パーティ➀:N山、F寺、Ⅰ村(L)、T橋、A木(SL)、U田、Y代、Ⅰ澤
パーティ➁:N村、S方(3/9(日)のみ参加)
日程:2025年3月8日(土)-9日(日)
1日目:10:50二居パーキング-11:05東谷山入山口-11:45東屋-雪洞適地に移動し訓練
2日目:8:00訓練スタートー11:40下山開始
3月会山行は「雪洞に泊まってみよう!」ということで、昨年できなかった雪洞泊をやることに。
「雪洞に泊まってみよう!」と思ったら、ご指導頂ける先輩がいる。
とってもありがたいことです。
これも当会約70年の歴史で技術が伝授されている証。
【1日目】
「雪洞泊なんだから楽しまなくっちゃ❤️」ということで、居酒屋さながらの仕入れツアーを敢行。
まず、『永井食堂』さん。お目当てはもちろんモツ煮。自販機でサクッと購入できるので、日夜問わず働く仕入れ担当にはありがたい。
「モツ煮にはやっぱりネギだねよ❤️」ということで、コンビニの地場野菜コーナーで激安・極太ネギを入手。
これで終わりかと思ったら、そこに別車両から「いい酒屋があるよ❤️」と情報あり。
そう...離れていても思いはひとつ。それが浦和渓稜山岳会だ(笑)
『一桝屋』さんで、にごり酒(一升瓶)を購入。
開店準備が整ったので、集合場所の二居パーキングへ向かう。

初日は天気が良かったので、『宿場の湯』前の駐車場は満車で、二居パーキングに駐車する。
しばらく舗装された道を進み、東谷山入山口に到着。そこから40分程で途中にある東屋に着いた。

東屋下の斜面に雪洞を掘れないかとプローブで積雪量を測るが、8人が泊まるには足りなそう。
N山さんから「もう少し登ったところに吹き溜まりができている適地があるよ」とご助言頂き、T橋隊長、U田さん、私の3人で適地を探す旅に出た。
登山道から逸れて斜面をラッセルしてトラバースしたところに、尾根上に積もった雪で形成された雪壁があったので、ここでも出来るなと思って東屋に戻ろうとしたら、、、

N山さんから「もう少し行った所にもいい所があるよ」とご助言頂き、5~10分くらい登山道上を進むと、明確な吹き溜まりができていて、プローブで測ると十分雪があったので、そこが良さそうでした!

こちらの方が積雪量が多かったですし、雪壁になっていないので、尾根上の登山道から吹き溜まり下にアプローチできました。
最初に見つけた雪壁は登山道から逸れて、ラッセルしてアプローチする必要がありましたし、雪壁になっていたので、雪が締まって硬く、掘るのに苦労したかもしれないです🤔
これも試してみないとわからいですね~。何事も経験!
早速、適地に移動し雪洞作りスタート。
今回は8人用の巨大雪洞である為、2カ所から掘っていき、雪洞内で繋げる作戦だ。
入口はしゃがんで入れるほどの大きさにして、中の空間を広げることで、外気の流入を最低限にすることができる。


雪洞作りに必ず必要なのはスコップ、スノーソー。
あると便利なのは、雨合羽、レジャーシート、ノコギリ、文房具の下敷き。
雪が解けて濡れるので、雨合羽があると便利。
レジャーシートは掘り出した雪を運び出すのに使う。自分の下に敷いて作業すれば、濡れ防止にもなる。
ノコギリは邪魔な木や根を取り除くのに使う。スノーソーの代りにもなる優れものだ。
下敷きは最後の仕上げの工程で使う。プラスティックの下敷きを使って天井の凹凸を滑らかにすることで、天井からの水垂れを減らすことができる。
雪洞作りだけではない。
T橋さんは外でキッチン兼食卓作り。立派な特設会場が出来上がった。
F寺さんは、私が作った微妙なトイレを熟練の技で手直し。
トイレへと続くウィニングロードも施工頂いた。
全員一丸となって取り組むこと3時間。やっと雪洞が完成。
お楽しみの宴会へ!
まずは、T橋さん制作の特設ダイニングでお食事。
肉が旨いのなんの。寒いのなんて気にならない旨さ。
あれだけの食材買い出しするの大変だったと思います。
T橋さん、食事担当の皆様、ありがとうございました!!

