甲斐駒ヶ岳(会員山行)

日時:2025年1月31日(金)~2025年月1日(土)

メンバー:N山さん(気象)、U田(L・記録)

1日目:8:15 尾白沢渓谷駐車場 - 10:50笹ノ平分岐 -16:00 七丈小屋泊

2日目:6:00 七丈小屋 - 7:00 八合目御来迎場 - 8:25 甲斐駒ヶ岳山頂 - 10:30七丈小屋  - 17:00 尾白川渓谷駐車場

昨年からU田が行きたすぎてもだもだしていた黒戸尾根。昨年の宣言通り、今年はN山さんのスケジュールを(半ば無理やり)押さえお付き合いいただき、行ってきました。

時期は1月、まずは登れる天気かどうかが第一関門。一日目は強風予報でしたが宿泊予定の七丈小屋まではずっと樹林帯、稜線に出る二日目は風も弱まり昼過ぎまでは天気の崩れもなさそう。ということで決行です。

雪煙が舞い上がっているのが遠目からも分かる白根三山を眺めながら中央道を走り(いつも運転ありがとうございます!)、8時前に尾白沢渓谷駐車場に到着。8時過ぎにスタートしました。

序盤はこれから雪山に登るとは思えないような緩やかな樹林帯。落ち葉をかき分けながら、ばてないようにゆっくりと標高を上げていきます。

一合目までなんと約2時間!(配分が若干おかしい気もします)
3号目あたりからようやく雪が出てきはじめました。記録的豪雪になっている日本海側とは対照的に、雪が少ないようです。(南岸低気圧が今年はこなかった?)

13時頃、まずは最初の要注意ポイントの刃渡りに到着です。雪が少なく凍っている様子もなかったため、チェーンスパイクを装着して通過します。

14時半、6合目。山頂の方からは、聞いているだけでぞっとするような風の音がしています。ここから七丈小屋までは梯子や鎖が連続し、雪の量も増えてきたためアイゼンに履き替えました。(チェーンスパイクでも通過できそうですが、アイゼンの方が岩や梯子への引っ掛かりがよく安定しました)

夏に登った際の記憶はあまり残っていませんでしたが、雪がつくと緊張感が桁違いに。右側は切れ落ちており、滑ったら軽く数百メートルは滑落しそうな箇所を丁寧に登ります。

右側はどこまで落ちるのか、底が見えません

16:00 七丈小屋に到着。この日の宿泊は私たちを入れて4名。大きな小屋ではありませんが、装備は全て室内で乾かしてもらえ、お水もいただけ、食事はおいしく、寝床も暖かく、とにかく快適!外は相変わらず強風が吹き荒れていましたが、朝までしっかり9時間熟睡できました。

ずっしりと重量のあるハンバーグカレー。
N山さんが注文された七賢の純米大吟醸、ちょっといただきましたがびっくりする美味しさ!!

二日目、予定通り6時に小屋を出発。予報通り、昨日とは一転して風は穏やかです。

8号目御来迎場までは樹林帯の急登をもくもくと登っていきます。小屋泊の方1名が先行、さらにN山さんも先に歩いているというのに体が重い……。

日の出

ここからが緊張感のある細尾根や鎖場を通過し、いよいろ8号目のルンゼへ。トレースもついており、雪はしまっていたためアイゼンもピッケルをよく効きます。一番緊張していた箇所でしたが、下部は鎖も出ており、どちらかという純粋に急登を登る体力的なきつさの方が大きかったです(とはいえ緊張しすぎて写真をとる余裕はありませんでした!

甲斐駒のシンボル二本剣

ルンゼを終えてしまえば、あとはご褒美の雪稜歩きをして山頂に到着します。風は弱く、雲もなく、360℃の絶景が見渡せ、厳冬期とは思えないコンディション!

真っ白な仙丈ケ岳
のんびり景色を楽しみ、記念撮影。

山頂を満喫してから下山を開始。せっかくロープをもってきたので、8号目ルンゼはロープを出していただきました。大きなエコバックにコイル解いていれてくるようにと教わりましたが、そのままエコバックを枝にかけてロープを繰り出せ、なるほどー!と勉強になりました。また、ルンゼの途中で自分なりにロープを切る場所を考えてストップしましたが、あまりいい場所ではなく。判断が難しいです……。

いい天気だったため、ぞくぞくと日帰りする方たちが登ってきます。

10:30頃に七丈小屋へ戻り、休憩してから下山を開始。今回ベントしているピッケルを購入してみての初使用でしたが、梯子などでは都度都度しまいながら下りていると、N山さんよりピックを梯子にかけて降りれるとアドバイスが。実際にかけると、凍っている梯子を手で掴むよりもよっぽど安定しました……!

