二子山 スーパーたこやん

日程 2024年11月10日
メンバー T橋(L)、Y内、I村、Y代、A木(記録)

渓稜祭2日目の朝。我々はすっかり寝坊した。
昨晩のお酒とニンニクの香りを纏った我々を載せ、Y内号が登山口に到着したのは午前10時。
途中の通行止め迂回もあってすでに2時間遅れだ。

(大幅に出遅れているが)キャンプ場で火器の点検にいそしむ一行。

登山口から又峠を通過して東岳方面へ。
途中の弓状エリアを登るツヨツヨなクライマー様を眺めながら「あっちじゃない?いや、こっちじゃない?」と若干迷いつつ、スーパーたこやんの取付きに到着。
ラッキーなことに他にパーティーはいない。先行からの落石リスクも後続から追われることもない。遅くなったことが幸いしたのかもしれない。

本日は1組目が(I村さん、Y代さん)、2組目が(T橋さん、Y内さん、A木)の組み合わせ。
かなり悪い足場に苦戦しながらも準備完了。登攀開始。

>1ピッチ目 26m、5.8(リード:Y代さん、A木)
簡単なフェースを登ってあっさりと終了点の「ひだまりテラス」に到着。名前の通りポカポカと気持ち良いのは数分。その後は猛烈な日差しで干物状態に。

>2ピッチ目 20m、5.8(リード:I村さん、Y内さん)
クラックも利用しながら広めのフェースを登る。ここから浮石が目立ち出して要注意。え?これが浮いてる?というようなサイズのモノもあり、慎重を要する。

>3ピッチ目 (徒歩)
ここは単純歩きルート。ロープを束ねて20mほど前進。ちょうど先行PのY代さんが離陸。

>4ピッチ目 32m、5.7(リード:Y代さん、T橋さん)
ここも簡単そうに見えて浮石だらけ。
しかも最近剥がれたであろうフレッシュな岩肌がところどころでムキ出しに。かなり気を遣いながら登る。

とはいえ、先行パーティのリード(Y代さん)、ずいぶんと時間がかかる。
あまりに時間がかかるので、ダイジョーブですか?と下からビレイヤーのI村さんが声を張る。何度声をかけてもかすかに声が聞こえるような、聞こえないような・・。

しばらくすると「虫になってまーす!」と返ってきた。
ほっと安心すると同時に、I村さんが「蝉のことでしょうね」と静かに突っ込む姿が印象的だった。

※後から聞くと、どうやらY代さんはすこし行き過ぎて5P目核心部に突入、ちょっと苦労されていたとのことでした。

>5ピッチ目 25m、5.10a(リード:I村さん、A木)
いよいよ最終ピッチ、このルートの核心部。
出だしのフェイスとその後のハングを乗り越すところが少し難しい。
そこさえ乗り越せばあとは簡単パート。
二子山東岳ピークに飛び出したら装備解除。
その後は元気よく急斜面を下って又峠に。無事下山となりました。

最後の岩峰をクリア。ここまでくれば、こんな感じになる余裕もある。
後続3人組。
下山の図。切り立った稜線は登攀より怖いかも。

以上、秋の気持ち良いクライミングのご報告でした。
企画のT橋さんはじめ、今回も皆さんありがとうございました!

小川山 大貧民ルート(会員山行)

小川山廻り目平でキャンプしながら、土曜はマルチの男山ダイレクト、日曜は廻り目平周辺でフリーを楽しむ計画でしたが、土曜は急遽予定変更し、廻り目平近くのマルチで殿様岩の大貧民ルート(5.7)に行ってきました。

メンバーT橋(L.記録)、A木、翌日合流メンバーあり。

土曜日は小雨が止まず諦めモードでとりあえず、キャンプ場を目指します。レタス収穫日本一の川上村に入ると道が乾いています。これはイケるかも??廻り目平に到着するとPはガラガラでテン場も3張りテントがある程度です。芝生の良い場所にテントとターフを張って今夜の宿と宴会場をセッティング。これから男山に取り付くにも、撤退で戻るにも時間がかかるので、近場のマルチを検討。小川山ビギナーの私達が決めたのはアスレチック要素のある大貧民ルートです。

取り付きのテラスへ行くには2パターンあり、裏からトンネルを抜けるか、下からスラブを登るかです。はじめ後者を選択し登りますが、びしょびしょのスラブに阻まれ、トンネルアプローチに変更。狭いトンネルの中はカメムシの香りで充満しています。身体を壁に擦りつけつつ、香りも移しつつトンネルを抜けると、すっかりカメムシの化身です。テラスで自身の香りにおののきながらも、装備をつけ登り始めます。

抜けてきたトンネルを振り返る。狭い。

11:00スタート、12:40トップアウト、13:30下降開始

1P T橋、横クラックからの縦クラック。横に0.5と1.0、縦に0.75をキメて立木でピッチをきります。

スタート地点。横のクラックにそって登っていく
1P終了点手前。登ってくるA木さん。立木で支点可。

2P A木さん、これもやさしいスラブなのですが、ランナーを取るところがまったくなく、高度感もあるためリードはとてもコワイ。しかも濡れています。リーダー権限を発動し、A木さんにリードをお願いしました。

2Pフォローで登るT橋。

3P A木さん、2P終了点からほんの数メートル歩いて3Pですが、30センチほど離れた岩に飛び移ります。移る側の岩の割れ目に0.5カムをキメて、割れ目の中のガバをつかんで移ります。最初、私がリードにトライしてましたが、割れ目のガバが見つけられず、ヌメヌメに怯えてリード交代。乾いていれば何てことはないのですが、岩のしっとり感がメンタルをジワジワと溶かしていきます。

岩がしっとりしていてメンタルやられる

4P?縦穴 T橋、最後は縦穴をくぐり抜けて、岩の上に出るのですが、ここも狭い。そして、香りがキツイ笑。

光が入り込み美しいけど、狭い、香る

ギアをはずしてズリズリ上がりますが、途中ヘルメットがハマって首がロックされてしまいます。一生抜け出せないかもと不安を感じつつ、ヘルメットも外して、岩に挟みこみ、再びズリズリとお腹やお尻のお肉を削ぎ落とすように(ホントに削ぎ落ちればいいのに!)上へ上へ。赤ちゃんがお母さんのお腹から産まれる時ってこんな感じかもです。最後はマントルで上がり込んで、オギャーっと無事に産まれ出ました。

ヘルメットを岩に挟み込み登るT橋。ヘルメットははフリクションが効いて落ちない。

荷物や、ヘルメットを回収し、後続のA木さんの誕生をサポートします。

産まれ上がったところは廻り目平を一望できる気持ちの良い場所です。屋根岩郡も私達のテントも遠くによく見えます。

屋根岩郡

さらにもうに一つ上がるところがあり、これも飛び移り系。A木さんに飛び移ってもらい、映える写真を撮ったら懸垂で下降です。

巨石に立つ産まれたてのA木さん。山荘と私達のテント見えます。

トポでは60m懸垂でしたが、50mロープだったので、3P目のところと1P目のテラスでピッチを切り、懸垂3回でした。

テント場に戻ったあとは買い出しに行き、乾杯タイム突入です。19時過ぎにK村さんとI村さんが合流しました。飲んでしまうといろんなことがどうでもよくなり、嗅覚も鈍感になるようです。コインシャワーもあったのに、カメムシの香りをまとったまま翌朝を迎えてしまいました。

大貧民ルート、とても楽しいルートですが、今年はカメムシがとても多いようです。ご注意ください。A木さん、ありがとうございました。