メンバー:➀T嶋さん、S木さん、I澤
➁A木さん、H島さん、O滝さん
日程:2025年11月8日(土)
6:30大平山荘駐車場-8:40懸垂下降点-10:30中央稜取付き-13:50➀➁両パーティが中央稜完登-15:40大平山荘駐車場
天気:曇り時々晴れ。西風が冷たくとても寒かった。
10月の会山行担当はY内会長!
お忙しい中、考えて下さり、乾徳山旗立岩中央稜に決定。
どんな岩場だろう?と調べてみると、日本登山大系には「戦前から親しまれている」岩場と書かれている。
時代を越えて、先人達と同じ岩を登る。なんだかロマンを感じますね!😙
埼玉県を4時前に出発し、大平山荘の駐車場に駐車させて頂く。1日800円です。
計画より30分早い6:30に出発。
大平山荘駐車場。冷え込んだ朝。霜柱が立っていた。
ボルダリングしたくなるような大岩あり、髭剃岩ではしゃいでみたりと、楽しいアプローチでした!
8:40には懸垂下降点到着。
懸垂下降支点はハーケン2つ、リングボルト2つあり、掛かっている捨て縄は新しそうなものもありました。
懸垂下降支点。ハーケン2つとリングボルト2つ。支点・岩溝の入り口までクライムダウンするのだが、結構危ない。セルフビレイを取って慎重に降りました。
懸垂は25m×2ピッチで、1ピッチ目は狭い岩溝の中を下ります。
引っ掛からないように、ロープの半分は投げて、もう半分はテラスで待機するメンバーから送り出してもらう形で下降しました。
2ピッチ目は広いルンゼ地形を降りていきます。
両ピッチとも浮石が多く、慎重に降りていても落石させてしまいます。
下引きでバックアップしていると、目の前をとんでもない速さで落石が通り過ぎていく。
「フォールラインには入らない」ことの重要性を痛感。
懸垂下降1P目。狭い岩溝を下りる。
懸垂下降1P目終了した所にあるテラスにて日向ぼっこをする。
懸垂下降2P目。幅広のルンゼ地形。下降するH島さん。
懸垂下降を終えたら、岩壁沿いにトラバースし、旗立岩中央稜取付きへ向かいます。
取付きへ向かう踏み跡は落ち葉に覆われ不明瞭なうえ、浮石だらけで、私I澤が落とした落石は特大サイズで、皆さん上手く避けてくれましたが、あわや大惨事となるところでした。申し訳ありませんでした!
落石の多い場所では、「距離を開けず行動する」ことの重要性も痛感。
途中でピンクテープを見つけ、何とか取付きに到着。
準備をし、T嶋さん、S木さん、I澤の➀パーティが先発。A木さん、H島さん、O滝さんの➁パーティが後発です。
➀パーティは私I澤が全ピッチリード、
➁パーティは1ピッチ目:A木さん、2ピッチ目:H島さん、3ピッチ目:O滝さんがリードしました。
(以下、I澤の感想)
【1ピッチ目】(5.6)
〈リード〉パーティ➀:I澤 パーティ➁:A木さん
1ピッチ目は美しい形の尖塔、The岩峰を登っていきます。傾斜の寝た壁を登っていきます。
ボルトはなく、残置は全てハーケンです。
尖塔のピークを目指してやや左側を登った後、上部で右にトラバースして、右カンテに取付きます。
右カンテに核心とされている小ハングがあります。小ハングを越えた後、右側面をトラバースすると、同じリスにハーケンが3つ打たれているので、そこを終了点にしました。
カンテを回り込むようにロープがかなり屈曲しますので、信じられないくらい重くなります。
1P目出だし。I澤。
上部にS木さん、下部にT嶋さん。
終了点は同リスに打たれたハーケンだけでは心配なので、左上にあった別リスに打たれたハーケンと、持参したキャメロット#0.75でバックアップを取りました。合計4カ所から支点を取りました。
核心は小ハング乗越しとされていますが、その前のトラバースの方がいやらしく感じました。
トラバースでは、中間支点に利用できるハーケンが膝の高さあたりに打たれているからです。
そして何よりも、このルートの最大の核心は岩の脆さ、カタカタ動くホールド、浮石です。
慎重にホールド、スタンスを選ばなければならず時間がかかりますし、精神的に削られます。
また、山行当日は気温一桁台、曇りがちで、冷たい西風が吹いており、壁に取付いている時間が長ければ長い程、体温を奪われ、手はかじかんでいきます。
アルパインクライミングとはこういうものだと、良い経験になりました。
セカンドで登ったT嶋さん、S木さんも奮闘し、無事終了点へ。お疲れ様でした!
