらゆっくり登ります。

支点構築と引き上げも都度都度確認していただきながら。
F王寺さんに引っ付き虫しながら登ります。
(T橋さんがひょいひょいと登ってくるのもあり)、引き上げが全く間に合っていない図

F王寺さんに散々こわいよ~と脅されていた3ピッチ目。

足場はしっかりありますが、とにかく高度感がすごい!!一歩一歩、牛よりも慎重に足元を慎重に確認しながら歩きます。風がない日でよかった……。

4ピッチ目。鎖もついており、そんなに難しくないかもと安心したのも束の間、膝すら届かず腹ばいで無理やりよじ登る。

そうこうしてるうちに、ここまでつかず離れずで登ってくれていたF王寺さんの姿が忽然と消えます。最後の壁を登ってしまうとほぼ平坦になったため、ランニング取らなくても大丈夫ってことなのかなあ……?ととりあえず進みます。

が、なんとF王寺さんはアプローチシューズの靴底が両足はがれてしまい、先に行ってしまっていたことが判明。

(冷静に考えたら、ランニングを取らずに進んでいい訳がなく、大変反省しました……。)

ようやく辿りついた山頂では、大変かわいい標識がお出迎えしてくれました。

まっっっっっつたく景色を楽しむ余裕はありませんでしたが、終始妙義を眺められる絶景ルートでした。

記念撮影を取り、時間が押し気味だったこともあり早々に下山を開始します。

帰りは懸垂2ピッチ。1ピッチは短いためロープ1本、2ピッチ目はロープ2本使用して一気におります。

立派すぎる残置の支点
一本目、紅葉に落ちるような懸垂スポット。

2ピッチ目で先行したF王寺さんから、「空中になるとこがあるから気を付けて~!」という声掛け。空中懸垂やったことないなあと思いながら降り始め、下降をはじめてから「え、空中ってどうやるの……?」と気づきました。時差。

下りながら「とりあえず右手離さなければいいですか!?」と聞いた時のT橋さんの顔が忘れられません(すみませんでした)。

どう動けば振られないか必死に考えながら、そろそろと腰を落として、どうにか空中ポイントをクリア。

すいすい下りてくるT橋さん

U田は無事に下りれたことでいっぱいいっぱいになっていましましたが、ここからが一番の大事件。ラストのT橋さんが下りた後にロープを引くも、ロープが落ちてこない!

結び目を解かずに引いたため、支点でロープが引っかかってしまいました。

(この後宴会の準備をしなければならず)時間が押していたこともあり、F王寺さんとU田は先に下山し、K村さんとT橋さんが登り返してロープに回収に向かってくださいます。

(その後聞いたところによると、別パーティーが登ってきたため落としてもらおうとしたらそのパーティーがロープ一本だったため、ロープをお貸しして回収したとのことでした)

こういった事態も起こりうるということ、大変勉強になりました……。

夜の大宴会のごちそうの一部、鳥の丸焼き(蒸し?)
とうとう暖簾が……!

はじめてのマルチピッチクライミング、終始てんぱりっぱなしで、登っている最中はこわい……!という気持ちでいっぱいでしたが、時間が経つと楽しかったな~となってしまう不思議。

先輩3人付きっ切りで指導していただき、大変贅沢な岩登りデビューとなりました。今回教えていただいたことを忘れないように、しっかりと復習しておきます。ありがとうございました!

井戸沢(会員山行)

日時 2024年7月13日(土)

メンバー:Y内さん(L)、K村さん(気象)、U田(記録)

7:10 駐車場 - 8:30入渓 - 11:30 流石山 - 13:40 三斗小屋 - 15:20 駐車場

癒し系の沢ですとお誘いいただき、那須の井戸沢へ。直前まで予報が不安定だったため中止するかぎりぎりの判断になりましたが、思った以上によい天気に恵まれ1日楽しむことができました。

ゲートまで車でアプローチ
木でできた石堤(?)が入渓地点の目印

一番最初の15m滝。ここは登らず右を巻きます。巻き道にはお助けシュリンゲが設置されていましたが、それでも体が上がらずY内さんに肩を貸していただきどうにか通過。

次の15m滝は左の水流沿いを登ります。しっかり段差がついてそうに見えましたが、登ってみると思った以上にヌメっており、手をしっかり取れるとこもなく、冷や汗が出てきました。

「癒し系」とは……?という気持ちになりながら遡行を続けます。

ルート上一番大きい18m滝でロープを出します。遡行図では「左が階段状になっていて簡単」と書いてありましたが……。

敢えて右を攻めるY内さん。

下からだと中段で簡単にトラバースできそうに見えましたが、登ってみるとヌメりがすごく、とてもトラバースはできそうにない状態で納得しました。滝は下から見ても登ってみないと全然分からないな~と勉強になります。

18m滝を終え、ここは全然癒し系の沢ではない……と思い始めた頃に、スラブ状の開けた沢が稜線に向かって続いていました!