6号目に戻りアイゼンを外し、あとはひたすら黙々と下山をし、17時予定通りに駐車場に戻ってきました。今回小屋泊のため荷物はだいぶ軽かったですが、それでも足は棒のように疲れ切っていました。流石三大急登……。

ぐったりした足で尾白の湯でお風呂に入り、定番のほうとうを食べて帰路につきました。

ほうとう屋でおじやを頼む暴挙(お米おいしかったです)

とにかく疲れましたが、念願かなって冬の黒戸尾根を最高のコンディションの日に登ることができ、とにかく感無量でした!また、事故が多いときくルートを(自分なりに)判断して歩くことができて、少しだけ成長を感じることができました。

これもN山さんのスケジュールを無理矢理抑えておつきあいいただいたおかげです、今回もありがとうございました!!

八ヶ岳 大同心稜~横岳~地蔵尾根/アイスキャンディ(会山行)

メンバー:Ⅰ村(L)、U田(装備)、Y代(食糧)、Ⅰ澤(気象/記録)
日程:2025年1月25日(土)-26日(日)
1日目:8:00やまのこ村駐車場-10:15赤岳鉱泉テン場11:25-大同心稜-13:20大同心基部-14:30主稜線鞍部ー14:50横岳山頂-15:55地蔵ノ頭-地蔵尾根-17:05赤岳鉱泉
2日目:アイスキャンディにてアイス練-13:35赤岳鉱泉-14:50やまのこ村駐車場

1月の会山行は岩稜帯を歩く練習をしようと、西穂高岳や霞沢岳など候補に挙がったが、八ヶ岳に決まった。
1日目の方が風が弱そうだということで、初日に赤岳鉱泉をベースにして大同心稜~横岳~赤岳~文三郎道と主稜線を縦走することになった。

【1日目】快晴・ほぼ無風
8:00やまのこ村駐車場-10:15赤岳鉱泉テン場11:25-大同心稜-13:20大同心基部-14:30主稜線鞍部ー14:50横岳山頂-15:55地蔵ノ頭-地蔵尾根-17:05赤岳鉱泉

美濃戸口でチェーンを装着して赤岳山荘への林道を進む。
林道は昨年末よりも雪が少なくなっていた。
やまのこ村駐車場に駐車させて頂き山行開始です。

軽快に歩みを進め、あっという間に赤岳鉱泉到着。
受付を済ませテントを張り、少し休憩してから大同心稜へ出発。
硫黄岳方面の登山道を進みます。

素晴らしい天気だった。

斜面をトラバースする様に登っていき大同心稜上に出ると、それなりの傾斜の登りになります。

大同心稜を行く。大同心基部までは樹林帯だ。

大同心が見えた辺りで、Y代さんは前日の寝不足が祟り、テン場へ引き返すことになりました。

大同心を見上げる。ここから岩稜歩きが始まる。

大同心基部に到着したら、大同心は右側を巻きます。

大同心の右側をトラバースする様子。小同心左側壁は尖塔とそれを縫うように形成された岩溝を持つ。
大同心ルンゼ最上部の様子
要所要所で補助ロープを出した。
大同心を背に、鞍部まで詰め上がる。
鞍部に上がったところ。
横岳山頂にて記念撮影。後ろは硫黄岳、蓼科山。
主稜線を行く。赤岳方面。
地蔵ノ頭から撮影した赤岳と展望荘。

15:55地蔵ノ頭に到着。赤岳まで縦走して文三郎道で下山する計画でしたが、時間切れで地蔵尾根を下降することになりました。赤岳への縦走は次回の宿題です!

夕日に照らされた赤岳西壁。行者小屋より撮影。

暗くなる前に赤岳鉱泉に到着することができました。
やまのこ村駐車場を出発してから行動時間9時間、要所要所でロープワークの練習もでき、とても良いトレーニングになりました。

夜はY代さんが用意して下さったキムチ鍋!
沸騰した鍋の上でキムチ鍋の素(粉末タイプ)を投入すると、テント内にカプサイシンが一気に広がり皆ゲホゲホとむせた。粉末タイプは沸騰する前に入れるのがポイントですね(笑)
たっぷり野菜とうどんにお餅。とっても美味しかったです。
Y代さん、ありがとうございました!

キムチ鍋に餅をトッピングした図。美味しかった~!

【2日目】快晴
アイスキャンディにてアイス練-13:35赤岳鉱泉-14:50やまのこ村駐車場

朝ごはんはまたまたY代さんにご用意頂いた豚汁!
お陰様で朝から体はポカポカ、元気一杯です。

2日目はアイス練。昼過ぎまでのんびり楽しみました。
私個人としては昨年末の経験があり、前回よりも腕の力を温存して足で登る感覚を実践できたことは収穫です。裏側の垂壁にも挑戦できました。
アックスの振り方についてはY代さんから「アックスは握らない。小指に引っかけるだけ」と教わり、力任せでないコツを掴めたような気がしてます。

内田さんの登攀。1年振りとは思えない程、上手に登られていました。
Y代さんの登攀。アックスが一度で決まる。軽快に登られていました。
Ⅰ村さんの余裕のある登攀。流石でした!