➁パーティはA木さんのリード。流石、A木さん。盤石の登攀でした!
フォローで続く、O滝さん、H島さんも危なげなく完登。流石です!
➁パーティ。H島さんを引き上げるA木さん。
丁度、核心の小ハングを登るH島さん。
【2&3ピッチ目】(Ⅲ級)
*➀パーティは2ピッチ目と3ピッチ目を繋げて登りました。
〈リード〉パーティ➀:I澤
パーティ➁:2ピッチ目:H島さん 3&4ピッチ目:O滝さん
出だしの凹角を登った後は階段状になります。
ピッチを切る場合は階段状を抜けた所で傾斜が緩くなるので、H島さんはそこでピッチを切っていました。岩にスリングを掛けて2P目終了点としていました。
私I澤は繋げて登りました。繋げて登ると50m丁度でしたので、ライン取りによっては足りない可能性もあると思います。50mロープではピッチを切った方が確実ですね。
3P目の終了点にはハンガーボルトが2つ打ってあります。
中央稜ルートでハンガーボルトが打ってあるのはここだけだったと思います。
2&3ピッチ目は2ピッチ目出だしの凹角と、3ピッチ目最後のフェイスが若干のクライミングムーブになりますが、ホールド・スタンス共にしっかりあって、クライミングシューズであれば問題なく登れると思います。
因みに、2&3ピッチ目はハーケンすらほとんどなかったと思いますので、カムがあると安心です。
2P目出だしの凹角。S木さん。
➀パーティ。3ピッチ目終了点にて。フォローで上がってくるS木さん。
➀パーティ。3P目終了点にて。フォローで上がってくるT嶋さん。
➁パーティ。H島さんが岩にスリングを回して作ったビレイポイントにO滝さんが到着。A木さんがフォローしている所。
【4ピッチ目】(3ピッチ目終了点~雨乞岩のある一般登山道まで短い岩稜歩き)
*➁パーティは3ピッチ目と4ピッチ目を繋げて登りました。
〈リード〉パーティ➀:T嶋さん、S木さん
パーティ➁:O滝さん
3ピッチ目終了点から一般登山道までの短い岩稜歩きです。
顕著な馬の背状のリッジ歩きですので、スリング等での中間支点は取らず、ロープをリッジ上に縫うように掛けることで中間支点としました。
終了点は岩にスリングを回して作りました。
➁パーティ・O滝さんが3P目終了点を通過し、短いリッジに突入する所。O滝さんは3P目と4P目を繋げて登りました。この日は雪化粧の富士山が良く見えていました!12月雪訓は富士山でできるかも…!?
3P目終了点直下。H島さんがフォローで登る。
4P目終了にてO滝さんが引き上げている所。完登です!
計画では山頂直下・第一岩稜の2ピッチ目も登る予定でしたが、時間が押している+ガスっていて景色悪い+寒さで疲れた!ということで、登らず下山となりました。
またの機会に取っておきましょう!
下山は登りと同ルートです。サクサクっと下山しました。
【まとめ】
今回は今年入会された方にとっては恐らく初めて?のアルパインクライミングとなりました。
まずは、事故なく、山行を完遂出来て本当に良かったです。
とはいえ、アプローチの浮石パラダイス、リーダーの私I澤が特大落石を落としたこと、クライミング中の寒さ、岩の脆さ・浮いている、残置支点がハーケンのみ、屈曲してロープが信じられないくらい重くなるなど、アルパインクライミングの難しさを改めて思い知らされました。
アルパインクライミングでは、クライミング力は当然のことながら、壁の中で起きる・感じる様々な出来事に対処できる対応力も重要。
焦らず、時間をかけて、一つひとつの技術に磨きをかけていきたいです。
メンバーの皆様、緊急連絡先をお引受け頂いたY内さん、今回もありがとうございました!