赤木沢 夏合宿山行

日時 2024.8.10-12

メンバー T橋(L/記)、A木、I村、I澤

今年の夏合宿は沢がテーマ。会山行で練習した沢の実践が目的です。目的地は憧れの美渓である赤木沢。どんな美しい沢なのか楽しみです。新人のI澤さんは初めての沢合宿です。

1日目晴れのち曇り時々小雨

8:20折立-12:20太郎小屋-13:00薬師峠

 スタートからハプニング発生。連休で折立Pが停まれないことを懸念して、飛越トンネルの登山口から入山する計画でしたが、夜通し車を走らせて着いたのは、予定していた場所ではなく、更に西にある別の飛越トンネルでした。空はすっかり明るくなっており、薬師峠のテン場までの時間短縮を図るため、急遽、折立スタートに変更。心配してた車も無事駐車でき、予定より3時間遅れてのスタート。

三角点ベンチの手前の登山道で小熊に遭遇。多くの登山者が二の足を踏んでいる中、率先して先頭にいたA木さんによると、小熊は後ろにいる私達をとても迷惑そうに見ていたらしい。

熊さん出現で一旦ざわめいたが、薬師峠までの道のりは寝不足と暑さでみんなバテ気味。私が一番ヘロヘロで足が攣りまくってました。ガスであたりが真っ白になってきた頃に太郎平到着。

真っ白い景色に変わった

混み混みのテン場ではI村さんのおかげでプライベート感のある良き場所を確保。ビールで乾杯し元気復活。翌日に備えます。

2日目 晴れ時々曇り

5:40薬師峠-7:40-8:30薬師沢小屋-10:10赤木沢出合-12:20大滝-14:10薬師沢左俣

朝のトイレ渋滞に巻き込まれ、予定より少し遅れて出発。薬師沢小屋で泡水を補給して沢装備をつけて黒部川の遡行開始です。

 水量は多くはないのでしょうが、やはり黒部川です。一箇所対岸へ渡るかお助けヒモ&アブミが設置されている大石を上がるか選択する所がありました。渡るのは流れも早く深そうだったので、A木さんが大石を登り、後続2人をお助けヒモで引き上げてくれました。途中は流れも深さもそれなりのところもあり、増水すると難易度はあがります。

歩きはじめは穏やか。白い石が眩しい。
渡るには深そう
お助けヒモとお助けA木さん

そのあとも、よじ登ったり、へつったり,ドボンしたりしながらいくと、赤木沢出合いに到着。そこは大人達が思わずはしゃいでしまうほどの美しさがありました。ナイアガラの滝をバックに記念写真をとり、深いトロに飛び込んだりと、ひとしきり遊んでから赤木沢遡行開始です。

赤木沢出合
はしゃぎ飛び込む
ナイアガラをバックに

途中、ウマ沢出合いを過ぎた2020mの2段10mの手前で釣りタイムもとりましたが、かわいい岩魚が一匹のみ(リリースしました)でした。そこから、大滝まで登れる滝が連続し、それぞれ自分の登れる(登りたい)ラインで登ります。

川床が赤っぽい
ここで釣りタイム
好きなラインを登る

標高2100mあたりから目の前に大きな岩壁が迫ってきて、右に流れの方向が変わったところで大滝の登場です。おお~っと歓声が上がります。写真で見たそれよりも、とても立派。さっそく皆、釜の近くまで行って滝のスケールを体感しています。この日、2回目の大人のはしゃぎです。

岩壁どーん
はしゃぎ滝行

ここは素直に高巻きます。踏み跡はありますが、まあまあ急で木を掴んでよじ登るところもあります。

巻道から大滝の落ち口を見る

落ち口を超えた後は、連瀑帯を抜けて、薬師沢の方に向かいます。途中、細い右の支沢に入りましたがその先でもとの水線に合流。赤木平からのたくさんの小さな水線に足を取られつつ、薮をしばし迷走(私だけ…)。まもなく穏やかな草原の丘陵にでたので、ハイジ気分で横になったりしました。(私だけ…)

