K村、F王寺、五郎、山下(記)
冬に向けて「足慣らし」ということで悪天前の僅かな晴れ間に、渓稜の大先輩である五郎さんと西上州の鹿岳へ。
国道254をひた走り上毛電鉄の終点「下仁田」駅を右手に見て南牧川沿いにしばらく走る。途中で川を渡り大塩沢の集落方面へ。
道沿いの駐車場に停める。
ここでFさんのお知り合いのガイドさんと偶然再会する。どうやらお客さんを連れて山行とのこと。
我々も身支度して行動を開始する。
鹿岳登山口よりいきなりの急登。冷えた身体に結構効いてくる。
大汗をかき始めるころ鹿岳のコルに到着、両サイドが切れ落ちた狭い稜線だ。
初めにより標高の高い二ノ岳に向かう。途中見た目にもヤバそうな木製の梯子を登り15分程で山頂。
やや霞んではいるものの上州の山々や雲に包まれた浅間、振り返ると切れ間に雪の八ヶ岳方面が望める。
空母のような荒船山の山容も直ぐそこに。
展望を楽しんでコルに戻り反対側の一ノ岳へ向かう。
再びコルに降りて四ツ又山へ向かって縦走を開始する。
岩肌に張り付くように付けられた道を固定ロープを頼りに慎重に歩く。マメガタ峠まで200メートル近くも高度を下げ再び同じくらいの登りとなる。このあたりから結構な数の登山者とすれ違う。マイナーな山かと思いきやこの季節は上州の山々もなかなかの魅力があるのかも知れない。
朝から結構な上り下りで後で調べてみたら累積標高は740メートルを超えていた。
四ツ又山の小ピークにはそれぞれ天狗様やいろいろな祭神の石像が山頂に鎮座し、嘗ての山岳信仰の名残を残している。
それらのピークを一つづつ越えて先程の鹿岳方面を振り返ると鹿岳の異様な岩峰が眼に入る。よくあんなところを歩いて来たモノだと皆で感心する。
そろそろ風も冷たくなり雲も多くなってきたので早々に下山にかかる。
ここで少しヒヤリとする。四ツ又山を下り始め直ぐに登山道は左に折れる。角度にして50度くらいか。道は落ち葉で覆われ踏み跡は見分けが付かないし。見ると直進してルートを外れた少し下に登山者が休んでいる。ぼーっとして真っ直ぐ降りてこの尾根に迷い込むと変なところに誘い込まれそうだ。
更にその僅か下でルートは僅か右に曲がる。セオリーなら登山道は傾斜の緩い方にあるものと思い込んだらこれも変な尾根に誘い込まれそうだ。
ルートが判然としない場合はコンパスで確認するのが確実で、西上州の低山だからといって侮ってはいけないということ。
沢沿いを歩くようになると幾つかの滝と紅葉に歓声をあげ、集落が近づいてきた。
途中、猟銃を持ったハンターとすれ違う。いかにも西上州。
紅葉の盛りは過ぎてはいたが落ち葉を踏みしめながらの楽しい山行だった。