アイス練後は鉱泉レストランで腹ごしらえしてから下山しました。

下山後はⅠ村さんお薦めの「蓼科温泉浴場」さんで汗を流して帰宅しました。熱々で気持ち良かった~。

赤岳までの縦走は叶わなかったが、補助ロープを積極的に使ったのでロープワークの練習ができたことは収穫でした。
また、登下降路としてよく利用される大同心稜、アイスルートである大同心ルンゼ、裏同心ルンゼの位置関係を確認できたことも収穫です。
アイスクライミングはコツが掴めると楽しさが分かってきて、本番ルートに行けるように練習したいと思いました。
アイスクライミングができるようになると、谷やルンゼ、ガリーを使った登山ができる。
山頂へアプローチするための手段が増える。

Ⅰ村さん、U田さん、Y代さん、緊急連絡先をお引受け頂いたY下さん、今回もありがとうございました!

白毛門(会員山行)

メンバー:Y内さん(SL)、Ⅰ澤(L/記)
日程:2025年1月19日(日) 天気:曇りのち晴れ
7:30白毛門登山口-10:20白毛門山頂10:45-下山途中斜面で訓練-13:20白毛門登山口-下山後斜面でラッセル訓練

去年撤退した白毛門に再挑戦してきました。Y内さんお付き合い頂きありがとうございました!
去年は雪降る中、それなりの積雪があった為、終始Ⅰ村さんにラッセルして頂いたものの、松ノ木沢ノ頭付近で撤退となりました。山のコンディションもさることながら、自分自身の力不足を感じた山行でした。
今回は天気は良好、トレースばっちりでラッセルなしと、とても良いコンディションでした。
それでもやはりこの山の急登は痺れます。とても良いトレーニングになりました。

始めのうちは暫く樹林帯を登っていく
このように開けてくるとまもなく雪稜になります
気持ちの良い雪稜を歩きます
まもなくドドンと白毛門が現れます
山頂直下の急登。凍っていたら難易度は段違いに上がるだろうなと思いました。
山頂直下にある唯一の鎖場(写真中央のピーク部分)
山頂にて、Y内さんと一ノ倉沢。
山頂にて、一ノ倉沢をバックに記念撮影。360度周囲の山々を見渡すことができた。

想定よりも早く登頂できた為、山頂直下の急雪面で、Y内さんが昨年末の剱岳で使おうと自作していた木製スノーバーの加重テストを実施しました。
スノーバーを埋める場所、深さ、加重の角度など抑えるべきポイントはありますが、しっかり決まれば斜面を懸垂下降しても抜けず、それなりに信頼できる支点になることが分かりました。
それにしても、自作してしまうなんてY内さん流石です。

白毛門下山後も時間があったので周辺の斜面でラッセル訓練をしました。
剱岳のラッセルパラダイスを戦ったY内さんからご指導頂き、ものすごい急斜面におぇおぇと喘ぎながらラッセル。とても良いトレーニングになりました。

ラッセルするⅠ澤

昨年1月に撤退して、9月に馬蹄形縦走して、今回白毛門に再挑戦することができた。
何かやり残していた宿題を終えたようなスッキリした気持ちになった。
やはり、一つひとつの山行を大切にして課題に向き合っていきたい。
ご一緒頂いたY内さん、緊急連絡先をお引受け頂いたK村さん、今回もありがとうございました!

広河原沢 クリスマスルンゼ

日程 2025年1月18日
メンバー I村(L)、A木(記録)

いよいよシーズン真っ盛り、ということでSNSはじめ方々で「バッチリ氷結!」と噂のクリスマスルンゼに行ってきました。

登山口の舟山十字路についたのは6:30ごろ。
さすがシーズンということもあってすでに駐車場はほぼ満杯。それでもなんとかスペースを見つけて駐車完了。

アプローチは約1時間半。途中、アックスを忘れたーと悲しむパーティと会話しつつ目的地に到着。

すでに3組ほどが取り付いており満員御礼の予感。楽しそうに動画を撮影している外国人パーティーに声をかけてそのすぐ左側から登攀開始。久しぶりにリードさせていただきましたが、やっぱり怖い。そして氷が硬い!スクリューを必要以上に消費してテラスに上がる。

上段はI村さんがリード。スムースな登攀はさすがです。

その後はTRで上段をひたすらトライ。少しは慣れてきたなーと思ったら、アックスを打ち込んだ際に飛んできた氷で上唇付近を強打。血は出るは腫れるはでアイスクライミングの醍醐味を堪能?しました。

そうこうするうちにあっという間に14時過ぎ。飯も忘れて登っていたことに気づく。
そそくさと下山してハラヘリ2名組はいつものハルピンラーメンを食して帰路につきました。(唇キレてるのに辛いのを食べて悶絶)

以上ご報告でした。
晴天の中、思い切りアイスの練習ができて大変良い山行になりました!まだまだシーズンは続くので、1本でも多く登って上達したいなと改めて感じました。ご一緒いただいたI村さん、ありがとうございました。

※2名で楽しみすぎて写真は帰り際に証拠写真的に撮った1枚だけです。スミマセン。