谷川岳 西黒尾根(会員山行)

メンバー:N山さん、F寺さん、Ⅰ澤(L/記)
日程:2025年3月2日(日)
天候:曇天(時間が経つにつれ風が強くなった)
7:55ベースプラザ-8:05西黒尾根登山口-10:40ラクダのコル-12:00トマノ耳-西黒尾根にて下山-14:45ベースプラザ

N山さんのお声掛けで、F寺さんと3人で谷川岳の西黒尾根を登ってきました。
いつもありがとうございます!
今シーズンは積雪量が多いようなので、2024年3月下旬に登った時とどう違うのか楽しみでした。

元々、この日はSMSCA講習会が予定されていて、谷川岳の天気予報は気にしていた。(SMSCA講習会は中止)
1週間程前までまとまった降雪があり、その後何日か晴天が続いたよう。
「晴天で溶けて、それが夜凍って、斜面がツルツルのアイスバーンになっているのかな」など想像を巡らせた。
先輩からは「雪結構降ったし、途中までしか踏み跡付いてないかもね。ラクダ辺りからラッセルだったら大変だ。」と脅かされていた。

結論から言うと、降雪後、それなりに入山者はいたようでしっかり道ができていた。
しかし、入山口から程なくして現れる鉄塔は昨年よりも埋まっており、今年の積雪量の多さを感じた。
次週に東谷山で雪洞訓練を予定していたので、それは嬉しいことだった。

鉄塔のすぐ上で、大学山岳部?らしき団体が訓練中。何かで支点構築して、皆で引っ張って強度テストをしているよう。

少し進むと、わかりやすい尾根を歩いていくことになるが、ここが危険地帯。
樹木より左側は雪庇となっており、迂闊に歩くと雪庇ごと崩壊して滑落する。
私も歩きやすいので雪庇の上の踏み跡を辿ろうとしましたが、N山さんとF寺さんから注意されて右側の樹林帯を歩きました。
幅広の歩きやすい尾根で油断してしまいますが、基本は忠実に。

歩きやすい尾根に見えるが油断はできない。樹林帯より左側は雪庇だと考えるべき。

ラクダの背の取付き手前でアイゼン、ハーネスを装着。ピッケルを出しました。
ラクダの背に取付いて1つ目の雪壁を越えると、目の前の景色に愕然。
昨年は岩と雪の壁を上り下りした記憶があるのですが、その部分には雪がどっさりと乗っていて登られていない様子。
今回は踏み跡のあった右斜面をトラバースしました。

2024年3月下旬の“ラクダの背”付近の様子。
今回の山行

道中、所々に巨大な雪の割れ目があり、自然のダイナミズムを感じました。
クレバス帯を進んでいるようで、なんだか冒険感があって良かったです。

そして、マチガ沢から続く谷川岳東面を見上げると無数の亀裂が。
ひぇ~、恐ろしい…いつ雪崩れてもおかしくないように見えました。

谷川岳東面。よく見ると無数の亀裂がある。

ラクダの背からしばらく進むとホワイトアウト。
すっかり特濃ガスに覆われて、風も強く吹くようになってきた。
10m先の先行者も霞む中、N山さんが先頭を進みます。

12:00トマノ耳到着。オキノ耳はあまりのホワイトアウトに断念。

ホワイトアウト練習の為に、下山は私が先頭を歩かせてもらいました。
山頂から続く緩斜面を下っていくと、短いですが一カ所、急斜面を降りる所があるのですが、あまりのホワイトアウトで一瞬、崖に出てしまったかと思い、立ち止まっておろおろしてしまいました。
後ろのF寺さんとN山さんは「何で直立して動かないのだろう」と不思議に思っていたことでしょう…

そんなこんなで何とかトレースを辿り、“ラクダの背”取付きまで戻ってきました。
ラクダのコル辺りまで降りてくれば、視界はある程度回復しました。

2024年3月の雪訓で下山ルートを間違えたので、今回はそのポイントも再確認。(最後の最後。尾根から外れて斜面を降りる所。)
やはり少しわかりにくいと感じました。観察力が大切ですね。

それから、登りで見かけた雪訓中の大学生?チームですが、梱包・搬送訓練をしながら下山していました。
腰まで埋まる深雪の中、頑張っておられました。

無事下山。
帰りは、『上牧温泉 風和の湯』さんで入浴して帰路につきました。
600円とお安い。(残念ながら3月末で閉店するそうです。)

【山行を振り返って】
2024年3月にN山さん、K村さんに西黒尾根に連れてきてもらって、その後9月に馬蹄形縦走の下山道として西黒尾根を使い、今回3回目の西黒尾根。
同じ西黒尾根でも積雪量などコンディションによってここまで違うのかと。
ルートでも技術でも、形式的に覚えるのではなく、理解して応用できるようになりたいものです。

また、1年前と同じ山に来て自分自身何が成長できたのかを考えると、安全登山の為の選択肢が増えたことだと思います。
今回は持参しただけで使いませんでしたが、必要があればロープを出せたと思いますし、
ホワイトアウトしていても、地図とコンパスで進むべき方向を見出すことができたと思います。
そういった安全登山の選択肢を増やせたことはこの1年間の成果だと思います。
これからも学べる環境・先輩方に感謝して、一つひとつの山行を大切に活動していきたいです。
N山さん、F寺さん、緊急連絡先をお引受け頂いたY下さん、今回もありがとうございました!