沢沿いにはニッコウキスゲやイワギボウジが咲いており、花を眺めながら沢登りができるなんてと不思議な感覚になります。

ツメは優しい藪漕ぎ

ガレと藪のツメを終えると、登山道に合流。こんなに開けた稜線に出る沢登りははじめてだったため、感動しました。

流石山山頂で沢装備を解除。登山道を縦走してきた方に、熊がいたとの情報をいただきました。
霞んではいましたが、遠くには茶臼岳も。

あとは登山道で下山するだけ!と思いましたが、ここからが地味に長い。途中三斗温泉に寄り道してみたところ思った以上に雰囲気がよく、しばらくまったりと休憩してから駐車場まで戻りました。

今度はテン泊でまったり温泉に入りにきたい大黒小屋

開けた沢を遡行して森林限界を超えた稜線に上がるという、沢登りと登山のいいとこどりをしたような素晴らしいルートでした。(癒し系であることを疑ってしまいすみませんでした。)

また個人的に、遡行図と照らし合わせてルートを探すのが最近の沢の楽しみでしたが、遡行図ガン無視で攻める姿勢もバリエーションならではだなと勉強になりました。Y内さんK村さんありがとうございます!

春合宿後半 B隊奥明神沢~前穂高岳、A・B隊合同 西穂高沢~西穂高岳

日程:2024年5月3日~5日

春合宿後半組は、岳沢小屋をベースに2日目にA隊が奥穂南陵、B隊が奥明神沢~ダイレクトルンゼ経由で前穂高岳。3日目にAB隊合同で西穂沢経由で西穂高岳へと登る計画となりました。

【1日目】上高地9:40 ~ 岳沢小屋12:00

この日は岳沢小屋まで約3時間登るだけの予定でしたが、出だしから早速トラブル発生。駐車場から沢渡バスターミナルに移動しようとした瞬間、N村さんのザックのショルダーハーネスがぶちっと千切れる。取り急ぎ腰ベルトに縛り付けて応急処置をしましたが、バスに乗り込む寸前に今度は上部が千切れてしまいました。

上高地に到着早々、N村さんがシュリンゲとカラビナを利用してさくさくと利用できる状態に補修。以降は岳沢まで問題なく背負えていたようで、応用力の高さにびっくりしました。

上の方はベルトのヒモ通しにスリングをインクノット、下は腰ベルトにカラビナを通してスリングを折り返して長さ調整出来るようにしてフレンチノット、とのこと。

観光の方で賑わう上高地を(主にN山さんが)超高速で抜け、岳沢小屋に到着してテント設営後は奥穂南陵チームが偵察に向かうのをお見送りし、(奥明神沢の取りつきは小屋からまる見えだったため)前穂チームは翌日に備えて体力温存します。

乗鞍、霞沢岳、焼岳が一望できる岳沢小屋のテラス
山座同定しながら

【2日目】B隊メンバー:N山さん(L)、N村さん(副L)、U田。

岳沢小屋3:30 ~ ノド5:40 ~ 前穂高岳 6:30 ~ 岳沢小屋10:10(U田の立木を利用した懸垂支点構築練習1時間を含む)

雪崩や落石の危険を避けるため、2時起床し3時半には小屋を出発。山肌では既にちらほらとヘッデンの明かりが光っており、みなさん早出なのが伺えます。

奥明神沢の斜面はかっちかちに凍っていましたが、人気ルートのようで比較的トレースがしっかりしており、ふくらはぎ耐久勝負にはならずにちょっと安心しながら登ります。(とはいえ、うっかり後ろを振り向くととんでもない傾斜が目に入るので極力下は見ません。)

写真だとあまり伝わらない急登感
標高をあげると、乗鞍に隠れていた御嶽が!
ノドの様子、しっかり雪がついていると思いきや。

核心部のノドに到着します。思ったより雪がしっかり残っており安心したのも束の間、N村さんより「下が空洞になっているためそっと登るように」との指示が。空洞??と思いましたが、アイゼンを指すと音が全然違う! ここを崩したら大変だと、おそるおそるアイゼンとピッケルをやさしく刺して慎重に通過しました。