なかなか良い時間になり、疲れたのでビバーク適地を見つけて幕営することにしました。気持ちの良いひらけた場所にポツンと私達だけです。下は草なので寝心地もフカフカです。でも1人だけ石が腰に当たってたようです。整地は大切ということです。

そんな素敵なビバーク地でI澤さんが背負ってきたくれたでっかいソーセージを焼いて、沢で冷やしたビールで乾杯です。

なかなか豪勢な宴でしたが、締めのご飯の湯を沸かす際にガス欠になってしまい、I村さんが生温いうどんを食べるハメに。ガス缶の予備は大切ということです。忘れたのは私です。すみませんでした。

3日目 晴れ

23:30-0:20北ノ俣岳-2:20太郎平小屋-6:20折立

幕営地から薬師沢左俣を詰めていくと北ノ俣岳に上がります。そこがTJARのコースになっていて、レース参戦中の友人が2時頃通過する予定です。是非とも応援したい!とメンバーにお願いして、深夜に移動することにしました。協力してくれてありがとうございます。

テントを出るとぐるっと360度の満天星です。翌日がペルセウス流星群極大だったようで、この日もたくさんの流れ星を見ることができました。

そんな星空の中、GPSでルートを確認しつつ沢を詰めていくと、やがて水線がなくなり、明瞭なガレ沢からなだらかな稜線にでます。そこで沢靴から登山靴に履き替え、太郎平方面に向いました。途中、何人かのTJARの選手達とすれ違ったのち、太郎山の手前で友人と会えて、応援を伝えることができました。

真っ暗な山頂
即席の手作り応援旗

その後、折立にむかう途中では眠気に負けて、2回ほどベンチで数十分の仮眠をとりました。

夜明けの剱岳を遠く見ながら下山

下山後は満天の湯♨️で朝風呂、A木さん推しの「老舗青山総本舗」で鱒寿司をお土産にし、新湊の「きっときと市場」で海の幸を堪能して帰路に着きました。

赤木沢、色々盛りだくさんの合宿になってよかったです。おつかれ様でした。ありがとうございます。

2022年度 夏合宿 <槍ヶ岳 西稜>

2022年度の夏合宿は新穂高を出発とする<槍ヶ岳西稜チーム>と<双六岳縦走チーム>の2チーム構成でした。
ここでは、<槍ヶ岳西稜チーム>について報告いたします。

メンバー:AK(L)、YK、OF、SR(記)の4名
西稜登攀パーティー:YK=SR、AK=OF

[予定]
8月10日(水):新穂高-槍平(小屋泊)※縦走チーム3名と一緒
8月11日(木):槍平-飛騨沢-槍ヶ岳(西綾登攀)、槍ヶ岳山荘(泊)
8月12日(金):槍ヶ岳山荘-中崎尾根-新穂高温泉(下山)

当初予定は上記の通りでしたが、3日目の12日が雨天のため中崎尾根ではなく往路の飛騨沢経由で下山となりました。
天候と休憩を含めた行動時間は以下の通りです。

8月10日[入山]曇り時々雨:6時間15分
8月11日[槍ヶ岳山荘]雨のちくもり:4時間55分
   [西稜登攀]晴:5時間(アプローチ1時間)
8月12日[下山・飛騨沢]雨のちくもり:7時間50分

今回の西稜(曾孫槍-孫槍-大槍)には、8月11日の晴れ間に取り付くことができました。
先行1パーティー、後続パーティーなしで、ほぼ待ち時間もなく岩も乾き360度の眺望も満喫できた大変素晴らしく楽しい登攀でした。
ホールド、スタンス共に豊富で、登る者によってルートを選べる楽しさがあり、クライミング初心者にも楽しめるコースでした。
ただ、取り付きへのアプローチは、一般登山道からルンゼを下るルートで、浮き石が多く今回の登攀で一番気を遣った所です。
合宿の3日間、事故も無く仲間と共に楽しく登れたことが一番の収穫でした。