雪洞に潜り込んでからは、水作り後、宴会再開。
今朝、仕入れたモツ煮とにごり酒、F寺さん特製のホットワインなど最高の夜でした!!
ちなみに、雪洞内にはロウソクを灯すことを忘れず。
理由はひ・み・つ...ではなく、酸欠に気付くためですね~

【2日目】
初日の夜、雪洞内で煮炊きしたので、寝る頃には結構天井が落ちてきていて、大丈夫かなと心配していましたが、朝起きてみるとそれ程落ちておらず、ほっとしました。
こればっかりは外気温や雪質などによって変わるのでしょうから、読み切れません。
2日目のメインはイグルー作り。
その前に、Y代さんと私は、N山さんとF寺さんのご指導の下、ツエルト・ビーコン・プローブの使い方を学習しました。
N山さんがビーコンを埋めて、それを3人で探したのですが、ビーコンが小さいこともあり全然プローブがヒットせず苦労しました。
プローブは隊列を組み、「左、真ん中、右」などの掛け声に合わせて、足元の雪面にプローブを差して、ヒットしなければ一歩前進を繰り返しながら埋没者を探していく。

最初に作ったイグルーは大きすぎて、完成までたどり着きませんでしたが、大きくて立派でした!
2つ目に作った小さめのイグルーはなんとか完成させることができましたよ~

➀雪面に円を描いて大きさを決める。
➁円内の足元の雪をスノーソーで切り出して、ブロックを積み上げる。
✓この時、出来るだけブロックを内側にずらしながら積み上げていく。
✓複数人いる場合、内側と外側に分かれて、助け合いながら積み上げると効率よい。
③ある程度積み上がったら、、、
✓イグルー内底面の外周を三角柱形に切り出して、天井を作る段階に入る。
✓三角柱は強度を保てる範囲でなるべく長いものを切り出し利用すると効率が良い。
✓外周をえぐるように切り出すことで空間が広くなる。
✓円周を一周切り出し終えてしまったら、足元の雪を同様に三角柱形に切り出し利用する。
★この段階では頭上からブロックが崩れてくることがあるので、内側の人はヘルメットがあると安心。
➃全体が完成したら、内側・外側からブロックの隙間を埋めたり、補強したりして完成。
雪洞同様、制作には時間・労力かかりますが、中は風が遮られ暖か。
貴重な経験をさせて頂きました!


イグルー作りが終わった頃にN村さん、S方さんが到着。
時間の都合上、泊り組は先に下山。
一緒に訓練はできませんでしたが、以下に訓練内容・S方さんの感想を載せさせて頂きます。
下山後は、F寺さんがたまたま持っていた割引券を使って『雪ささの湯』さんで入浴。
赤城高原SAで食事をして帰路につきました。

【S方さんの感想】
訓練内容は、半雪洞、雪庇越え、ビーコン、コンパスの使い方でした。
半雪洞は怪我人が出たときのことを想定して15分以内に作れるようにタイムをはかって練習しました。
シートの隙間から風が入らないように想定しながら作るのが難しかったです。
半雪洞で命が助かった人がたくさんいると聞いて、大切な技術だなと思いました!
すぐに作れるように、頻繁に練習してみようとおもいます。
ビーコンは思っていたより見つけるのが難しくて、でも教えてもらったようにふりふり探すと見つけることができました。
これは使う機会はそんなに無いそうですが、忘れずに覚えておこうと思いました。
雪庇越えも難しくて、ラッセルと少し似ているけどもっと難しいなぁと、、
いつか実践で使ってみたいです!
道中も、木は生きていて温かいからまわりに雪が無いんだよとか、興味深いお山の話をしてくださいました。
マンツーマンで教えていただきありがとうございました!

【訓練を振り返って】(Ⅰ澤)
私にとっては初めての雪洞泊、イグルー作りでした。
山に精通した先輩方のお陰で、貴重な経験をさせて頂きました。
ありがとうございました!
「雪洞?もちろん作ったことあるよ。泊まったこともあるんだぜ!」
「イグルー?もちろん作ったことあるよ~」なんて自慢出来ちゃいますね(笑)
良い斜面もない、積雪量も少ないなんて時の為に、今度はスノーマウントやってみたいです。
遭難対策の観点で言えば、もちろん、雪洞もイグルーも重要な技術です。
テント、ツエルトが破損して使えない。風で飛ばされ、喪失してしまった。
でも、スコップはある。スノーソーはある。
こういう状況、あり得ますよね。
何事も経験。当会は“オールラウンド”に活動する山岳会。
あらゆる状況に対応できる一人前の山屋を目指して、訓練を重ねていきたいです。