ノドを通過すると間もなく山頂です。

山頂看板はまだ雪の下のようです
少し進むと、奥穂が大迫力!
槍や裏、立山エリアまでしっかり見えていました
奥穂をバックに。写真を撮ってくださったパーティーとは、翌日も西穂でお会いしました。
南陵を攻めているT橋さんI村さんと思われる人影

下山はあの傾斜を下るんだと緊張しながら慎重に。登りでは上がらなかった息がぜえぜえになりながら下山します。

どこまで細い木でいけるか、実践しながら

時間に余裕があったため、立木を利用する懸垂の練習を4ピッチ200mして小屋まで戻りました。横では奥穂南陵ルートでヘリが救助活動をしており、改めて危険なエリアであることを肌で感じます。

小屋に戻ったあとは、祝杯の生ビールとパスタランチを楽しみながらA隊の帰りを待ちます。

【3日目】メンバー:N山さん(L)、T橋さん、I村さん、U田。

岳沢小屋4:20 ~ 西穂高沢取り付き4:50 ~ 西穂高岳 7:40 ~ 岳沢小屋 10:00

この日は前日に奥穂南陵を踏破されたA隊も一緒に、西穂高沢経由で西穂高岳へ。(N村さんは足を痛めてしまい、残念ながらお留守番)

小屋からは取り付きまでが長く、デブリ帯や木々の間を抜けながら西穂高沢へ向かいます。取り付きに到着したらあとは登るだけ!と思いましたが、これが中々につらい登りとなりました。日の出直後から光があたる斜面だったため、あっという間に雪が溶けてぐずぐずに緩んでいきます。

登っても登っても近づかない稜線

ぐったりしてきた頃に、ようやく西穂の稜線にでました。稜線上には全く雪がなかったため、アイゼン・ピッケルをデポして山頂に向かいます。(が、一カ所かちかちな雪渓が残っており、先輩方のフォローでどうにかなりましたが、U田はどっちか持って行った方が安全でした)

稜線に上がると、目のまえに笠!
明神岳をバックに
西穂も初のU田はこれが有名な西穂の稜線か~とこっそりテンション上がっていました。
セルフタイマーで記念撮影
コブ尾根方面、かっこいい

登りの苦労はなんだったんだろうというくらい下山はサクサクと進みますが、西穂高沢を終えてから小屋までは登りとなり、大変つらい道のりでした。

小屋に戻ったらパスタランチ会を開催。5名3日間で、果たしていくら小屋にお金を落としたのか…?
上高地まで戻り、(小ぎれいな方たちに大変頼みづらかったため)交代で記念撮影しました。

沢渡まで戻った後は、源泉かけ流しの「しもまき」さんで汗を流し、おいしいお蕎麦を食べ、渋滞に巻き込まれつつ帰路につきました。

3日間ともこんなに快晴でいいのかと不安に思うくらいお天気に恵まれ、終始絶景を楽しみながらの山行でした。

また個人的に、夏も含めて穂高の山々を登ったことがなかったのにまさか始めてが残雪期のバリエーションになるとは思ってもおらず、無事に登れてとても嬉しかったです!これも2月から4月までのアイスや岩場でのアイトレなど十分な訓練期間を経て今回の山行に臨むことができたおかげだなあと、ご指導くださった先輩方に感謝がつきません。ご一緒してくださった皆様ありがとうございました!

会員山行 ヨナ沢の頭

日時 2024年3月30日(土)~3月31日(日)

メンバー:N山さん(L)、F子さん(副L)、U田(記録)

(1日目)8:15 駒ヶ根高原スキー場 - 9:30林道終点 - 13:00マセナギ (TS)

(2日目)5:00マセナギ - 8:20ヨナ沢の頭 -12:00マセナギ -15:00林道終点 - 16:00駒ヶ根高原スキー場

黒戸尾根を登りたいんですと先輩方のスケジュールを抑えておいた3月最後の週末。直前に長雨が続いたことや強風予報だったこともあり、二転三転した結果、行き先は空木岳へ。

まさか積雪期の池山尾根にチャレンジできるとは!と、どきどきしながらのスタートとなりました。

標高900mの登山口に雪はありませんでした

標高1500mタカウチ場あたりからずぶずぶの春の雪になってきます。早々にワカンを装着しますが、それでも沈む沈む……。

腐った雪にぐったりしてきた頃に、ようやくマセナギに到着。時間的にヨナ沢まで行くのは厳しく、上部の風もすごい音がしていたためここを本日の幕営地にします。景観のいいスポットを発見してテントを張ります。(翌日、幕営装備を背負って池山尾根を登るのは私には無謀だったと痛感したため助かりました)

TSから覗く中央アルプス
少し登ると南アルプスがよく見えます
アップで!

