山岳レスキュー講習会(無雪期)

日程 2024年6月21日(金)~6月23日
場所 富山県立山町 国立登山研修所
主催 日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)
参加 T橋、A木(記録)

豪雨に見舞われた都内から新幹線で2時間。富山は30度を超える快晴だった。
だが登山研修所の門をくぐる私の心は晴れない。
仕事のせいでこの研修の参加に遅れていたからだ。(もちろん事前に連絡済み)

「この講習のコーチは鬼軍曹だらけ、全国から集う講習生はひと癖もふた癖もある猛者ぞろい。心して行くように」
受講が決まった私にN山会長からはそんな助言があった。

それなのに遅れてしまった。一体どんなことになるのだろうか・・・
この額を流れる汗は暑いからだけではない(ハズだ)。

これが国立登山研修所の入り口。空がまぶしい。体育館内は激アツだったそう。

スタッフに誘導され、講習会場である体育館へ。
「オクレマシタ、スミマセン・・」

私の期待は良いほうに裏切られ、講師陣は極めてにこやかに迎え入れてくれました。そして受講生を見渡すと、先着していた当会のT橋さんをはじめ、天覧山でご一緒したM塾の面々がちらほら。10名ほどの受講生の皆さんはとてもフレンドリーな方ばかりで、とても良い雰囲気の会場に一安心でした。

さて今回の講習、2つにクラスが分かれており、私が参加したのは「クラス2(ロッククライミング セルフレスキュー)※」講座でした。
クラス2ではマルチピッチの登攀中にアクシデントが発生、相方をレスキューするための一連の技術を教わりました。
※クラス1はファーストエイドでした

■主な講習メニュー(クラス2)
<基礎編>
ムンターやクローブといった基礎的な結索技術、フリクションヒッチ、フィックスロープの登り返しと懸垂下降、仮固定
<レスキュー>
上記技術を総動員して1/3レイジングシステム、振り分け懸垂

特に、リーダーレスキューとなる振り分け懸垂は、なかなか練習の機会がなく初めての経験。
実際にテンションロープを切断するなど貴重な経験を積むことができました。

振分懸垂セット後にテンションロープを切断するT橋さん
(要救役の方からは画像掲載承諾済み)

上記のように盛りだくさんの内容を含んだ3日間の研修(と夜の宴会)はあっという間に終わりましたが、これからしっかりと復習し、また会の皆さんにもお伝えできる機会を頂戴できれば幸いです。

今後もこうした研修にはできる限り参加して、最新の技術を身に着け、自らのみならず会のレベルアップに貢献できればよいなと感じた3日間でした。

最後に、献身的に指導いただいた講師のみなさんや、一緒に学んでくださった受講生のみなさんには本当に感謝です。またどこかの講習や山でお会いできることを楽しみにしております。

以上、講習会の参加報告でした!

(おまけ)電鉄富山駅にはヘッドマークがずらり。体内の鉄分が沸き立ちます。

※講習会に関する報告UPについては講習会事務局よりご了承いただいております。

阿寺 岩訓練(5月会山行)

日程 2024年5月26日(日)
メンバー
 Aチーム : N村(L)、I澤、Y代、U田(記録)
 Bチーム : I村(L)、N山、A木(記録)

5月の会山行はこれからの沢/岩シーズンを睨み、いつもお世話になっている阿寺で岩&レスキュー訓練となりました。

訓練開始前に、N山さんが念入りに虫よけ対策をして下さいました。

====Aチーム====
初級Aチームは基本的なロープワーク・マルチピッチクライミングのシステム練習・レスキュー訓練を実施しました。

まずはマスト・半マストの復習から。N村リーダーが丁寧に実演・チェックをしてくださいます。続いてブーリン・ガルーダという結びを初実践。ブーリンは一生に一回使うかどうか!?とのことでしたが、全員一番熱心に練習していたと思います。

支点だけでなく階段の手すりも利用しながら各自練習します

さらに半マストで懸垂と、バックアップを取るロープスリングがどれだけ脆いかは体感するために、実際にロープスリングに摩擦をかけまくってみました。あっという間に簡単に切れてしまうロープスリングにぎょっとし、バックアップはあくまで補助だと実感します。

半マストで懸垂

昼休憩を挟んだあとは、マルチピッチクライミングの練習です。

どこで支点をとるか、現場にある木や岩を使いどういった支点の作り方をするかを実践します。登りながら判断するのが大変難しく、知恵熱が出そうになりました……。

最後は滑落者の事故対応。初級コースは岩稜帯で同行者の滑落(ハーネスなし)を想定しての対応手順を実施しました。バンド帯に落ちた滑落者のところまで懸垂し、シートベントを作り滑落者を仮固定するところまでを実施します。実際に滑落場面にあたった場合、引き上げるのは現実的ではないのがよく分かりました。

懸垂して滑落者のところまで下降
滑落者を仮固定。(滑落者が少しうれしそうに見えるのは気のせいでしょうか……)

訓練終了後は全員でクリーンアップ活動を実施しました。盛りだくさんで時間いっぱいまで訓練でき、N村リーダーありがとうございます!実地でフリーズしないように、復習をがんばらなければと頭ぱんぱんになった一日でした。

====Bチーム====
フレッシュなAチームとは対照的にオジサン?ぞろいのBチーム。
まずはベンチ横で滑落者救護シミュレーションを実施。
単純な技術の復習だけでなく、他パーティーの遭難救護を行う際に確認すべき事項など、N山さんの経験を交えたケース検討と救護トレーニングを行いました。
その後は駐車スペース付近に新設作業中の岩場に移動(さらに新たなクライミングエリアを開拓されている管理者さんには本当に頭が下がる思いです)。土や草を払いながら恐る恐るFIXを張ったのちに登り返し等の訓練のほか、各々バッチマンの研究や岩場整備のお手伝いなどを堪能しました。

一通りのメニューをこなした後は。。。岩を前にすると、どうしても登りたいものです。
I村さんとA木は以下のルートを登って時間終了。
充実したトレーニングの一日を終えました。

 ・ そっと立つんだ 5.9+
 ・ めたろう 5.10b
 ・ フェースメーカー 5.10bc

==クリーンアップ活動==
岩場を後にしたのち、所属するSMSCAの活動の一環として清掃活動に参加しました。
当会が清掃を行ったのは平戸の岩場~東吾野駅のエリア。
ぱっと見た感じでは判らなかったのですが、林道わきには多くの不法投棄らしきゴミが・・・昭和の匂いのする空き缶をはじめ、怪しげなDVDなどに驚きつつ、可能な範囲ではありますが多くのごみを収集。ゴールの東吾野駅でBBQ帰りと思しき大学生の群れを横目に記念撮影して活動終了となりました。(群れの移動後にまたゴミがあったのでさらに収穫量UP・・)

清掃活動終了!ゴール地点の東吾野駅にて(一部画像処理しています)