山のグレーディング調査 武甲山(会山行)

遭難予防の観点から登山道を通過する登山者に求められる「体力度」および「技術的難易度」の二面から評価(グレード付け)するにあたり登山道を実地調査し、そこを通行する登山者に求められる技術・能力などの技術的難易度を評価した。また、同時に県岳連主催で毎年恒例のクリーン登山活動も行った。

調査日:2025年6月8日(日)

調査者:Y下(68)・N山(66)

天候:曇り、スタート時気温21℃(若干蒸し暑い)

行程:横瀬駅5:00ー一の鳥居6:30ー表参道ー武甲山8:30ー小持山ー大持山ー妻坂峠ー一の鳥居12:00ー横瀬駅13:30

武甲山にはかつて裏参道と途中から分岐する西参道と屏風道が存在し、屏風岩なる岩登りの対象となった200m位の大きな岩場があり当会からも参加して県北や秩父の岳人達による開拓が行われた時代があった。今は削られてしまい当時の面影はないが、あのあたりにあったよな~と当時に思いを馳せながら汗をかく。また西武鉄道が開通する前は熊谷経由で秩父駅から歩くから一の鳥居下の宿屋が連ねたところまでが1日目で、翌日登頂後に裏参道や橋立道など西側に下山していった。

昔の面影など一切ない面白くないアスファルトの車道の往復は、もうすぐ50年になる盟友と武勇伝に花を咲かせて歩くが、どうしてもいつのまにか年齢的にシモ話に脱線してしまうのも仕方なし。

グレード付けと言えば、昭和40年には当会は遭難防止の観点から独自に岩場のグレード付けを行い、提出された山行計画書を評価し、組織としての承認責任を果たしていた。昔の会報に記載があるので興味が湧いたら探して読んでみても良いかもしれない。現在のグレード付けと比較しても遜色ないので先輩たちの先見性・独自性といった発想力の凄さには脱帽である。

長い前置きはこのくらいにして本題に移ろう。

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踏査した結果は次の通りである。

①ルートは全般的に明瞭

②反時計回り(武甲山→大持)で踏査したが小さな岩場の下りで不安定な姿勢を強いられることから反対方向(時計回り)のほうがつまずいた際の転落距離が短くなるのでより安全と思われる。現地案内図も妻坂峠→大持→武甲山周回で表示されていることから現地と同じにするのがルート設定として整合性が高く、このコースで歩く登山者がほとんどであった。実情に合わせたほうが良い。

③足の置き場が狭い部分もあり時に慎重な足捌きが必要。

④道標が古く苔むしており文字の判別が難しい。

⑤分岐点での道標の矢印が必ずしも実際の方向と合致していないため一旦立ち止まって地図等で進行方向を確認する必要がある。

⑥電波状況:一ノ鳥居以降すべて「圏外」

⑦橋立口通行止め

横瀬駅から武甲山を周回して戻るルートはヤマレコの計画作成機能「らくルート」で標準倍率でも10時間47分、距離して21.4kmと公共交通機関を使った日帰り山行としては始発駅出発時刻や駅帰着時刻に多分の無理があり、途中に避難小屋や幕営地点もないことから事前に必要な準備(リスク管理)を行った上で実施されるのが良い。

クリーン登山の結果は、僅かだがゴミを回収した。