翌朝5時、身軽になって空木岳へ向かいます。

夏は少し細かったかなくらいの印象しか残っていない池山尾根ですが、雪がつくと別物です。序盤から雪岩氷がミックスとなっている階段や鎖場に緊張が続きます。

さくさくルーファイしながら進むN山リーダー

大地獄・小地獄をクリアし、ヨナ沢の頭へ向かいます。

雪が多い時期は尾根を直登するようですが、藪が出ていたため池山尾根名物(?)の夏道トラバースを選択。N山リーダーが数メートル進んで道を確認した後に、落ちたらまずいということでロープを出すことに。

下を見るとどこまで落ちるんだろうとぞっとします

ここからトラバースをザイル3ピッチ(150m)で通過します。雪山本チャン経験がないU田は出発前のガチャの用意から始まり何もかも準備不足で大変反省しました……。

トラバースを終えると、リーダーが登りやすそうなところをルーファイして尾根へ上がります。が、こちらも足場が悪くて難しい!

とにかくついていくことに必死になっていましたが、N山さんが開けたところで立ち止まったと思ったら、そこがヨナ沢の頭でした。

埋まっている山頂看板

上空は強風で山頂にも雲がかかっており、時間も押していたため本日はここまでにして引き返すことに。

片足埋まってますが、抜け出す気力もなくそのまま写真を撮ってもらいます
稜線には厚い雲が

帰りは尾根からトラバースまでの下降2ピッチ100mと、大地獄で1ピッチ50mロープを使用して下山しました。

ピッケルが効くまで何回も刺し直しているため、時間がかかっています
心配していた下りは、思ったよりはまともな恰好で下りれました
強風でテントが飛んでいかなかったことにほっとします

ちょうどお昼ごろにマセナギに戻り、テントを撤収。またしてもずぼずぼになっている雪に辟易しつつ、ワカンを履いて焦って転倒などしないよに、のんび~りと下山しました。

F子さんお勧めのこぶしの湯、露天から南アが一望できました!

残念ながら空木岳には届かず、とにかく厳しいところの通過に先輩方の3倍くらい時間がかかってしまい技術も経験も足りてないと痛感し大変悔しかったです。

半面、2月下旬に登った西黒尾根から3月上旬のラッセル訓練を経て、アイゼンの前爪と仲良くなることが個人的な課題でしたが、この週末に向けてちまちまと色んな山で練習していた甲斐もあり、ちょっとだけ成長を感じることもできる山行でした。

今度チャレンジする時は自分でルーファイしながら登れるようになりたいので、N山さんF子さん懲りずにまたお付き合いください!

会員山行 谷川岳西黒尾根

日時 2024年2月24日

メンバー:F子さん、U田

6:50 谷川岳ベースプラザ - 11:00ザンゲ岩 - 11:30谷川岳(トマ・オキ)- 14:00天神平駅

Aチームが爺・鹿島槍に登っている最中、Bチームは諸般の事情により日帰り山行に変更となり、せっかくの機会なのでU田が登りたくてしょうがないルートの一つだった西黒尾根をお願いして谷川岳へ。

例年に比べてあまりにも雪のない登山口に、F子さんが驚愕しながらスタートします。U田はSMSCA雪山講習で一週間ぶりの西黒登山口でしたが、一週間前に比べても明らかに少なっていました。

稜線にでると細い尾根道になり、慎重に歩きます。

急な登り下りは例年だと雪で埋もれているそうですが、枝や鎖が出ていました。上手く通過できず、F子さんに見本を見せていただきながらクリア。

昼にかけて晴れる予報だったのに、どんどん白くなっていく山頂

ナイフリッジ地帯を終えてガラ沢の頭へ。斜面はガリガリつるつるの全面アイスバーン状態。怖さでフラットで歩こうとしてしまいますが、急すぎて靴底がつかず。アイゼンの爪先を信じて登れるようになることが今後の課題です……。(写真を撮る余裕はなし)

