2022.11.12 子持山獅子岩

11月の2週目は渓稜祭である。会員一同が集まり焚火を囲んで酒を酌み交わし、山について語り合う。この数年はコロナの影響もあり開催していなかったが、新人も増えたこともあり、久々に開催されるとのこと。それに合わせて有志5名で獅子岩マルチに。

8時に子持神社駐車場に集合し、乗り合わせて登山口の駐車場に。

Aさんが先頭に立ちアプローチ。沢沿いの登山道を、まるでロープもギアも持っていないかのような軽やかな足取りで、先を行く登山者を次々と抜かしていく。分岐の標識ではAさんの汗がしたたり落ちる。

迷うことなく基部に到着。2パーティの待ち、さらに上に登っている組があり、相変わらずの人気。約1時間ほどの待ちの間、のんびり準備をすすめるが、Y兄貴から「あ、ルベルソ忘れた」との告白。

お勤めを終えて晴れやかな兄貴

マルチピッチのリスク管理について、Sさんからよく聞こえるひそひそ声で貴重な体験談が語られる。貴重な知識を得て、リスクを減らすべく、それぞれ茂みに消え、身を軽くする。

女子2人、男子3人の組み合わせとなり、女子チームが先行する。11月だが無風快晴で絶好のクライミング日和。Tシャツ1枚で挑む。

10時過ぎ、登攀開始。

離陸前最終チェック 高まる緊張

女子チームは奇数ピッチをTさん、偶数ピッチをSさんが担当。

1ピッチ目は、トポの1・2ピッチをつなげるスラブから傾斜が徐々に立ち垂壁へ。

話しかけているのは誰? Tさん

Tさんの1ピッチ目、一人での語りが止まらない。登りながらずーとしゃべっている。それに対し、フォローのSさんは全くしゃべらず。いつものにぎやかさは影を潜める。二人ともそつなく上り、核心のハイステップを丁寧に乗り越える。

登るときは寡黙なSさん

女子チームが1ピッチ目を登ったところで2ピッチ目を上る前のパーティのリードが落下。緊張が走る。足をやってしまったという声が聞こえるが、どうにか登り直し、継続していく。

やる気みなぎるAさん

男子チームはどう組むかを話すが、Y兄貴からは確保器がないのでフォローで、とリードを固辞。やる気みなぎるAさんが奇数ピッチ、Iの偶数ピッチで挑む。危なげないAさんのリードに続きIが登りY兄貴が続く。安山岩のスラブは滑りにくく登りやすいが、ところどころおっという感じのムーブが求められる。何回か来たことがあるので今回ゆるめの靴を履いてきたところ、たち込みができずに焦る。

2ピッチ目、自分がリード。足元に不安を感じながらどうにか上がっていき、巨大なフレークをピンチで持って乗り越す。

3ピッチ目 離陸直後の兄貴

核心ピッチの3ピッチ目、Aさんのリード。初見では結構手こずる人が多いところだが、サクサク登っていく。ただ、登り終わって、ロープアップでトラブル。片方のロープがハンガーともう一方のロープに引っかかり動かない。動くほうのロープだけを先にあげ、Y兄貴が登って外すことに。二人同時登攀ができないので、ここで大きくタイムロス。

4ピッチ目は再び自分がリード。4ピッチ目のスラブを上ったところで先行する女子チームがいない。時間短縮のため継続して5ピッチ目に突入。ロープが重たいがどうにかテラスに抜ける。相変わらずルート取りがわかりにくい。

支点をもう少し上に作ればよかったIのビレイ

テラスに出ると女子チームは早々にハーネス、ロープをしまい、最終ピッチは登らずじまいを決め込んでいる。自分もそれに倣っていいかなと思っていたが、登ってきたAさんY兄貴は登るということで自分も連れられる。

短い最終ピッチを抜けるとすでに2時を過ぎている。グータッチで登攀を締め、道具を片付けながら遅い昼食を取ろうとしたが、食糧を車に忘れたことが発覚。気落ちする自分にAさんがさりげなく渡してくれた、ちくわパンが空腹にしみて非常にうまい。見つけたらリピートしたいもの。ごちそうさまでした。

下山後は温泉で汗を流し、長瀞の渓稜祭会場に一路車を走らせる。皆で乾杯したビールが最高に美味しく、ちょっと飲みすぎました。