難所を終えて、ユニークな登山隊の方々とお菓子交換をさせていただいたりしながら休憩した後は、今回一番の難所と思われたザンゲ岩へ。ほどよく雪で埋まっており、右巻きでスムーズに通過できました。

天神尾根と合流!たくさんの登山者が登ってきています。
視界はありませんでしたが、オキトマを踏んで記念撮影。
下山は天神尾根からさくさくと。こちらの斜面もいい感じに凍っていました。
霧氷が見事です
登山あるある、下山すると晴れる現象。登ってきた西黒尾根がよく見えます。

景色は残念でしたが、念願の西黒尾根に登れてU田は感無量でした。F子さんありがとうございます!帰りは定番の湯テルメでのんびりと温まって帰路につきました。

会員山行 八ヶ岳

1日目:赤岳山荘9:35ー行者小屋12:30-阿弥陀岳14:40ー行者小屋16:00

2日目:行者小屋6:30-地蔵の頭7:20-石尊峰手前8:10-赤岳9:40-行者小屋11:10ー赤岳山荘14:10

メンバー:Nさん、Kさん、U

雪山初心者のU向けに、王道の行者小屋をベースにして阿弥陀岳、赤岳へ。

1日目:赤岳山荘までの悪路をNさんの華麗な運転で登りあげ、赤岳山荘よりスタート。例年よりもやはり雪は少なく、地面が露出している道を歩きながら行者小屋まで。テントを設営後、阿弥陀岳へ。途中からトレースがなくなった道をトラバースし、岩が露出している登山道を登り、阿弥陀山頂へ。(あいにくガスってしまい眺望は望めませんでしたが、初の阿弥陀岳に冬に登れたことにUは大興奮)下山は中岳沢を利用し、あっという間に行者小屋まで戻ります。

初日は生憎の曇天
行者小屋にてテントを設営後、阿弥陀岳まで
途中からトレースがなくなりましたが、Nさんがさくさくとルーファイしながら登っていきます
山頂は貸し切りです
中岳沢からの下りはあっという間
登山あるある、下山すると晴れる山頂。夕日に照らされ、山並みが輝いていました

2日目:地蔵尾根から地蔵ノ頭まで登り、予想よりも風が弱かったため横岳方面へ。横岳を目指すも、ベルグラ稜線になっているためUの技術では難しいと判断し、石尊峰手前で引き返します。そのまま赤岳に向かい、無事登頂後に文三郎尾根より行者小屋まで下山。テント撤収後赤岳山荘まで下山し、赤岳山荘名物の肉うどんをいただき岐路につきました。

2日目、地蔵尾根より稜線まで
地蔵ノ頭
横岳方面へ進むも、ベルグラ稜線に撤退
赤岳方面へ引き返します
富士山から北アルプスまでよく見えていました
この日は天候もよく、たくさんの登山者で賑わっていました

会員山行 表妙義縦走

道の駅みょうぎ7:45-大の字8:30-11:15相馬岳(妙技山)-14:25道の駅みょうぎ

メンバー:Tさん、Fさん、U

当初日帰りで雪山を予定していましたが、天候が思わしくなく急遽予定を変更し、まだTさんとUが登ったことのないまだ登ったこと表妙義へ。

妙義神社の参拝からはじまり、開放感あふれる大の字の裏に出て、表妙義縦走コースへ。22個あるという鎖を次々と楽しく登り(途中、長すぎる鎖に少々お腹いっぱいになったりもしながら)相馬岳まで。奥武蔵エリアの山々の景観を眺めながらの休憩後、バラ尾根から下山。中道コースに戻り、途中で落ち葉ラッセル(!?)をしたりしながら、表妙義縦走コースを楽しんできました。

道の駅みょうぎよりスタート
妙義神社で参拝し
落ち葉でずるずるの急登を登りきると、間もなく大の字の裏へ
さっそく大の字になってくれるTさん
風は強かったですが、気持ちのいい日でした

大の字から表妙義の縦走コースに入ります

鎖が次々とでてきます
ビビり岩はビビッて写真が取れません
絶景を前にタイタニックごっこをしたり
メタボチェックを受けたり
妙義山らしい景色!
長すぎる8番9番の鎖にうんざりしてきた頃に
相馬岳に到着
下山は時々落ち葉ラッセルをしながら、中道コースに合流し下山します
下山後は道の駅で、定番らしい巨大しいたけと下仁田を購入

今回は時間の関係で10番の鎖までとなりましたが、ぜひ次回は22番の鷹戻しまで歩いてみたいと思う楽しいルートでした。